天草洸輔は勇者である   作:こうが

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 勇者部所属いいっすね…読んでたらめちゃくちゃアイデア浮かんできちゃってもう…筆がノッちゃってノッちゃって、楽しぃ。

 そんなことより!実は…この天草洸輔は勇者であるが、皆様のお陰でがなんと、UA十万越えを達成しました!本当に読者の皆様…ありがとうございます!これからも頑張りますので…何卒、この作品とダメダメな作者の事をよろしくお願いいたします。

 てな訳で、本番どうぞ!!


短編 ししょーの最近です(★)

「はっ…はっ…」

 

 早朝、今日は随分と調子が良かったのでいつもとは違う道を走り抜けていく。

 

(こういうのもたまには良いな。いつもとは景色も違って新鮮…あれ?)

 

「夏凜、それにあの子…」

 

 目線の先には、夏凜と小さな女の子が一緒にいる姿が見えた。何やら二人で木刀持って素振りをしているようだが…まさか、夏凜の妹?

 

「いや、ないない。居たとしたら春信さんからその子の話を聞かないはずないし…」

 

 だとしたら、あの子は?どこかで見たことがあるような……ていうか、ほんと夏凜って太刀筋綺麗だな〜冴えが素晴らしい。

 

 いや、横にいる子も中々綺麗な素振りをしている。あれは毎日鍛錬を積んでる子の動きだ。

 

「じ〜」

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

〜一方その頃〜

 

 

「ししょー、さっきから不審者さんがずっとこっち見てる」

 

「あのバカ…富子、あれは不審者さんじゃないわ」

 

「ちがうの?」

 

「ええ、あれはただのポニテ好きの変態よ」

 

「じゃあ、へんたいふしんしゃさん!?!?」

 

 驚愕する富子。ていうかあのバカは何をしてるのか、さっさと声をかければ良いものを。何故かこちらに寄って来ず、遠巻きにこちらを見ているだけなのか。

 

(あんな事してれば、不審者に間違われても文句言えないでしょ)

 

「富子……って、何してるの」

 

「警察さんに不審者さんをつかまえてってサインをおくってるの」

 

 砂浜に何やら文字を書いている。タスケテ……知らない人がこれを見たら、本当に警察を呼ばれかねないわね。

 

「気持ちは分かるけど、やめてあげて。いちお、あれでも私の知り合いだから」

 

「っ!ししょーのお友達、不審者さんなの!?」

 

 完全に誤解されてる。不審者、とか言った私も私だけど。とりあえず、当事者にメールを送る。

 

夏凜『じろじろ見てないでこっち来たら?』

 

洸輔『えっ、そっち行っていいの?』

 

夏凛『逆にどうしてダメだと思ったの、早く来なさい。さっきからあんた不審者にしか見えないから』

 

洸輔『ごめんごめん、夏凜の鍛錬してる姿って絵になるからつい見入っちゃってさ』

 

夏凜『後10秒の内にこっち来なさい。じゃないと通報』

 

 ほぼ会話をぶった切る形で、携帯をしまう。口角が少しでも上がってしまった自分に、イラッとした。

 

「ししょー、顔赤い?」

 

「……気のせいよ。それより富子、今から面白い奴が来るから楽しみにしておきなさい」

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

「30秒…てことは、通報ね」

「ま…待っ、待って…僕は、まだこの世のポニテを探求しきれていないんだ…だから…」

「言い訳が完全完璧に変態じゃない」

 

 何度も言うけど、変態という名の紳士である。決して変態ではない。

 

「で、何でこんな所まで来たのよ?」

「実はランニング中でね、やる気を出して走ってたらいつの間にかこんな所にまで来てたわけさ」

 

 「自由すぎでしょ」と夏凜。その横では女の子が目を輝かせながら、こちらを見ている。

 

「この子は…」

「そっか、あんたはそんなに話したことないんだっけ?」

「多分…ごめんね、名前を覚えてなくて」

「気にしないで!不審者さん!」

「ふ、ふし?」

「あー、とりあえず説明するわね」

 

 この子の名前は富子ちゃん(トロ子という可愛らしいあだ名もあるらしい)夏凜が初めての勇者部での活動中に出会った子らしい。

 

 それ以来、二人は仲良くなり今では師匠と弟子という形に落ち着いたそうだ。その関係通り、早朝から鍛錬を一緒に行ったりしているらしい。

 

(本当に夏凜は優しいなぁ(ほんわか))

 

「……何ニヤついてんのよ」

「いんや〜べつにぃ〜?なんでもないよ〜」

「……ふん!」

「とうっ!ふっふっふ、甘いね…僕がそう何度も同じ手を食らうわけ(ゴキッ)すねーーーー!?!?」

 

 手刀を避けたと思ったら、脛を破壊された。膝から崩れ落ち項垂れていると、頭を撫でられる。この温もりは…だれ?

 

「富子ちゃん…?ありがとう慰めてくれるんだね…嬉し」

「不審者さん!」

「ごふっ…ふ、不審者さんはやめてね、天草か洸輔でお願い」

「わかった!へんたいふしんしゃの天草洸輔さん!」

「ぬおおおお!フルネェェェム!もうやめて富子ちゃん!僕のライフはもう0よ!」

 

 幼稚園児に半泣き状態にされかけたものの、なんとか「こーすけくん」呼びにするよう説得成功。てかコラ、おいそこの煮干し仮面腹抱えて笑ってんじゃないよ。

 

「こーすけくんは、強いの?」

「自分で言うのも何だけど、結構強いよ。富子ちゃんのししょーに勝っちゃうくらいにはね(キリッ)」

「はっ、よく言うわね。この前は私に二本取られて負けたのに」

「むっ、その前は僕が圧勝だったけど?」

 

 お互いに喧嘩腰。勝負事に関しては割とうるさいのが私でございます故。

 

「あぁ?」

「おぉ?」

「やんのかコラ(小声の天草)」

「あ゛?」

 

 こわぁ…ガチじゃん。ごめんって…ちょっとノッただけだから…許して。ガチの威圧に半泣き状態となっていた所、富子ちゃんがある提案をする。

 

「じゃ、じゃあ、ししょーとこーすけくんがしょーぶすれば良いと思う!」

「「え?」」

 

 思わぬ提案をしてきた富子ちゃん。わたわたしながらも頑張って喋る夏凜の弟子1号。

 

「喧嘩をするよりも、ししょーが前言ってたくみて?をしたほうが…いいかなって」

「確かに…良い案ね、やるじゃない富子」

 

 弟子の頭を撫でる夏凜。その様子は明らかに姉妹のようであった。えへへ…と笑う富子ちゃん…可愛い。

 

「……ポニテ好きのロリコンは属性過多だと思うわよ、洸輔」

「シッテルヨ、ソロソロナクヨ?」

 

 ごめんごめん、とヘラヘラする夏凜。よっしゃオラ、今日はボコボコにしてやるけんね(本気と書いてマジ)

 

 自分は一本の木刀を、夏凜は二本の木刀を手に取り、構える。

 

「やるからには、本気で行くからね」

「当たり前よ、手なんか抜いたら許さないんだから」

「気合入ってるね、夏凜。もしかして弟子のお陰?」

 

 ちょこんと砂浜に腰を下ろして、二人の対決を見守ろうとしている弟子の方へと視線を向ける夏凜。

 

「ま、師匠として。恥ずかしい所は見せられないわよね。だから、勝つわよ…この試合」

「変わったね、夏凜」

「うっさいっての」

 

 その言葉を最後に、お互いの木刀はぶつかり合った。

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

「せやぁ!」

「させ、ない!」

 

 何度目かも分からない木刀同士がぶつかり合う音が響いた。

 

「ししょー!こーすけくん!頑張れー!」

 

 横からは、富子の元気な声が聞こえてくる。ふと、思い出す…少し前までの自分を。

 

 ずっと、一人きりで鍛錬をし続けた。別に今だってしないわけじゃない、けど、いつの間にか、こうやって周りに誰かが居てくれる事に心地よさを感じてる。

 

(昔の私が、今の私を見たら何て言うんだろう)

 

 眉を釣り上げて、私を指差し…『それは弱さだ!』とバカにしたと思う。

 

 でも守りたいものが、守りたい人ができた。皆と一緒にいたい、明日も明後日も、これから先の未来も笑って会えるように。

 

(そう思うと、自然と力が湧いてくる)

 

「良い顔してるね、夏凜」

「ドーモ。そう言うあんたこそ、随分と楽しそうだけど?」

「夏凜があんまりにも楽しそうだからさ、こっちもノッて来ちゃってさ。それに」

 

 釣られて視線を向けると、ぴょんぴょん跳ねながらこちらを応援している富子の姿が目に入る。

 

「しっしょおー!しっしょおー!!」

「あれだけ楽しそうに見てくれてる子がいるんだ、こちらも楽しんでやらなきゃ損でしょ?」

「そうね、じゃ…弟子の為に!もっと気合い入れますか!」

 

 (これが今の私の在り方、私が見つけた勇者の力)

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

「ま、負けたぁ…くそぅ」

「今回は私の勝ちね、これが完成型勇者よ」

「ししょーすごかった!!かっこよかった!」

「そ、そう?まぁ…その、ありがとう」

 

 砂浜での組み手は夏凜の勝利によって幕を閉じたという。いや、なんというか…いつも以上に強かった。負けて悔しさはあるものの、富子ちゃんと夏凜の笑顔を見たら、まぁいいかと思ってしまった。

 

 そこそこ時間も経ったので、夏凜と共に富子ちゃんを家へと送り届けることになった。手を繋いで歩く二人の横に付き添う形で、僕もついて行く。

 

「ししょーの手、好き〜」

「何回言うのよ、それ。もう聞き飽きたわよ、流石に」

「と言いつつしっかり嬉しそうなのが夏凜らしいね〜」

「やかましいわよ、たくっ…ふふ」

 

 嬉しそうに笑う夏凜。半年前までの彼女なら、こんな風に人前で笑う事はなかっただろう。心の底から彼女の変化を嬉しく思った。

 

「ん」

「……富子ちゃん?」

「ん、おてて繋ごう?」

「…いいの?僕も繋いで」

 

 嬉しそうに頷いた富子ちゃん。念の為、夏凜の方にも視線を向けるとさっさと握ってあげなさいと言わんばかりの目を向けられた。なんだかんだ甘々じゃないか、夏凜さん。

 

「えへへ〜ししょー達と一緒」

 

 にぱぁと明るい笑顔を浮かべる富子ちゃんを見て、僕と夏凜は顔を見合わせ笑った。

 

「良い弟子を持ったんじゃない?」

「知ってるわよ、そんな事。あんたに言われなくてもね」

「ほほ〜ん、デレデレだね〜夏凜さん」

「……今度は、もう片方の脛を破壊してあげましょうか?」

「いやまじごめんって悪気はないのよほんとに(懇願)」

 

 半泣き状態で謝る僕、そして鬼のような形相で圧をかける夏凜。そんな中、真ん中にいる富子ちゃんは二人のやりとりを楽しそうに見ていたという。

 

 というか、なんだろうねこれ。今のこの状況は…周りからどんな風に映るんだろうか。僕としてはこの絵面って────。

 

「こーすけくんとししょー、私のお父さんとお母さんみたい!」

 

 静寂、僕はあー先に言われちゃった程度だけど、完成型勇者様がやばい。思考停止したように固まったと思ったら、次の瞬間、顔が真っ赤になって、あたふたし始めた。

 

「な、何言ってんの富子!?私と…こいつが!?」

「し、ししょ〜揺らさないで〜」

「こらこら!夏凜!落ち着きなさいって!例えだよ、例え!てか、なんでそんなに真っ赤になってるのさ!?」

「な、なんでもないわよ!それより、ほら!富子の家までもうすぐだし、急ぎましょ!」

 

 足早に動き出す夏凜。そんな彼女の様子を、僕と弟子は首を傾げながら見てましたとさ。

 

「君のししょー可愛いね」

「うん、ししょー可愛いよ!」

「やかましいわぁぁぁ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

「ありがとうね、夏凜ちゃん。今日も富子と一緒にいてくれて」

「いえ、私が好きでやってる事ですから」

「ししょ〜」

 

 じゃれついてくる弟子の頭を撫でる。家まで送り届けた所で、洸輔とは別れたのでこの場にあいつはいない。

 

「所で、夏凜ちゃん」

「はい?」

「家の前にいたあの男の子は誰?彼氏とか?」

「ごふっ!?!?」

「あら、その反応は…ふふ、夏凜ちゃん、しっかり乙女してるのね〜」

「か、からかわないでください、私は別にあいつのことなんて…」

 

 好きじゃない…と言おうとした所で、つい先程の出来事を思い返す。富子に指摘された時、真っ先に顔が赤くなってしまったのは…。

 

(そういう未来があっても……良いかなって少し思っちゃったから)

 

 私が、そう遠くない未来で…そうなる事を、私は望んで?

 

「〜〜!!!!!(ボフッ!)」

「ししょーかお真っ赤!」

 

 「なってないわよ〜…」と弱々しく弟子に抗議する。顔を両手で隠して唸る。考えれば考えるだけ、ドツボにハマっていった。

 

(……本当、余分なものまで教えてもらっちゃったわ)




いや〜…明るい天草くん久しぶりに見たなぁ!!(悪魔の笑み)


次は高嶋ちゃんifを投稿するよ!待っててね!(`・ω・´)
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