天草洸輔は勇者である   作:こうが

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お気に入り!60件!ありがとうございます!!
そして断空我さん!評価ありがとうござます!

えー今回の内容は……もうお前ら付き合っちゃえよって感じの内容になってます。

そこらへんを含めてご覧ください!


30話 いつまでも傍に

「行ってきます」

 

自宅のドアを開けて外に出る。今日から二日間の間、両親は実家に里帰りするため家には僕一人である。(誘われたけど用事があったので断った)

 

「はぁ~何気に家に一人って寂しいんだよなぁ…」

 

隣の家に向かって歩きながら、そんなことを呟く。すると家の前に幼なじみの少女が立っていた。

 

「おはよ!洸輔くん!」

「おはよう、友奈」

「それじゃ…行こっか!」

 

友奈はそう言うと、素早く僕の手を取って歩きだした。

 

「ちょ…友奈…」

「いいの!私が手を繋ぎたいんだから!」

「はぁ…まったく…」

 

相変わらずの幼なじみの行動にため息をつく。

 

昨日、突然僕は友奈に誘われて一緒に遊園地へ出掛ることになった。

 

(まぁ…友奈と二人で過ごすのも久しぶりだし…これくらい許してあげよう…)

 

そう心の中で呟き、僕も友奈の横にならんで歩きだした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

遊園地に着くと、二人とも何だかんだでテンションが上がっていた。

 

「さぁ!全力で楽しもう!洸輔くん!」

「うん。来たからには楽しまないとね!」

「よーし!それじゃあまず!あれいこう!」

 

そう言って友奈が指差したのは、絶叫系のアトラクションだった。

 

「ふぇ!?」

「あれ?どうしたの洸輔くん?」

「いや…大丈夫…行こうか…」

「うん!行こう行こう!」

 

ー絶叫体験中ー

 

「う………うっぷ」

「洸輔くん…大丈夫?」

「だ、大丈夫だよ……ぅぅ」

 

嘘です…ごめんなさい…僕…絶叫系は割と真面目に苦手な方なのだ。しかし…友奈のあんなに楽しそうな顔を見たら断れなかった。

 

「落ち着くまで背中擦ってあげるね!」

「ありがとう…友奈…」

 

ああ…僕の幼なじみはホントによくできた子だ。涙が出てくる。ある程度落ち着いたので友奈に声を掛ける。

 

「ふぅ~とりあえず落ち着いたよ…ありがとね」

「よかったぁ!それならもう一個乗りたい絶叫系があるんだ!」

 

(マジか( ̄▽ ̄;))

 

「二人で乗れば絶対に楽しいよ!」

「よーし!もうこうなったらとことん楽しんじゃうぞぉー!!!」

「おー!!!」

 

やっぱり友奈の笑顔には勝てず、僕は半分ヤケクソの状態で叫んだ。

 

まぁ実際、友奈と一緒に乗れば何でも楽しいので途中から余り気にならなかった。アトラクションを乗っている間も僕と友奈はずっと手を繋いでいた。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

(ひゃー………すごいデートっぽい~。自分から誘っておいてなんだけど…さっきから凄く胸がドキドキしてるよ~)

 

一人で考え込んでいると、洸輔くんに声を掛けられた。

 

「で、友奈。次はどうする?」

「え~と…あ!あれとかどうかな?」

 

私が提案したのは、射的系のゲームコーナーだ。景品の中には可愛いぬいぐるみがあり、それは私の目を一瞬で奪った。

 

「可愛い~!洸輔くん!私あれ欲しい!」

「確かに可愛いね…てゆーか牛鬼に少し似てる?」

「あ、ほんとだ!似てるかも!」

「ちょっと難易度高そうだけど…大丈夫?」

「大丈夫!なせば大抵なんとかなる!」

 

………って言ったはいいけど

 

(何で…全然当たらないーー!!!)

 

あまりの射撃技術の無さに、自分で驚く。たまに当たったりはするけど…ぬいぐるみはビクともしなかった。

 

「ぅぅ……当たんないよぉ」

「友奈、もう少し腰を引いてみ」

「こ、こう?」

「そうそう。あとは…」

「!?」

 

すると洸輔くんの行動に私の胸がさっきまでとは比にならないほどに高鳴る。洸輔くんは私を包み込むような態勢で優しく銃を持っている方の手を握った。

 

(はわわわぁーーー!これじゃ射的どころじゃないよぉー!!)

 

「美森ほどの射撃技術はないけど…ガンシューティングとか結構好きだから…少しくらいならアドバイスできるよ」

「そ、そうなんだ……」

 

外身ではかなり平静を装っているが…今にも頭から蒸気が出てきそうな程、私は動揺していた。

 

(だめだぁ…色々言われてるけど…体が密着しすぎてそれどころじゃない~)

 

「そこで………引き金を引く!」

「は、はい!」

 

放った弾はぬいぐるみのど真ん中に当たり…そのまま後ろへ倒れていった。

 

「よし!やったね!友奈!」

「………………」

 

店員さんから景品のぬいぐるみを受け取って、私はそれに顔を埋めた。その様子に洸輔くんが心配そうに顔を向けてくる。

 

「友奈?大丈夫?」

「………洸輔くんの……バカ…」

「なんか怒られた!?」

 

(………洸輔くんは卑怯だよ…。…ぬいぐるみよりもよっぽど嬉しいものを私もらっちゃったよ…)

 

私は真っ赤っかになった顔を隠すように、ぬいぐるみをギューっと抱き締めた。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

「ふぃ~ちょっと疲れたし休憩しようか」

「そうだね~結構いろいろ乗ったしねぇ~」

 

射的が終わったあと僕達は制覇を目指し様々なアトラクションに乗った。ノンストップでここまで動いたため二人ともヘトヘトだ。

 

「僕、飲み物買ってくるよ。友奈は何が欲しい?」

「リンゴジュース!」

「了ー解」

 

笑顔で答えた幼なじみに僕も笑顔で返す。

 

店でリンゴジュースを二つ買って戻ってくると…友奈がチャラチャラした男たちに絡まれていた。

 

「君、一人?」

「可愛いね~。ねぇねぇお兄さんたちと遊ばない?」

 

ビックリするほどテンプレセリフにため息がでる。確かに友奈は、お釈迦様もびっくりするくらいに可愛いからナンパしたくなるのもわからなくはない。

 

「あ、えと……」

 

しかし…そういうのはしっかりと本人の意思も尊重してほしいと僕は思った。

 

「申し訳ない。彼女嫌がっているので…お引き取り願えませんか?」

「は?」

「なんだてめぇは?」

「この子の彼氏です」

 

最初は言おうか迷ったが、言った。できればここら辺で引き下がってほしいと僕は全力で作り笑いを浮かべている。

 

(ま、腹の底は煮え滾ってるけどね)

 

「おいおい…お前が彼氏?随分と釣り合ってねぇな?ほらお嬢ちゃんこんなガキとは縁きって俺らと遊ぼうぜ」

「洸輔くんを悪く言うのはやめてください!」

「おーおー怖い怖い。まぁまぁ嬢ちゃん絶対に楽しませてあげるから…」

 

男はそう言うと、友奈に手を伸ばした。その行動に僕の中で何かが切れた。

 

自分で言うのもなんだが、僕は基本的には怒ることがない。普段はずっと温厚だ…でも僕だって人間…絶対はない。

 

「このがき!邪魔すんじゃ…」

「てめぇが………邪魔なんだよ…」

「あ?い…いっでぇぇぇ!!」

 

相手の手を掴んで、そのまま捻る。かつて友奈のお父さんに仕込まれた体術を使う。普段は出さないドスを効かせた声を男二人に放つ。

 

「…消えろ…これ以上僕の大切な人に手を出すのなら…容赦はしない…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ちょっとした事件が起きたが、それ以外は特に何もなく遊園地で楽しむことができた。今は二人で帰路を歩いている。

 

「ふぅ~楽しかったぁ!また行きたいね、友奈?」

「うん、洸輔くん。今日はありがと」

「こっちの台詞だよ。ありがとね」

「あと…ごめんね…洸輔くん。嫌な思いさせて…」

「それに関しては友奈のせいじゃないでしょ?気にしない気にしない」

 

友奈はまだあの一件を気にしているらしい。僕としてはもう過ぎたことなので気にしなくていいと思うのだが。すると友奈の次の言葉は僕の度肝を抜かせた。

 

「そうだ!お詫びと言ってはなんだけど!今日家に泊まりにおいでよ!」

「へ?」

 

あまりの爆弾発言に思考が止まる。しかし友奈は有無を言わさず僕の手を引っ張って走り出した。

 

「確か…今、洸輔くんって家に一人でしょ?そんなの可哀想だし…だから私の家に泊まりなよ!」

「ちょ!ちょっと友奈ぁーーー!!!」

 

 

 

場所は変わって友奈宅…。

 

「お邪魔しまーす……」

「どうぞぉ~自分の家みたいに寛いでくれていいよー」

「それより…君の両親は大丈夫かな?かなり動揺してたけど…」

「多分大丈夫だよ」

 

先ほど僕が泊まることを友奈が両親に説明し終わった際に、友奈母は「私のことはこれからお義母さんと呼びなさい」と言ってきたり…友奈父に至っては目のハイライトが消えてずっと虚無を眺めていた。(阿鼻叫喚の世界…)

 

夕飯を食べさせてもらったときも、両親の目は僕の方を向いていた。(まったく落ち着かなかった…)

 

そんなことを考えていると、友奈に声を掛けられる。

 

「それじゃ、お風呂入っちゃおうか」

「うん………………うん?」

 

(今………この子は何と言った?)

 

「えーと…友奈?もう一回言ってくれる?」

「お風呂!入ろう!」

「………………」

 

僕は…………一体どこのラノベの主人公なんだろうか…。

 

※都合のため会話のみを再生しています。

 

「相変わらず洸輔くん…。筋肉すごいねぇ」

「そ、そうかな?」

「そうだよぉ~それじゃあ、お背中流しますね~」

「あ、ありがとう…」

「………前もやる?…」

「そ、それは自分でやる!」

「顔赤くしちゃって~洸輔くん可愛い~」

「っ~~!!」

「じゃあ私の体を流してよ」

「ふぁ!?」

 

てな感じでお風呂タイムは終わった。今まで生きてきてここまで心臓が止まりそうになったのは初めてだ。まぁ今の状況もかなりのものなんだけど…。

 

「ねぇ………友奈?」

「何?洸輔くん?」

「何で…僕らは同じ布団の中にいるのかな?」

「それはしょうがないよぉー。予備の布団がなかったんだから」

「いや…それでも」

「もー、えい!」

「!?」

 

思いっきり友奈に抱きつかれる。只でさえ距離が近くてドキドキしているのに、その行動でさらに胸が高鳴る。

 

「あったかーい…」

「ちょ…友…」

「よかった…ホントによかった…」

「友奈?」

 

友奈の顔を見ると目に涙を浮かべていた。僕は突然のことに、言葉を失う。

 

「あの戦いの時……もうダメなんじゃないかって…もう洸輔くんと一緒に楽しく過ごせる日が来ないんじゃないかって…思ってた……」

「………………」

「でも……またこうやって…洸輔くんと一緒に…遊んだり話せたり触れたりできてる…それが嬉しくて…」

「…友奈…」

 

僕は友奈の目から流れている涙を拭う。そして彼女を強く抱き締めた。

 

「僕も…僕も嬉しい。こうやって…友奈に触れられてホントに嬉しい」

「洸輔くん…」

「大丈夫だよ…友奈…。これからも僕は君の傍にいるから…」

「うん…ありがとう…洸輔くん…」

 

そこから二人の間には言葉はいらなかった。ただただお互いの温度を確かめるように僕たちは抱き締めあった。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

洸輔くんの温度を感じながら思う…。多分…昨日私が感じたのは嫉妬もあるだろうけど…不安だったのだ。またいなくなってしまうのではないかという不安だった。

 

(でも……そんなこと気にする必要もなかったみたい…)

 

今日で、私の中の不安はなくなった。洸輔くんの寝顔を見ながら呟く。

 

「私も……ずっと傍にいるよ…洸輔くん…」

 

私は大好きな幼なじみの体を抱き締め眠りについた。




付き合っちゃえよ…お二人さん…。

はい!!というわけでいかがでしたでしょうか?できれば感想もらえるとうれすぃです!

あとお知らせなのですが…次はのわゆの序章的なの書こうと思ってます!そこんとこよろしくです!

それではまた!!
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