番外編は間らへんに挟みます(多分)。
銃を取り出して壁を破壊すると…星屑と呼ばれるバーテックスが神樹の方へと向かっていく。
(これで………みんなが救われる…)
「みんなが生き地獄を味わうくらいなら…こんな世界なくなった方がマシよ!!」
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小さい頃、私は色んな史跡に連れていってもらい…私は歴史や文化に興味を持った。
母によると…私たち東郷家にも大赦で働ける素質を持っているんだとか。
もしかしたら私にも神樹様を支えらる力があるのかもしれない…もしそうなら嬉しいと母は言った。
「……ここは………?」
医者がいうには、事故によってここ二年ほどの記憶と足の機能が失われてしまったらしい。
母はその二年もしっかり生きていたと…自慢の娘だと…そう言ってくれた。車椅子での生活に慣れはじめた頃に親の都合で引っ越しが決まった。
「うわぁ………うちってここまでお金持ちだったっけ?」
新居の入り口を通って周りを見渡していると、外から声がした。
「すっごーい!見てみて洸輔くん!!お隣さんのお家すっごくでかいよぉー!」
「これは……すごいなぁ…ちょっと羨ましいかも…」
声がした方へ目を向けると、私と同年代くらいの男の子と女の子がいた。すると女の子と目があった。
「こんにちわー!もしかしてあなたがここの家に住むの?」
「えっ…ええ…」
「こらこら友奈…勝手に入っちゃだめだろ?ごめんね…突然」
「い、いえ…大丈夫…気にしてないから…」
女の子が一人で興奮しているのを男の子が止める。長い付き合いなのだろう、とても仲が良い。すると女の子が手をさしのべてくる。
「とにかく!これからはお隣さんになるからよろしくね!ほら洸輔くんも!!」
「まったく…人の話を聞かないんだから……まぁ僕からも宜しく。えーと…?」
「と、東郷です。東郷美森…」
「東郷さん!!かっこいい名前だね!!」
「確かに。凛とした君の雰囲気に凄くあってると思うな」
これが友奈ちゃんと洸輔くんに初めて出会ったときのことだ。それから二人には町の案内をしてもらったり桜を見に行ったりなど沢山の思い出を作った。
車椅子の状態でも、料理が出来るようになり二人にぼた餅を振る舞った。
「「これは!!」」
「まだ慣れてからそんなに経ってないから美味しいかわからないけど…」
「そんなことないよ!!できれば毎日食べたいくらいだよ!!」
「友奈と同意見です…将来東郷さんと結婚して毎日作ってもらいたいなぁ…」
「え……!?」
「あれ……?」
「………こうすけく~ん」
「ちょ、ちょっと待って!友奈!今のはそれぐらい美味しいと言う意味で……………ギィヤァァァァァァ!!!」
友奈ちゃんと洸輔くんが言ってくれた言葉は今でも覚えている。(洸輔くんのは直球過ぎた…)
みんな同い年なので攅洲中学に入学した。三人で入る部活に悩んでいると一人の先輩と出会う。
「あなた達が入る部活はここしかないわ!!」
「「「……………」」」
「あなた達が入る部活はここしかないわ!!」
「なぜ二回も!?」
「大事なことだからに決まってるじゃないの!そして…アタシは勇者部部長で二年生の犬吠埼風よ!!」
「ゆ、勇者部!?なんですかそれ!?気になりますーー!!」
勇者部とは人のためになることを勇んで実施するから勇者部というらしい。
友奈ちゃんは風先輩から話を聞いてさらに乗り気になった。私と洸輔くんも友奈ちゃんが乗り気ならと部活に入部した。
みんなで依頼をこなしていったり、勇者部五ヶ条を考えた。
そして早くも一年経ち…風先輩は三年に、私達は二年生になると、それと同時に一年生の女の子が勇者部に入ってきた。
「よ、よよよよろしくお願いします!」
風先輩の妹である樹ちゃんだ。部員が五人となり勇者部の活動がさらに活発化しはじめると私達は本当の勇者になった。
それから夏凛ちゃんも加わり六人になった勇者部は目標であるバーテックス十二体を倒すことに成功した。
しかし…この戦いが終わったときに私達を襲ったのが体の一部が不自由なるということだった。
そしてそれは…満開の後遺症だと先代勇者…乃木園子の口から語られた…私はもう一度話を聞くために大赦に向かった。
「来ると思ってたよ~わっしー……今は東郷さんの方がいいかな?」
「わっしーで構わないわ…。実際記憶のない二年間の間は私は鷲尾須美という名前だったのだから…」
調べてわかったことが私は記憶のない二年間は鷲尾須美という名前だったらしい。
鷲尾家は大赦の中でも随一の高い地位を持つ一族でそこに私が養子として引き取られたのだ。
「すごい~よく調べたね」
「……これも……散華の影響なのね?」
「うん…そうだよ。大橋での決戦の時にわっしーは記憶と足を失った…まぁ私はやり過ぎちゃってこんな感じになっちゃったけどね~」
包帯でほとんど見えない彼女の顔は苦笑していたように思えた。
「大赦はね…身内の人達だけじゃやっていけなくなって四国中を調べ周り勇者適正の高い子を探したんだ~」
「ということは…友奈ちゃんや洸輔くんと家が隣だったのは大赦に仕組まれていたからなのね…」
「適性値は友奈ちゃんは一番でこうくんは二番だったんだ」
「洸輔くんはそんなに適性値が高かったのね…」
「私も驚いたよ~大赦にとってもイレギュラーだったみたいなんだよね。本来男の子は適性があっても変身できない存在だし」
洸輔くんのことについてはまだわからないこともある。しかし神樹様が選んだから私達は勇者の力を得ているということでしか今は考えられない。
「…………どうして……私達なの………」
自然と目から涙が溢れてくる。あまりにも理不尽すぎると感じた。戦う力があるから選ばれたからという理由で供物にされる…そんなの辛いだけだ。
「わっしー……よく聞いてね。これから世界の真実について教えてあげるよ…」
「世界の真実…?」
「うん。壁の外…そしてこの世界の成り立ちについてね…」
彼女に言われた通りに結界の近くまで行くと足がすくんだ。
『結界の外に出てごらん…そうすれば神樹様が作っていた天国は消えて本当の世界が見えるはずだよ…』
言葉の意味はわからないが身体中に悪寒が走った。進みのを躊躇いながらも私は足を前に出す。
「………は?………」
結界の外に出るとそこは地獄のようだった。世界全体が炎で覆われていてそんな中を白い奇妙な物体が泳いでいる。
「あれって……洸輔くんと友奈ちゃんが倒したバーテックス…」
白い生物…星屑が集まっていくと一つの塊になっていく。その形はかつて勇者部で撃退したはずの大型バーテックスだった。
「……どんどん作られていってる…!?」
星屑がどんどん集まっていくと、十二体の大型バーテックスが形成されていっていた。
「結界の外は……崩壊した世界…」
先ほど言われた言葉を思い出す。
『西暦の時代…世界は天の神がバーテックスを使って人類を蹂躙した。それを止めるために人類に味方してくれた地の神様達が集結してできたのが神樹様…それと同時に防御結界を張られたの。そして大赦は…それを管理する組織』
「これを私達が迎え撃ち続けるの……?」
何度も何度も満開して………体の機能を失っていって……最後はみんなのことさえも……。
(まるで地獄じゃない!!)
結界から出たあと少しの間私はまともに呼吸ができなかった。真っ黒な絶望が私を包み込んでいく。
(考えなきゃ!考えなきゃ…………みんなを助けなきゃ!!)
そして私の中に……ある一つの方法が浮かんだ。
「あった……たった一つだけ……」
私は立ち上がって銃を取り出すと…それを壁に向けた。
(もう…この世界に救いはない…ならいっそのこと…)
覚悟を決めて私は引き金を引き壁を破壊した。
(私は…決めたの…)
シリアスって普通に難しいですね…。なんとなくだけど風先輩の番外編だしたいなぁ…