では本編始まります!⬇
そして僕達はもういちど樹海に降り立った。だけど今の僕達に迷いはなかった。
「来たね。樹海に!準備いいかい?友奈!東郷さん!」
「ええ!やってみせるわ!」
「うん!行こう!三人でぇ勇者になーる!」
そうして、僕達は勇者へと変化していく。
僕は、黒と灰色の勇者服。
友奈は、桃色の勇者服。
東郷さんは、水色の勇者服へと姿を変えたのだった。
「これが、勇者……」
「すっごーい!体から力が、どんどん沸いてくるよー!」
「二人もなれたみたいだね。それじゃ風先輩と樹ちゃんに合流するとしよう!」
「うん!」「わかったわ!」
僕はスマホのアプリを開き、風先輩と樹ちゃんの位置を確認した。すると二人の回りには赤い点が3つ蠢いていた。
「この赤い点って……まさか!バーテックス!?」
「て、ことはもしかして!風先輩と樹ちゃんはもう戦闘中ということ!?」
「なら早く助けに行かないと!」
「私はここからみんなを援護するわ。私の武器は狙撃銃のようだから」
「わかったよ。東郷さん!遠距離からの狙撃、頼りにしてるよ」
「危ないときは、いつでも私たちを呼んでね!!」
「うん!友奈ちゃんも気を付けてね」
東郷さんの言葉に頷き、友奈が先に飛び立つ。僕は東郷さんにもう1つ言いたいことがあったのだ。
「東郷さん!風先輩のこと許してあげてね。多分風先輩が指令だけで動いていないことは東郷さんもわかるだろうから」
そう僕が言うと東郷さんは静かに頷いてくれた。
「ありがとう、東郷さん」
それだけを東郷さんに伝え、僕も友奈のあとを追った。
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相変わらず洸輔くんの、他人を誰よりも気にかけているところはすごいと思う。
「私は、さっきまで自分のことしか考えてなかった……」
友奈ちゃんや洸輔くんは否定してくれたけど、内心は自分が足を引っ張ってしまうんじゃないかという。自分の心配だけをしていた。挙げ句の果てにそれを風先輩にぶつけてしまった。あまりに身勝手すぎる自分の行動に嫌気がさしてあの場所から逃げてしまったけど……
「でも、もう逃げないよ。友奈ちゃんも洸輔くんも風先輩も樹ちゃんも、私が守ってみせる!」
そう言うと、少女は決意と共に白銀の銃を強く握りしめた。
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「たく!なんだってのよー!!」「お姉ちゃん!この状況は、二人だときついんじゃ!」
樹の言う通りだ。三体のバーテックスに囲まれ、明らかに不味い状況である。どこを探しても抜け道はなく、完璧に手詰まりだ。
「く!ちょっとでも、隙ができれば!」
「風先輩!」「樹ちゃーん!」
「あれって!?お姉ちゃん、友奈さんに洸輔さんが来てくれたよ!」
「二人とも!頭を下げてください!!」
「へっ?え、ええ!わかったわ!」「わ、わかりました!」
アタシたちが頭を下げたのと、ほぼ同時に三体のバーテックス達の胴体に何かが着弾した。
「あれは、東郷!!」
「東郷先輩!!」
東郷はアタシを真っ直ぐとした瞳で見つめていた。
(一緒に、戦ってくれるのね。東郷!!)
「風先輩!今がチャンスです!畳み掛けましょう!!」
「ええわかってるわ!じゃあグループを分けましょう!
私と樹が右側のバーテックスを叩くわ!」
「じゃあ、私と洸輔くんでエビみたいな方を倒します!」
「友奈。あれどうみても、サソリだと思うよ」
「たってエビに見えたんだもん!」
「はいはい!もう1つ伝えることがあったから聞いてちょうだい!本来バーテックスを倒すには、封印の儀っていうのをやらなきゃいけないの」
「「「封印の儀?」」」
「ええ。バーテックスから出てくる御霊っていう四角いのが出てきた時にやることよ。これをやらないとバーテックスは完全には消せないわ」
(まぁこの前のは洸輔が放った一撃の威力が、凄すぎて御霊ごと破壊しちゃったみたいだけどね)
「主にどうすればいいんですか?」
「簡単よ!ありったけの力を込めて御霊を、ぶっ叩いたりすれば終わるわ!」
「そ、それだけでいいの?」
「うん!それだけでいいの!それじゃ、二手に別れるわよ!二人ともあとでね!」
「友奈さん洸輔さんまたあとで!」
「はい!任せましたよ風先輩、樹ちゃん!」
「ぶちょー!頑張ってくださーい!」
もう泣きそうだった。こんなみんなを騙していたアタシのことを、嘘つきの私を、まだ部長として見てくれているのだから。
(行くわよ!風!!勇者部も勇者部のみんなも部長としてアタシが守る!!)
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「友奈!風先輩たちに負けないように、僕たちも気合い入れていくよ!!」
「うん!!私達のコンビネーションを見せよう!!」
二人でお互いを鼓舞しあいながら、バーテックスがいる方向へと向かう。
(あの尻尾は先に潰した方が良さそうだな)
すると、突然サソリのバーテックスが、尻尾の先端にある針を友奈に目掛けて突き刺そうとしてきたのだ。
「友奈!!」
「残念だけど当たらないよ!!」
友奈が避けた瞬間に、サソリバーテックスに東郷さんの狙撃銃の弾が着弾した。狙撃銃で撃ち抜かれたため、サソリバーテックスの尻尾は粉々になっていた。
「!?、さすが東郷さんだね!」
「絶対来ると思ってたよ東郷さん!!」
東郷さんの狙撃により、サソリバーテックスは攻撃手段を失った。あとは御霊を壊すだけである。
「じゃあ私からいくよぉー!!勇者ぁーーーパーーーーーーーンチ!!」
掛け声と共に友奈は拳を強く握りしめ、そのままバーテックスへと打ち込んだ。サソリバーテックスの、体の表面が砕ける。そこへさらに追い討ちとして、剣を振るう。
「おっらぁ!!!」
「洸輔くん、ナイス!まだまだ、終わらないよぉ〜!」
斬撃によって、深く傷のついた場所に友奈は連続パンチをさらに叩き込む。その衝撃がバーテックスの体に更なるダメージを与えた。
バーテックスは僕達の波状攻撃に耐えきれず御霊を、ベロっと吐き出した。
「あれか、御霊!」
「そうみたい、あれを破壊すれば!」
「ならっ!」
御霊に狙いを定めて、片手剣を拳で押し出し投擲する。それは高速で御霊に突き刺さった。
「ここだ!せぇぇぇぇい!!」
「はぁぁぁぁぁ!!」
二人の拳に押し出された剣は更に勢いをつけて、御霊だけでなくバーテックスごと貫く。
同時に風先輩達が相手していた方のバーテックスも倒され、残った一体も五人の猛攻の前には為すすべもなく撃破された。
こうして勇者部の面々は、誰一人犠牲を出すことなく二回目の戦闘にも勝利したのだった。
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「戻るのは一緒なんですね……」
「今考えると、かなり都合がいいよね……」
讚州中学の屋上に戻された僕達は、興奮さめきらぬ状態で話し出す。
「東郷さん!すごかったよーー!!!」
「私は、みんなの援護をしただけよ?友奈ちゃん」
「でも、ホントに助かったわよ。東郷」
「風先輩、先ほどは部室では失礼しました。でも私も決めました。私も勇者として戦わせていただきます!」
「うん!私とまた国防に勤しみましょう!」
「国防!!はい!!」
「東郷先輩の目が!!」
そのあと、屋上では風先輩の(余計な)一言のせいで、国について東郷さんがかなりの時間を使い語っていた。東郷さんが国について語る時は、大概は三時間以上は当たり前に過ぎる。(僕と友奈は五時間コースも、体験したことがある)
まぁでも、みんなで生きて帰れてホントによかった。
「じゃあ、帰りはかめやに寄って帰りましょうよ!今日は風先輩の奢りでいいですよね?」
「やったぁ!!うどんだぁーーー!!」
「なんで!?何でアタシが、奢ることになってんのよー!!」
「だったら風先輩!おかわりの量を減らしてください!!食べ過ぎなんですよ!風先輩がおかわりした分だけで財布の中身が、全部飛んだことだってあるんですから!」
「いやよ!うどんは女子力をあげるのよ!絶対減らすもんですかぁー!!」
ギャーギャー言い合いながら、いつもの店へみんなで向かう。
その日の屋上には勇者部全員の笑顔が咲いていた。
というわけで5話でした!さてそろそろにぼしがトレードマーク(?)の彼女が勇者部にやって来ると思います!6話も頑張って出しますので楽しみに、待っていてください!!