とりあえず90件突破ありがとうございます!そしてゲートさん評価ありがとござます!!
今回少し長めになっちゃいました……そこはご了承を…
「どーよ?いい曲だろ?これ」
「う~ん……私はもっと静かな方が好きかも」
「ん?二人ともなにしてんの?」
食事を食べ終わり教室に戻ってくると球子と杏がイヤホンを片耳ずつに掛け、音楽を聴いていた。
「お、良いところにきたなー洸輔!」
「あ、うん…来た、よ?」
「タマっち先輩。急なことで洸輔さん困ってるから」
「いいだろ、別にぃ〜。んでだ、洸輔はパンクロックとラブソングだったら、どっちが好きだ?」
「と、唐突だね」
ちなみにだが、ひなたとの一件のあと大概のメンバーは全員名前呼びになった。同級生なのにさん付けはやめてほしいという希望からである。
(郡さんは怖いので、本人からの了承を得るまでは名前呼びはなし。高嶋は……まぁ、色々だな)
てな感じのことを考えていると、球子が顔を近づけて聞いてきて、杏も何気に気になるのかチラチラこちらを見てる。
「で?どうなんだよ」
「えっと……どっちもじゃダメかな?」(てゆーか顔が近いぃ)
「なに言ってんだよ、男ならはっきりしろって〜」
「そ、そうです!二つに一つですよ!」
「えぇ、なんで怒られてるの?」
困り果てていた僕の前に女神達が舞い降りる。
「お二人はホントに仲が良いんですね」
「確かにな。昔からそうだったのか?」
「ん?いや、初めてタマと杏が会ったのはバーテックスが空から降ってきた時だぞ」
「へー!て、てっきりかなり昔からの付き合いだと思ってたよ!」
また問い詰められると困るので、ここぞとばかりに女神達の救済にのる。
「当然だ!タマ達はもう姉妹同然の存在だからな!」
「えへへ~」
球子が抱きつくと杏が嬉しそうに笑った。何故だかその様子がとある姉妹に似ているような気がして、少し胸がズキッと痛んだ。
「お二人はどうしてそんなに親密になったんですか?」
「あ、それはですね」
ひなたの質問に、杏が応じゆっくりと話を始めた。
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「小さな頃から病気がち。周囲から気遣いという名の距離を置かれていた」
『小さい頃から気が強くてガサツ、「女の子らしさ」とは無縁だった』
「悪意のない……特別扱い、心を緩やかに締め付ける疎外感」
『毎日ケンカや危ない外遊びをしていたせいで、親に心配を掛けてばかり』
「孤独感を抱きながら、物語の王子様のような人が救いだしてくれると夢想しながら大好きな本を読んで過ごす……それが私」
『気が強くて、ガサツでケンカっ早い。その性質は直そうとしても直せなかった……それがタマだ』
そして、運命のあの日。
「目覚めた力が化け物を倒すためのものであることは」
『理屈を越えて理解できた』
「でも、立ち向かうことなんてできない。怯え願いながら、誰かに助けを願った」
『ガサツな自分らしい役割じゃないか。巫女の言葉通りに近くにいる勇者を助けに行った』
「突然現れて助けてくれた彼女」
『自分にはない「女の子らしさ」を持った彼女』
「『だから、思った』」
「王子様みたいだって」
『この子を守ろうって』
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「という感じで、今に至ります」
「うぅぅ、素晴らしい出会いですね。書籍化待ったなしです~」
「全部言うやつがいるか!アホぉーー!!」
「「まぁまぁ」」
「のわー!離せぇ!てか若葉は絶対にこの前の気にしてるだろ!」
「さてな」
あまりに自然な感じで語られたので黙っていた……が、冷静に考えると結構恥ずかしい内容だった。自分の顔を手で覆う。
「んのぉーー!!恥ずかしい!!」
「そんなに仲がいいなら一緒に住んじゃえばいいのに」
「あー、それなら寄宿舎の部屋が隣同士で入り浸ってるからさ」
「あんまり変わんないんですよね」
「あ、そうなんだ」
「た、高嶋さん……その、今度部屋にお邪魔してもいい?」
「いいよ~!ぐんちゃん!」
友奈の質問に杏と二人で答える。先程は話に聞き入っていた洸輔も会話に参加する。
「二人にそんな事があったなんてね。そいえば杏の部屋って小説とかいっぱいあるんだよね?」
「は、はい…そうですけど」
「良ければ今度一冊貸してくれない?興味あるんだ」
「も、もちろんです!仲間が増えるのなら大歓迎です!」
まだまだよくわからない部分とかはあるけど、タマは洸輔が悪いやつとは思えない。杏も洸輔のことを信用しているのか仲が良い。
(しかーし!杏を落とすのならまずタマを倒してから行けってな!)
「おーい距離が近いぞ〜杏とそんなに近づきたいのならタマの許可をとりんさーい!」
「ちょ、ちょっとタマっち先輩!?」
「……」
「んぁ?どした、急に黙って」
顔を近づけて抗議すると、時間が止まったかのように動かなくなってしまった。よく見ると顔が赤い、熱でもあるのか?
「その、さっき球子は自分に女の子らしさがないって言ったけどさ。そんなことないと思うよ。だ、だからさ無闇に異性に向かって顔近づけちゃダメだよ?ほら、球子みたいな可愛い子に近づかれると困だちゃうからさ……」
「……は、はぁ!?」
一瞬何を言われたのか分からず固まってしまう……が、意識した瞬間、タマの顔が熱くなるのを感じた。
「こ、こここ、こいつは何を言ってんだよ!?あ、杏、助け」
「あれ~?タマっち先輩~顔赤いよ~?」
「う、う、うるさい!と、ともかく!杏のことはタマが絶対に守ってみせる!てなわけで解散!」
強引な感じで、会話をぶった斬る。よくわからないが…その時のタマはやたらとドキドキしていた。
(可愛い…可愛い…タマが、かわいい?)
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この世界に来てから、三度目の樹海化。もはや慣れつつある気もするが、油断はできない細心の注意を払わなければ。
「ん、あれは……」
「進化体?いや……どっちかって言うと変態だよな?」
若葉が若干引きぎみに進化体を見ていると、球子が中々に辛辣な感想を言っていた。
(確かに、あれは気持ち悪いなぁ)
まぁ、バーテックス自体が全体的に気持ち悪いのだが……あれは群を抜いている。二足歩行で星屑達を追い抜きながら走ってきているその姿に、僕も球子と同じような感想を抱いた。
「二足歩行か、今までより小型ね」
「速度もかなりあるみたいです、あの素早さは厄介かもしれません」
「あれはあれで、強敵ってことだね」
「む、ふふふふ♪」
「え、怖い…どうしたの、球子」
「実はな、タマはこんな時のために秘策を用意しておいたのだよ。それは……」
『そ、それは?』
球子は某有名猫型ロボットのような声であるものを取り出す。それをバーテックスがいる方向へと球子はぶん投げた。恐ろしく速い投擲、僕でなきゃ見逃しちゃうね。
「タマだけに~うどんタマだぁーー!!」
『な、なぜ!!??』
「大社の人の話では…バーテックスには知性があるそうだ!なら、うどんに反応しないはずがない!!」
『な、なるほど!』
圧倒的なコントロール力でうどんは狙い通りにバーテックスの足元に落ちた。予定通り…これで何かしら効果が!!
『なん……だと……』
得られなかったという。その光景を目の当たりにした瞬間、勇者達には戦慄が走った。
「か、釜揚げじゃなかったからか!?」
「麺類への冒涜だ…!!」
「う、うどんに興味を示さないなんて」
「わかり合うことは出来ないんだね」
「どうやら、そのようね」
そんなコントじみた事をやっている隙に、二足歩行のバーテックスが加速しだす。直後、常識を超えた脚力を使いこちらに向かって飛んできた。
「い、いつのまに…!?」
「ぐうぅっ!!!」
「球子、杏!」
バーテックスの蹴りから杏を庇った球子も吹っ飛ばされた。その二人を両腕で抱える。樹海に叩きつけられ、二人分の勢いを受ける。
けど、問題はないはずだ。勇者服のお陰でダメージは軽減できる筈だから……と、思っていたのが間違いだった。
「がはっ!!!」
勇者服を身に付けているはずなのに背中に激痛が走る。尋常じゃない痛みが意識を揺さぶる。意識が持っていかれることはなかったものの、あまりの激痛にその場に膝をついてしまった。
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「っ〜!す、すまん、助かったぞ洸……!?」
「大丈夫ですか!?」
「がはッ……あ、だ、大丈夫だよ、心配ありがとね。二人とも」
弱々しい口調でそんな事をいう洸輔。肩を振るわせながら、荒い息遣いでこちらに応じる様子は決して大丈夫とは言えないものだった。
「全然大丈夫じゃないだろ、嘘つくなって!」
「だ、大丈夫だって…ほら、この通り!……ぐっ」
起き上がった洸輔の背中だけが赤く染まっていた。まるでそこが弱点化というように、異常な程のダメージを負っている。
「わ、私が油断、してたから……」
「いや、それを言うならタマもだ。ごめんな、洸輔」
「ううん、僕が守りたくてやっただけだから。二人が気に病む必要はないよ」
そう言ってバーテックスがいる方へ足を向ける洸輔。こちらに振り向かず、ただ前だけを見てアイツは言った。
「杏のことは…、タマが守るんでしょ?」
「…お前」
「僕にも手伝わせてよ、それ」
「……へへ、そうだったな」
敵がいる方を睨みつけながら、洸輔の横に並ぶ。武器を構え直し、改めて戦闘体制に入る。
「…急に、止まった?」
「なんだ?何を…」
こちらの言葉が言い終わるが早いか、奴は進行方向を変え、ある地点に向かって全速力で駆け出した。その先は……
「アイツ、神樹様の方に向かってやがる!」
「まずい、行かないと!」
「ああ、いくか!洸輔!」
「わ、私も!」
「いや、杏はここで待ってろ。タマ達で行く!」
杏をその場に残し、洸輔とバーテックスに向かって走る。
(とは言っても、洸輔にあんま無理させる訳には行かない。飛び道具のあるタマがなんとかしないと!)
「けど、どうやったら……」
「タマっち先輩、投げて!!」
「え、杏!?いつの間に!?」
「あはは、止めたんだけどね。ばっちりついて来ちゃってた」
「待ってろって「大丈夫!」」
「絶対に当たるから!力一杯なげて!」
「…わかった!!」
「洸輔さんも準備を!」
「了解!君を信じるよ、杏!」
その目を見て、すぐ動き出す。あぁ、タマも信じるさ、杏のことを!
「これでも、食らいタマえ!!」
「……そこ!」
旋刃盤を放ったと同時に、クロスボウの矢が放たれる。二足歩行の化け物はそれを難なく回避する。
「だ、ダメか……」
「ううん、大丈夫。これでいい」
その言葉が合図かのように、杏の放った矢が旋刃盤のワイヤーに当たる。それと同時に進化体の体に斬撃を与えた。
(まさか、杏はそれを狙って…?)
「後は、お願いします!洸輔さん!」
「任せてよ、最後は…僕が決める!」
ダメージを負って怯んでいるバーテックスに杏からの指示を聞いた洸輔が、白銀の波を纏った長剣を使い、進化体を真っ二つにした。
「私だって、守られてばかりじゃないよ。タマッち先輩」
「杏……おっしゃ!残り全部片付けっぞ!!」
「うん!タマっち先輩!!」
そん時の杏の頼もしい姿と表情をタマは絶対忘れないだろう。
「……もう守られてばかりじゃない、か」
(全く、タマよりかっこよくなりやがって〜)
「タマだって負けてられないよな!!」
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「あいてて〜……酷い目にあった」
病院の診察室から出る。今日の戦闘でも重傷を負った人はいなかった。まぁ僕がちょっとやばかったが。
(勇者服の治癒力のお陰で背中の痛みも引いてたからよかったけど……なんでだろ、なんであんなにダメージを)
気になる事を考えながら…歩いていると球子と杏が見えた。こちらに気づいたらしい二人は、若干キレ気味の様子でこちらに向かってくる。
「「洸輔(さん)!!」」
「や、やぁ、二人とも。どうかしたの?」
「なんでタマ達が怒ってるか」
「分かりますよね?」
「えっと……僕がアイツにラストアタック決めちゃったから…とか?」
「違う」「違います」
「あ、はい。無茶をしたからですかね」
二人の剣幕に押され、素直に答える。(杏も僕を動かしたよねって言おうと思ったけど怖かったからやめた)
「なぁ、洸輔。タマたちの為には動いてくれるのは、いいぞ?でもな、お前が傷つけば、それ見た奴も傷つくかもしれないって事だけは……わかっとけよ?」
「そうです、無茶はほどほどに!ですからね!」
本来なら、その言葉を言われたら嬉しいんはずだ。でも、今の僕にはその言葉は辛く、重いものだった。
『他人を守るのはいい。でも、それ以上に自分も大切にして』
『あなたが傷付けば、悲しむ人達がいることを忘れないでね』
(だめだよ、思い出しちゃ。辛く、なるだけなんだから)
そんな僕を心配してか、二人がこたらを覗き込んだ。
「おい…?大丈夫か洸輔?」
「やっぱり…まだ痛むんじゃ…」
「…大丈夫だよ…それよりほら皆が待ってるんだよね?行こう…」
「あ、ちょ!待てよ、洸輔!」
「お、置いてかないでくださいよ~」
二人に顔を見られないように、早足で歩き出す。ふとした時に感じる、この感情は…いつまで経っても慣れなかった。
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「今回も無事に終わってよかったねぇ~」
「そうだな…ひなた?大丈夫か?」
「は、はい!大丈夫ですよ!」
「そうか、ならいいんだ」
(今のは、神託?)
その内容はいつもよりも、苛烈なものだった。
(不和による、危機…?)
タマ&あんがヒロインしてる件について…(笑)
ゆゆゆいデータ飛んだかと思ったけど…キャッシュクリアで復旧できたので散華せずにすみました。