のわゆ編だとはじめての番外編ですね〜!面白く書けてるか心配ですが……まぁ、大丈夫でしょう!
それでは、どうぞ!
「友奈って名前の子は皆マッサージが得意なのかな?」
「……急にどうしたのよ?」
「あ、ううん。ごめん、なんでもない」
とある休日、僕と千景は友奈に部屋へと招待されていた。部屋からは女の子特有の甘い匂いがして落ち着かない。何かを準備している友奈を二人で正座をしながら待っている。
(突然、どうしたんだろう……なんか、怒らせるようなことしちゃったとか?)
そんな事を考えるが、誘ってきた張本人の雰囲気からしてそれは無さそうな気がする。それに…
『最近いろいろあったでしょ?だから、私に二人をマッサージさせてほしいなぁって!』
なんて言っていたし。個人的には頼みを聞くというよりは、何かしてあげたい所なのだが……。
(まぁ、でも……)
考えてみれば、彼女には色々と迷惑掛けてばかりだった気がする。この世界に来た最初の頃から僕は彼女のことを遠ざけていたのだ。
(なら、これくらいの頼みは聞いてあげなくちゃね)
こうやって考えごとしてないと、まじで落ち着かない。なぜって?僕だって年頃の男の子ですからね(切実)
暇だったので、千景に気になったことを聞いてみる。
「そいえばさ、千景は友奈のマッサージって初めてなの?」
「突然ね……ええ、初めてよ。少しドキドキするけど、とても……えぇ、とても楽しみ」
彼女は顔を赤らめて、俯きながらそんなことを呟いた。その表情は少し前までなら見れなかったもので……。
「千景ってそういう顔も出来たんだ」
「……悪い?」
「あぁ、いや、可愛らしくていいなぁって思ってさ」
「っ~!」
「いてぇ!?どうして怒るの!?」
「知らない、自分で考えてよ」
「?」
褒めたはずなのに殴られた。女の子って難しいなぁ。そんなやり取りをしていると、準備が終わったのか友奈は笑顔で僕らの前に現れた。
「二人とも!お待たせ!」
「高嶋さん…いえ…そんなに待ってないから大丈夫よ」
「右に同じ、それより何の準備してたの?」
「久しぶりのマッサージだからね!本を読んでしっかりと準備してたんだ!」
嬉しそうに両手をわきわきさせながら、友奈が僕らのほうに歩み寄ってくる。
「それじゃ!そろそろ始めようかなぁ、どちら様からいきますかぁ~?」
「千景、先にどうぞ」
「べ、別にあなたが先でもいいのよ?」
「いえいえ〜。レディファーストですから」
「そ、そう?……じゃあ、高嶋さん。私から、いい?」
「OKだよ!ぐんちゃん!さぁここに寝てください~」
「う、うん…」
嬉しさが隠しきれてない千景がベッドに寝転がり、マッサージを受けるための準備を整えていく。
(あっちの友奈くらいに上手いのかな?)
そんなことを考えていると早速友奈が千景に対してマッサージを開始しようとしていた。
「それじゃ、いくね?」
「は、はい…お願い、します」
「よいしょっと……むむ?凝ってますねぇ」
「っ!?」
「千景?」
背中を押され始めた瞬間、千景の表情が変化していく。なんだろう?すごく気持ち良さそう……なのかな?
「んー、これなら……さっきよりちょっと強めにいくよー、えい!」
「あ!く、んっ!」
「???」
な、なんか女の子が出しちゃいけない感じの声出しちゃってるけど、大丈夫なんでしょうかね、あれ?
「今度は腰をっと……そーれ!」
「あっ!はぁぁぁ……」
「ぐんちゃん、気持ち良さそうだね。なら、ここも!」
「んん……」
(こ、これ……僕見てて良いのかな)
目の前の光景に声が出なくなる。あの千景が、あんなにも……その、だらしなくなるなんて(変なことは想像してないよ?いやホントに)
「よ~し、もうちょっと強めにいくよぉー!それぇ~!」
「あっ!はぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!」
「友奈、恐ろしい子っっっ!!」
どうやら、僕はとんでもない頼み事を受け入れてしまったのかも知れないと、今更理解したのだった。
「はい!ぐんちゃんお疲れ様!」
「…ふにゅぅ〜…」
「千景、大丈夫!?」
「ぐったり……(ガクッ)」
「千景ぇぇぇぇぇぇ!?」
千景の体は浜に打ち上げられた魚のようにピクピクと震えており、体もぐったりしていた。
「さぁ!次は洸輔くんの番だよぉ~!ぐんちゃんはここに移動してもらって…っとよし!準備OK!」
友奈が笑顔でベッドをセッティングし直す。ちなみに千景は床に引かれた毛布の上でぐったり中。
「ベッドの上にどうぞ~!」
「よ、よろしくお願いします」
「うん!おまかせあれ!」
言われた通りにベッドの上に突っ伏すと、突然の甘い匂いに思考が麻痺しそうになる。
(いかんいかん、心を無にしろ。変な事は考えるな、僕は紳士僕は紳士)
「あ、そうだ!洸輔くん、上着脱いでもらってもいい?」
「了解」
「あれ?理由とか聞かないの?」
「直接触った方が効果的なんでしょ?マッサージって」
「そうそう!なんでしってるの?誰かにやってもらったりとか?」
「うん、まぁ……ね」
ゆっくり上着を脱いでいくと、友奈が「おお~」と言いながら体をペタペタ触ってきた。
「ちょっ!ちょっと友奈、く、くすぐったいって」
「あ、ごめんね。服着てたときはわからなかったけどさ、引き締まっててかっこいいなぁって」
「……あ、ありがとうございまひゅ」
噛んだ、冷静を装うと思ったらこれである。友奈のような美少女にそんな事を言われたら、仕方のない事だとは思うけど。
「顔が赤いけど……大丈夫?」
「だ、大丈夫大丈夫。それより友奈、マッサージお願いします」
「あ、そうだね。それじゃいくよ!洸輔くん!」
「……どうぞ」
少し…顔を朱で染めながら、マッサージを受け始めた。
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「うんしょ、うんしょっと」
「これ、は……」
引き締まった体をゆっくりと解していく。少し経った頃、洸輔くんの顔が惚け始める。
「す、すごい……ホントに上手だねぇ…友奈ぁ…千景がああなるのも頷けるよ~……はぅ……」
「えっへへ褒められちゃった。それじゃここも…」
「…ひはぁ…これは…負けてないなぁ……」
「負けてない?何に?」
「ん~?…幼なじみの友奈にね…ふわぁ~」
洸輔くんの口からあくびが漏れる。瞼も下がってきていて…すごく眠たそうにしていた。
「友奈ちゃんもマッサージ得意なんだ?」
「…そうそう…前にやってもらったんだ…」
「じゃあ…負けないように頑張っちゃうよぉ~」
「…も、もう既に負けてないけどね……」
そう言って…何かを懐かしむように彼は微笑んでいた。
(…本当に大事なんだなぁ…)
彼の微笑んだ顔を見てそう心の中で呟く。きっと…この前に話してくれた、勇者部の皆や幼なじみの友奈ちゃんと会えなくなるのは…洸輔くんにとってすごく辛いことなんだろう。
(…つらいはずなのに…)
それでも何度も私や皆を守ってくれた。自分の危険を顧みずに…何度も…壊れそうになった時だってあったはずだ…それでも洸輔くんは…前を向いた。なら……
(今度は…私が、私達が守るから)
「ねぇ、洸輔くん」
「………………」
「ありゃ…?」
「…すぅ……すぅ……」
「…寝ちゃったみたいだね…」
洸輔くんの顔を覗きこんでみると…普段からは想像出来ないくらいの可愛らしい寝顔がそこにあった。
「ふふ…こうして見ると女の子みたい…」
彼の寝顔をみてクスリと笑う。戦っているときの顔はあんなにもカッコイイのに……。
(やっぱり…そうなのかな…?)
いつからは覚えていない…。でも、私は洸輔くんといると変に胸が温かくなることがあるのだ。
(…ぐんちゃんや皆といるときとは違った…温かさ…)
この感情の名前を私は知っている。
(…ホントに…ずるいなぁ…)
そんな『ずるい人』の寝顔を見ながら…私はマッサージを続けた。
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ー夕方ー
視点はうって変わり、若葉目線。
ひなたと共に買い物行った帰り道…たまたま会った杏と球子と共に道を歩いていく。
そこで私はあることを提案した。
「急にみんなで夜食って…どうしたんだよ?若葉?」
「確かに…何か理由があるんですか?」
「まぁ…なんだ、洸輔はまだあそこに行ってないだろ?」
「あそこって…かめやですか?」
「その通りだ、ひなた」
さすが、幼なじみだと心の中で呟きを漏らす。
「まぁ最近は時間もなかったですし」
「そっか…洸輔はあの味を知らないのか!」
「それは損をしてますね!」
球子と杏が異常なほど食いついてくる。この二人も今ではかめやの常連客となっていた。
「だろう?だから皆で行こうと思ってな。…そういうえばひなた、確か千景と洸輔は友奈の部屋にいるんだったな?」
「はい、この前の昼休みに三人の会話が聞こえて来た時に小耳に挟みました」
「じゃあ早く迎えにいこうぜ!もうタマは腹ペコだぁ~」
「私もです」
「そうだな、では向かうとしよう」
四人で友奈の部屋へと向かう。
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「ふわぁ~……」
目を開けると…窓の外から夕焼けの光が射し込んで来ていた。
(案の定…恐ろしいほどに気持ちいいマッサージだった…。眠ってしまうのもしょうがないわ…)
実際体が軽い…しかし、左側の腕に何かの重みを感じた。
(む?このパターン…もしかして…)
脳内でそう呟きつつ左側に目線を向けると…案の定すやすやと寝息を立てながら僕の腕を枕にしている友奈がいた。(千景も毛布の上で寝息を立て、横になっている)
「…あっちの友奈よりも…顔が幼いのかな?」
少し…近くに寄って見てみると、案外違いがあるものだ。若干だけど…(結城の)友奈より幼さが残っている。
「…むにゃ…」
「…警戒されてないことを残念に思うべきなのか…それとも信頼されていると喜ぶべきなのか…」
そんなことを言っていると…友奈の手がゆっくりと僕の手に重なった。同時にある呟きが聞こえてくる。
「…んん…こうすけ…くん…あっ…たかい…」
「……まぁ…どっちでもいいかな」
(どっちだったとしても僕はこの手を…二度と離さないから…)
手に伝わってくる温度を…確かめるかのように握る。これは他の誰でもない高嶋友奈という少女からでしか感じられない温度なのだから…。
すると…突然ノック音がドアの方から響いてきた。
(…なんだろう…嫌な予感がしてきた…)
僕のその予感は的中し…ドアが開かれる。
「乃木だ、三人とも失礼す、る……???」
「タマもきたぁって急に止まるなよ!?若葉……へ?」
「こ、これは……」
「……」
(あー、あの時よりも状況がアウトですね。これ/(^o^)\)
入ってきた四人と僕の動きが停止する。四人の目線には…半裸の状態で友奈とベッドに寝ている僕が映っており、しかもその真横には友奈のゴッドハンドマッサージによってふにゃふにゃにされてしまった千景が寝転がっているのだ。
若葉様の手からメキメキとヤバい音が聞こえてきた。(目、こわ!?)
「洸輔、何があったのか……一から教えてもらおうか?」
「ちょ、ちょっとまった!!は、話をまず聞いて!!ね!?」
「誰が発言を許可した?」
駄目だ、マジでキレてる。なんか後ろにオーラ見えるし……。
「駄目ですよ、若葉ちゃん。洸輔くんが怖がってるじゃないですか」
「ひ、ひなたぁ…」
さ、さすが…勇者達を導く女神様!穏やかな心を持ってらっしゃる!
「ひなたは、この不届き者を許すと?」
「いいえ、しっかりと椅子に縛り付けてから色々した方が良いかと」
「流石だ、ひなた」
「oh………」
(全然っ!穏やかじゃなかったぁぁぁ!!)
ひなたの目からは光が消えていた。残された道がなく…絶望する僕に杏と球子が手を差し伸べてくる。
「安心しろよ、洸輔」
「そうですよ?洸輔さん」
「杏!球…………子?」
希望は一瞬で消え去る。二人の目からもハイライトは消えていた。それを見て体に悪寒が走る。
「大丈夫だ、殺しはしないからな」
「ええ…ちょっと痛い程度ですよ?」
「お願いだから話を聞いてぇぇぇぇぇぇぇ!!!」
その後…友奈と千景を起こして、事情を説明してもらったお陰でなんとか…誤解は解けた…。(説明してもらっている間…僕の首筋には…木刀が当てられてました…怖かったです…はい…)
元々若葉達が部屋にきたのは僕らを夜食に誘うためだったらしく…誤解は解けたので、皆でかめやに向かった。しかしそこでも…友奈と千景を除いたメンバーからの刺すような視線によって僕のHPは減らされました…。
結局の所…友奈のマッサージによって癒してもらったはずの体は…帰る頃には疲れきっていた。(…なんで…こうなるの…(泣))
なんでこうなるかって?いい思いし過ぎだからですよ(にやり)
のわゆ編も終盤に入った…。皆さんのご期待に添えられるよう頑張らせていただきます!
あ、感想お待ちしております!
それでは!また!