天草洸輔は勇者である   作:こうが

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とりあえず!一話です!

ここから2日間くらい忙しくて多分あげられなくなると思います!そこはご了承を!

それではのわゆ編!本格スタートです!


第一節 ◼◼の世界

(ここは?)

 

目を覚ますと、そこは何もない真っ白な空間だった。

 

(前にも……似たようなことがあった気が)

 

一人で考え込んでいると、目の前に青い鳥が現れた。その鳥は僕の方をじっと見つめると羽を広げてゆっくりと飛び始めた。

 

(ま、待って!)

 

自然と体が動き、青い鳥のあとを追う。すると突然声が聞こえた。

 

『また、辛い思いをさせてしまうかもしれない。だが頼む……彼女達を守ってくれ』

(あなたは、一体?)

 

誰かの声が聞こえ終わったと同時に視界がぐらつき…僕の意識はそこで落ちた。

 

『大丈夫だ。すべてが終われば元の世界に戻してみせる。だからそれまでは、頼んだぞ。未来の勇者』

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

「来たか、バーテックス……」

 

私、乃木若葉は勇者服を身に纏い、樹海化した世界の先の方にいる白い化け物に鋭い視線を向けながら呟いた。

 

西暦2015年、突如として現れたバーテックスという化け物に人類は為す術もなく蹂躙された。

 

バーテックスには通常兵器は何一つ通用するものがなかった。しかし、神に選ばれた『勇者』という存在がおり……それこそが人類に残された最後の希望だった。

 

今日の戦いが四国にいる五人の勇者達の初陣となる。

 

(私達は負けるわけにはいかない!!)

 

唯一人間の生存が確認されたのが、四国や諏訪という限られた地域だけで、諏訪は白鳥歌野という勇者が一人で守っていた。

 

しかし、先ほどの勇者通信の際に諏訪との連絡は途絶えた。

 

(任せてくれ……白鳥さん。あなたの思いは私が受け継ぐ!)

 

決意を固めていると、少し離れた生い茂った木々の中に力無く倒れている人の姿が見えた。

 

「なぜ、こんなところに!?」

 

慌てて近づいていくと、その人物を見て動揺する。

 

「男……?なぜ?」

 

本来、樹海化した世界にいるのは、私と四人の勇者たちのみのはずだが…しかし今はこの人の安全を確保するのが先だと考え…自分のスマホに目をやった。

 

「まずは、この人を安全な場所へ!」

 

皆がいる方向へと、男の人を抱えて跳躍した。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

「ん…んん…ここ、は?」

「目が、覚めたのね……」

「あっ、ほんとだ!若葉ちゃーん!」

 

今度はしっかりと明確に意識を保った状態で目を覚ます。すると…僕の周りを取り囲むように見知らぬ少女達がこちらを覗き込んでいた。

 

「よかった、目が覚めたんだな」

「あれ…なんで…僕…ベッドの上で……」

「?……あなたは、意識を失って倒れこんでいたんだ」

「それを、若葉ちゃんが見つけて助けてくれたんだよ!とにかく、よかったよぉー無事で!」

「……え……」

 

僕は一人の少女の姿を見て目を見開いた。なぜならその子は……僕の幼なじみの…

 

「友奈……?」

「なんだなんだ?友奈の知り合いか?なら最初からそう言えって〜」

「え、えーと?どこかで会ってましたっけ?」

「へ?」

「え?」

 

まさかの反応に思考が止まる。動揺した思考を落ち着かせてもう一度尋ねる。

 

「君、名前は…?」

「えっと、高嶋友奈……です、けど?」

 

ここで確信した。彼女は僕の知る結城友奈とは、全くもって別人だ。

 

少し落ち着きを取り戻し……周りを見渡すとそこは樹海だった。しかも、星屑が向こう側からどんどん沸いてきていた。

 

(一体、何が…?)

 

未だに状況が確認できず、動揺は収まらない。すると…園子のような髪の色をした若葉という少女が声を張り上げながら跳躍する。

 

「無事は確認できた。では………初陣だ!勇者達よ!私に続け!!」

「よーし、行くよ!ぐんちゃん!」

「ええ……、任せて、高嶋さん」

「タマも行くぞぉ!杏!そいつのこと、頼んだぞぉー!」

「う……うん」

 

少女の掛け声に呼応するように他の少女達も跳躍し、星屑を倒していっていた。一人制服姿で残っていた杏という少女に話し掛ける。

 

「あ、あのぉ…」

「は…はい!?な、なんでしょうか」

「君は……行かないの?」

「っ………こ、怖くて…動けないんです。私も、皆を守るために戦いたいのに」

 

杏さんは顔を俯かせながら、スマホを見つめている。その手は微かに震えていた。

 

(あの声の言っていたことは、この子達を守れって意味なのか?)

 

そんなことを考えていると、少女たちが取り逃がしてしまったのか。僕と杏さんの方へと星屑が群がってきていた。

 

正直、現状のことをまだ全然理解できていない。それでも、僕のやるべきことはもう決まっている。

 

「っ!?お、おい!逃げろ!死ぬぞ!!」

 

(なら、僕のすべきことは!!)

 

ポケットに入っていたスマホを手に取り、勇者システムを起動させる。勇者装束を身に纏い、大きく口を開きながら近づいてきた星屑を僕は長剣で一網打尽にした。

 

友奈からもらった押し花を胸にあてる、叫ぶ。

 

「ここが……どこだろうと、僕のするべきことは変わらない!」

 

僕は長剣を持っていた方の手を強く握りしめた。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

その人の背中は、とっても頼もしかった。剣を構えていた姿に迷いはなく……ただ強い意志だけが強く感じられた。

 

「君は怖いって言ったよね」

「へっ?え………」

 

こちらを向くと、彼は私の頭に優しく手を置いた。その人の手は凄く温かかった。

 

「怖くても、自分にとって守りたいものがあるのなら、前を向いて一歩を踏み出してごらん?その一歩は、きっと君の力になるから」

「あ、あなたは……」

 

その人は私にむけて、優しい笑顔を浮かべた。私の頭から手を離すと、皆がいる方へと跳躍していった。

 

顔を上げると、タマッち先輩の背後にバーテックスが忍び寄っていた。私はスマホに写し出されたボタンをタップする。

 

(私が、守りたいもの。一歩を…踏み出すんだ)

 

勇者服を身に纏った私はバーテックスに向かって…クロスボウの矢を放った。矢を食らうとバーテックスは奇妙な声をあげて消滅した。

 

「杏!?」

「タマッち先輩を助けたいって思ったらね……変身、できたよ!」

「へへ、よっしゃ!タマが前に出るから援護頼む!」

「うん!」

「それにしても〜、アイツは……一体?」

「多分、私達と同じだよ」

 

何故か、私は自然とそんな言葉を発していた。

 

「ほぉ〜ん……ま、今考えてもしゃーないな!行くぞぉ!杏!」

「うん!」

 

(私にも……守りたいものがあるから!)

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

「邪魔っ!」

 

近づいてくる星屑を切り伏せながら、若葉さんの元へと跳躍する。

 

「追い付いた!」

「君は、一体何者なんだ……?」

 

僕のことを警戒しているのか、若葉さんから向けられている視線は厳しいものだった。

 

「少なくとも、敵ではありません」

「何故、そう言いきれる?」

「それは……っ!?」

 

横を見ると、星屑達が一ヶ所に集まり始め…進化体のバーテックスへと姿を変えていた。

 

「進化体か!」

「こいつは……」

「下がっていろ!こいつは私がやる!」

 

若葉さんはそう言うと…進化体バーテックスに対して刀を振るった。しかし突然作り出された反射板によって、若葉さんの攻撃は弾かれる。

 

「っ!これはっ!?」

「若葉さん!僕が、やります!」

「何を言っている!あれは…」

「言葉で信じてもらえないのなら、行動で示すまでです!!」

 

僕はそれだけを若葉さんに言って、進化体バーテックスへと近づいていく。

 

「たった一枚で!僕を止められると思うな!!」

 

体に力を込め、そのエネルギーをすべて長剣に注いでいく。すると長剣は白銀の波を纏いながら輝きはじめる。

 

「はぁぁぁぁ!!!」

 

それを進化体に振りかざし一刀両断する。体は半分に割れ、存在を保てなくなった進化体は為すすべなく…消滅した。

 

「はぁ…はぁ…や、やった!」

 

進化体を一撃で葬り去った僕はガッツポーズを取った。しかし…またしても僕は突然の視界のぐらつきに意識が保てなくなっていく。

 

(また、か。さっきから、何回も……)

 

若葉さんが何か叫びながら、こちらに向かってくる。だが…意識が朦朧としており何を言っているかはわからなかった。

 

(なんか、僕…意識失いすぎな気が…)

 

そんな場違いなことを考えながら、僕はまたしても意識を失った。




これからもっと頑張って書いていきます!誤字報告あればヨロシクお願いいたします!

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