雪穂「ディケイド…!」
亜里沙「あなたの名前は『ツカサ』!」
ツバサ「アギトの世界よ…この世界にはホノカさんがいる」
ホノカの母「不思議な話ね…まさかホノカに会う為に、わざわざ別の世界からやってくるなんて」
ホノカ「スクールアイドルって…何?」
ツカサ「向こうの世界のアンタも最初はそうだった…それでも、諦めなかった」
ツカサ「きっとスクールアイドルを始めようとするさ、向こうの世界とは…少し違う形でな」
ユキホ「あなた達は?」
マナ「やめて…私を呼ばないで!」
バッファローロード「今こそ、粛清の時…」
アギト「うわぁっ…!」
ユキホ「しっかりして、お姉ちゃん!」
ホノカ(何かの気配を感じ取って倒れた後…私は一週間前に見た夢を思い出していた)
ホノカ「失礼します」ガラガラ
先生「どうぞ、ここに座って」
ホノカ「はい…」
ホノカ(この日は先生との個人面談があった)
ホノカ(先生から聞かれることは…最後まで学校に残るか残らないか)
ホノカ(残らない場合は他校への推薦・無試験編入等の希望を出す手続きをして…)
ホノカ(残る場合はその後の進路志望を一応聞いておく…みたいな感じ)
先生「高坂さんは…あかつき残留希望なの?」
ホノカ「はい、絶対に最後まで私はここにいます!」
ホノカ「っていうか、廃校になんてならないように私…頑張りますから!」
先生「そ…そう」アハハ
先生「確かあなたのお家は…おばあちゃんの代からウチの学校に通ってたものね?」
ホノカ「はい!」
先生「お店の方も高坂さんで三代目?あっ…でも、妹さんもいるのよね」
ホノカ「?」
先生「高坂さんはお婿さんをとって、家業を継いだりするの?」
ホノカ「お、お婿さん!?」
先生「ええ、なら和菓子作りはお婿さんに任せて経営に専念するのかしら?だったら専門学校より短大とかの方が良いかしら…」
ホノカ「あの、先生…?」
先生「その辺、ご両親はどう仰ってるの?」
ホノカ「えっと…その」
先生「それとも進路希望は全然、別にあるとか?」
ホノカ「い、いや…」
ホノカ(いきなりそんなことを言われて…私は困っていた)
先生「あっ…ごめんなさいね、本当の進路指導は秋にやる予定だったものね」
先生「今、その辺のことはひとまず置いておきましょうか…じゃあ高坂さんは残留希望って事で」
ホノカ「は、はい!」
先生「でも…秋が来るのはあっという間よ?」
先生「もう高校二年生なんだから、もし大学進学希望じゃないなら…そろそろ先を考えておいた方が良いわよ?」
ホノカ「…!」
ホノカ(そんな…私、もうじゃなくてまだ高校二年生だよ?)
ホノカ「…いくらなんでも、あんまりだよ」トボトボ
ホノカ(そう思いながら、個人面談を終えた私は家に帰っていた)
ホノカ「ただいま~…」ガララッ
ホノカ(いけない、店の戸を引いたら大きな音が出ちゃった…またお母さんに叱られちゃう)
ホノカ「あっ、ごめんなさい!今ちょっと勢いが…あれ?」
ホノカ(お店の中には誰もいなかった)
ホノカ「もう…店番がいないなんて無用心だなぁ~」ガサゴソ
ホノカ(居間に上がった私はコンビニで買ってきた正方形のサンドイッチをカバンから取り出した)
ホノカ(いつもなら晩ご飯の後のデザートって感じで食べてるんだけど…)
ホノカ(ちょっとお腹空いちゃったし…今、食べちゃっても別に良いよね?)
ホノカ「こんな時はやっぱりいちご味だよね~」パクッ
ホノカ「ん~、今日もパンが美味い!…あれ?」
ホノカ(居間のテーブルの上にユキちゃん宛の封筒が置かれていたのを私は見つけた)
ホノカ(その封筒はあかつきじゃない別の高校の入学案内だった)
ホノカ「えっ…?」
ホノカ(私は家の中を駆け回っていた)
ホノカ「お母さ~ん!?」ドタドタ
ホノカ「ユキちゃんが…ユキちゃんがー!」バタバタ
ゴッ!
ホノカ(いつしか私はちゃぶ台に足をぶつけてしまっていた)
ホノカ「痛っ!?」ドサッ
ホノカ(私は痛みに耐えきれず、転んでしまった)
ホノカ「…なんで」グスッ
ホノカ(少しだけ泣きたくなっちゃった、その時だった)
?「…あの」
ホノカ「…あれ、マナちゃん?」
マナ「大丈夫…ですか?」
ホノカ「う、うん!」
マナ「…ホノカさん」
ホノカ「えっ?」
マナ「涙が…」
ホノカ「…あっ!」ゴシゴシ
ホノカ(頬を伝う一粒の涙を、私は必死に指でこすっていた)
ホノカ「あ、あはは…何かごめんね?」
マナ「いえ…」
ホノカ「…あの、ところで」
?「あー、もう…どうしてこういつもお姉ちゃんは帰ってくるなりこんなにうるさいかな?」ゴシゴシ
ホノカ(私がマナちゃんに封筒のことを聞こうとした時、ユキちゃんがバスタオルで頭を拭きながらやってきた)
ホノカ「ユ、ユキちゃん…お風呂に入ってたんだ?」
ユキホ「そうだよ…お姉ちゃんがうるさかったから、ゆっくり入れなかったけどね」
ホノカ「あはは…」
ユキホ「全く…あっ」
ホノカ(ユキちゃんは封筒を見て、私が何で騒いだのか気付いた様子だった)
ホノカ「…」
ユキホ「…」
二人「…あ、あの!」
ホノカ(気まずくなった時、私とユキちゃんは小さな頃からいつもこんな感じで…二人にしか分からない突発的なゲームをしている)
ホノカ(先に本音を言おうとした方が勝ちっていうゲーム…今回は私の方がわずかに早かった)
ホノカ「やった、ホノカの勝ち!」
ユキホ「もう…本当、ズルいんだから」
ホノカ(悔しそうだけど、ユキちゃんの目は笑っていた)
ホノカ「あの、これ…」
ユキホ「はぁ…言っておくけど、別にわざわざ私が希望したんじゃないからね?」
ホノカ「え?」
ユキホ「今日の朝、学校行事でその高校の体験入学があったの」
ホノカ「…でも、その行事って去年までずっとあかつきに来てたよね?」
ユキホ「うん」
ホノカ「なんで…」
ユキホ「…当たり前じゃん、あかつきはもう新入生の募集を停止するかもしれないんだよ?」
ホノカ「もうそんな話が!?」
ユキホ「みんな言ってるよ…そんな学校、受けてもしょうがないって」
ホノカ「しょうがないって…」
ユキホ「だって、そうでしょ!お姉ちゃんの学年なんて二クラスしかないんだよ…?」
ホノカ「でも、三年生は三クラスあるし!」
ユキホ「じゃあ一年生は?」
ホノカ「…一クラス」
ユキホ「ほら…それじゃ、もう来年はないってことじゃない?」
ホノカ「でも、まだ決まったわけじゃないし…」
ホノカ「それにさ、私が絶対に頑張って…廃校を回避してみせるから!」
ユキホ「全くガンコなんだから…で、どうやって廃校を回避しようと考えてるの?」
ホノカ「それは…その」
ユキホ「ほら…やっぱりないんじゃん」ハァ
ユキホ「どう考えたって、お姉ちゃんがどうにか出来る問題じゃないんだから」
ホノカ「…」
ユキホ「…お姉ちゃんはズルいよ」
ホノカ「えっ?」
ホノカ(そう言うユキちゃんの目には、溢れるくらいの涙が溜まっていた)
ユキホ「…」グスッ
ホノカ「!」
ユキホ「私だって…本当はお姉ちゃんみたいにあかつきに行きたかった」
ユキホ「あかつきの制服着て…学校に行きたかった!」
ユキホ「悔しいけど…でももう、どうしようもないじゃんか!!」
ホノカ「…ユキちゃん」
ユキホ「うっ…」グスッ
ホノカ「…」ギュッ
ホノカ(今の私には…泣き出すユキちゃんを抱き締めることしか出来なかった)
ユキホ「ううっ…!」ダダッ
ホノカ「!?…待って、ユキちゃん!」
ホノカ(私から離れたユキちゃんは…自分の部屋に戻ろうと階段を上がっていった)
マナ「…ユキホ」
ホノカ「…」
ホノカ(ごめんね、ユキちゃん)
ホノカ(でも…一つだけ分かってほしい)
ホノカ(私、小さい頃からずっとユキちゃんと一緒にあかつきに行きたいっていう夢があったんだよ?)
ホノカ(マナちゃんはもちろん…ユキちゃんと同じようにあかつきに行きたいと思っている、みんなのために)
ホノカ(やっぱり私は守らなきゃいけないんだ…あのあかつきという、憧れの居場所を)
ホノカ(私がそう…強く誓った、その時だった)
マナ「!」クルッ
?「…」
ホノカ(いつの間にか…白い服の男の人がこっちを見つめていた)
ホノカ「あっ、お客さんですか?変なの見せちゃってごめんなさい…今行きますね」
白い服の男「…」スッ
ホノカ(右の手のひらを見せた白い服の男の人は…赤い化け物に姿を変えた)
火のエル「…」
ホノカ「!?」
マナ「…ホノカさん、危ない!」
ホノカ「うわっ!?」
ホノカ(突然、目の前が真っ白になった)
ホノカ(それから先、何が起こったのか…私は全然覚えていなかった)
~世界の破壊者、ディケイド…9人の女神に出逢い、その瞳は何を見る?~
ユキホ「お姉ちゃん、大丈夫?」
ホノカ「…私、何でここに?」
ツカサ「まさか…アギトとして戦った事を覚えていないのか?」
雪穂「えっ…ウソでしょ?」
亜里沙「そんなことあるの?」
ツカサ「アギトになったばかりなら、あり得るかもな…」
ツカサ「それにしてもこの状況…どうしたもんか」
バッファローL「…」
ツカサ(バッファローロードとクイーンアントロードがホノカとマナを狙って近づいていた…その時だった)
ツカサ(バッファローロードとクイーンアントロードがホノカとマナを狙って近づいていた…その時だった)
『カメンライド…G3マイルド!』
ツカサ「!」
ツカサ(オレ達の目の前に一人のライダーが現れた)
G3マイルド「G3マイルド、出動します!」
バッファローL「何…?」
G3マイルド「よーしっ…はっ!」ダッ
クイーンアントL「!」ガッ
ツカサ(G3マイルドは二体のアンノウンを相手に戦い始めた)
?「…その戦い方じゃ、100点満点中24.7点ってとこね?」スタスタ
亜里沙「ツバサさん!」
ツカサ「お前…」
ディエンド「まあいいわ、私が来るまでには何とかなったみたいだし」
ディエンド「とりあえず…一緒に行きましょうか、ホノカさん」ポン
ホノカ「…あなたは?」
ディエンド「…『綺羅ツバサ』って名前に覚えはあるかしら?」
ホノカ「へ?ふぁ…うわぁぁぁぁ!?」
ホノカ「もしかしてあなた、アラ…」
ディエンド「来て」ガシッ
ホノカ「えっ?」
ツカサ(ディエンドは一枚のカードを取り出し、ディエンドライバーに装填した)
『アタックライド…インビジブル!』
ホノカ「うわぁ!ああっ!?ちょっと待ってー!!」
ツカサ(ディエンドはホノカを連れて消えようとする)
ユキホ「あっ…待って!」ガシッ
雪穂「ちょっ、ちょっと!?」ガシッ
ツカサ(二人の雪穂は消える寸前のディエンドに掴まり…ホノカと一緒に姿を消してしまった)
亜里沙「雪穂、ユキホ!」
ツカサ「くっ…仕方ない、オレ達はマナを連れて逃げるぞ!」
亜里沙「う…うん!」
G3マイルド「うわぁーっ!?」ドサッ
ツカサ「…!」
ツカサ(G3マイルドは…二体のアンノウンの攻撃を受け、あっさり消滅してしまった)
バッファローL「フン…」
ツカサ「…やはり、そう簡単にはいかないか」
ガガッ!
バッファローL「!」
V1「…」
ツカサ(すると…今度はV1が現れ、V-1ショットでアンノウン達を攻撃した)
ツカサ「…ここはV1に任せて、今のうちに行くぞ」
亜里沙「えっ、でも…大丈夫なの?」
ツカサ「いいんだ…あれでも一応、人の命を守る警察官だからな」
ツカサ(オレはマナを背負い、その場から急いで離れようとする)
マナ「うぅ…」
ツカサ「…」ダッ
ツカサ(V1がアンノウンと戦闘している間に…オレ達はその場から撤退した)
V1「はっ!」ガガッ!
バッファローL「…」
V1「…何っ、効かない!?」
クイーンアントL「…!」ダッ
V1「!」
雪穂(気がつくと…私達は公園にいた)
雪穂「ん?…あれ、ここは!?」ガバッ
?「目が覚めたようね?」
雪穂「!…ツバサさん」
ツバサ「さっきはごめんなさい…どうしても彼女と話がしたいと思って」
ホノカ「…」
雪穂「話、ですか…?」
ツバサ「ええ」
ホノカ「んぁ…?」パチリ
ツバサ「こっちも目が覚めたみたいね…初めまして、高坂ホノカさん」
ホノカ「えっ…あっ、初めまして!」
ツバサ「うふふっ…」
ホノカ「でも、どうして…?」
ツバサ「それは…別の世界で、あなたと私は共にお互いを高め合うライバルだったからよ」
ツバサ「だから私は…こっちの世界のあなたに、会いに来たの」
ホノカ「え…ええっ!?」
雪穂(お姉ちゃんの驚く声で、もう一人の私が起き上がった)
ユキホ「うるさいなぁ…何?」ムクリ
ホノカ「あっ、ユキちゃん…ごめん」
ツバサ「こんにちは」
ユキホ「あっ、こんにちは…どちら様ですか?」
ホノカ「えっ、ユキちゃん知らないの!?」
ユキホ「は…はぁ?」
ホノカ「A-RISEだよ、A-RISE!」
ユキホ「アライズ…?」
ホノカ「スクールアイドルだよ!」
ユキホ「えっ、何それ…?」
ホノカ「学校で結成されたアイドルのことだよ~、知らないの?」
雪穂「いや、お姉ちゃんだってさっきまで知らなかったじゃん…!」
雪穂「というか、この世界にスクールアイドルはなかったんでしょ?」
ホノカ「あっ…そっか~、ごめんごめん!」
雪穂「もう…」ハァ
ホノカ「さっき、ツカサくんからもらったA-RISEのライブDVDを見たばっかりで興奮しちゃって…」エヘヘ
雪穂「えっ…A-RISEの?」
ホノカ「うん!」
ツバサ「ふふっ…やっぱり、あなたは別の世界でも相変わらず魅力的で面白い人ね」
ホノカ「いやいや、そんなこと…」
ツバサ「あるわ」
ホノカ「えっ?」
ツバサ「人を惹きつける魅力…カリスマ性とも言うべきかしら」
ツバサ「向こうの世界のあなたは…仲間と共にスクールアイドルをやっていく事で、その能力を最大限に活かしていたわ」
ホノカ「は、はぁ…?」
ツバサ「だから私は…あなたの事をずっと注目していたの」
ツバサ「きっと一番のライバルになるんじゃないかと…」
ホノカ「ええっ!?そうなんですか?」
ツバサ「ええ…もちろん同じスクールアイドルとして応援もしていたし、そして何より…」
ツバサ「負けたくないと思った」
ホノカ「そうだったんですか…それで、向こうの世界の私はどうなったんですか?」
ツバサ「…A-RISEとあなた達のグループは『ラブライブ!』というスクールアイドルの大会の最終予選で一緒になった」
ツバサ「決勝に進んで優勝したのは…あなた達のグループよ」
ホノカ「!…そう、なんですか」
ツバサ「どうして…あなた達のグループが優勝できたと思う?」
ホノカ「…やっぱり、努力してたからですか?」
ツバサ「それは他のスクールアイドルだって同じよ…あなた達のグループは、あなた達にしかない素晴らしいものがあったの」
ホノカ「素晴らしいもの…?」
ツバサ「…何だと思う?」
ホノカ「えっ…」
雪穂(ツバサさんはそう言って、お姉ちゃんの目を真っ直ぐに見た)
ツバサ「…それは、あなたもスクールアイドルをやってみたらきっと分かるわ」
ホノカ「私が…?」
ツバサ「そうよ」フフッ
ホノカ「でも、私…」
雪穂「そういえば前に、私達の世界のお姉ちゃんがこんなことを聞いてきました」
ホノカ「へっ?」
雪穂「私から見て、お姉ちゃん達のグループがどう見えるかって…」
ホノカ「!…それで、何て答えたの?」
雪穂「…心配」
ホノカ「は、はぁ!?」
雪穂「後は…危なっかしい、頼りない、ハラハラする」
ツバサ「ふふっ…」
ホノカ「た、大会に優勝してるんだよね…?」
雪穂「でも何か心配になっちゃうんだよねー、ただ…」
ホノカ「ただ?」
雪穂「応援しなきゃって気持ちに不思議となるんだよね…お姉ちゃんとか地元とか関係なく、どんなグループよりも」
ホノカ「応援しなきゃ、か…」
雪穂「…だからさ、とりあえずやってみたら?」
雪穂「向こうの世界のお姉ちゃんもA-RISEのライブ映像を見たのがきっかけでスクールアイドルを始めてたし…」
ホノカ「そうなの!?」ズイッ
雪穂「うっ…だから近いってば!」
ユキホ「…あの」
雪穂「え?」
ユキホ「何がどうなってるのか、未だによく分かってないんだけど…」
雪穂「あっ…」
雪穂(私は…お姉ちゃんともう一人の私に、これまでのことを説明した)
ツカサ(オレと亜里沙はマナを連れていた)
亜里沙「ふぅ…ここまで来れば、もう大丈夫かな?」
ツカサ「どうだろうな…これで、少しは休めると良いけどな」
マナ「…離して」
ツカサ「何?」
マナ「いいから離して!」バッ
亜里沙「あっ…」
マナ「もう…私に構わないでよ!」
ツカサ「悪いがそれは出来ない」
マナ「…どういう事?」
ツカサ「オレはアンタを守る…そして、穂むらに連れて帰る」
マナ「…あなた、何を言っているの?」
ツカサ「アンタがいなくなれば、ユキホやホノカ達が悲しむからな…」
ツカサ「だからオレは…意地でもアンタをアンノウンから守ってみせる」
亜里沙「ツカサ…」
マナ「…ふざけないで!」
ツカサ(マナはギルスに変身し、亜里沙の身体にギルスフィーラーを巻きつけた)
亜里沙「うっ…!?」
ツカサ「亜里沙!」
ギルス「近付かないで!近付いたらこの子の命は…」
ツカサ「…ぐっ!」
亜里沙「ツカサ…私は、大丈夫だから」
ツカサ「だが…」
亜里沙「だから、私に…任せて?」
ツカサ「!…分かった」
ツカサ(亜里沙はギルスに話しかける)
亜里沙「ねぇ…こんなこと、もうやめよう?」
ギルス「…」
亜里沙「こんなことをしたって、あなたが辛くなるだけだよ?」
ギルス「あなた…私が怖くないの?」
亜里沙「えっ?」
ギルス「こんな、化け物みたいな姿…気味が悪いと思わないの?」
亜里沙「…私は、そんなこと思わないよ?」
ギルス「!…嘘、どうせ離してほしいから言ってるだけでしょ!?」
亜里沙「…ねぇ、あなたはこの世界のユキホと友達なんでしょ?」
ギルス「それは…」
亜里沙「違うの?」
ギルス「…そう、だけど」
亜里沙「だったら…きっとユキホ、悲しむと思うな」
ギルス「…!」
亜里沙「だから…」
ギルス「うるさい…もう黙っててよ!」
ギルス「私は…うっ!?」ドサッ
ツカサ(苦しむギルスは亜里沙を離し、マナの姿に戻りながら倒れた)
亜里沙「マナさん!」
ツカサ「まだギルスとしての力のコントロールが出来ていないようだな…」
亜里沙「大丈夫?」
マナ「何で…私を?」
亜里沙「当たり前だよ…だって、私もあなたと友達になりたいから!」
マナ「…友達」
亜里沙「ねぇ…どうしてあなたは、ギルスになったの?」
マナ「…別に私は、あの姿になりたくてなったわけじゃない」
亜里沙「じゃあ、何で…?」
マナ「…一週間前、私はホノカさんと一緒に穂むらの一階にいた」
マナ「その時、白い服の男が眩しい光を放って…私達はそれに包まれたの」
ツカサ「!」
亜里沙「光…?」
マナ「…ええ、それまでの私はちょっとした物を動かせる超能力しか持っていなかった」
マナ「でもその光を浴びてからは、なぜかあの姿に変われるようになって…」
ツカサ「それは…アギトの光、だな」
亜里沙「アギトの光…?」
ツカサ「ああ…アンタやホノカが変身できるようになったのはきっとそれだ」
ツカサ「やがてギルスとして覚醒したアンタは…自分がアンノウンに狙われる事を予知した」
ツカサ「そしてホノカやユキホ達を巻き込まない為に…家を飛び出した」
マナ「…」
ツカサ「でもな…結局、どこへ行ったって同じだ」
ツカサ「『今』から逃げようとしても…それは嘘に出来ないし、無かった事になんてならない」
マナ「じゃあ…どうすればいいのよ!」
ツカサ「周りに迷惑をかけたくないお前の気持ちは分かる」
ツカサ「それにオレは…アンタに少し、似ている気がする」
マナ「…どういう事?」
ツカサ「オレは記憶喪失だ…自分がどこから来た何者なのか、時々分からなくて自分自身が怖くなる事がある」
マナ「…」
ツカサ「でも、オレは自分を憐れんだりはしたくない」
ツカサ「だからこそ…オレはオレである意味を、今の居場所にいる意味を必ず見つけたいんだ」
マナ「…今の居場所にいる意味?」
ツカサ「そうだ、だから…」
亜里沙「あっ…ツカサ、あれ!」
ツカサ(亜里沙が指差す方向から、黒いアントロードの大群がやってきた)
ツカサ「追手か…亜里沙、マナを連れて逃げろ」
亜里沙「うん!…行こう、マナちゃん?」ギュッ
マナ「…!」ダッ
ツカサ(亜里沙がマナの手を引いて逃げていくのを確認したオレは…バックルを装着し、カードを装填した)
『カメンライド…ディケイド!』
ディケイド「はっ!」
ユキホ「そんなの、とても信じられないんだけど…」
雪穂「…そう、だよね」
ホノカ「でも、もう一人のユキちゃんがいるんだから…信じてあげようよ!」
ユキホ「何でいつもお姉ちゃんはそうお気楽なのかなぁ…一体、誰に似ちゃったの?」ハァ
ホノカ「えへへ…」
雪穂「…そういえば、本当に覚えてないの?」
ホノカ「えっ、何が?」
雪穂「アギトになって戦ってたこと…」
ホノカ「う、うん…」
ユキホ「…」
ツバサ「あなたは何か知ってるみたいね?」
ユキホ「え…私ですか?」
ツバサ「ええ」
ユキホ「…実は一週間前、お姉ちゃんやマナが家の中で倒れているのを見つけたんです」
ユキホ「お姉ちゃん達を起こそうと二人の身体に触った時…ハッキリとした夢を見るようになったんです」
雪穂「夢…?」
ユキホ「うん、お姉ちゃんがアギトになって化け物と戦っている夢…」
ホノカ「ええっ!?何でそんなこと言ってくれなかったの?ひどいよぉ~!」
ユキホ「いや、あくまで夢だから…」
ホノカ「でもぉ~!」
ツバサ「まあまあ、ホノカさん…落ち着いて?」
ホノカ「あっ、はい…」
ツバサ「じゃあ、その夢を見てから…あなたはホノカさんの事が心配になったのね?」
ユキホ「はい…それで昨日の夜、急に家を出て行ったお姉ちゃんについて行ったんです」
ホノカ「あれ…私、外に出たっけ?」
雪穂「それも覚えてないんだ…」
ツバサ「そして…ホノカさんがアギトになって怪物を倒していた」
ユキホ「はい…お姉ちゃんは家に帰ってすぐに寝てしまったので、何も聞けなかったんですけど」
ユキホ「だから今日聞いてみようと思ったら、今度はマナが突然苦しみながら家を飛び出して行っちゃって…」
ホノカ「そっか~…だから急に身体が重たくなったなと思って、気がついたら寝てたんだ!」
雪穂「えっ、身体が重たく…?」
ホノカ「うん…例えばあかつきが廃校にならないようにどうするか、みんなの居場所を守りたいなって思った時なんだけど」
ホノカ「誰かの助けてって声が聞こえると同時に、なぜか身体が重たくなっちゃって…何でかなって思ってたんだけど」
ツバサ「…きっと、ホノカさんはまだアギトの力をコントロールできていないのね」
ホノカ「コントロール…?」
ツバサ「ええ」
ホノカ「う~ん、コントロールか…」
雪穂(お姉ちゃんはしばらく考え込んでいた)
ホノカ「どうすればいいのかな…?」
雪穂「…それならさ、思い切って自分のことを一番に考えてみたら?」
ホノカ「えっ…私のこと?」
雪穂「だってお姉ちゃん、みんなのために学校を守りたいって言ってるけど…自分のためには何も考えてないよね?」
ホノカ「自分のため…」
雪穂「私もアギトについて詳しいわけじゃないけど…きっと、それが人の居場所を守ることにも繋がるんじゃない?」
雪穂「私は…そう思うよ」
ホノカ「自分のため、か…そっか」
ホノカ「ありがとう、ユキちゃん…じゃなくて雪穂!」
雪穂「うん…あっ!」ガサゴソ
雪穂(私はポケットの中に入れていた手紙の存在を思い出し、それを取り出した)
ホノカ「それは?」
雪穂「マナさん宛の手紙なんだけど…」
ユキホ「えっ…マナの?」
雪穂「うん、差出人が誰か分からなかったから…受け取ってくれなかったんだけどね」
ホノカ「じゃあ、読んでみたら誰か分かるかも…」
雪穂「えっ?」
ホノカ「ちょっと貸して!」バッ
雪穂(お姉ちゃんは私から手紙を取り上げ、勝手に開けて読み始めた)
雪穂「あっ!ちょっとお姉ちゃん!?」
ユキホ「ダメだよお姉ちゃん!人の手紙を勝手に読んじゃ…」
ホノカ「…マナちゃんのお母さんからだ」
ユキホ「えっ…!?」
雪穂(私達はマナさんのお母さんからの手紙を読んだ)
ホノカ「これ、早く…早くマナちゃんに見せてあげなきゃ!」
ユキホ「でも、マナが帰ってくるかどうか…」
ホノカ「!…大丈夫、私がきっと連れて帰るよ」
ユキホ「えっ…お姉ちゃんが?」
ホノカ「うん、だって…私がそうしたいんだもん」
ホノカ「出来なかった後悔なんて…したくないから」
ホノカ「それにマナちゃんはもう、私達の家族なんだから!」
ユキホ「…お姉ちゃん」
ツバサ「…」フフッ
ホノカ「じゃあ私、マナちゃんを探してくる!」ダッ
雪穂(そう言って、お姉ちゃんは走り出した)
雪穂「お姉ちゃん…」
雪穂(もし私もツカサやツバサさんみたいに変身して戦えていたら…)
雪穂(今頃はお姉ちゃんと一緒にマナさんを探しに行っていたかもしれない)
雪穂(でも、私は…)
ユキホ「あの!」
雪穂(その時、もう一人の私がツバサさんに話しかけた)
ツバサ「何かしら?」
ユキホ「私、お姉ちゃんやマナを見ていて…思ったんです」
ユキホ「私にも何か出来ることがないかなって…」
雪穂「えっ…それってまさか、あなたも戦いたいっていうこと?」
ユキホ「…」コクリ
ユキホ「出来れば私も…大切な人を守りたいんです」
ユキホ「自分のためにも、誰かのためにも…だから!」
雪穂「…!」
雪穂(違う世界の私も同じことを考えていたなんて…私は正直、驚いていた)
ツバサ「…ついてきて」スタスタ
ユキホ「あっ…はい!」
雪穂「…」
雪穂(私達はツバサさんについて行った)
ユキホ「ここは…?」
雪穂「どこ?」
雪穂(私達はツバサさんに連れられて…ある扉の前までやってきた)
ツバサ「ほら、こっちよ」ギィ…
雪穂(ツバサさんが開けた扉の先には地下に続く長い階段があった)
ツバサ「入って」
雪穂「は、はぁ…」
雪穂(階段を降りて…私達は広い地下駐車場に出てきた)
ユキホ「一体、ここに何があるんですか…?」
ツバサ「すぐに分かるわ…ほら」
雪穂(そこには一台の青いトレーラーが停められていた)
雪穂「これは…?」
ツバサ「Gトレーラー…この世界のお宝が眠っているわ」
ユキホ「お宝…?」
ツバサ「とりあえず中に入ってもらいましょうか…話はそれからよ」
雪穂(私達がGトレーラーの中に入ると…そこにはお母さんがいた)
ホノカの母「待ってたわ、ユキホ」
ユキホ「お、お母さん!?何で…」
ホノカの母「そこにいる彼女から全部聞いたわ」
ツバサ「そう…それでお母様から出来る事は無いか聞いてきたから、ユキホさんのサポートをお願いしたの」
ユキホ「えっ…え?」
雪穂「どういうことですか、ツバサさん?」
ツバサ「このGトレーラーにはG3システムと呼ばれるものがあるの」
ユキホ「G3システム…?」
ツバサ「この世界の怪物…アンノウンと戦闘できる強化服のことよ」
雪穂「それって、警察のV-1システムと同じなんじゃないですか?」
ツバサ「そうよ、本来はこの世界の警察が使用するはずだった代物なんだけど…色々あって企画が凍結しちゃったみたいで」
ツバサ「それを私が独自のルートから譲り受けたの」
雪穂「え、独自のルートって…?」
ツバサ「…まあ、そのあたりは気にしないで?」
雪穂「いや…すごく気になるんですけど」
雪穂(ツバサさんはそのまま話を続けた)
ツバサ「もし…本当に戦いたいというのなら、私はこのG3システムをあなたに譲っても良いと思っているわ」
ユキホ「えっ、私に…ですか?」
ツバサ「ええ…こんな事もあろうかと、あなたでも十分に戦えるように調整も済ませているの」
ユキホ「…」
ツバサ「もちろん無理にとは言わない…決めるのは、あなた自身よ」
ユキホ「…分かりました、ぜひお願いします」
雪穂「…!」
ユキホ「私も…お姉ちゃんやマナを守りたい!」
ツバサ「…決まりね」フフッ
ホノカの母「よく言ったわね、ユキホ…それでこそ私とお父さんの子よ」ナデナデ
ユキホ「お母さん…」
ホノカの母「でもね…一つ、約束して」
ユキホ「…何?」
ホノカの母「必ず、ホノカやマナと一緒に生きて帰ってくるのよ?」
ユキホ「…うん、分かった」
ホノカの母「ふふっ…さあ!そうと決まったら、二人を助けに行くわよ?」
雪穂(Gトレーラーは走り出し、地上へ出た)
雪穂「…」
雪穂(この世界の私は…守りたいものを守ろうと、今こうして敵に立ち向かおうしている)
雪穂(それに比べて、私はどうだろう?)
雪穂(一体、私は何をしていたんだろう…そんなことを思っていた)
ツバサ「先に言われちゃったな…って思ってる?」
雪穂「…ツバサさん」
ツバサ「心配しないで…この世界のあなたにしか出来ない事は、ちゃんとあるから」
雪穂「私にしか…出来ないこと?」
ツバサ「そうよ、例えば…」チラッ
雪穂「…?」チラッ
ユキホ「…」
雪穂「…!」
雪穂(この世界の私は…表情には出さないものの、とても緊張しているように見えた)
雪穂「…あ、あの!」
ユキホ「…何?」
雪穂「いや、その…緊張してるんだろうなって思って」
ユキホ「えっ…!?」
雪穂「だって…同じ私だもん、そのくらい分かるよ」
ユキホ「!…そっか」
雪穂「…ねえ、私からも一つお願いしていい?」
ユキホ「?」
雪穂「G3としてじゃなく、あなたという人間として…高坂ユキホとして戦って?」
ユキホ「私として…戦う?」
雪穂「うん…そうすれば、どんなことがあってもきっと立ち向かえると思うから」
雪穂「壁だって…壊せるくらいにね」
ユキホ「…ぷっ」
雪穂「いや、笑うところじゃないよ!?」
ユキホ「だって、急にそんなこと言い出すから…」
雪穂「…ふふっ」
ユキホ「あはは…」
雪穂(私達はお互いに笑い合った)
ユキホ「…分かった、じゃあやってみる」
雪穂「うん」
ユキホ「あっ…そうだ」
雪穂「?」
ユキホ「この眼鏡…預かっててくれないかな?」
ユキホ「眼鏡かけたままじゃ多分、装着出来ないだろうから…」
雪穂「…うん、分かった」
雪穂(私はもう一人の私の赤い縁の眼鏡を預かった)
ユキホ「…ありがとね」
雪穂「…うん!」
亜里沙「はぁはぁ…もう大丈夫かな?」
マナ「…いや、どうやらここまでみたい」
亜里沙「えっ?」
V1「うっ、あっ…!」ドサッ
亜里沙「!?」
クイーンアントL「…」
V1「ひっ…ひぃっ!」ガチャガチャ
マナ「…どうやら、スーツを脱いで逃げるつもりみたいね」
ホウジョウ「あっ、あぁっ…!!」ダダッ
亜里沙「そんな…!」
バッファローL「ギルス、いくら逃げようとしても無駄だ…お前はここで裁かれる」
マナ「…下がってて」
亜里沙「でも…」
マナ「いいから!」
亜里沙「…マナさん」
マナ「変身!」
バッファローL「…フン」
ギルス「うわぁぁぁぁぁ!」
クイーンアントL「…!」ガッ
ギルス「ぐっ!」
亜里沙「マナさん!」
バッファローL「…終わりだ」
?「ちょっと待ったー!!」ダダッ
バッファローL「!?」
ギルス「…ホノカさん?」
ホノカ「へっ…その声、もしかしてマナちゃん?」
ギルス「えっ?」
ホノカ「そっか~!見つかって良かったよぉ…」
ギルス「あ、あの…」
ホノカ「一緒に家に帰ろう…ユキホもお母さんもお父さんも心配してるよ?」
ギルス「でも…」
ホノカ「大丈夫だよ!だって私達、もう家族でしょ?」
ギルス「家族…?」
ホノカ「うん!だから…一緒に帰ろう?」
ギルス「…!」コクリ
ホノカ「よし、じゃあ決まりだね!」
ホノカ「そのためにも…」クルッ
バッファローL「…」
ホノカ「あなた達と…戦わなきゃね」
バッファローL「アギトか、丁度良い…まとめて葬り去ってやる」
ホノカ「…私は絶対に負けない」
ホノカ「この力を正しく使って生きるよ…私のために、アギトのために、みんなのために!」
バッファローL「黙れ、人は力を得れば間違った道を選ぶ…なぜなら!」
?「なぜなら、人は愚かだから…か?」
亜里沙「ツカサ!」
ツカサ(黒いアントロードを全て倒したオレは…ホノカの横に立った)
ホノカ「ツカサくん…」
バッファローL「そうだ、人は我々が守る…力など必要ない!」
ツカサ「…確かにお前の言う通り、人は愚かだよ」
ツカサ「自分には無理だと思い込んで、何もやらずに最初から諦めたり…」
ホノカ「えっ…?」
ツカサ「人を巻き込まない為に、自分一人で逃げ続けようとしたり…」
ギルス「…!」
ツカサ「後は…」
?「ぶっきらぼうだけど、みんなのために行動したり…とか?」
ツカサ(オレが声のする方向を見ると、そこにはケースを右手に提げた雪穂とGM-01、GS-03を装備したG3がいた)
亜里沙「雪穂!」
ツカサ「よく分かってるじゃないか…雪穂」
雪穂「…」フフッ
G3「お姉ちゃん、マナ!」ダダッ
ホノカ「えっ、その声…ええっ!?」
ギルス「ユキホ…なの?」
G3「うん…!」
ホノカ「な、何でユキちゃんが…?」
G3「話は後…一緒に戦うよ!」
バッファローL「愚かな…」
ツカサ「ああ、そうだ…愚かだ」
ツカサ「でもな…愚かだからこそ、自分で転んで怪我をして気付かないと分からないもんだ」
ツカサ「時には道に迷い、間違えたとしても…次に向かってまた歩き出す」
ツカサ「人生という旅は…そういうもんだ」
バッファローL「…何が言いたい?」
ツカサ「まだ分からないのか…?」
ツカサ「お前に道案内してもらう必要はない!」
バッファローL「馬鹿な…人の運命や未来は我々の手の中にあればいい、なのに逆らうというのか?」
ホノカ「逆らうよ!」
バッファローL「…?」
ホノカ「誰だって、人の未来を奪うことなんて出来ないもん!」
ホノカ「もしそれでも人の運命があなた達の手の中にあるのだとしたら、私が…ううん、私達が奪い返してみせる!」
バッファローL「なっ…?」
ツカサ「そういう事だ…どうやらもう大丈夫そうだな、ホノカ?」
ホノカ「うん…今の私ならバッチリだと思う!」
ツカサ「…そうか」フフッ
ホノカ「あれ?そういえばツカサくん…なんでこんなところにいるの?」
ツカサ「オレもアギトと同じようなもんだ…だから、一緒に戦ってやる」
ホノカ「そっか…ありがとう!」ニコッ
ツカサ「ああ」
バッファローL「お前は…一体、何者だ!」
ツカサ「通りすがりの仮面ライダーだ…覚えておけ!」
ツカサ(オレはバックルを装着し、ホノカは腹部からオルタリングを出現させ構える)
ツカサ「変身!」
ホノカ「変身っ!」
ツカサ(オレは一枚のカードをバックルに装填し、ディケイドに変身する)
『カメンライド…ディケイド!』
ツカサ(全神経に意識を集中させたホノカもオルタリングの左右のスイッチを同時を押し、アギトへと変身する)
アギト「はあっ!」
ディケイド「…よし」
G3「行こう、マナ!」
ギルス「…ええ!」
クイーンアントL「…!」ダダッ
アギト「こっちは任せて!」ダッ
ディケイド「ああ、頼む!」
ディケイド(接近してくるクイーンアントロードはアギト達に任せ、オレはバッファローロードと戦う事にした)
G3「はっ!」ガガッ
クイーンアントL「…!」
アギト(G3が銃で敵を攻撃してくれている間に私とギルスが近づく)
アギト「やぁっ!」
ギルス「はぁっ!」
クイーンアントL「…」ブンッ
アギト(敵は槍を振り回して、私とギルスを攻撃しようとする)
アギト「うわあっ!?」サッ
ギルス「…!」バッ
アギト(何とか避けた私とギルスは…敵から離れた)
G3「お姉ちゃん、マナ!」
アギト「私達は大丈夫!それにしてもあの槍、もし刺さっちゃったら絶対痛そうだよね…」
G3「いや、痛いどころじゃすまないから!」
アギト「だよね~…」アハハ
ギルス「まずはあの槍を何とかするしかなさそうですね…」
アギト「そうだね…ん?」チラッ
アギト(私はG3が装備しているチェーンソーみたいな武器を見つめた)
アギト「それだ!」
G3「え?」
アギト「その武器で槍を使えなくすればいいんだよ!」
G3「ちょっ…もしかして私にやれって言うつもり!?」
アギト「だってそれしか思いつかないんだも~ん!」
ギルス「ホノカさん、後ろ!」
アギト「へっ?」クルッ
クイーンアントL「…!」ブンッ
アギト(後ろから槍で突こうとしてくる敵の攻撃を、私は何とかかわした)
アギト「うわ危なっ!?」サッ
G3「お姉ちゃん!…こうなったら、仕方ないか」
G3「はぁぁぁぁっ!」ガガッ
クイーンアントL「!?」
アギト(G3は銃を撃ちながら敵に近づき…)
G3「はっ!」ブンッ
バキッ!
クイーンアントL「!」
アギト(チェーンソーのような武器で敵が持っていた槍を壊した)
アギト「やった、さすがユキちゃん!」
クイーンアントL「…」キッ
アギト(槍を壊されて怒った敵は、G3を攻撃しようとする)
アギト「危ない!」
ギルス「私が行きます!」ダッ
アギト(そう言ってギルスはかかとから鋭い猫の爪のようなものを生やした後…)
ギルス「はっ!」グサッ!
クイーンアントL「!」
アギト(ジャンプして敵の肩にかかと落としをして、かかとの爪を敵に刺した)
ギルス「うわぁぁぁぁぁ!!」
クイーンアントL「…ッ!」
ホノカの母『ユキホ、聞こえる?』
G3「お母さん?」
ホノカの母『もう一人のあなたにGM-01を強化させる部品が入ったケースを持たせているわ、それを受け取って』
G3「分かった…お願い、ケースを!」
雪穂「うん!」ブンッ
アギト(雪穂がケースをG3の近くに投げ、チェーンソーみたいな武器を腕から外したG3はそのケースを開けた)
ホノカの母『ケースの中に入っているアタッチメントをGM-01に合体させて』
G3「えっと…」ガチャッ
アギト(G3はケースに入っていた何かを持っていた銃に取りつけた)
ホノカの母『GG-02…G3の最大武器よ』
G3「…マナ、離れて!」
ギルス「!」バッ
G3「えいっ!」バシュッ!
クイーンアントL「…ッ!?」フラッ
アギト(G3が撃った一発が敵に当たって、敵はふらついた)
G3「お姉ちゃん!」
ギルス「今です!」
アギト「うん…!」シャキン
アギト(アギトの角を開いた私は集中し…足元にアギトの紋章が現れる)
アギト(私はその紋章をエネルギーに変え…それを右足に吸収させた)
アギト「はぁっ!」
アギト(私はジャンプし、敵に向かって右足でキックした)
クイーンアントL「!!」ゴロゴロ
アギト(私のキックを受けて転がった敵は一度、立ち上がったけど…)
クイーンアントL「…!」フラッ
アギト(頭の上に天使の輪っかのようなものが浮かんだ後に…爆発した)
G3「もしかして…倒せた?」
アギト「…やった、やったよ~!」
亜里沙「みんな、危ない!」
雪穂「避けて!」
ギルス「えっ…!?」
バチバチッ!
アギト(敵を倒したと思って喜んでいたら…今度は別の敵が私達を攻撃してきた)
アギト「うわっ!」
ギルス「ぐっ…」
G3「わあっ!」
アギト(攻撃を受けた私達はそれぞれの方向に吹き飛んだ)
ディケイド「うっ…」ゴロゴロ
アギト(すると、私と同じところにディケイドが転がりながらやってきた)
アギト「ツカサくん…!大丈夫?」
ディケイド「ああ、何とかな…」
バッファローL「許されぬ…」
アギト「!」
バッファローL「人が神に近づくなど…」
アギト「私は神なんかじゃない…高坂ホノカ、高校二年!」
アギト「ただの…人間だよっ!」
バッファローL「愚かな…愚かなぁぁぁぁぁ!!」
アギト(そうだよ、私はただ…みんなの居場所を守りたい)
アギト(みんなの居場所を守るために戦うことが、私が今やるべきことなんだ)
アギト(例え、これから何があっても…)
アギト「私は…絶対に、諦めない!」
ディケイド(アギトがそう言うと、ライドブッカーから三枚のカードが飛び出してきた)
ディケイド(それらを掴んだオレはカードにアギトの力が宿ったことを確認した)
ディケイド「よし、アンタのその強い想い…奴にぶつけるぞ!」
アギト「うん!…えっ、どうやって?」
ディケイド(オレはその中から一枚のカードをディケイドライバーに装填した)
『ファイナルフォームライド…ア・ア・ア・アギト!』
ディケイド(オレはアギトの後ろに回り込んだ)
アギト「へっ…なになに?」
ディケイド「ちょっとくすぐったいぞ」
ディケイド(オレはアギトの背中を押した)
ディケイド(するとアギトは…アギトトルネイダーに変形した)
アギト「う…うわぁぁぁぁぁ!?」
ディケイド「うるさい」
アギト「何これ!?」
ディケイド「オレとホノカの力だ」
アギト「何それ!?」
ディケイド「細かい事は気にしなくていい」
アギト「いや、気にするよ!元に戻るのこれ!?」
ディケイド「後でちゃんと戻る」
アギト「そうなの?…ならいっか!」
バッファローL「何を呆けている!」バッ
ディケイド(バッファローロードはプラズマを再び放とうとしている)
アギト「乗って!」
ディケイド「…良いのか?」
アギト「うん!」
ディケイド(オレはアギトトルネイダーに乗り、敵の攻撃を素早く回避する)
バッファローL「何!?」
ガシッ
バッファローL「!」
ギルス「…油断したわね」
ディケイド(その間にG3のGA-04とギルスのギルスフィーラーがバッファローロードを拘束する)
アギト「ユキちゃん、マナちゃん!」
G3「今のうちに早く!」
ディケイド「…ああ!」
ディケイド(次にオレはもう一枚のカードをベルトに装填した)
『ファイナルアタックライド…ア・ア・ア・アギト!』
アギト「いっけぇぇぇ!」
ディケイド(オレを乗せたアギトトルネイダーは加速し、バッファローロードに向かって突撃していく)
バッファローL「グッ…!」
ディケイド「やぁーっ!」
ディケイド(そしてオレはライドブッカーソードモードで、すれ違いざまにバッファローロードを斬りつけた)
バッファローL「グアッ…!」ゴロゴロ
ディケイド(斬りつけると同時にアギトの紋章が浮かび、消えた後にオレとアギトトルネイダーから戻ったアギトは着地した)
ディケイド(これは『DCDT(ディケイドトルネード)』…オレとアギトの技だ)
アギト「おっとっと…ほっ!」スタッ
バッファローL「人が神を、超越するなど…グワァァァァァ!!」
ディケイド(バッファローロードは苦しみながら立ち上がるが…頭上に光の輪を出した直後に爆発した)
アギト「…これで、終わったの?」
ディケイド「ああ…もう大丈夫だ」
ディケイド(オレ達は変身を解除した)
ホノカ「よ、良かった~…」ヘナヘナ
亜里沙「お~い!」
雪穂「お姉ちゃーん!」
ツカサ(手を振る雪穂達の後ろにはGトレーラーが停まっていた)
ホノカ「…何だろう、あの車?」
ツカサ「どうやら、迎えが来たみたいだな」
ホノカ「えっ?」
ツカサ(オレ達はGトレーラーの中に入った)
ホノカの母「…」
ホノカ「お母さん…?」
ユキホ「…」
マナ「…」
ホノカの母「皆、ちゃんと無事に帰ってこれたわね…おかえりなさい」
ホノカ「うっ…うわぁぁぁぁぁん!」ガバッ
ホノカの母「ちょっ、ホノカ!?」
ホノカ「危なかったよ!怖かったよ!これで負けておしまいだなんて絶対に嫌だったんだよ!」
ホノカ「負けて何も守れないなんて悲しいよ!だから…!!」
ホノカの母「…はいはい、よく頑張ったわね」フフッ
雪穂「お疲れ様…はい、これ」
ツカサ(雪穂は赤い縁の眼鏡をユキホに渡した)
ユキホ「…ありがとう」スチャ
雪穂「ううん…」
雪穂「私の方こそ、ありがとう」ボソッ
ユキホ「え?」
雪穂「…いや、何でもないよ」
ユキホ「そうなの?」
雪穂「うん」フフッ
亜里沙「…雪穂とユキホ、いつの間に仲良くなったんだろ?」
ツカサ「さぁな…でも、仲良くなったなら別に良いんじゃないか?」
亜里沙「…それもそうだね!」
マナ「あの…」
亜里沙「?」
マナ「ありがとう、友達になりたいって言ってくれて…本当は嬉しかった」
亜里沙「!…じゃあ、私と友達になってくれるの?」
マナ「…」コクリ
亜里沙「やった…やった~!」ギュッ
マナ「ちょっと、いきなり抱きつかないでよ…苦しいってば」
亜里沙「ふふっ…!」
ツカサ「…」フフッ
雪穂「…ねえ、ツカサ」
ツカサ「ん?」
ユキホ「あの二人…いつの間に仲良くなったんですか?」
ツカサ「…お前達が仲良くなってた間だ」
ホノカ「あっ、そうだ!」ゴシゴシ
ツカサ(ホノカはポケットから手紙を取り出した)
ホノカ「マナちゃん、これ…マナちゃんのお母さんから!」
マナ「えっ…?」
ホノカ「ごめん、勝手に開けて先に読んじゃったけど…はい!」
ツカサ(マナは手紙を受け取り、読み始めた)
『マナ、元気ですか?』
『怪物に村を襲われ、マナと離ればなれになってしまった私はあの日…しばらく記憶を失っていました』
『そんな私を、サワキさんという方が助けてくれて…私はしばらくそのお家でご厄介になっています』
『今はまだ訳あって、マナに会う事は出来ませんが…いつか必ずマナを迎えに行きます』
『だからそれまでは、彼女達と…家族として生きてください』
『何故なら…生きる事は、とても素晴らしい事なのだから』
マナ「お母さん…」ツー…
ホノカ「マナちゃん…」ギュッ
ユキホ「…マナ」ギュッ
ツカサ(ホノカとユキホは泣き出すマナを抱き締めた)
マナ「生きてた、良かった…ううっ」ポロポロ
ユキホ「もういい…もういいんだよ、ガマンなんてしなくても」
ホノカ「だから…これからは、私達にいくらでも甘えてね?」
マナ「はい…」グスッ
ツカサ「…」
?「良かったわね、元に戻ったみたいで」
ツカサ(オレの隣にはいつの間にかツバサがいた)
ツカサ「…またお前か」ハァ
ツバサ「あなたの戦い方もなかなか良かったわよ?そうね…53点ってとこかしら」
ツカサ「あのな…ん?」キョロキョロ
ツカサ「そういえばこの車、誰が運転していたんだ…まさかお前か?」
ツバサ「そんな訳ないじゃない…ほら」クルッ
ツカサ「?」クルッ
ツカサ(オレとツバサの後ろには、ホノカの父が腕を組んで立っていた)
ホノカの父「…」ツー…
ツカサ(ホノカの父は娘達の姿を見て、涙を流していた)
ツカサ「…まさか、おやっさんが?」
ツバサ「そうよ…お父様にはGトレーラーの運転手の役割をお願いしていたの」
ツカサ「なるほどな…だいたいわかった」
グゥ~…
ツカサ(すると、誰かのお腹の音が大きく鳴った)
ホノカ「あっ…///」
ユキホ「ちょっと…お姉ちゃん?」
ホノカ「いや~、安心したらお腹空いちゃって…」
ホノカの母「それじゃ、帰ってご飯にしましょうか…今日は豪勢にいくわよ~?」
ホノカ「やったー!やっぱりそうでなくっちゃねっ?」
ユキホ「もう、お母さんまで…」
マナ「…」フフッ
雪穂「えっと…それじゃ、私達はこれで」
ホノカの母「あら、帰っちゃうの?」
ホノカ「そうだよ…一緒にご飯食べようよ!」
雪穂「…ううん、遠慮しとくよ」
雪穂「私も…早く『今いるべき居場所』に、帰りたいから」
ツカサ「!」
亜里沙「雪穂…」
ホノカ「そっか…分かった、今日は何から何まで本当にありがとね!」
雪穂「…うん」
マナ「私も…助けてくれてありがとう」
亜里沙「うん!」
マナ「それと…さっきはごめんなさい」
亜里沙「私は大丈夫だよ!」
ツカサ「オレも同じだ…だから、もう気にするな」
ツカサ(オレ達が降りた後…Gトレーラーは走り去っていった)
ツバサ「あっ、そうそう…」
ツカサ「何だ?」
ツバサ「今日の晩ご飯、生春巻が良いわ」
ツカサ「!…断る」
ツカサ(オレは布で簀巻きにされていたことを思い出していた)
亜里沙「じゃあ私、手巻き寿司が良い!」
ツカサ「ダメだ」
亜里沙「ケチ…」
雪穂「焼肉が良いかな…」ボソッ
ツカサ「それだ」
雪穂「えっ、ホントに?」
ツカサ「ああ…そうと決まれば買い出しだ」
亜里沙「やったね、雪穂!」
雪穂「…うん」フフッ
ツカサ(オレ達は歩いて食材の買い出しに向かった)
ホノカ「ふぅ…疲れた~」ボフッ
ホノカ(家に帰ってご飯やお風呂を済ませた私はベッドに寝転んで今日のことを思い返していた)
ホノカ「今日は色々あったな…」
ホノカ(スクールアイドル、か)
ホノカ(でも…本当にこの世界の私に、そんなスゴいことが出来るのかな?)
ホノカ(どんなにやったって、さっき見たA-RISEのライブには敵わない気がする)
ホノカ(私はそう思っていた)
ホノカ「…あっ、そういえば!」ガサゴソ
ホノカ(私はツカサくんから貰った封筒を取り出した)
ホノカ「確か…あった、これだ!」
ホノカ(私はピンク色のディスクを取り出し、パソコンに入れた)
穂乃果『皆さん、こんにちは!』
ホノカ(画面には私と八人の少女が映っていた)
ホノカ「えっ、私!?」
穂乃果『私達、音ノ木坂学院のスクールアイドル…μ'sです!』
ホノカ「μ's…?」
ホノカ(そこには別の世界の私が、仲間と一緒に歌って踊っている姿があった)
ホノカ(みんな、笑顔で…楽しそうで)
ホノカ(私は…A-RISEのライブを見た時よりも強い衝撃を受けていた)
ホノカ「…!」
ホノカ(この瞬間、私の中で最高のアイディアが閃いた!)
ホノカ「これだ…これだぁぁぁぁぁ!!」
チョットオネエチャ-ン、ウルサイ!
ホノカ「あっ…ごめーん!」
ホノカ(そうだ…きっとこれなんだ)
ホノカ(今の私がやらなくちゃいけないことは…!)
ツカサ(それから数日後、日用品の買い出しを済ませたオレは近くの神社でお参りをしていた)
ツカサ「よし、後は家に帰るだけだな…ん?」
?「はっ!」
ツカサ(すると、近くでジャージを着た一人の少女が何かの練習をしていた)
ツカサ「あれは…ホノカか?」
ドサッ!
ホノカ「うわっ!痛た…」
ホノカ「うーん…本当に難しいや、別の世界の私ったらこんなのよく出来るな~」
ホノカ「…よし、もう一回!せーの!」クルッ
ドサッ!
ホノカ「うわっ!痛た…く~っ」
カシャッ
ホノカ「え?」
ツカサ(オレはホノカにカメラを向け、シャッターを切っていた)
ホノカ「あっ…ツカサくん!?」
ツカサ「よう」
ホノカ「もう!勝手に撮るなんてひどいよぉ~!?」
ツカサ「悪い悪い…大丈夫か?」スッ
ツカサ(オレはホノカに手を差しのべた)
ホノカ「あっ…うん、大丈夫だよ!」
ツカサ(ホノカはオレの手を取らず、自力で立ち上がる)
ツカサ「…もしかして、スクールアイドルの練習か?」
ホノカ「うん!ツカサくんから貰った封筒に入ってたDVDを見て…私もやろうと思ったんだ」
ツカサ「DVD…?」
ホノカ「そうだよ!あのDVDを見てから…やってみたいなって、本気で思ったの」
ホノカ「だから今は…この気持ちを信じたい」
ホノカ「このまま誰も見向きもしてくれないかもしれないし、応援なんて全然もらえないかもしれない…」
ホノカ「それでも一生懸命頑張って…届けたいの」
ホノカ「私が今ここにいる、この想いを!」
ツカサ「…」フフッ
ホノカ「と言っても、向こうの世界と違って…メンバーはまだ私一人しかいないけどね」エヘヘ
ツカサ(封筒に入ってたDVD、向こうの世界の私…という事はあの封筒にはμ'sのDVDが入っていたのか)
ツカサ「まあ…そのうち一緒にやってくれる仲間が見つかるさ」
ホノカ「うん!それにしてもあのDVDを見てから本当に、自信とか勇気が湧いてきたんだよね…私もあんな風になれるかな?」
ツカサ「なれるさ、アンタは高坂ホノカだ」
ツカサ「歌う事が好きであるなら…勝利の女神は、必ず微笑んでくれるさ」
ホノカ「ツカサくん…うん、ありがとう!」
ツカサ「…!」
ツカサ(オレが自分の手を見ると、徐々に身体が透けている事に気付いた)
ホノカ「えっ、ツカサくんが…透けてる!?」
ツカサ「…どうやら、この世界でオレがやるべき事は終わったらしい」
ホノカ「ど…どういうこと?」
ツカサ「別の世界に行くって事だ」
ホノカ「そうなの!?」
ツカサ「ああ」
ホノカ「そんな…もし初めてライブすることになったら、真っ先にツカサくん達を誘おうと思ってたのに」
ツカサ「そんな事しなくても、見に来てくれる人達はいる…安心しろ」
ホノカ「でも、私はツカサくん達と出会って色々なことを教えてもらった…だから!」
ツカサ「オレはただ…スクールアイドルの素晴らしさを伝えに来ただけだ」
ツカサ「別の世界のアンタが広めてくれたようにな」フフッ
ホノカ「…ツカサくん」
ツカサ「心配するな…またいつか、どこかで会える」
ホノカ「本当…?」
ツカサ「ああ、嘘じゃない」
ホノカ「約束だよ?」
ツカサ「もちろんだ」
ホノカ「…分かった、じゃあそれまでお互い頑張ろう!」
ツカサ「お互いにファイト…だな?」
ホノカ「うん、ファイトだよっ!」
ツカサ「じゃあ…身体に気をつけてな」
ホノカ「…うん」
ツカサ「雨降ってる中ランニングして、風邪ひいたりするなよ?」
ホノカ「あはは…ずいぶん具体的だね?」
ホノカ「あっ、そうだ!」
ツカサ「…どうした?」
ホノカ「雪穂のこと…よろしくね?」
ツカサ「!…ああ」
ツカサ「じゃあな、ホノカ」
ツカサ(オレの身体は消え、そのまま光写真館へと戻っていった)
ホノカ「ありがとう…ツカサくん」
ホノカ「そういえば、いつかどこかでツカサくんに似た子を見たような気がするんだけど…気のせいかな?」
ホノカ「…まあ、いっか!」
ホノカ「よ~し、じゃあ練習練習…」
?「あ、あの…!」
ホノカ「へっ?」クルッ
?「高坂ホノカさん…ですよね?」
ホノカ「そ、そうですけど…」
?「わ…私、同じクラスのミナミっていいます」
ホノカ「ミナミさん…そういえば、お話するの初めてだね?」
ミナミ「はい、それで私の隣にいるのも同じクラスの…あれ?」
?「…」ジーッ
ミナミ「あっ…ソノダさ~ん!隠れてないで出ておいでよぉ~!」
ソノダ「あっ…!」サッ
ホノカ「…?」
ミナミ「あの…私達、高坂さんが学校のために何かやろうと考えてるって話を他の子から聞いて」
ミナミ「だから…もし何か出来ることがあったら、私達もお手伝いしたいなって」
ホノカ「…えっ?」
ミナミ「あっ、イヤならいいんです!」
ミナミ「ただ…私達もあの学校がなくなっちゃうのは、寂しいから」
ホノカ「それ…本当?」
ミナミ「はい!」
ホノカ「あなたも…?」
ソノダ「…」コクリ
ホノカ「…やった」ボソッ
ミナミ「え?」
ホノカ「やったぁ~!!」
ソノダ「!?」ビクッ
ミナミ「えっ…ええっ?」
ホノカ「ミナミさん、ソノダさん!」ガシッ!
ミナミ「は、はいっ!?」
ソノダ「…?」
ホノカ「それなら…私と一緒にスクールアイドル、始めませんか!?」
ホノカ(確かに…最初は、誰も見向きもしてくれないかもしれない)
ホノカ(応援なんて全然もらえないかもしれない)
ホノカ(でも頑張れば…私達がとにかく頑張って一生懸命なこの気持ちが伝われば、きっと!)
ホノカ(そして、私達は動き出す…三年後に自分たちの大切な学校が無くなってしまうのを阻止するために)
ホノカ(まずはちっちゃなライブからでいい…今はただ、みんなにこの想いを伝えたいから)
ホノカ(私達がここにいること…そして一生懸命、大事なもののためにがんばっていること)
ホノカ(どうかそんな私達を応援して下さい…ちょっとでいいから、あなたの気持ちを私達に分けてください)
ホノカ(あなたが見てくれたら、きっと…私達の世界は変わる)
ホノカ(だから…!)
ホノカ「叶え!私たちの…!!」
ツカサ(写真館に帰ってきたオレは、食事を作っていた)
ツカサ「ほら、出来たぞ」コトッ
亜里沙「野菜がいっぱいだね…?」
ツカサ「今日は畑から採った野菜でバーニャカウダだ…こないだは肉ばかり食べてしまったからな」
亜里沙「あっ、そっか!」
ツカサ「だから、ちゃんと好き嫌いせずに野菜も食べないとな」
亜里沙「なるほど…さすがツカサ!」
ツカサ「分かったら早く食べろ…野菜も肉や魚と同じ、新鮮なものほど美味しいからな」
亜里沙「うん、いただきます!」
雪穂「…いただきます」
ツバサ「いただきます」
ツカサ(亜里沙達はバーニャカウダを食べ始めた)
亜里沙「うん…美味しい!」
雪穂「あっ、そういえば…V-1システムがアギトを捕まえるって話はどうなったの?」
亜里沙「う~ん…逃げちゃったから分かんない」モグモグ
雪穂「えっ、逃げたって…どういうこと?」
ツバサ「人命救助よりも戦線離脱を優先してしまった事がメディアにバレたみたいで…今はそれどころじゃないみたいよ?」
雪穂「えぇ…そうなんですか?」
ツカサ「そうだ、一つ…聞いていいか?」
ツバサ「何かしら?」
ツカサ「ホノカ宛ての封筒の本当の差出人は…お前だろ?」
雪穂「えっ?」
ツバサ「あら、どうしてそう思うの?」
ツカサ「そんな事をやりそうなのはお前ぐらいしかいないだろうからな…」
ツバサ「さて…どうかしらね、ご想像にお任せするわ」フフッ
ツカサ「…そうか」
ツカサ(オレはポケットから一枚の写真を取り出し、それを見つめた)
亜里沙「あっ、写真…私にも見せて!」
キバーラ「アタシにも見せて~!」バサバサ
ツカサ「何だ…いたのか、お前?」
キバーラ「ヒドい!?」ガーン
ツカサ「ほら」ピラッ
ツカサ(オレは亜里沙達に写真を見せた)
ツカサ(写真にはスクールアイドルの衣装を着て、笑顔で踊るホノカと高校の制服を着たユキホが写っていた)
雪穂「これって…」
ツカサ「こっちの世界のホノカも…スクールアイドルをやる事になったみたいだな」
雪穂「じゃあ…もしかして?」
ツカサ「どうだろうな…未来はどんな事が起こっているか、分からないからな」
亜里沙「何か…深いね!」
雪穂「えっ、深いの?」
亜里沙「うん!」
ツカサ「そうか…オレも大人になったかな、うん」
キバーラ「いや、それはないんじゃない…?」
ツカサ「なっ…!?」
雪穂「私もそう思う」
ツカサ「はぁ!?」
ツバサ「同じく」
ツカサ「いや、おかしいだろ!亜里沙だって…」
亜里沙「えっ…私はそんなこと言ってないよ?」
ツカサ「!…もういい」ハァ
ツカサ(オレが少し落ち込んでいると…またスタジオの背景が違うものに変化した)
ツカサ「!」
ナルタキ(私は…とある世界の森の中にいた)
ナルタキ「残る世界はあと二つ…だがディケイド、君の選択肢も同じく二つしかない」
ナルタキ「私に消されるか、君が世界を破壊するかだ…」フフッ
ナルタキ(私は目の前に現れたオーロラの中に入り、姿を消した…)