天草洸輔は勇者である   作:こうが

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さて…………ってもう12話なんだ!(驚)今回は戦闘シーンが多めでございます!あらかじめご了承ください!!

では本編です!どうぞ!!


12話 乗り越える強さ

「七体か」

 

樹海化によってこの世界にきたあと僕はすぐにバーテックスの数を確認するため、アプリを開いた。すると今までとは桁違いの数のバーテックスが確認できた。

 

「急にごり押し戦法にしてきたわね、あいつら」

「なんで、すぐに攻めて来ないのかなぁ?」

「確かに、どうしてでしょうか?」

「まぁ今は考えても仕方がないわ!覚悟を決めましょうみんな!決戦になるわよ!!」

 

風先輩の掛け声で、皆が同時に制服から勇者服へと変化していく。

 

「さて、と準備完了かな」

「私も準備完了ーっと!」

「同じく、準備完了です」

「いつでも行けるよ!お姉ちゃん!」

「OKよ、とりあえずバーテックスが一度見える位置まで移動しましょ!」

 

皆で一度移動しバーテックスが視認できる距離まで移動する。

 

「目標捕捉!!」

「なんか、一体だけやたらでかいのがいるわね。アイツが親玉って感じかしら?」

「もしかしたら、そうかもしれませんね。でも回りにいる敵も警戒しておかなきゃいけません」

「そんなに難しく考えなくても、全部殲滅しちゃえばいいのよ!」

「ま、まぁそうだけどさ……」

「うっし!じゃあとりあえずあれやりましょ!」

 

そういうと風先輩は僕と友奈を捕まえた。

 

「円陣ですね!!」

「な、なんであたしがそんなことを!」

「いいから、夏凜も来なさい!!」

「こ、今回だけよ!」

 

渋る夏凜を加え、みんなで円陣を組み勇者部全員で気合いを入れる。

 

「みんな!これに勝ったらアタシが何でも奢ってあげるから!負けんじゃないわよー!!」

「!!、本当ですか!?じゃあ私はうどんをお腹いっぱいに食べーる!」

「あたしが、完成型勇者のほんとの実力見せてやるわ!!」

「わたしだって叶えたい夢ができたんだから、絶対に負けない!!」

「私も、皆を全力で守ってみせるわ!!」

「もうこれ以上!僕たちの大切な日常は奪わせません!!」

「よし!勇者部!!ファイトォーーーーーーーー!!!」

『オーーー!!!』

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

「あたしが、先陣をきる!!」

「僕も、夏凜に続くよ」

「私もいくよぉー!!」

「美森、背中は任せたよ」

「ええ、任せて!」

 

特に陣形などは決めていないため各々が得意な武器を使い自由に戦うスタイルである。

 

「くらいなさい!!」

 

夏凜が一番近くにいたバーテックスに攻撃を仕掛けると彼女はそのまま封印の儀にまでもっていく。

 

「これで、こいつは終わりよ!」

「行けぇ!!」

 

バーテックスが吐き出した御霊は、夏凜の一太刀と僕の投擲により破壊された。

 

「すごいねー!早いよ二人ともー!」

「さすがです!!」

「うん、でも何か変じゃない?」

「え?」

 

(あれだけの数がいて、こいつだけが特攻を仕掛けて来た……まさか!?)

 

しかし、気づいた時にはもう遅く二体のバーテックスが近くまできていた。その内の一体がまるで、ベルのような物で気味の悪い音を鳴り響かせた。

 

「ぐっぁぁぁ!?」

「な、なにこれ!?」

「くっ!勇者はこれくらいじゃ、負け……ない!」

「お、音はみんなを!幸せにするためのもの!!こんな……こんな音ーーーー!!」

 

樹ちゃんが叫んだと、同時に鐘のようなものを糸で押さえつけた。

 

「ナイスよ、樹!!」

 

ふりかえると、風先輩が飛んできたそのままの勢いで二体のバーテックスを、大剣で切りつけた。追撃で遠距離から美森の狙撃も当たるが、バーテックス達には通じなかった…。

 

「これはっ!?」

「っ……再生のスピードが速い!!」

 

攻撃を受けたバーテックス達は、今までとは比にならない速度で体の傷が修復されていった。反撃に備え身構えるが…

 

「あれ?逃げてく?」

「いや、あいつら一番でかいやつの方へ向かってるよ」

「まさか、みんな警戒して!」

 

前線にいたバーテックス達は後ろで控えていた大型バーテックスのところまで向かうと融合しだした。

 

「なによ……これ!?こんなの聞いてないわよ!」

「でも、寧ろ好都合だよ夏凜!これなら同時に四体も倒せるんだからさ」

「洸輔の言う通りよ!こいつ倒せば、もう勝敗は決まったようなもの!一気に攻めるわよ!!」

 

風先輩がバーテックスの体を、大剣で斬りつける。しかし攻撃はバーテックスの体に傷をつけることができなかった。

 

「くっ!こいつ!硬い!!」

「風先輩!危ない!!」

「っ!?」

 

直後、風先輩に向かって眩い光と衝撃を伴った閃光が放たれた。僕は間一髪の所で風先輩の前に立ちそれを受けきる。

 

「洸輔!ありがと……!?」

「ぐっ!」

「あんた、その傷……」

「大丈夫です!これくらい……」

 

あの閃光……レーザーといった方がいいかもしれない。直前でなんとか受けきったがみんなほどのバリアの強度がなかったのか、すぐにバリアは割れ僕は自身の腕でレーザーを止めたため、腕が傷だらけになっていた。

 

「洸輔くん!?大丈夫!?」

「無理しちゃだめですよ!!」

「樹!友奈!!前見なさい!!」

「えっ……きゃあ!」

「なに?うわぁっ!」

 

バーテックスは追撃と言わんばかりに、近くにいた友奈と樹ちゃんに火の玉を直撃させた。

 

「追尾するならそのままあんたにぶつけてやるわよ!」

 

夏凜が追尾してくるのを利用しそのままバーテックスへとぶつけようとするが、バーテックスは夏凜に向かって先ほどよりも多い火の玉を放出した。そのまま、放出された玉は夏凜に直撃した。

 

「ぐっ…ああ!!」

「友奈!樹ちゃん!夏凜!」

 

(何やってんだよ、僕は!守るんじゃなかったのかよ!)

 

するとバーテックスから、もう一度レーザーが放たれた。それは、僕と風先輩の真上をすり抜けてもっと遠くの何かに向かって飛んでいった。その先にいるのは………

 

「!?、美森!!」

「ちょっ!洸輔!!あんたはここで休んでな」

「すぐ、戻ります!!」

 

風先輩の制止を聞かず、僕は美森の方へと向かったレーザーを止めるため走り出した。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「あれは……」

 

 狙撃銃のスコープからこちらに迫ってくる光を視認する。気づいた時には遅かった。

 

「まさか!?」

 

 動こうとする。しかし、事故で動かなくなった足が言うことを聞かずその場から動けなかった。

 

「まず……」

「やらせるもんかぁぁぁぁぁ!!!!」

 

 光が着弾する直前にどこからか洸輔くんが現れ、それを受け止める。剣を握っている手は鮮血に染まっていた。

 

「だい……じょうぶだよ美森!僕が守ってみせるから!!」

「で、でも、洸輔くん、手が……」

「やってみせるさ!僕だって勇者だからねっ!!」

 

 こちらを安心させるように微笑みを向ける洸輔くん。苦しそうに唸りながらも持っていた片手剣を使い、閃光を打ち消した。

 

「次は、友奈達を…助けなくちゃ。美森も、一緒に…ぐっ」

「洸輔くん!」

 

 咄嗟に体を支える。両手は傷だらけでズタズタになっていて、血で腕全体が覆われている。とても、戦闘を続けられるような状態には見えない。

 

「どうすれば…」

 

 次にとるべき行動に迷っていると、遠くで何かが光った。光は一輪の花となり花の真ん中には風先輩の姿があった。

 

「まさか、あれが満開?なら……私も」

「僕も…僕も行く」

「だめよ。洸輔くんはここにいて、まずはその傷を治すことに専念して」

「で、でも!」

「貴方の分まで私が頑張るから、大丈夫よ。それじゃ行ってくるね」

 

 その場から跳躍する。遠巻きに見えるバーテックスを睨みつけ、私は叫ぶ。

 

「満開!!」

 

 戦艦のようなものをその身に纏い、風先輩たちの所へ向かう。

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

「ちょっ!洸輔!あんたはここで休んで」

「すぐ戻ります!!」

 

洸輔はアタシの制止を聞かず、東郷の方へと向かったレーザーを追いかけていった。

 

「なにやってんのよ。あたしは!」

 

洸輔は自分が不完全な状態で勇者になっているにも関わらずアタシを守ってくれた。そして今も自分の腕があんな状態なのにも関わらず、東郷を助けにいった。

 

(部長のアタシが、がんばんなくてどうすんのよ!!)

 

次の瞬間、アタシはバーテックスの放った水球に飲み込まれてしまった。

 

「……!?」

 

大剣で切ろうとしても水は切れなかった。

 

(息が……できない)

 

朦朧とした意識の中、倒れているみんなの姿が見える。

 

(だめ!樹を置いて、洸輔をあんな目にあわせて、みんなを置いてあたしが先にくたばるわけにはいかないのよーーーーー!!!)

 

すると白い光がアタシを包み込んだ。光が消え自分の姿を見てみると、いつもの衣装とは少し違っていた。

 

「これが、満開?」

 

すると合体バーテックスが、アタシに近づいて来た。

 

「あんたは!謝っても許さないから!!」

 

拳に力を込めて、バーテックスに叩きこむ。するとそこに東郷の狙撃銃の弾より大きめの弾丸が突き刺さった。弾が撃たれた方向へ振り返ると、東郷も満開状態に入っていた。

 

「東郷!!洸輔は……どうしたの?」

「腕の出血が酷かったので、私が狙撃していた場所で休ませてます」

「風先輩ー!東郷さーん!!」

「二人ともすごいです!」

「あたしとした事が……不覚をとったわ」

「あれ?東郷さん?洸輔くんは?」

「けがが酷かったから、私がさっきいた場所で休んでいてもらってるわ」

「そうなんだ……無事でよかった」

 

みんなで話し込んでいると、合体バーテックスはさっきまでとは比にならない大きさの火の玉を出してきた。

 

「なんなのよ!?その元気っぽい玉は!!」

「風先輩っ!」

「来る…」

「っ!ああ、もう、受け止めるわよ!!」

 

樹海にダメージは与えさせまいと、全員が動く。瞬間、手がジリっと言う音ともに…バカみたいな熱を込めた火の玉に触れる。

 

「ぐっ!!」

「お姉ちゃん、これ……まずいよ!!」

「押されてます!みんな、踏ん張って!」

「負けるわけにはいかないっ!!」

「洸輔くんの分まで!私が、がんばる!!」

 

お互いにそれぞれの思いを持ちながら、アタシたちは近づいてくる火の玉を押し返すため、体に力を込めた。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

「く……くそっ!」

 

美森にはああ言われたが、僕はみんなの元へ向かおうと体を動かそうとしていた。うつ伏せになった状態で武器を持とうとするが持った瞬間に腕が悲鳴をあげる。

 

(腕が……動かない)

 

すると、美森が向かった方向から太陽のように輝いた火の玉をみんなが押さえ込んでいるのが見えた。

 

(こんな所で、寝ている場合じゃない!!)

 

さっき美森が言っていた言葉を僕も叫ぶ。

 

「満開!!」

 

しかし、次の瞬間……僕の体に激痛が走った。

 

「がっあああああああ!!!!」

 

これ以上ないくらいの絶叫をあげる。スマホの画面には満開不能という文字が映っていた。ここにきて、不完全な勇者システムの副作用が起きたのだ。

 

「ふざけるなよ……!みんな戦ってる……それなのに男の僕がこんなところで寝てられるかぁ!!」

 

構わず、満開と叫び続ける。身体中に伝わる激痛で意識が飛びそうになる。

 

(諦めるな!こんな痛みなんて知ったことか!みんな僕を守ると言ってくれた!だったら僕もみんなを守るんだ!)

 

すると、声が聞こえた。

 

『そうだ、それが貴公の強さだ』

 

声が聞こえた瞬間、痛みが消えると同時に誰かに背中を引っ張られるかのようにうつ伏せ状態から起き上がった。

 

『もう一度、叫ぶがいい』

 

その声は、僕に優しく語りかける。その言葉を信じて、もう一度叫んだ。

 

「満開!!!」

 

次の瞬間、僕の体は白い光に包まれた。

 

『今こそ、当方のすべてを貴公に託そう』

 

光に包まれる前に、そんな言葉が聞こえた気がした。




はい!12話でした!この続きは次回13話に書きます!
楽しみに待っていてください!!


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