まぁそんなことはさておき…次からちょっとシリアス強めになりそうなんでほのぼの成分補給しときましょう
なんか題名は不吉ですけど気にせずいきましょうか!
「二回目のぉー!」
「海だぁー!!」
例のごとく僕と友奈が叫ぶ。今日も快晴で非常に海日和の天気だ。
「さて、今日も楽しむわよー!洸輔!夏凜!瀬戸の人魚と言われたアタシと競泳の勝負をしなさい!」
『自称ですのであまり気にせず…』
風先輩がなんか叫んでいて、それに対して樹ちゃんは何かツッコミをいれていたが、僕と夏凜は遠い目をしながら海を眺めていた。
「やっとね……洸輔」
「ああ、そうだな。夏凜」
「ちょ、ちょっと?二人とも、なんでそんなに遠い目してんの?」
「はははははは!なんでって……昨日、僕たちにとってここは地獄のようなものだったんですからねぇ〜」
「今日の海は綺麗ね、人間が苦しむ要素なんて何一つない最高の場よ」
「なにされたってのよ……ま、まぁ!気を取り直して!二人とも勝負よ!」
「いいでしょう!もう体は温まってます!」
「こっちも準備オーケーよ!」
「よーし、樹!合図頼んだわよ!」
『了解!それじゃ。よーいドン!!』
樹ちゃんの合図で、三人は海へと飛び込む。最初は僕も夏凜も良かったが……結局の所、海への恐怖心が抜けなかった為、風先輩に完敗した。
「洸輔くん達どうしたの?いつもならもっと速いのに」
「今日は調子悪かったのかな?」
「「……」」
恐怖心を植え付けた張本人達は、自覚がないようだ。まぁこの話を掘り下げると自分たちにまた危険が及ぶと考え、風先輩がスイカ割りを提案していたのでそちらに意識を向ける。
「がんばれー!我が妹よー!」
「樹ちゃーん!そのまままっすぐだよー!」
樹ちゃんが割る担当なのでみんなが声援を送る。樹ちゃんガンバエー樹ちゃんガンバエー。
「たくっ、スイカ割りっていうからどんなものかと思ってみたけど大したものじゃ………って、樹!!そこよーそのまま振り下ろしなさーい!」
「夏凜ちゃん、すごい楽しそうね」
「本当、最初の頃が嘘みたい」
ふと視線を向けると、不覚にも美森の水着姿に見惚れる。あまりジっと見すぎるのは良くないと考え早めに目をそらすものの、美森様の魅惑のボデーがそれを阻む。
一人奮闘していると、樹ちゃんがどこがで見たことがある構えを見せていた。
「あはは!樹ったらなによ〜その構え!」
「多分、風先輩の真似だと思うんですけど?」
「え?アタシってあんなん?」
「あんなんですね」
風先輩にツッコミを入れながら、僕はいつも勇者部の中心で笑っている幼なじみの方を見る。
(昨日も助けられちゃったな……あの笑顔に…)
相変わらず、僕の幼なじみの笑顔は太陽のように輝いていた。
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みんなで海で遊んだあとの流れはほとんど昨日と一緒だった、ただ僕は悩みが晴れたのか昨日よりも楽しめた気がする。
「さて、あんた達。昨日は疲れて寝ちゃったけど今日はやるわよ!」
「何をですか?」
「中学生が集まって、旅行の夜にする話なんてひとつしかないじゃないの。」
「えーっと辛かった修行の体験談とか?」
「ふふ…」
「笑うな!」
「痛っ…!」
夏凜の返答に思わず笑ってしまった僕は、近くにあったペットボトルを投げつけられた。(割と痛い…)すると美森が手を挙げる。
「正解は!これからの日本の在り方についてです!」
「違うわよ!……樹……なにかわかる?」
『……コイバナ?』
「さっすが我が妹!それじゃあるという人は挙手!」
しーんって音が鳴りそうなくらいにみんな無言だった。
「みんな無いんだ…意外だ。みんな美人なのに…」
僕としては、友奈のことは好きではあるけどそれはあくまでも友達としての好きだと思うし、まぁ美森に関しても同じことが言えるな。夏凜は今までの話を聞いた限りだとないだろうし、でも風先輩や樹ちゃんなら有りそうかと思ったんだけど…。(僕だって中学生男子そういう話は気になる)
「………」
「洸輔……素でもそういうことを軽く言うのはやめて…恥ずかしいから…」
『そんなに直球で言われると恥ずかしいです///』
「え、あ、ごめんなさい?」
「てゆーか誰かないのー」
「そういうあんたはどうなのよ?」
「ふふ……聞きたい?聞きたいのかい?」
『みなさん眠くなってきたんじゃないでしょうか?』
「「「うん。なんか眠くなってきた(わ)(ね)」」」
樹ちゃんが、スケッチブックに書き込みそれを見せてきたと同時に僕、友奈、美森がうなずく。風先輩がそれに対して抗議の声をあげる。
「な、なんでよぉー!みんなも聞いてくれてもいいじゃなーい!」
『だってお姉ちゃん…その話私たちは何回も聞いてるよ?』
「多分通算で9回以上は聞いてるかもね…」
「あんた達……苦労してるのね‥」
「なんで夏凜はしんみりしてんのよ!わかったわよ!じゃ、じゃあ友奈!なんかないの!?」
「え、えーと…」
風先輩に無茶ぶりされて困っていた友奈は僕の方を見ていた気がした。
「な、ないのでパスです…。」
「結局の所、みんなないのー!?こ、洸輔は?なんかないの?勇者部で唯一の男なんだし……!」
「ぼ、僕ですか?いやこれといってないんですけど…」
もしあったりしたら…僕の右側にいる方々に粛清されるしね。すると樹ちゃんに質問される。
『じゃあ…好きな女性のタイプとかは…?』
「突然だね!?」
「あ、いいわね!それ聞きたいかも!」
「わ、私も!」
みんなに興味津々の目で見られる。その視線がビックリするほどキツイ。
「い、樹ちゃん……ノーコメントじゃダメ?」
『できれば答えてほしいです!』
「ふぇぇ……」
そのあとも僕は、かなりの時間尋問されたけど「もう勘弁して」と半泣きでお願いしたらさすがの樹ちゃんも引き下がってくれた。
「結局のところ……コイバナっぽい話はできなかったわね…」
「風先輩!コイバナはできませんが、私怪談ならいくらでも話せますよ!」
「ちょ!この状況で!」
「あ、アタシそういう話苦手なんだけどぉー!」
「あの日もこんな感じの暗い夜だった…」
「いやぁーーー!」
夏凜と風先輩の抗議は虚しくも、美森の耳には届かず…。皆が眠るまでの間美森は嬉しそうに怪談を話していた。
僕は寝付くことができずに、窓側にある椅子に腰を掛け外を眺めようとすると先約がいた。
「美森?」
「洸輔くん……ごめん…起こしちゃったかしら?」
「ううん、大丈夫だよ。」
「んん……どうしたの…二人とも?」
「あ、友奈ちゃんも…起こしちゃった?」
なんだかんだで、三人で外を眺めていた。僕は気になっていたことを美森に尋ねた。
「そいえば…美森はそのリボン肌身離さず持ってるよね?」
「そういえばそうだね?大事なものなの?」
「そっか…二人にはまだ話してなかったね…。事故でね…記憶をなくしたときも握り締めていたんだって……私自身も誰のものかわからないけど……でもとても大切なものの気がするの…」
「そうなんだ…」
僕は何も言うことができなかった。すると美森の顔には涙が流れていた。
「ど、どうしたの!?東郷さん!」
「美森!大丈夫?」
「……ごめんなさい…二人とも……私ね怖いんだ…なくしてしまった記憶が大事なもののはずなのに…思い出せないの…。それを考えるとね…思っちゃうんだ…今すごく大事な友奈ちゃんや洸輔くん……それに勇者部のみんなとの思い出も無くなっちゃうんじゃないかって……」
美森は今にも消えてしまいそうな声で、僕たちに話してくれた。美森は続けて話す。
「ごめんなさい…良くないってわかってるんだけど…一人になると…どうしても悪い方向に考えちゃうの……」
「美森……」
「東郷さん」
「……なに?…友奈ちゃん…?」
「勇者パンチ!」
「…痛!」
「ちょっ!友奈!?」
突然、友奈が美森の頭をどついたので動揺してしまった。
すると友奈は、昨日の夜に僕に見せてくれた笑顔でこう告げた。
「水臭いよ!東郷さん!そういう悩みがあるときは私や洸輔くんを頼ってくれればいいんだよ!」
「友奈ちゃん……」
「まったく……二人とも似てるよね、そういうところ。」
「?、似てるって?」
「変なところで水臭いところがね。昨日は洸輔くんの相談にも乗ったんだ!」
言いながら友奈は美森の手を握る。
「あれはのってくれたって言うよりも…言わされたって感じだったけどね…。まぁでも友奈の言う通りだよ。美森」
僕も友奈と同じように美森の手を握って言った。
「美森が…例え忘れたとしても僕や友奈、それに勇者部のみんなが…また一緒に思い出を作るからさ…」
「そうだよ東郷さん!私は!みんなは!いつでもそばにいるよ!」
「洸輔くん……友奈ちゃん……」
(この六人が揃えば…どんな時だって大丈夫だ…僕はそう信じてる!)
そうして二日目は幕を閉じたのだった。
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次の日の朝、僕たちは支度を済ませて部屋を出た。
二泊三日の旅行が終わり、今はもう自宅へと帰宅している。自分の部屋の椅子に座りながら僕は旅行での思い出を振り返る。
(そのうちみんなの後遺症も治って、みんなで笑い合う…そんな穏やかで当たり前の日々を大切にしたいな…)
しかし…この時の僕は知らなかった…。
僕達、勇者部の平穏は着々と終わっていっていることに……。
終わりかたが不吉ー!でもそろそろシリアスが増えてきますからねぇー。胸を痛めながらも頑張って書いていきます!
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