前置きは抜きにして、早速本編をどうぞ!
「ふんふーん」
鼻歌を歌いながら、朝食の準備をこなしていく。机の上には綺麗に並べられた二人分の朝ごはんメニュー。ちなみに自作です(ドヤ顔)
「おはようございます♪洸輔くん」
背後から、愛する女性からの熱い抱擁攻撃をくらう。正直、これに慣れ始めている自分がいる事に驚いていた。まぁ、抱きしめられた際に真っ先に感じる柔らかい二つの感触には未だになれないが。
「お、おはよう、ひなた。今日はいつもより元気だね」
「勿論です!今日はお休み!平日には摂取できなかった洸輔くん成分を沢山頂きますよ!」
笑顔でそう言いながら、更に体を密着させてくるひなた。誘惑に負け、朝ごはんそっちのけでイチャイチャしたくなる衝動を抑えながら、冷静に呟く。
「それは……随分、愉快そうな成分だね」
「ちなみに、こうしてお話しつつくっつく事によって洸輔くん成分の摂取量が2倍に!」
「なんて高等テクニック……流石、ひなた」
「ふふん〜でしょう?今日はとことんまで洸輔くんの事を堪能しちゃいますから、覚悟してくださいね?」
「は、はい……肝に銘じます」
他人から見たらバカップルと100%言われるであろうやり取りをした後、冷める前にと朝食に移った。ただ一緒に朝ごはんを食べているだけなのに、僕の心はこれ以上ないくらいに満たされていた。
何の因果か、神世紀に戻らずこの時代に残留した僕はひなたと恋人同士になった。その時の事を、今でも昨日のことのように思い返す。
『私は、天草洸輔くんの事が大好きです』
柔らかく、そして甘い……愛の言葉と共に。ひなたは僕の体を抱きしめる。
『貴方といると、胸が熱くなるんです。若葉ちゃんといる時とは違う……熱さ。きっとこれは親友や友達……そういう形での好きではないと思うんです』
直に伝わってくる彼女の体温に包み込まれる。心なしか、ひなたの体は震えていた。僕はようやくそんな彼女の体を抱きしめ返す。壊れないように……そっと。
彼女の想いを聞いた事で、僕の中に眠っていた彼女への想いが自然と溢れ出した。
『ひなた……僕は。僕も、君の事が好きだ』
『洸輔くん……ありがとう、ございます。嬉しいです』
『僕も……すごく、嬉しい』
『もう、離しませんから……貴方のことを』
言葉の後に、そっと押しつけられた温かく柔らかな唇の感触を今でも鮮明に覚えている。
その後、僕は大赦のトップになった彼女を支える為、大赦役員として就職するのが決まっていた事もあり、同棲をする為の場所を確保するのも早かった(主にひなたが)
お互いに平日は忙しいから自然と関わる時間が減りがちになり、その反動が休みに収束しさっきのようなやり取りが当たり前のように行われるのだ。
「あ、洸輔くん。ほっぺにお米ついてますよ?」
「ほんとっ?えと、あっ」
「はい、取れましたよ〜ふふ♪おいしい♪」
「うっ……あ、ありがと」
僕からの感謝の言葉に「どういたしまして♪」とイタズラっぽく、そしてどこか妖艶に微笑むひなたに動揺する。ひなたの最大の強みを目撃し、ある種の感情の昂りが押し寄せてきているのを感じるが、深呼吸をして落ち着く。そう、まだ休みは始まったばかり落ち着くのだ自分よ。
「さて、それではこちらへどうぞ。ひなた様」
「いいんですか?では、喜んで〜♪」
朝食を終え、リビングに移動する。いつもは僕が膝枕してもらっている為、今日は立場を逆にしてみる。ここで僕が主導権を握ることさえできれば、いつもの休みのように手玉に取られずに済む……はず。
「どう?僕の膝枕」
「久々にやってもらいましたが……いいですよ〜ちょっと固めな感じがまさに男の子って感じで大好きです」
「そこまで褒めてもらえるとは……嬉しいけど、少し恥ずかしいな」
「相変わらずの素直さですね〜可愛い♪」
それそれーと頬を人差し指でつつかれる。少し気恥ずかしいが……それよりも楽しそうに微笑む彼女を見ていられる事が嬉しかった。優しく彼女の頬に触れる。
「ふふっ♪くすぐったいです」
「ごめん、ひなたがあまりにも可愛いもんだから」
「嬉しい事を言ってくれますねぇ〜でも、あんまり何回も言わないでくださいね?」
「嫌だった?」
「いいえ、そういう訳じゃないんです。ただ……」
サッと身を起こしたひなたが耳元で囁く。
「あまりに褒められてしまうと……私、
「っ!!」
形勢が逆転する。動揺する僕の反応を見て、またさっきのように笑うひなた。ああ、いけない、いつもこうだ。まるで、掌の上で転がされているような……。
「駄目だ、ひなた……それはずるい」
「あらあら〜♪また顔が赤く」
「な、なるに決まってるよ……もう」
まだお昼前なのに、半分以上理性を削られてしまった。そこに追い討ちをかけるように、起き上がった彼女は僕を正面から抱きしめてくる。
「拗ねてる洸輔くんも可愛いですね〜♪では、膝枕してくれたお礼に私が癒してあげます」
「……拗ねさせたのはひなたなんだけど」
「でも、嫌じゃないんですよね?こうやって抱き合うの」
「当たり前でしょ。もう、ずるいよ……ひなたは」
受け入れ、こちらも抱きしめ返す。密着度合いが増して、彼女の温かく柔らかい体が押しつけられた。脳が処理に追いつかなくなってきていると共に、心臓の高鳴りも最高潮に達してきた。
「言ったじゃないですか。もう離さないって」
「離れるわけないじゃん……こんなに魅力的な女の子から」
「ありがとうございます♪ふふん♪洸輔くんを完璧に落とす事ができたみたいですね?今日も」
「はいはい、落とされました落とされましたよ……まったく」
「むっ、なんですか〜?その態度は?ええーい、そんな悪い子にはお仕置きです!ーーん、むっ」
「ひなっ……んむっ」
落ち着くんだ……と、声を掛ける前に口が塞がれた。重なった唇は熱く……そして甘く交わり合った。
「んっ……はぁ」
「ちゅ…んっ」
もはや突き離すような気は一切なく、ただただその時間を堪能した。長いような短いような……やがて、お互いの唇が離れた。
「はぁ……ふ、ふふふ、これでお仕置き成功、ですね」
「あぁ、そうだね……成功、だね」
「やりました♪今回も私が……へっ?えっ!?」
「少し、失礼するよ」
ひなたが動揺するのを無視して、お姫様抱っこで彼女を連れて行く。リビングから移動し、向かったのはベッドのある寝室。明るい日が差し込んできているがカーテンを掛け、部屋を暗くする。
「ええっと……これは?」
「ひなたが悪いんだからね?いつもいつも僕を誘惑することばかり……今度は僕が君をお仕置きする番だから」
「ふふ♪やっとですね」
「へっ?」
さっきまでの困惑顔はどこへやら、ひなたは嬉しそうに笑う。その表情には、余裕があった。
「洸輔くんからきてくれるのを待ってましたよ?作戦成功、ですね♪」
「ま、まさか!!また……ひなたの掌の上!?」
人差し指を口元に当て、にこっとはにかむひなた。嵌められた事に悔しがりつつも、自分自身のある種の感情の高まりが止まらなくなっている事を自覚する。
「だ、だとしても止まる気とかないから」
「はい、いいですよ?今からは洸輔くんのターンですから♪」
「言ったなぁ〜、後で謝っても聞いてあげないからね?」
「ふふ♪では……よろしくお願いします」
頬を紅潮させながらも、また余裕そうに微笑んだ彼女を見て思った。これからも僕は彼女にはきっと勝てないんだろうなと。
ひなたちゃんの……この、手の上で転がされているんだヨォ!!ぶははは!!(某神)
あっま!あっま!!なんなん、なんなん!書いてて超楽しかった!ひなたちゃんに甘やかしてもらいたいわ(捨て台詞)
あ、次回は本編更新しますね〜!