天草洸輔は勇者である   作:こうが

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前のやつより長文になりました……まぁ戦闘って書くの大変だから…是非もないヨネ!!!

では本編どうぞ!(もうちょい進まないと…イチャイチャ書けねぇな………ボソッ)


第十二節 強さの形

目が覚め、ベッドから身を起こす。昨日の夜は珍しく『僕』の声が聞こえなかったのでぐっすり眠れた。

 

「…状況が好転した訳じゃない…でも…」

 

もっと…周りを見て行動したい…。机の上に大事そうに置いてある押し花を胸にあてる。

 

「…少し取り戻せたかな?…僕らしさってやつ…」

 

そんなことを譫言のように呟くと…今は会えない筈の幼なじみが微笑んだような気がした……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「総攻撃…!?」

「はい……」

 

学校での休み時間…ひなたは険しい顔で神託のことを皆に話していた。

 

「今回の神託で明らかになりました…まもなく四国へバーテックスの侵攻があります…」

「…規模は…どれくらいなんだ?」

「…はっきりは分かりませんが…かつてないほどだと…」

 

前の戦闘では…高嶋と僕が重症を負った。他の皆も少なからず傷を負い…辛くも勝利したような状態であった。しかし自然と恐怖は沸かなかった。

 

「心配すんな!タマに任せタマえ!」

「私も頑張ります!」

「…勇者の力…見せつけてやるわ…」

「うん!私達なら大丈夫だよ!」

「ああ、皆で力を合わせればきっと大丈夫さ」

「だ、そうだぞ?ひなた?」

 

一度生まれた亀裂は…なくなりさらに強力なものとなって僕達を繋いでいる…それもこれも…皆のおかげだ。

 

「ふふ…心配はなさそうですね」

 

ひなたが僕達の方を見て微笑む。彼女も僕を勇気づけてくれた一人である。すると球子がニヤニヤしながら僕と高嶋、そして若葉の方を見てきた。

 

「おうおう…この前までゾンビみたいな顔してた連中が揃いも揃って吹っ切れたような顔しちゃって~」

「あはは…面目ない」

「右に同じ~」

「わ、私は二人ほどではなかったぞ!?」

「…そうかしら…?一番酷かったのは乃木さんだったと思うけど…?」

「え!?」

「私もそう思います」

「ええ!?」

「…ホントによかった…」

 

教室には…皆の笑顔が咲いていた。(もちろん…僕もね)

 

 

 

 

 

 

 

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「前の時よりも…キレがいいんじゃないか?」

「そう言う若葉だって…随分変わったね」

 

久しぶりに洸輔と模擬戦をしていた私は彼の変化に気づく。見舞いに行ったときは分からなかったが今の彼は顔色も良くなって落ち着いているように思えた。

 

どうやら大社から帰ってきたひなたの話では、四国以外にも人の生存反応が確認されたらしい。

 

(まだ…希望は潰えていないと言うことだな……あとは…できればもっと踏み込んであげて……だったかな?…)

 

ひなたに言われた言葉を思い返す…最初言われたときはよく分からなかったが…千景の部屋にいたときやさっきの彼を見ているとなんとなく言葉の意味がわかった気がする。

 

「せい!!」

「はぁぁ!!」

 

木刀と木刀がぶつかり合う。何故だか最初に戦った時よりも…私の心は清々しかった。

 

 

 

 

「若葉、今さらだけどお見舞いに来てくれてありがとう」

「なんだ…急に?別に気にしなくても…」

「いやあの……あの時の僕ちょっとおかしかったからさ…若葉にも嫌な思いさせちゃったかなって…」

 

天草は少し気まずそうな顔をしている。すると今度は一転して彼は笑顔を作りながら手を差し出してきた。

 

「それで…えっと…改めてよろしく!リーダー!」

「!?」

 

差し出された手を見ながら思う。杏に今を生きる人々のことを聞き、球子や千景…友奈にも背を押されて…ひなたには導いてもらった。

 

(そして…今度は…)

 

天草が…真の仲間になったのだ。

 

「ああ…よろしく頼む!」

 

強く手を握る…天草の手は凄く温かくて…不思議と心が軽くなった。

 

(私は…決して一人なんかじゃないんだ…。だから…もう一人で戦ったりはしない。皆で協力し四国を守り抜いてみせる!)

 

 

 

 

 

 

 

 

それから数日後…のちに『丸亀城の戦い』と呼ばれるほどの決戦が幕を開けるのであった。

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

「やっぱりこれはやっとかないとね!」

「おぉー!!気合いが入るな!」

「…少し…窮屈…」

「ほら、洸輔さん!もっとこっちに寄ってください!」

「さ、さすがに近すぎるってぇ~………」

「全く…いつも通り過ぎて…逆に頼もしいな…」

 

円陣を組み終わりギャーギャー言っている僕達を見ながら若葉が苦笑する。すると彼女は声を張り上げ皆の方を見た。

 

「敵の数はそれこそ『無数』!だが四国以外にも人類の生きている可能性がある!私達は負けられない!必ず四国を守り抜き!全員で生還するぞ!!!」

『オーッ!!!』

 

僕は皆に助けられた…でも助け合うことだって強さの一つだ…だから間違ってない。それに………

 

(僕には…闇を抑え込む力がある…だから大丈夫だ…)

 

あれ以来…奴の声は聞こえない…だから大丈夫……

 

「では皆さん!予定通りの位置に!」

『了解!』

 

杏からの掛け声で皆が散らばる。僕も作戦で言われた通りの位置へと向かう。

 

今回のために杏が考えた作戦は役割を分担した陣形の使用だ。

 

丸亀城の正面・東西に一人ずつの勇者と僕が立ち、杏と残り一名が後方で待機する。

 

そして前方の三人…若葉・高嶋・球子+僕で襲撃してくる敵を倒す。杏は指令を出しながらボウガンで後ろから援護。

 

そして長期戦に備え…疲労が見えてきた人は交代するという陣形だ。

 

「まったく…最初会った時に比べて随分と頼もしくなっちゃって…」

 

指令を出しながら皆の援護をしている杏を見てそんな言葉を呟いた。しかし…体は休ませず剣を振るいながら星屑達を消し炭にしていく。

 

(皆と協力しあいながら…敵を倒す!そして元の世界に帰る!!)

 

「そういうわけだから!邪魔はしないで!!」

 

白銀の剣はどんどん星屑を狩っていく。少し疲れてきたのか動きが鈍りはじめる。

 

「洸輔さん!千景さんと交代してください!」

「だ、大丈夫…まだいけ…(ボスッ!)ぐほぉあ!」

「…交代って言ってるでしょ…?バカなの?死ぬの?」

「ひ、酷すぎない!?てか脇腹に肘がぁぁぁ………」

 

キツイことを言いつつも郡さんは手をそっと出す。意味を理解して脇腹を押さえながら交代の意味を込めて手に触れる。

 

「少しは…周りを見れるようになったみたいだけど…まだまだね…」

「…面目ないです…それじゃあ郡さん…後は任せたよ!」

「ええ…残りは塵殺してあげるわ…」

 

すれ違い様に聞こえた言葉に僕は無言で頷いた。

 

(順調…だな…でも油断は禁物だ…)

 

近接主体でこの中でもダメージが負いやすい高嶋の方を見ながら…交代を待っている。

 

「お疲れ様です、洸輔さん」

「うん…ありがとう。杏も大丈夫?」

「はい!私は基本的に後ろでちまちまやってるだけなので大丈夫です」

「そんなことないさ…杏がいるから僕も皆も安心して背中を任せられるんだよ?」

「洸輔さん…ありがとうございます!」

「よっしゃ!次はタマが行くぞぉ!!」

 

(…さっさと出てこい…進化体!)

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

「うっし!若葉、交代だ!!」

「ああ…球子!任せた!」

「おう!タマに任せタマえ!」

 

(仲間と共に戦うとは…こんなにも心強いものだったんだな…)

 

かつては…一人だけで戦っていたから…強さとは個人のものだけと思っていた…だが皆が後ろにいてくれるというのが凄く心強くて…私は強さの形とは一つじゃないんだと感じた。

 

「ありがとう…球子」

「どうしたどうした?急に畏まって?」

「いや…球子が後ろで待機してくれていて凄く心強かったからと思ってな」

「それを言うなら、若葉や皆がいるからタマは安心して休めたんだ。だからゆっくり休んどけよな!」

「ああ!わかっているさ!」

 

球子と交代し…前線から身を引く。その最中仲間の頼もしさに笑みが自然と溢れた。

 

「ありがとう……皆…」

 

 

 

 

 

そこから更に時間は進み…戦いも熾烈を極めだす。皆の疲労もだんだんと溜まっていき、陣形の回転も速くなる。

 

「天草!交代だ!」

「待って……若葉、どうやらお出ましみたいだよ…」

「?」

 

天草に言われ空を見上げると…そこには……

 

「なるほど…やっと全力を出す気になったようだな…」

「そうみたいだね…」

「二人とも!注意してください!進化体です!」

「ああ…」

「もちろん…」

「「わかってる」」

 

模擬戦闘を繰り返してきた結果かもしれない…。私と天草は二人で進化体の同じ箇所へと斬撃を与えた。しかし……

 

「二人とも!まだです!!」

「増えた……のか」

「危ない!若葉!!」

 

動揺していた私にとんできた攻撃を天草が跳ね返す。

 

「すまない…天草」

「気にしなくていいよ、それよりも…なるほどねそういうタイプか…」

「?」

 

意味が分からず首を傾げていると天草は剣を持ちかえ…剣先を進化体に向けた。気配に気付き進化体の一匹が襲いかかってくる。

 

「天草!」

「ふぅ………はぁ!!!」

 

次の瞬間…剣から白銀の波が放たれ、進化体を飲み込むと塵へと変えた…。しかし…もう一体の方がこちらに向かって攻撃を仕掛けてくる。

 

(…まずい!)

 

「タマにぃ~!任せタマえ!!!」

 

球子の声が聞こえたと同時に炎を纏った巨大旋刃盤が進化体を飲み込む。もう一体も呆気なく燃やし尽くされたのだ

った。

 

「大丈夫か?天草?」

「う、うん…ありがとう…若葉」

「こちらこそ…それにしても…すごい力だな…」

 

他のバーテックスも一瞬で旋刃盤に葬られていた。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

「あとは…あれだけだな…」

「うん…そうみたいだね…」

 

僕達が目を向けた先には…今までの進化体の大きさを遥かに凌駕したバーテックス。皆の所にも星屑たちは向かわずに一ヶ所に集まっている。

 

(アイツは…確か…)

 

記憶によればアイツは爆弾を生み出してくるタイプのバーテックスだったと思う。

 

「若葉ちゃん、あんな大きいのどうにも出来ないよ!」

「確かに大きいだが…あれだけ急ごしらえなら、どこかに綻びがあるはずだ…こいつの体にはまだ脆い部分がある!!そいつを叩けば倒せるかもしれない!!」

「でも…どうするの…?そう簡単には近づけないわよ…」

「任せろ……タマにいい手がある…」

「……………………」

 

苦しそうな顔をしながら提案している球子をみて胸が痛くなる。こういうときに痛感する…自分の無力さを…さっきの攻撃も…もっと範囲が広くできていれば球子に切り札を使わせずにすんだかもしれないのに…。

 

(精霊の力……解放できるようにならないと……)

 

結局の所…巨大旋刃盤に乗りながらバーテックスを蹴散らしつつ相手の弱点を叩くことになった。

 

「確かにこれなら近づけるね」

「だろ?」

「でも…まだ問題はある……」

「心配はいらない…皆は私が守る!」

 

若葉はこちらに笑顔を向けながら…跳躍した。その速さは神速の如く敵から敵へと…飛び移っていった。

 

「八艘飛びと呼ばれた…彼の跳躍のように…天駆ける武人!!源義経!!」

 

彼女のあとに続くように…僕や皆も跳躍する。

 

僕は力を溜めて長剣にそれを移していく。先ほどのような…白銀の波を纏わせ爆弾が発射される所へと剣を突き刺す。

 

「今っ!!」

「いっけぇぇぇ!!」

 

進化体の綻んだ箇所に向かって勇者達、各々の武器が振るわれる。怒涛の連撃が叩き込まれると耐えきれず、進化体はゆっくりと消滅していく。

 

「若葉!!」

 

切り札を使った影響だろうか、瞼を閉じながら地面へと落下していく彼女の手を掴み、自身の胸に抱き寄せた。

 

「ぎっ!!」

 

咄嗟のことで頭を強く打つ。勇者服を着ていた為致命傷とまではいかない。それでも、意識はゆっくりと遠のいていった。

 

「っ……よかったぁ」

 

腕の中で、目をつぶりながら眠っているリーダーと駆け寄ってくる皆の姿を見て安堵した。柔らかな笑みを浮かべ、僕は最後の意識を手放した。




絶対に誤字あると思うんで…発見したらご報告お願いします!(自分で探せや)

それにしてもいつになったら洸輔くんは…すまないさんの力を完璧に使えるようになるんだろうか……?
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