今回はあれですね、ポニーテール好きの天草くんの再来回です!
そして、今回であこゆ!まさかの100話達成!
ポニーテール、通称ポニテ……それは一つの世界の心理であり全てを超越せし髪型の名だ。如何なる男性であろうとも、この髪型の前では無力であり、可愛さにイチコロ……というのが僕の自論である。一言で纏めるなら、僕はポニーテールという髪型が大好きだ。
(ここは……天国か)
自分が愛してやまない髪型をしてくれた6人の美少女達に囲まれるという謎事態の渦中に僕はいた。ん?なんか前にも似たようなことがあったような……。
嬉しいようで危険すぎるこの状況、ことの始まりは今日の朝頃へと巻き戻る。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「……眠ぃ」
未だに半開き状態の目を乱暴気味に擦る。昨日は千景の部屋でゲームを夜遅くまでやっていたせいか、眠気が半端ない。朝食の時間なのにも関わらず箸が止まりまくりという始末である。
「洸輔くん、大丈夫?」
「お箸が全然進んでませんね、お腹でも痛いとか?」
「ああ……いや、昨日ちょっと遅くまでゲームを、ね」
二人で夜遅くまでゲームを対戦していることを隠せと口止めがあったのでそこは伏せておく。眠気がMAX状態ではあるが、そういう部分の配慮は忘れない。
「ふむ、娯楽に興じるのもいいが、それで日常生活に支障をきたしては元も子もない。休める時にしっかり休む、それくらいは意識しておくんだぞ?」
「ご、ごもっともです、返す言葉もない…・」
「なるほど、洸輔くんを嗜める若葉ちゃん……いつ見ても素晴らしい組み合わせです、はぁぁ〜アルバムに追加しなくては」
「ひなた……(ツッコむ気すら失せてしまっているボイス)」
最初は僕に対する説教モードだったのに、いつの間にかひなたのペースに呑まれている……やっぱり、巫女さんは強いネ。
(てか、やばい。眠すぎる)
食事に関しても変わらず箸が進んでいないし、会話の内容もいまいち入ってこない。
「おうおう、随分眠そうじゃなぁ?洸輔さん?」
「うむうむ、眠いぞよ、球子さんや」
「えらくノリがいいのがちょっと気持ち悪いが……ふむふむ、なんつーか今なら何を聞いても答えてくれそうな気がしないか?千景?」
「……なんで、私に振るの」
「千景は相変わらず冷たいな、もうちょい優しめに何を聞くの?とか言ってくれよ」
「はいはい……何を聞くつもりなの?」
眠気がMAXすぎて、内容は入ってこないが千景と球子が仲良しなのはよく伝わってくる。
「ふふん、よく聞いてくれた。それはズバリ!洸輔が女の子にしてもらったら嬉しい、または好きな髪型だ!」
「好きな髪型ですか?それはまた、何故?あっ、もしかして洸輔さんの好みに合わせるた」
「ぶふっ!?だあ〜!違う違う!理由としてはな!この前杏が」
「ああああ!た、タマッち先輩!そんな事よりも、洸輔さんに質問する方が先じゃない!?」
食事に集中している内に何やら、話が進んでいたようだ。何故か杏があたふたしているのは気になったが、自分の名前が話題に上がって気がしたので声を掛ける。
「どうかした〜?」
「おお、そうそう、お前に質問があってだな!」
「ふ、わぁ〜〜……何?」
「お前が女の子にしてもらったら嬉しい髪型ってあるか?」
「……ん〜とねぇ〜ポニーテールかな〜」
「ぶふっ!?!?」
「わ、若葉ちゃん!?」
答えたのとほぼ同じタイミングで、若葉が吹き出した。それを急いでひなたが拭いてあげている光景が入ってくる。やはり、いまいち意識が朦朧としてる、質問の内容ももう覚えてないし……今日は早く寝なきゃ。
「ポニーテール……」
「てことは……」
「うーん、私似合うかな?」
「高嶋さんなら、きっと似合うと思う……」
「ふむふむ、私も少し攻めるべきでしょうか?どう思います?若葉ちゃん?」
「わ、私に聞くのか!?」
何やら、皆がソワソワしているのが気になったが授業時間に遅れてしまっては困るので食事に集中する……あ、この玉子焼き美味い。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
〜時間は経過し昼休み〜
「ん〜!朝の眠気が嘘みたいに……目覚めた〜!」
ゆっくり伸びをしながら、廊下を歩く。昼食も終わり、昼休みへと入ろうとしてた所、突如として尿意に襲われた為、トイレに駆け込んだ帰りである。
(朝の記憶がほんとおぼろげにしかないな)
皆との会話の内容もほぼ覚えていない、覚えていることと言えば食事が遅れた僕を皆がわざわざ待ってくれた事によって、全員で仲良く朝一の授業に遅れそうになったという事くらいだろうか。
多少の罪悪感を感じていると、教室内からは6人の楽しそうな話し声が聞こえてきた。それを聞いて少しほっこりしつつ戸を開く。
「おーい、皆で楽しそうに何話てぇ……」
言葉は止まり、一瞬の内に凍りつく。別に寒かったなんて訳ではない。ただ単純に目の前の光景に身動きが取れなくなったのだ。
視線は皆のある一点にのみだけに注がれる。そして同時に、僕は胸の内でけたたましい叫び声を上げていた。
(……なんで、みんなポニーテールに変わってるんじゃぁぁぁ!?)
「洸輔くん〜大丈夫?」
「ひっ!?何!?」
「な、何じゃないでしょ……どうしたのよ、そんな所に突っ立って」
なんだろう、この状況は。気がついたら、そこにはポニテが広がってやがった。
美しいポニーテールを靡かせながら、友奈も千景も、皆もなんというか僕がおかしいみたいな反応してくる。えっ、置いてかれてるの僕だけですか。後、皆さん似合いすぎです。
「えーと、なんで皆さんポニーテールにチェンジしてるんですか…?」
「なんでって、貴方が好きな髪型はポニーテールって答えたのが始まりじゃない」
「はぇ?僕そんなこと……えっ、あっ!」
「大方、寝ぼけて答えでもしたんでしょ」
やれやれと言いたげに千景は美しい以下略、朝の朧げな記憶からそんなこともあったと、自分の頭が伝えてくれている。にしたって寝ぼけすぎにも程があるだろうが!
「でも!それと皆がポニテになる必要性に関係が見られないヨ!」
「まぁまぁ、落ち着いてください」
「ひな……うわぁぁぁ!!!」
「洸輔くん!?」
「急にどうしたんだ!?」
「いや、ちょっと……ゴフッ」
冷静さを欠いて暴走していた事もあり、最初は皆のポニテがしっかり見れてなかったが、若葉とひなたのポニテ姿を見て目を抑えながら悶える。
「三つ編み……ポニーテール……だと」
「あ、なるほどぉ〜ふふふ、気に入ってもらえましたか?」
「超似合ってる、まじ最高。あ、写真撮っていいですか」
「どうぞどうぞ〜さぁさぁ、若葉ちゃんも一緒に!」
「い、いや私は…」
恥じらう若葉、笑顔のひなた、恐るべき三つ編みポニテダブルコンビである。なるほど、これが世界か……などと悟りを開きそうになる程の神聖さである。
「若葉!ほら、並んで!後、できるなら二人ともくっついて!」
「お、落ち着くんだ洸輔!ここは一旦落ち着いてだな…」
「落ち着けだとぅ!??」
「ひぃ!?」
「こーんな、可愛いポニテ姿見せられて落ち着けないよ!しかも何ですか!普段の凛々しい感じとは違って、可愛さと可憐さを前面に押し出してきちゃって!」
「っー!わ、分かったからそ、そんなに褒めないで……くれ」
なんなんだこの子、ギャップの化身すぎでは。やめてくれ、若葉そのギャップは僕に効く。
「ふむふむ、普段のポニテ姿も正直、いや、かなり好きだけどこちらも……」
「ひ、ひなた、あいつを止め」
「もう少しこのままでいた方が若葉ちゃんのいろんな表情が見れそうなので放置しますね」
「ひなたぁぁぁぁぁぁぁ(絶望)」
二人の悪魔に挟まれてしまった若葉に逃げ道はなく、諦めて叫ぶだけだった。にしても、ほんと絵になるな、似合いすぎ。
「……今回ばかりは同情するわ。にしても、上里さんも大概だけれど、彼に至っては発言も何もかもが変態じゃない」
「タマが思うに、案外洸輔はバカなのかもしれん」
「でも、こんな風に楽しそうな洸輔さんは初めて見たかも」
「確かに!思ったより喜んでくれてるしね〜ちょっとおかしいくらいに!」
変態ではない、紳士である。それと杏以外の皆さんは辛辣ですね、泣きそう。
「ねぇねぇ、私のはどうかな?ぐんちゃんとお揃いなの!」
「ほほう?サイドテール……ナイスチョイスだよ、友奈。明るく活発な友奈にぴったり」
「えへへ〜」
褒められると嬉しそうに友奈がぴょんぴょん跳ねる。跳ねた拍子に、ふりふりと纏められた髪が揺れた。その度に視線は奪われ、胸が高鳴る。この組み合わせ、悪魔的。いつもとは違い、後ろでまとめるのではなく横に纏めたのか……全く美少女はこれだから恐ろしい。
「……」
「千景?」
「別に私は明るくも活発でもないから……似合ってないわよ」
その横では千景が少し機嫌悪そうにそう呟く。そんな千景のポニテは友奈とは逆の方向に纏められたサイドテールとなっている。なるほど……そういうスタイルか。完全に理解した(変態)とりあえず、僕は千景の言葉に対して自身のコト●マをぶつける。
「それは違うよ!」
「……何が違うのよ、ていうか近」
「千景、サイドテールというのはね、その髪型にした本人の魅力を更に引き出すことが出来るものなのさ。いいかい?」
首を傾げた千景の手を掴みつつ語る。サイドテールの場合、例えば、友奈のような明るいタイプの女の子はより明るく元気に見せることで魅力を引き出す。そして、千景のようなクールで、大人っぽいタイプの女の子には、より大人っぽさを掻き立て、元から持ち合わせているクールビューティーなイメージにも更なる拍車をかけるのである。
「そう、これこそがサイドテールの持っている力!」
「ふーん……で、結局何が言いたいの?」
「つまり、千景もめっちゃくちゃ似合ってるってこと!大人びている雰囲気がもっと全面に押し出されて、より魅力的になって好きだね!僕は!」
「っ……ふん!」
「痛っ!いきなり何するの!?」
「あ、貴方が変なこと言うからでしょ!」
「なんで!?そういう雰囲気の千景も好きって言っただ」
直後、顔を真っ赤にした千景さんから飛んできた渾身の一撃。バチンッ!という清々しい音が響くと同時に僕の頬には真っ赤に煌めく男の勲章が出来上がっていた。よく分からないが、千景さんにはあの褒め方は良くなかったらしい。
「やっぱ洸輔って馬鹿だろ?」
「あれは……洸輔さんが悪いと思います」
「えぇ(困惑)」
杏と球子からもこう言われてしまっては、僕が悪いのだろう。気をつけなきゃ……女心って本当に難しい。ヒリヒリと痛んだ頬を慰めつつ、二人のポニテ姿を拝見させていただく事に。
「どうだ、洸輔!タマと杏のポニテ姿は!」
「可愛い!てか、愛らしい!」
「お、おう……そんな、褒めるな」
(若葉とは違ったこのギャップ……可愛すぎでは?なんなんだ、この子……いや、この子達)
「二人もお揃いにしたんだね。しかも、スタンダードタイプ」
「はい、皆さんお揃いにしていたので私達もって」
「えっ?女神?」
「へっ?」
「いや、ごめん。あまりにも綺麗で……」
「そ、そうですか……えと、う、嬉しい、です」
赤面して俯いてる杏に目を奪われながらもなんとか思考を動かす。
「それにしても……」
この二人、自分の魅力に少し気づけていない節がある。例えば球子は自分は女の子らしくないというがそんなことは一切なく、実際ポニテ姿も目ん玉飛び出そうなくらいに可愛い。
杏に関しても同じで、千景のクールな大人っぽい雰囲気とは違いお淑やかさと清楚なイメージを前面に押し出されるものとなっており、普段の小動物感は見る影もない。
そして、二人は普段からずーっと一緒にいることも多く、まるで姉妹のような雰囲気を思わせている。ポニーテールはその属性というべきものも底上げし、更なる魅力として掻き立てていた。
「清楚でお淑やかな姉、そして、無邪気で少しやんちゃな妹……はぁー、素晴らしい」
「清楚……お淑やか……」
「おいまて、それは明らかにタマが妹の方じゃないか?」
「すいません、球子お姉様」
顔面をすごい力で掴まれてしまったので速攻で謝罪した。皆の素晴らしいポニテ姿を拝見させてもらったことで、僕のテンションは爆上がりした。テンションの急激な変動に疲れた為、自身の席へと着き机に突っ伏した。
「はぁ……堪能した、余は満足じゃ」
「喜んでもらえてよかった〜まぁ、私達も楽しかったからよかったかな」
「僕もう……なんというか感謝しても仕切れないくらい満足しました〜」
正面に視線を向けると、横にいる友奈を抜いたメンバーが固まってポニテの話題で盛り上がっていた。ここまで、ポニテに興味を持っていただけるのは好きな自分としては嬉しい事この上ない。
(そういえば……)
「ねぇ、友奈」
「どうしたの?」
「聞きそびれてたんだけど、結局の所なんで皆はポニテになってくれたの?僕としては嬉しい限りなんだけど、やっぱりそこだけわからないというか……友奈さん?」
横にいる友奈がクスクスと笑い出したので、気になって視線を送ると彼女は穏やかな表情をしつつも、少し呆れた様子でニコッとはにかんだ。
「はは、洸輔くんって本当ににぶちんさんだよね〜」
「えっ?」
「そうだなぁ、そんなにぶちんさんな洸輔くんに少し教えてあげる」
そういうと、友奈が少し意地の悪そうな顔でこちらを見る。小さく纏められた髪が揺れる。
「好きな人の好みを知ったら、女の子は次にどう動くと思う?」
「えーと……その好きな子の好みに合わせて、アプローチ掛けたり、試したりするんじゃ……ん?」
えっ?その話の流れで行くと……皆がわざわざ髪型をポニテに変えてくれていたのって。
「い、いやいや、ま、まさかそんな事は……ねねねねぇ?」
「うーん、信じるか信じないかは本人次第かな?まぁ、一言言えるのは……」
色々辻褄が合いすぎて軽く混乱する僕の前に、高嶋の顔が目の前にくる。彼女の息づかいと女の子特有の甘い匂いが僕を刺激し、胸の高鳴りが早くなる。そんな事を知る由もない友奈は人差し指を口に当て小悪魔のような笑顔を向けてきた。
「皆がどうかは分からないけど、私は好きな人の好みが知れたらすぐに試しちゃうかなぁ…今、みたいにね」
「は……えっ!?!?」
「ふふ♪」
突然の告白に動揺する僕を見るなり、友奈はこれまた楽しそうに微笑んだ。その笑顔と揺れる髪に魅了されていると、こちらの様子に気づいた皆が飛んでくる。
「コラァ!なんで二人だけで楽しそうにしてるんだよぉ〜タマ達も混ぜろー!!」
「いいよ〜タマちゃん!」
「お二人でなんの話をしてたんですか?」
「あっえと…」
「この中で洸輔くんが一番好みだったのは誰か?ってお話してたんだよ〜」
動揺が未だ収まっていない所に、ポニテ姿の美少女達が襲来。しかも友奈の発言によって全員の視線が一斉に僕に向けられた。
「それはそれは……楽しそうなお話ですね。そうは思いませんか?若葉ちゃん?」
「あ、ああ、私も興味がある」
「タマもだなぁ、別に洸輔の好みであって欲しいんじゃなくてただ!ただ!!一番になりたいだけだが」
「……(杏からの無言の圧力)」
先ほどの動揺、目の前にはポニテ美少女に包囲という状況が作られているせいで少し気が遠くなってきた。なんとかここから脱出しようと口を開く。
「そ、そろそろ昼休み終わるから……みんな席についた方」
「ええ、そうね。でも、それは貴方の答えを聞いたからでも遅くないわ」
「そうそう、ぐんちゃんの言う通りだよ〜♪」
すごい形相で僕の肩を掴む千景とさっきのように小悪魔チックな笑顔を浮かべる友奈。逃げ場を消された所に、更にポニテ姿の美少女達は距離を詰めてきた。
「それで?」
「誰のポニテ姿が一番好みだったんですか?」
もはや、誰が口にした言葉か僕にはわからなくなっていた。様々な情報と目の前の光景に思考回路をショートさせた僕は、最後に六人の美少女達のポニテに改めて一通り目を通すと、親指を立てこう呟いた。
「…………………全部、好き」
直後、白目を向いてぶっ倒れた……と、後で皆から聞いた。その日の僕はポニーテールの素晴らしさを再認識すると同時に少し、乙女心というものが分かったような気がした。
100話達成は正直、驚きしかないです……本当読者の方に感謝感謝の想いで紡がれ続けるこの作品、投稿が遅れる事はまだまだあるかもしれませんが……何卒何卒!あこゆの方をよろしくお願いします!このまま、駆け抜けて見せます!
所で、なんか100話記念的なのやった方がいいんだろうか()