天草洸輔は勇者である   作:こうが

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まずはUA!10000突破ありがとうございます!もう嬉しすぎて…枕に勇者パンチしまくりました。見てくれている皆様にはホントに感謝です!ファンの皆様…お待たせいたしました!ついに転校してきますよ!園子が!


29話 参上!乃木園子!

 すべてが終わっていつも通りの毎日が戻ってきた。

 

 僕や友奈は退院が遅かったため、たまに検査をしにいかなくてはならないが、特に問題もなく。

 

「それにしても…美森はすごいフットワークが軽くなって機敏になったよね」

「うん!お陰で朝起きが捗るよぉ~」

「友奈ちゃんや洸輔くんには助けてもらってばっかりだからね。私もこれくらいはするわ」

 

 こうして歩いて通学出来ている。僕と友奈の、リハビリも兼ねているのだ。

 

「まさか、そんなに背が大きかったとは。男として…軽くショック……」

「分かる〜!東郷さんって私よりも背が高いから時々ドキッとしちゃうもん」

「そんなことないわ。洸輔くんに至っては、そんなに大差がないと思うし」

 

 雑談をしながら歩いていると、僕達の目の前に黒い高級車が急停止した。

 

「おぉ、なんだろ?」

「大赦の印がついた車……?」

「友奈、美森を守って」

「え?う、うん」

 

 もしかしたら、壁を壊した美森を連れて行こうとしているのではないのかと考え、警戒し身構える。

 

 しかし、車の中から出てきた人物は僕達の不安を一瞬で打ち消した。

 

「こうく~ん!!!」

「げぼぁ!?」

 

 詳しくは飛び出して来た、が正しいのだが。

 

「そのっち!?」

「ふぇぇ~!乃木園子さん!?」

「園子でいいよ~。ゆーゆ~。そしてわっしー!そうだぜ!そのっちだぜぇ~」

 

 二人の驚く声が聞こえる。所で僕の顔面に当たっているこの柔らかいものは一体なんでしょうか?

 

「そ、園子!?こ、ここ!通学路だから!は、はよ離れて!」

「何を言ってるんだいこうく~ん?満足するまで堪能してええんよ~。だってあの時私のこと抱き締めてくれたじゃな~い」

「「!?」」

 

 園子が言葉を放った瞬間、すっごーい寒気がした。

 

「ふふ……そのお話は後でじっくり聞くとして……所でェ、洸輔くんはいつまで、そのっちの胸部に頭をくっつけているのかしら?」

「少し待つんだ美森!これは明らかに不可抗力で……」

「え~そんなことないでしょ~♪だって顔擦り付けてるじゃ~ん」

「さて、と。体鈍っちゃってるから少し瓦割りでもしようかなぁ〜あ、そうだ、洸輔くんも(割られるの)手伝ってよ」

「何を!?明らかに瓦以外の何かを割ろうとしてませんかね!?てか…園子はこじれそうなことを言うなぁ!!」

 

(さっきまで平和だったのに……)

 

 朝から頭痛が止まらない僕なのであった。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

〜場所は変わって教室〜

 

「zzz〜」

「登校の初日に寝るなんて、ホントにそのっちみたいね」

「げ、元凶がすやすや眠りおってぇぇ…」

「ま、まあまあ。その話はもう私たちも納得したから」

 

 僕の決死の説得により二人は引き下がってくれた。もし一言でも間違えていれば、いや考えるのはよそう。恐ろしすぎる。

 

「え?ちょ?な、何これ!?」

 

 夏凜が園子を見るや否や大声を上げて驚いていた。

 

「あ、やっぱり。夏凜ちゃんも知らなかったんだ」

「美森も知らなかったみたいだったしね〜」

「ホントに驚いたわ……」

 

 僕達が各々の反応を示しているように、クラス内からも様々な会話が聞こえてくる。

 

「凄いきれいよね~お人形さんみたい!」

「だってあの神樹館よ…お嬢様よ!」

「うらやましい~…あの髪質とかどうやってんの…」

「あ~道理で風格があると思った~」

「結局天草の嫁候補が増えただけだろ…はぁ~」

 

 クラスの皆が園子に対しての感想を述べている。あと、最後に関しては抗議の声をあげたい。嫁って……。

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 放課後の部室にはいつも通りの面子が集まっていた。そこには……。

 

「というわけでぇ~勇者部入部希望のぉ~乃木園子だぜぇ!」

 

 新たな部員が加わり、更に賑やかになっていた。

 

「リハビリもある程度済んだので通学することになりましたぁ~。みなさんこれからよろしくね~」

 

 彼女は相変わらずの間延びしたトーンで皆に向かって挨拶する。

 

「またそのっちと勉強できるなんて…」

「うん~。居眠りしちゃったらごめんねぇ~」

「まったく。居眠りはダメよ?そのっち」

「と、東郷がいつもより真面目……」

 

 美森のお母さんのように園子を叱っている所を見て、風先輩が困惑していた。

 

「ですねー。でも、そんな美森も新鮮でいいと思います」

「も、もう……洸輔くんったら///」

 

 照れる東郷を見て園子は思った。

 

(ほぉ~そんな気はしてたけど……やっぱりそうなんだねぇ~。ふふふ、創作意欲が湧いてくるよぉ~)

 

 園子は小説を書くのが趣味なのである。

 

「ほんじゃ改めて、よろしくね。乃木さん」

「乃木とか園子でオッケーですよぉ~。部長」

「おお!さっそく部長と呼んでくれるなんて!どっかの誰かさんとは大違いね〜?」

「誰かさんってのは……アタシのことかしら?犬部長?」

 

 ジト目で風先輩を見ながら夏凜が、近づいてきた。その表情はあからさまに風先輩を煽っている様子だった。

 

「あ~三好さん~お兄さんにはお世話になったよぉ~」

「え、えと、その……こ、こちらこそ兄がお世話になりまして…」

「敬語じゃなくていいよ~同い年なんだし。私もにぼっしーって呼ぶから~」

「おいこらぁ……誰よ、それ教えたの!?」

「酷いもんだねぇ……夏凜が嫌がってるのに!誰ー?教えたのー?」

「?、こうくんが教えてくれたよね?」

「なるほどねぇ……ちょっとお話ししましょうか?洸輔クン?」

「あ、えと、その、あのね?(グキッ)いやぁぁぁぁぁ!!」

 

 夏凜からのお話(物理)を聞いていると樹ちゃんが園子に自分から声を掛けていた。

 

「あ…あのい、犬吠埼樹です!よ、よろしくお願いします!」

「は!?い、樹が…自分から…初対面の人に挨拶している…」

「何泣いてんのよ…あんた」

「い、いだい……いだいでふ、夏凜様」

「ほ、ほら、夏凜ちゃんもうそこらへんで」

 

 騒がしい上級生たちを、よそに樹ちゃんは園子とファーストコンタクト中である。

 

「うん~よろしくね~いっつん!」

「い、いっつん?」

「ごめんね、樹ちゃん。そのっちは変なあだ名をつけるのが好きなの」

「そ、そうなんですか…」

「いいじゃなーい、いっつん!」

 

 そんなこんなで雑談をしながら過ごしていると時間は過ぎていき、夕方になっていた。次の活動からは園子も本格的に加わることになり…勇者部は7人になった。

 

 

 

 

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 私はマンションに住んでいるため、こうくんや勇者部のみんなとは逆方向に家がある。そこでわっしーが「流石に一人で帰らせるのは危ないので護衛をお願い」とこうくんにお願いして、今はこうくんと二人で歩いて帰宅している。

 

「わざわざありがと~。こうくん」

「いいんだよ、園子みたいに可愛い女の子が一人でいたら危ないしね」

「突然そういうのはずるいと思うよ?こうくんのお馬鹿さん」

「……ん?怒られた?」

 

(わっしーも気を使わなくてもいいのにね〜)

 

 多分わっしーは、今まで体が動かなかった私に気を使ったのだろう。もうあの時のことはいいって言ってるのに~。

 

「そうだ、こうくん!おんぶしてよ!おんぶ!」

「唐突だね、まぁいいけどさ。それじゃ、ほい」

「ありがと~こうくん」

 

 背中に乗っかると、こうくんの体温を直で感じた。前に抱き締めてもらった時のあの感覚を思い出す。

 

(温っかいなぁ……安心)

 

「こうくん」

「どうしたの園子?」

「ありがとうね、何度もお見舞いにきてくれてさ」

「別に気にしなくてもいいよ。園子のためだから。それに約束したしね、絶対に会いに行くって」

 

 戦いの後、こうくんは記憶や体の機能失ってしまい治るのに時間が掛かったらしい。後遺症とか、心配事も色々あったはずなのに。

 

 こうくんは、すぐに私の所に来てくれた。松葉杖をつきながらも、私に会いに来てくれたときはホントに嬉しかった。あの時もそうだったけど、こうくんからはわっしーとは違った安心感があった。

 

「ねーこうくーん」

「なんだい?」

「えっへへ~呼んでみただけでした~」

「ふふ、なにそれ」

「ん〜♪こうくんの背中は乗り心地がいいですぞぉ~」

「それはよかったですね、お嬢様」

 

 マンションに着くまで、こうくんの体温を感じ続けた。

 

(ライバルは多いけど遠慮しないよぉ~、私、割と欲張りだもん)

 

 一人心のなかで、そう呟いたのだった。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 二人で他愛もない会話をしながら、歩いていたらいつの間にか園子が住むマンションの前についた。

 

「はい、着きましたよ。お嬢様」

「うむ。善きにはからえ」

 

 そんな小芝居に自分たちでやっておきながら、二人で笑ってしまう。

 

「それじゃーね、園子」

「あ、ちょっと待って!こうくん!」

 

 別れの挨拶を済ませて、僕が帰ろうと体の向きを変えると園子がこちらによってくる。微かに頬が朱に染まっている気がするのだが……気のせいだろうか?

 

「園子?」

「えっとね、ここまでおんぶしてくれたお礼、してもいいかな?」

「いや、別に気にしなくてい」

「いいから〜ちょっと目をつぶってて?」

「あ、は、はい」

 

 言われた通りに目を瞑ると、次の瞬間、僕の頬に温かく湿った感触が触れた。僕はその感触がなんなのかを理解し顔を赤くする。

 

「ちょっ…え?そ、園子さん……?」

「こうくんも結構大胆だからね、園子もちょっと大胆になってみたんだぜぇ~」

 

 嬉しそうに微笑んだ園子は自分の唇に人差し指を当てた。その仕草に心臓が高鳴る。

 

「これは……二人だけの秘密なんよ」

「は、はいっ!」

「それじゃね~こうく~ん」

「う、うん、ば、バイバイ??」

 

 僕は顔を赤く染めたまま10分以上の間そこから動けなかった。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

〜その日の夜、友奈宅〜

 

 

「むぅ~………」

 

 今日はなんだか落ち着かなかった。園ちゃんと洸輔くんが仲良くしている所を見ると心がざわざわした。

 

(嫉妬、してるのかな?)

 

自分の携帯に手を伸ばす。すると私は自然に指が動いて彼に電話を掛けていた。

 

「ねぇ?洸輔くん?明日って用事あるかな?」




見てわかる通り、次は友奈とのデート回を予定しております!

正直みんな可愛いので、みんな目立たせたいってのが作者の願望です!

それではまた!
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