天草洸輔は勇者である   作:こうが

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まぁあれです、プロローグ的なやつです。

誰もヒロイン出てこないけど(そこに関しては番外編あげたりするので許して)

次から本格的にのわゆ編スタートです!


乃木若葉は勇者である
序章 紡がれてきた想い


「また、ここに来ることになるなんてね」

 

もう二度と来ることはないだろうと思っていた場所に、僕は足を踏み入れていた。

 

視界全体が炎で覆われた地獄のような世界。

 

「それじゃ、試運転だ」

 

僕はスマホを片手に持ち、勇者システムを起動する。瞬間…体を光が包み込んだ。

 

「見た目と武器が変わったのかな?でも、なるほど、同一か。道理で体に馴染むわけだね」

 

僕が身につけている勇者服は、色こそ前の灰色と黒から変わってはいないものの…細かい部分に変化がみられた。

 

腰にあった短剣はなくなっており…かつての青く発光していた片手剣は、自分の身長ほどもある白銀の長剣に変わっていた。

 

肩と足の部分には、銀色の甲冑のようなものがついており個人的には勇者というより騎士のイメージが強かった。

 

「さて、とりあえず変身はできた。ならあとは」

 

両手で長剣を握り力を込めると…僕の存在に気づいた星屑がずらずらと寄ってくる。

 

「まだこの格好で戦うのは初めてなんだ…お手柔らかに頼むよ!!」

 

そう言って僕はバーテックスに向かって跳躍した。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

「久しぶりだと、結構キツイなぁ」

 

壁の中から出てきた僕はある場所へ向かった。そこには大赦の印がついた車が止まっていた。

 

「お疲れさま」

「お迎えありがとうございます、春信さん」

「いいんだ、これくらいはさせてくれ。無茶を頼んだんだから」

 

この人の名前は三好春信。夏凜の実の兄であり、大赦の中枢を担っているかなりの権力者である。

 

そんな人と僕がなぜこのような関係になっているのかというと…。

 

 

 

 

 

 

ある日、僕の家に大赦の人がやって来た。

 

最初は追い返そうかとも思ったがその人は付けていた仮面を外して、「しっかりと面と向かって話させてくれないか?」と申し出てきたので了承した。

 

内容としては、僕に勇者としての戦闘データを集めて欲しいということだった。

 

理由としては、もし僕のように男の勇者が現れた際、迅速に対応できるようにということと、次の世代の勇者達に繋ぐためだと彼は深々と頭を下げて僕に言った。

 

「今さらおこがましいと言われても、僕はなにも言えない…でも…これだけは言わせて欲しい。僕は今までこの四国を守ってきた少女達や、君達の想いを更に先へと紡いでいきたい。だから頼む、力を貸して欲しい」

 

僕はその言葉を聞いて、彼の申し出を受けた。もしこの言葉が三好春信から出た言葉ではなくて…大赦の言葉だったなら、受け入れはしなかっただろう。

 

しかも彼はそのために自分の権力をフルに使って、廃棄される予定だった僕の勇者システムを隠し持ち、秘密裏にアップデートしたりなどもしていたらしい。

 

その熱意に胸をうたれた僕は、春信さんと協力関係になった。それにより僕のスマホにはアップデートされ新たな力を得た勇者システムが供給された。

 

ちなみに勇者部の皆にはこの事は黙っている。バレれば怒られるし…やめようかとも考えてはみたが…僕自身も次の勇者たちの力になりたいためやることを選んだ……。

 

そして今日がその初仕事の日だったのだ。

 

 

 

 

 

 

「それじゃ、家まで送るよ」

「はい、お願いします」

「あ、あと洸輔くん……れ、例のものは…?(ソワソワ)」

「あ~えっと、これですかね?」

 

僕はある写真をスマホに映し出す。すると春信さんの顔が変わった。

 

「か、顔を赤らめている!?夏凜が!?」

「あーっと、教室で友達と話していたときにからかわれたらしくて……って顔が怖いですよ、春信さん」

 

正直、僕として戦闘データの件よりこちらの方がよっぽどおこがましいと思った。

 

春信さんはもう一つの頼みごとと称して夏凜の学校での様子をカメラに納めてきて欲しいと言われた。

 

「やっぱり可愛いなぁ……うん可愛い」

 

正直、引いてる。僕の中で形成されていたはずの、三好兄像は本人と会って簡単に崩れたのだった。

 

気づくといつの間にか、家に着いていたらしく車が停車した。

 

「今日集めたデータ、役に立つといいんですけど」

「そこらへんは任せてくれ。君の頑張りを無駄にはしないからさ。それじゃあ次も頼んだよ、洸輔くん」

 

車から降りて、窓越しから僕に手を振る春信さんに軽く頭を下げて家へと戻った。

 

 

 

 

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自室に戻ってきた僕は、そのままベッドに体を預けた。

 

「想いを紡ぐ……か」

 

あの時、春信さんから言われた言葉を思い浮かべる。あの言葉から察するに、僕達や美森が鷲尾という名前だった時代より更に昔にも勇者がいたのだろうか?

 

(これはそんなに歴史深いものなのか)

 

スマホに映った勇者アプリを見る。これには色んな人たちが、様々な想いを託して生まれたものなのだろうなと思う。

 

「だったら、僕や勇者部の皆はその想いを紡げたのかな?」

 

友奈からもらった灰色と黒の押し花を見つめる。疲れたのだろうか?瞼がやたらと重い。

 

(明日も学校だ、また皆で依頼をこなしたり…雑談したり…ああ…考えてみるとやりたいことは尽きないな)

 

そんなことを考えながら、瞼を閉じた。

 

閉じる寸前、窓越しに青い鳥が見えた気がした。




洸輔くんが新しく使っている勇者服とかのことは、のわゆ編が進んだと同時にオリ主説明に追加していきます!

とりあえず…今度はのわゆ編頑張ります!(何気に一番書きたかった(⌒‐⌒))

てか僕に…ハードシリアス…書けるのかな…?(今更)
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