もちろん感想はいつでもまってます!
「ここから先は!通さない!!」
目の前にいた蠍の形をしたバーテックスに満開した状態の拳を叩き込む。
「消し飛べぇぇぇぇ!!!!!」
左手でグラムを持ち、刃には爆炎を纏わせ刀身も変化させる。強力な威力を伴ったグラムは蠍型のバーテックスを焼き尽くした。
「行かせない!!」
爆炎を纏ったグラムを視界いっぱいに広がるバーテックスに対して振るう。無数の白いバーテックスは一瞬で塵に還った。
「洸輔!!上よ!!」
「っ!」
他のバーテックスと戦っていた夏凜の呼び掛けで咄嗟に横へと避ける。するとそこに無数の矢が降り注いだ。バーテックスはこちらに標準を向けてきている。
「こいつ…まさか!」
危険を察知し、振り返るが少し遅い。背後にいたバーテックスが、先ほどの矢を反射させ、こちらに放ってきた。
「っ…………ぐぁ…!」
殆どは回避したものの右腕が矢によって貫かれ、直撃をもらってしまう。痛みに顔が歪む。
「きさまぁぁぁ!!!!」
夏凜が怒涛の連撃を、反射板を使っているバーテックスに叩き込むと耐え切れずに消滅した。
「ありがと、助かったよ夏凜」
「礼なんかいいわ。それよりも」
お互いに周りを見渡す。正確な敵の数は未だ分からないが、一体でも神樹様の所にたどり着かれてしまえば世界が終わる。それはなんとしても避けなければならない。
「もうちょっと……気合い入れますか」
「え?」
夏凜は跳躍するとバーテックスに対して叫びながら攻撃を浴びせる。
「勇者部五ヶ条ぉぉ!!ひとぉぉつ!!なるべく!諦めない!!」
夏凜の咆哮が聞こえる。その言葉を聞くと、自然と体の痛みがなくなっていく。身体中に力が沸き上がり、僕の闘争心を掻き立てる。
(……負けるわけには行かないね!!)
「勇者部五ヶ条!一つ!!よく寝て!!よく食べぇぇる!!」
負けじと僕も声を張り上げながら、矢を放ってくるバーテックスと対峙する。放たれた矢を短剣とグラムですべて叩き落とす。
「落ちろぉぉ!!」
怯んだ所を狙ってグラムを投擲し矢を放ってくるバーテックスを消滅させると、満開が解かれた。
瞬間、頭にノイズが起こったと同時に左目の異変に気づく。
(左目が見えない…まぁ両方じゃないなら…今は!関係ない!!)
「勇者部五ヶ条!!一つ!!悩んだら!!相談!!!」
落ちた先には、地面を泳ぎながら移動している魚のようなバーテックスがいた。もう一度満開をし、口を大きく開けながら接近してくるバーテックスに炎を纏った拳をぶちこむ。
「運が、悪かったね。今の僕は……少し、強いよ!!」
怯んだバーテックスに対し、先ほどよりも威力を上げたグラムを投擲すると耐えきれずに消滅した。
(満開、体の一部を供物に捧げる……か。まるで、生贄みたいだ)
ポツリとそんな呟きが漏れる。余分な考えを振り払う為、首を横に振る。グラムの刀身を伸ばし一気に白い化け物を蹴散らしていく。
「「勇者部五ヶ条!!ひとぉぉつ!!!なせば大抵!!なんとかなるぅぅぅ!!!!」」
二人で声を合わせて、最後のバーテックスと白い化け物を殲滅する。
「おつかれ…夏凜」
「見たか!!勇者部の力ぁ!!!」
「……夏凜?」
まるで、僕の声が聞こえてないかのように叫ぶ夏凜。次の瞬間、彼女の体は地面へと落ちてゆく。
「か、夏凜!」
手を伸ばす。夏凛も手を伸ばすが、それは僕の手を握るた為のものではない。僕の背後を指差し、呟く。
「とうごう、たのんだ……わよ」
「っ!うん……わかった、行ってくる」
(目を背けるな!前を向け!だからこそ夏凜は…)
落ちていく夏凜の方を振り返らずに壁の方へと跳躍する。
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「東郷ぉ!!」
大剣が振るわれる。しかし、精霊がそれを受け止め私を守る。
「邪魔を、しないでください!」
「先輩として……部長として…あんたを止める!!歯ぁ食い縛んなさいよ、東郷ォォォォ!!」
風先輩の剣に弾き飛ばされた私は炎の世界へと落下していく…。
「これしか、これしかないの…」
こんな生き地獄に洸輔くんや友奈ちゃん、みんなを、残したくない。
「だから…お願いです。どいて」
戦艦のようなものを身に纏い風先輩と樹ちゃんに対して主砲をむける。
「あんた…満開を」
「これ以上、邪魔をするのなら」
忠告するが…風先輩と樹ちゃんは私の前から退かない。
「退くわけ、ないでしょ!!」
「!!」
「なら……少し眠っていてください」
構わず主砲を発射する。風先輩と樹ちゃんは直撃を喰らい壁もその影響で壊れる。私は後ろを向いて完成した大型バーテックスをみる。
「私を……殺したいでしょ?さぁ、おいで」
大型バーテックスは移動せず、その場所からいつか見た火の玉を発射した。
「これで………みんなは」
「や、やめろぉぉぉぉぉ!!!!!!」
風先輩の雄叫びも空しく火の玉はそのまま神樹様に向かって…
「「勇者ぁ!!パーーーーーンチ!!!!」」
突然火の玉にパンチを打ち込んだ二人を見て私は愕然とする。
「う……そ………」
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「二人とも戦っているのに、私は……」
二人が満開して戦っている姿を見ていることしかできない自分が情けなくて仕方ない。拳を強く握り締める。
やがて、バーテックスが消え去ると一つの影が力無くこちらへと降ってくるのが見えた。あれは……
(夏、凜ちゃん?)
「しっかりして!夏凜ちゃん!!」
「誰?この感じ、友…奈?」
「うん!そうだよ!!友奈だよ!!」
「よかった……洸輔のやつ、しっかりあたしの想いが伝わったのね」
「え…?」
倒れていた夏凜ちゃんを抱き抱える。息絶え絶えと夏凜ちゃんは言葉を紡ぐ。
「ごめんね、友奈。目と耳もってかれて…あんたの声を聞くことも、顔を見る事すらもできないの」
「そんな、何で…そこまで」
「私ね、友奈や洸輔、それにみんなに伝えたいことがあったの」
今にも消え入りそうな声を、絞り出すように夏凜ちゃんは続ける。
「ありがとう。私を、三好夏凜にしてくれて」
「……」
「誕生会を、居場所を、仲間をくれてありがとう。私、やっと私になれたと思った」
「夏凜、ちゃ…ん」
「アイツが、先に行ってる。あんたも…追いかけなさい」
「でも!!」
「私は、大丈夫だから。なんたって…完成型勇者だもん」
そう優しく呟いた後、夏凜ちゃんは意識を失った。近くの木に横たわらせると、私は自分の頬を思いっきり叩く。
「ありがとう、夏凜ちゃん。行ってくるよ!!」
少し先に洸輔くんの姿が見えた。体にダメージをおっているせいか体の動きが鈍い。
(洸輔くん…今行くから!)
もう逃げない。私はもう一度、勇者になるんだ。
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(ヤバいな……体が、言うことを聞かない)
ここで止まる訳にはいかないと鞭を打つが、動きは鈍くなるばかり…今にも意識が飛びそうになっていた。
(満開の負担もあるのか…?)
一瞬でも気を抜くと、態勢を崩して地面に落下しそうになる。
(夏凜が託してくれたんだ、ここで終われるかっ…)
限界も限界。想いも虚しく、僕の体は地面に向かって落下していく。
「つぅ……くそっ」
「おっとっと!よかった〜間に合った!」
落ちる前に、誰かが僕に肩を貸してくれる。顔を上げるとそこには太陽のように輝く幼なじみの笑顔があった。
「信じてたよ、友奈。絶対に来るって」
「夏凜ちゃんと洸輔くんのお陰だよ、ありがとう。それと…動ける?一緒に東郷さんを止めなくちゃ」
「勿論、夏凜が頑張ってくれたんだ…僕も、やらなくちゃ」
体はまだ痛むが、先ほどに比べたら大したものじゃない。顔を上げ、拳を強く握り締める。
(また、弱気になってた。情けない)
いつぞやに見た火の玉がこちらへと飛んでくる。僕と友奈のスピードは速く、一瞬で火の玉の所へ移動し、二人で声を合わせて拳を叩き込む。
「「勇者ぁ!!パーーーーーンチ!!!!」」
火の玉を消し去ると僕たちの方を見ながら呆然としている満開状態の美森が見えた。
「止めよう!私達で」
「うん。これ以上、みんなを、美森を、苦しませない為に」
二人は救うべき者と対峙する。
わお……。ホントにもう少ししたらゆゆゆは終わりそうですね…。
リアルのことも頑張りながら見てくれてる皆様のためにもこちらもがんばんます!!
感想お待ちしておりまする!