ま、リアルが忙しくなる前にいけるとこまでいきましょうか!!
では本編です!
「ぐっ……うぅ」
「みんな、ここが踏ん張り所よ。これが落とされれば現実世界がとんでもないことになる!なんとしてでも押し返すわよ!!」
「てっ言われてもね!ぐっ!?これびくともしないわよ!!」
私たちは火の玉を押し返そうと、必死に手を突きだすが玉は動く気配がなく私たちは押さえ込むだけで精一杯の状況だった。
わ
(諦めるもんか!!洸輔くんの分まで私が、私達が頑張るんだ!)
しかし、さっきの攻撃のダメージがまだ残っていたのか私の体は急に力が入らなくなり、火の玉を押さえ込んでいた位置から地面へと急降下していく。
(あ、あれ?力……が)
みんなが私の方を見て、何か叫んでいるが意識もぼんやりとし始めたため何を言われているのか認識ができなかった。
(こ……うすけ……く……ん)
そしてそのまま私の体は地面に叩きつけられ……はしなかった。誰かに私は抱き抱えられていた。
「間に合った!!」
「こ、洸輔くん?」
「ああ。戻ったよ、友奈!」
虚ろな意識の中で目を開けるとそこにはいつもの勇者服よりも頑丈そうな衣装を身に纏い、なぜか眼鏡を掛けている幼なじみの顔があった。
「洸輔くん、なんで眼鏡掛けてるの?イメチェン?」
「?って本当だ。いつの間に……てか、友奈。この状況でイメチェンするほど僕は楽観的じゃないから」
「ふふ、そうだよね」
「それじゃ、あれをどうにかしなきゃね」
「どうにかって………どうするの?」
「とりあえず、巻き込まないように風先輩たちに避けて置いてもらわないとね」
そう言うと洸輔くんは風先輩達に呼び掛ける。
「風先輩!!その火の玉から離れてくださーーい!」
風先輩は一度こっちをみて、驚いた表情をしていたが洸輔くんの言葉通りに火の玉から手を離しそこから離脱していった。すると東郷さんが私達の方へ向かってきた。
「洸輔くん?腕のけがは!?」
「今は大丈夫だよ。それよりもあれが迫ってきてる、美森、友奈も一緒に、皆のところへ連れてってあげて」
「ええ、わかったわ」
「頼んだよ」
「洸輔くん!」
「大丈夫だよ。友奈、任せて」
私達は洸輔くんをあとにして風先輩たちの所へ向かった。
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今の自分は、びっくりするほど頭の中がクリアだ。多分この眼鏡を掛けたあたりからだろうか?今までよりも、この片手剣や短剣の使い方など、いろいろなことが理解できた。
(この片手剣の名前はグラム。夢の中であの人が言っていたものか)
そんなことを考えていると、火の玉がすぐそこまで迫っていた。僕はグラムを強く握り刀身を変化させた。
「はぁーーーーーー!!!」
刀身を伸ばしたグラムを火の玉へとぶつけてそのまま一刀両断した……。
「すごいな、これが満開か」
「洸輔くーん!!!」
声の方を向くと、友奈が僕に抱きついてきた。
「ちょ、友奈」
「よかった!本当によかったよぉ!」
「……ごめんよ。心配させちゃって」
「まったく、ほんとよ!!アタシが止めたのに血だらけのまんま東郷を助けにいっちゃうんだもの。部長の出番がないっての!」
「お姉ちゃん……そこ怒るとこじゃないよ……」
「ふ、ふん!あたしはべ、別に心配とかしてなかったわよ!」
「洸輔大丈夫かなってずっと心配してたね!夏凜ちゃん」
「ちょ!!余分なこと言うなぁ!!てか!なんで洸輔は眼鏡かけてる訳?」
「うーん、満開したらつけてた!」
「そんな適当な……」
一時はどうなることかと思ったけど、そこには勇者部全員が無事に集まっていた。
「さて…と雑談してる場合じゃないわね!」
「そうですね……。残りのバーテックスはあと合体型を含めて残り三体!?」
「どうしたの?東郷さん?」
「全然気がつかなかった。合体を除いた残り二体のバーテックスが神樹様に近いです!」
「わかったわ!その二体はアタシと樹でどうにかしてくるわ!合体型は友奈、東郷、洸輔、夏凜に一旦任せるわね!倒し次第すぐに合体の方に向かうわ!」
「わかりました!みんな行こう!」
風先輩の指示で、みんなそれぞれの目標へと向かっていく。
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(みんな無事で、本当によかったです)
わたしは先程の皆さんの姿をみて安堵していた。すると横にいた満開状態のお姉ちゃんが叫ぶ。
「樹!いたわよ!」
「う、うん!」
そこには、地面を移動しながら神樹様の方に向かっているバーテックスがいた。
「こいつはアタシがどうにかするから!樹はもう一体の方を頼むわよ!」
「うん!任せてお姉ちゃん!!」
お姉ちゃんに魚のようなバーテックスを任せて、わたしは人の形をしたバーテックスを追いかける。
「は、はやい!」
糸を使って、身動きを取れなくさせようとするが人型のバーテックスはそれを軽やかな動きで避けている。
「私たちの日常は壊させない!!」
するとわたしの体が光に包まれる。満開後の能力の使い方が頭に流れ込んでくる。
「そっちにいくなぁーーー!!!!」
普段の糸よりも数倍の量の糸が、バーテックスから身動きを奪う。そのまま圧縮して御霊ごとバーテックスを切り裂いた。
「樹ーーーー!」
「あ、お姉ちゃん!」
わたしが、バーテックスを撃破したのと同時にお姉ちゃんがやってきた。どうやらお姉ちゃんの方も片がついたみたいだ。
「よし。神樹様の近くにいた敵は全部倒したわね!それじゃ四人の加勢にいくわよ!!」
「うん!お姉ちゃん!」
私たちは、そのまま洸輔さん達がいる方向へと向かった。
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「ある程度、いいダメージ与えられたんじゃない!?」
「そうだね。よし!みんな!封印開始だ!!」
僕の合図で、みんながバーテックスの周りを囲むように動いた。風先輩達と別れたあと、僕たち四人の猛攻により合体バーテックスは相当弱っていた。
「遅れてごめんね!」
「みなさん!わたしも手伝います!」
「樹ちゃん!満開したんだね!」
「はい!わたしにもできました!」
神樹様の方に進んでいたバーテックスを、撃破した風先輩達も加わりみんなで封印の儀を行う。
「なによ、これ?」
バーテックスが御霊を吐き出した。しかしその大きさにみんな唖然としていた。
「これを……壊すの?」
その御霊は天高くそびえていた。しかし、僕の幼なじみは決して悲観しなかった。
「大丈夫だよ!みんな!例えどんなに大きくても私たちのやることは変わらないよ!!」
友奈はいつもの通りの笑顔で、僕達にそう言う。
「そうだね。結局あれも御霊なんだもんね。なら僕達のやることは変わらない!」
「友奈ちゃん、洸輔くん。二人とも乗って満開状態の私なら二人を運べるわ」
美森に言われて、僕と友奈は戦艦のようなものに乗り込んだ。
「行ってきます!風先輩!」
「わかったわ、行ってきなさい!ここはアタシたちで押さえるわ」
「みなさん、とどめは頼みます!」
「ふん!ここであたしが時間を稼いであげるんだから、しくじるんじゃないわよ!!」
「わかったよ。夏凜!」
みんなの声を背に、僕達三人は御霊のもとへと行くため空高く昇っていった。
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「風先輩達も消耗してるはずだ。急ごう!」
「うん!でも具体的にどうしよう?」
「まず私が、全力の力を込めて御霊に射撃するわ」
「じゃあ、次に私が満開して東郷さんが攻撃した場所に追撃するね!そしたら洸輔くんが、もう一発叩き込んで!!」
「わかった。じゃあそれでいこうか!」
三人で作戦を決め、封印の儀のタイムリミットもあるためすぐに動き出す。
「二人とも、準備はいいわね?」
「うん」「もちろん」
「了解。それでは行きます!」
美森が、御霊に向かって超特大の弾丸を発射した。それは見事に御霊の先端部分に亀裂を作った。
「亀裂が入った!今よ!友奈ちゃん!!」
「うん!東郷さん!!いくよぉーー!!!満開!!」
友奈が叫んだ瞬間、友奈の体は光に包まれた。光が消えるとそこには友奈の背丈の数倍大きい鋼の両腕が、身に纏われていた。その腕を御霊に叩きつける。
「はぁぁぁぁ!!勇者ぁ!パーーーーーーンチ!!!」
その攻撃によって、更に御霊は崩れ始める。
「洸輔くん!!ラストお願い!!」
「OK、友奈!!任せてくれ!!」
友奈の声に頷く。するとまたあの声が聞こえた。
『もう当方が貴公に託せるものはない。だからここからは貴公次第だ』
言葉の意味はよくわからない。だけど自然と温かな気持ちになった。
『さぁ天草洸輔よ!貴公自身の手で!グラムの全力を引き出すのだ!!』
「ああ、わかってるさ!」
僕は右手を宙にかざす。そこに短剣が六本浮いてくる。それを僕は全力の力を込めて投擲する。
「絶技解放!!!太陽の魔剣よ!!その身で破壊を巻き起こせ!!!」
僕は頭の中に浮かんでくる言葉を躊躇わず叫ぶ。するとグラムは炎を纏いながら、御霊に向かって超高速で飛んでいく。飛んでいったグラムは美森と友奈が攻撃した場所に突き刺さった。
「ぐぅっ!?」
満開のお陰で一度は塞がっていた両腕の傷口が開いて激痛が走る。しかし僕は構わず最後の言葉と共にグラムに全力の拳を叩き込む!!
「壊却の天輪(ベルヴェルク・グラム)!!」
僕がグラムを拳で突きだした次の瞬間、御霊は崩れだし封印していたバーテックスも砂になって消えた。
「やった……のか?」
僕の意識が遠退いていく。両腕は傷口が開いていてすごく痛い。樹海化もとけはじめて僕の周りを光が覆っていく。
視界が光に覆われていく中、またあの声がした。
『その叡智の結晶も、貴公に託そう。魂しかない今の当方には過ぎたものだ』
叡智の結晶?なんのことをいっているんだろうか?
『しかし、ここまでやるとはな。どうやら貴公は当方が見込んだ以上の男だったらしい』
その男は構わずしゃべり続けている。
『その力を……守るべきもの達の為に使うがいい……天草洸輔よ……また来るべき時がくればいずれ会おう……』
言葉は途切れた……意識が闇に落ちていく…。しかしその落ちる寸前に男が申し訳なさそうに、何かを言っていた。
『貴公の__を守ることができなかった。それに関しては__かった』
そこで、僕の意識は完全に落ちたのだった。
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私が目を覚ますと、そこは屋上だった。
「勝ったんだ……私たち!!」
「ん……?」
「東郷さん、大丈夫!?」
「ええ、私は大丈夫よ。友奈ちゃん」
「ここは……」
「いつもの屋上だよ!!私達勝ったんだよ!!」
「やった……やったね!友奈ちゃん!!」
私が東郷さんと喜んでいると、横にいた風先輩と樹ちゃん、そして夏凜ちゃんが意識を取り戻した。
「ごほっ……ここは?」
「うぅ……お姉ちゃん。わたしたち、どうなったの?」
「あたしたち、やったの?」
「風せんぱーい!!いつきちゃーん!!夏凜ちゃーん!!」
私は三人に抱きついた。みんなの無事が確認できて喜んだのも、束の間一人だけ目を覚ましていない人物がいた。
「洸輔くん?ねぇ、洸輔くん!!」
「この出血は!?まさか洸輔くん、完全に傷が塞がってない状態であんな技を使ったの!?」
「とりあえず大赦に連絡を入れるわ!」
「洸輔、あんた……死んだら許さないからね」
「洸輔……さん」
洸輔くんの両腕は傷口が開き、大量の血が腕を伝っていた。
(早く、目を覚まして。元気な顔を見せて、洸輔くん)
私は洸輔くんの傷と血だらけの手を握り、そう祈り続けた。
はい!13話でございました。
確か前に感想で、音無仁さんには主人公くんの勇者服のことなどをいろいろ言われた気がしますが………どうやらあなたの考えすぎではなかったようですよ?(ゲス顔)
さてと、今回の話はバトル描写が多めだったので次は番外編でほのぼのしましょうか?
それでは次の回でお会いしましょう!