雪穂「ディケイド…!」
亜里沙「あなたの名前は『ツカサ』!」
ツカサ「ここは…電王の世界だ」
電王「私、参上!」
コトリ「勝手に他の人の身体に憑いてはいけません!」
雪穂「何で他の世界と違って、私達のお姉ちゃん達もいるの?」
ツカサ「おそらくこの世界は…他の世界よりも『μ'sの世界』との融合が進んでいるんだ」
アリゲーターイマジン「今日で完全に世界を消してやろう…」
ゼロノス「最初に言っておくわ…私はかーなーり、強い!」
電王「私の必殺技…スペシャルバージョン!」
亜里沙「なんとなくだけど…まだこの世界でやらないといけないことがあるような気がする」
コトリ「どうしよう、みんな…」
(ある日…私は学校の教室で大きな溜め息をついていた)
?「はぁ…」
(そんな私を心配して、同じ学校の生徒のサクライさんが声を掛けてきた)
サクライ「どうしたのよ南さん、そんなに浮かない顔して…」
?「あっ、サクライさん…」
サクライ「寝不足?」
?「ううん、実は昨日ね…」
(私はサクライさんに昔から学校の近くにある喫茶店が今年いっぱいで閉店する事を話した)
サクライ「あのお店が…!?」
?「うん…お店のおじいさんとおばあさんから話を聞いたんだけど、ずいぶん前から考えてたみたい」
サクライ「そんな…」
?「私達の学校、生徒数減ってきてるでしょ?」
?「それに合わせてお店に来るお客さんも段々と少なくなってるみたいで…」
?「駅の近くに大きなチェーン店もできちゃったし…おじいさんもおばあさんもこれ以上、お店を続けるのは大変だからって」
サクライ「…」
?「お店をやめたらこの街に住む理由もなくなるから、土地は売って…どこかのんびりした所に移ろうかとも思ってるみたいで」
サクライ「…」
?「あのお店のコーヒー、すっごく美味しいのにな…こんな風に、他のお店もどんどん廃れていっちゃうのかな」ハァ
サクライ「…それで、諦めるの?」
?「えっ?」
サクライ「私はあのお店のおかげで…コーヒーが飲めるようになったの」
サクライ「私は…あのお店に恩返しがしたい」
サクライ「あなたにとっても…あのお店は大切な場所なんでしょう?」
?「それは、そうだけど…」
サクライ「要はお店に来るお客さんを増やせばいい話でしょ?」
サクライ「簡単な事よ」
?「でも、どうやって…?」
サクライ「…このチラシを見て」ピラッ
?「『スクールアイドル全国大会、いよいよ開催』…?」
サクライ「そう、スクールアイドル」
?「!…もしかして?」
サクライ「そう、私とあなたがスクールアイドルになって…この学校とあのお店の宣伝をするの」
?「えぇっ!?」
サクライ「そうね…作曲と振付は私がやるから、南さんは作詞と衣装をお願いできるかしら?」
?「ま…待ってよ、サクライさん!」
サクライ「何?」
?「スクールアイドルなんて…私には無理だよ」
サクライ「…!」
?「だって、私には何もないから…」
サクライ「…そうやって、やる前から諦めるの?」
?「えっ…?」
サクライ「それは…何もしない事の言い訳にはならないわ」
?「…サクライさん」
サクライ「少なくともあなたは私が知っている二年生の中では一番まともだし…間違いなく可愛いわ」
?「…!」
サクライ「…はっ!ちょっと待って!?」
サクライ「別にそういう意味で言ってる訳じゃなくて、何て言うかその…///」アセアセ
?「…ふふっ」
サクライ「!」
?「大丈夫だよ…ちゃんと分かってるから」ニコッ
サクライ「…も、もう!恥ずかしいじゃない!?」
?「えへへ…」
サクライ「…それなら、今すぐ返事を聞かせてもらうわ」
サクライ「南さん、私と一緒にスクールアイドル…やってみない?」
?「…うん!」
サクライ「…決まりね」ホッ
サクライ「じゃあ、まずは私達のユニット名から決めましょう?」
?「そうだね…あっ、あのお店と同じ名前が良いんじゃない?」
サクライ「なるほど…確かにお店の宣伝になるし、その方が良いかもしれないわね」
?「うん!」
サクライ「私達のユニット名は…!」
ヴーヴー…
コトリ「…!」ハッ
コトリ(自分の部屋で荷造りをしていた途中でボーッとしていた私は…携帯電話のバイブの音で気がついた)
コトリ「オーナーさんから…電話?」ピッ
コトリ(私はデンライナーのオーナーさんからの電話に出た)
コトリ「はい…」
ズィーク『ごきげんよう』
コトリ「…こんばんは」
ズィーク『先日、私だけにお話した件なのですが…本当に皆さんに相談しなくて良いんですか?』
コトリ「…はい」
コトリ「そんな話したら、みんなに迷惑かけちゃうだろうから…」
ズィーク『…』
コトリ「それに…」
ズィーク『?』
コトリ「モモちゃん達に相談したら、何て言われちゃうのかなって…」
コトリ「それを思うと…上手く言えなくて」
ズィーク『…もうすぐ、どちらにするか決めなければならないのですよね?』
コトリ「…はい」
ズィーク『私は…』
コトリ「えっ?」
ズィーク『…いえ、何でもありません』
コトリ「…」
コンコン
コトリー?
コトリ(お母さんが私の部屋のドアをノックしながら声をかけてきた)
コトリ「あっ、ごめんなさい…お母さんが来たのでもう切ります」
ズィーク『…分かりました』
コトリ「それじゃ…」ピッ
コトリ「はい!」
ガチャ
コトリの母「あら、お友達と電話してたの?」
コトリ「うん…でも、もう大丈夫だから」
コトリの母「そう…話したのね?」
コトリ「…うん」
コトリの母「どうするか決まったの?」
コトリ「…」
コトリの母「…今日はもう遅いから寝なさい」
コトリ「うん…」
コトリの母「それじゃ…おやすみ」
コトリ「おやすみなさい…」
バタン
コトリ「私、どうしたら…」
~世界の破壊者、ディケイド…9人の女神に出逢い、その瞳は何を見る?~
ツカサ(前回の戦いから数日…オレは写真館で亜里沙達にプリンを作っていた)
ツカサ「出来たぞ」コトッ
亜里沙「うわぁ~…美味しそう!」
ツカサ「見た目から拘ったからな…もちろん味もちゃんと拘ってるぞ?」
亜里沙「それじゃ…いただきます!」パクッ
雪穂「…いただきます」パクッ
亜里沙「う~ん…美味しい!」
ツカサ「…」
ツカサ(オレはスタジオの背景をジッと見つめていた)
雪穂「…やっぱり、変わらないままだね」
ツカサ「ああ…だが、あれから世界に異変が起きてる訳でもなければイマジンが現れた様子もないからな」
ツカサ「今のオレに出来る事は…何も無い」
雪穂「…」
亜里沙「…もしかして、焦ってるの?」
ツカサ「焦ってる…オレがか?」
亜里沙「うん…」
ツカサ「…確かに、そうかもしれないな」
ツカサ「ユウコから聞いた話ではツバサは『次の世界に行く』と言っていたしな…」
亜里沙「じゃあツバサさんは…私たちの世界に戻ったのかな?」
ツカサ「おそらくな…だからこそ、オレ達も早く後を追わないといけないんだが」ハァ
雪穂「…でも、このまま通り過ぎる訳にもいかない」
ツカサ「!」
雪穂「だって、そうでしょ?」
雪穂「九つの世界をちゃんと救わないと…私達の世界は元に戻らないんだし」
雪穂「だから…待つしかないよ、今は」
亜里沙「雪穂…うん、そうだね!」
ツカサ「…お前達」
雪穂「プリン、ごちそうさま」
亜里沙「ごちそうさま!」
ツカサ「…ああ」フフッ
ツカサ(それから数時間が経った後…誰かが部屋の扉をノックする音が聞こえてきた)
コンコン
亜里沙「誰だろう…はーい!」
ガチャ
ユウコ「…」
亜里沙「真姫さ…じゃなかった、ユウコさん!」
ユウコ「…コトリ、ここに来なかった?」
亜里沙「えっ…コトリさん?」
ユウコ「ええ」
雪穂「ここには来てないですけど…」
ユウコ「そう…分かったわ」スタスタ
ツカサ(ユウコはそう言って写真館を後にした)
雪穂「あっ…ちょっと、ユウコさん!?」
ツカサ「…オレ達も行くぞ」ダッ
雪穂「えっ、今から!?」
亜里沙「そう来なくっちゃ!」ダッ
雪穂「亜里沙まで!?」
雪穂「もう…待ってよ、みんな!」ダッ
ツカサ(外へ出てから少しして…オレ達はユウコを見失ってしまっていた)
亜里沙「あれ…いない?」
雪穂「本当だ、どこに行っちゃったんだろう…?」
ツカサ「…!」スタスタ
雪穂「えっ…ツカサ?」
ツカサ(オレはとある喫茶店の前で立ち止まった)
ツカサ「『ミルクディッパー』…か」
亜里沙「どうかしたの?」
ツカサ「おそらく…ユウコはここにいる」
雪穂「何で分かるの?」
ツカサ「…何となくだ」
雪穂「やっぱり…」
亜里沙「とりあえず…入ってみようか?」
ツカサ「ああ、そうだな…」ガチャ
ツカサ(オレ達はお店の中に入った…そこにはコトリによく似た女性とテーブル席に座っているユウコがいた)
ユウコ「あなた達…!」
?「あら、いらっしゃい」
亜里沙「あれ…コトリさん?」
雪穂「いや、確かに似てるけど…コトリさんのお母さんだよ」
亜里沙「そっか…こっちの世界はオトノキの理事長さんじゃないんだね?」
雪穂「みたいだね…」
コトリの母「あなた達…もしかしてコトリとユウコちゃんのお友達?」
亜里沙「はい!」
コトリの母「そう…コトリなら今、買い出しに行ってもらってるの」
コトリの母「もうすぐ帰ってくると思うんだけど…そうだ、もし良かったらその間にユウコちゃんと一緒にコーヒーでもどう?」
雪穂「あっ…じゃあ、いただきます」
ツカサ(オレ達はユウコと同じテーブル席に座った)
ユウコ「あなた達…どうしてついてきたのよ?」
ツカサ「オレ達が質問する前にアンタが写真館を出ていくからだろ?」
ユウコ「…」ハァ
亜里沙「…あれ?」
雪穂「どうしたの亜里沙?」
亜里沙「あそこに飾ってある写真…」
ツカサ「?」
ツカサ(オレ達は壁に掛けられていた写真を見た)
ツカサ(写真にはアイドルの衣装を着た二人の女性がいた)
ツカサ(一人は逆光で顔がよく分からなかったが…もう一人の顔はコトリによく似ていた)
雪穂「あれって…?」
ツカサ(オレ達が写真を見つめていると、コトリの母がコーヒーを持ってオレ達が座るテーブル席にやって来た)
コトリの母「はい、どうぞ」コトッ
雪穂「あっ…ありがとうございます!」
亜里沙「いただきます!」
ツカサ(オレ達がコーヒーを飲み始めると…コトリの母が写真の事について話し始めた)
コトリの母「あれはね…私が学生時代、スクールアイドルをやっていた時の写真なの」
雪穂「えっ…?」
亜里沙「スクールアイドル?」
コトリの母「そう…スクールアイドル」フフッ
ツカサ「…どうしてスクールアイドルをやっていたんだ?」
コトリの母「実はこのお店ね…私が学生時代の頃、なくなりそうになってたの」
亜里沙「お店が?」
コトリの母「ええ…学校の近くだったからよく通っていたんだけど、なくなるってお店の人から聞いた時はすごく寂しくて」
コトリの母「こんな風に周りのお店もどんどんなくなっていくのかなぁ…なんて思ってた時に、私の友達から誘われたの」
コトリの母「スクールアイドルになって、このお店と学校の宣伝をする為に大会に出ましょうって…」
ユウコ「…」
コトリの母「最初は歌詞を書く事すらもすごく大変だったんだけどね…」
コトリの母「『ハチワレの猫、可愛い』とか『五本指ソックス、気持ち良い』とか…変なのしか思いつかなくて」
ツカサ「それは、ヒドいセンスだな…」
雪穂「ちょっとツカサ…!」
コトリの母「ふふっ…でしょう?もちろん友達にもダメって言われたわ」
コトリの母「その時、友達からある事を言われたの」
コトリの母「『あなたがお店や学校、色んなものを見て…感じた事や思った事をそのまま歌に乗せればいい』って」
ユウコ「…」
コトリの母「それからは…良い歌詞が書けるようになったわ」フフッ
コトリの母「そのおかげで、学校の生徒数もお店のお客さんも増えて…このお店は続く事になったの」
コトリの母「それから高校を卒業した後は私がお手伝いを始めて…今はこのお店を継いで、何とか切り盛りしてるんだけどね」
雪穂「そうだったんですね…」
亜里沙「…それで、そのお友達は今はどこに?」
コトリの母「それが…突然、いなくなっちゃったの」
ツカサ「いなくなった…?」
コトリの母「ええ、何も言わずに…ね」
ツカサ「…」チラッ
ツカサ(オレが隣をふと見ると…ユウコはコーヒーに角砂糖を何個も入れようとしていた)
ツカサ「!?」
コトリの母「ユウコちゃん?」
ユウコ「!」ハッ
コトリの母「もう…そんなに角砂糖入れちゃダメって言ったでしょう?」
ユウコ「だって…あなたが淹れるコーヒー、苦いんだもの」
ユウコ「おじいさんやおばあさんのと比べて、全然…」ボソッ
ツカサ「…?」
コトリの母「…確かに、あなたが昔に飲んだおじいさん達のコーヒーに比べたら私はまだまだかもしれないわ」
コトリの母「でも…そんなに入れちゃったら、身体に良くないでしょ?」
コトリの母「そんなに苦いなら、無理して飲まなくても大丈夫だから…ね?」
ユウコ「…分かったわよ、でもちゃんと飲むから」ムスッ
コトリの母「…それにしてもユウコちゃんって、本当に私の友達に似てるわね」
ツカサ「似てる?」
コトリの母「ええ、私の友達の名字は『サクライ』だって事は覚えているんだけど…名前がなぜか思い出せなくって」
ツカサ「名前が…思い出せない?」
コトリの母「そうなのよ…どうしてかしらね?」
ユウコ「…」
ツカサ「…なるほどな、だいたいわかった」ボソッ
亜里沙「どうしたの、ツカサ?」
ツカサ「いや…何でもない」
亜里沙「…?」
雪穂「あの、ユウコさん…」
ユウコ「何?」
雪穂「コトリさんを探してたみたいですけど…何かあったんですか?」
ユウコ「…別に、最近ちょっと様子がおかしかったから気になってただけよ」
亜里沙「様子が…おかしい?」
ユウコ「ええ、何となく元気がないというか…」
ツカサ「元気がない…どういう事だ?」
ユウコ「そんなの私が知りたいわよ…」ハァ
コトリの母「えっ?あなた達…もしかして、コトリから何も聞いてないの?」
雪穂「…えっ?」
亜里沙「聞いてないって…?」
コトリの母「そう、やっぱり…実はあの子ね?」
ガチャ
ツカサ(コトリの母が話そうとしたその時…誰かがお店の扉を開けて入ってきた)
?「ユウコちゃん!」
ユウコ「なっ…デネヴ!?」
コトリの母「あら、いらっしゃい…あの子もユウコちゃんのお友達?」
ユウコ「ま、まあ…」
ユウコ「ちょっとデネヴ…お店には入ってこないでって言ったでしょ?」ボソッ
デネヴ「ご、ごめんごめん…」ボソッ
ツカサ「どうしたんだ?そんなに慌てて…」
デネヴ「あっ、実は…イマジンがこの近くで暴れてるみたいで」ボソッ
亜里沙「えっ…イマジンが!?」
コトリの母「イマジン…?」
雪穂「あっ…何でもないです、何でも!」アセアセ
コトリの母「でも…」
雪穂「ヒマジン…そう、暇人です!」
コトリの母「暇人?」
雪穂「私達、暇そうな人を見つけては人間観察してるんですよ」
コトリの母「へ、へぇ…変わった趣味を持っているのね?」
雪穂「そうなんですよ~…」アハハ
雪穂「…ちょっと亜里沙、声が大きいよ?」
雪穂「前にデンライナーでコトリさんに…」
コトリ『もし私のお母さんに会っても…電王のことは秘密にしてね?』
雪穂「って、言われてたでしょ?」
亜里沙「あっ、そうだった…ごめん」
ツカサ「とりあえず…行ってみるか」
ユウコ「そうね、急ぎましょう」
亜里沙「私たちも行こう!」
雪穂「うん…コーヒー、ごちそうさまでした!」
ツカサ(オレ達はイマジンが暴れている現場に急いで向かう為に…店を後にした)
ガチャ…バタン
コトリの母「…」
ウラ「ちょっとセンパイ…どうしてイマジンのニオイが分からなかったの?」
モモ「私だって知らないわよ…」
キン「分かった!もしかして風邪ひいちゃったとか?」
モモ「違うわよ!こないだ雨の中走りに行ったアンタじゃあるまいし!」
キン「えぇ~!?ヒドいよモモちゃん!」
ウラ「ほら、よしよし…」ナデナデ
キン「えへへ…♪」
モモ「私の鼻が利かないなんて…こんなの今までで初めてだわ」ハァ
ズィーク「それだけで済めば良いのですがね…」
モモ「はぁ?…どういうことよ?」
ズィーク「…」
モモ「答えなさいよ!?」
リュウ「う~ん…」
パナ「リュウちゃん、どうかした?」
リュウ「何か沈んじゃってる気がするニャ~…」ピコッ
パナ「沈んでる…?」
リュウ「うん…」ピコッ
モモ「というかアンタ…さっきからそのピコピコハンマーで私を叩くのやめなさいよ!?」
コトリ『みんな!』
キン「あっ、コトリちゃんだ!」
コトリ「イマジンさんは…あっ、いた!」
コトリ(七面鳥のような姿をしたイマジンさんは近くで気を失って倒れていた女の子達の顔を見つめていた)
ターキーイマジン「やっぱりコイツらでもない…ええい、早く見つけてやるもんね!」
コトリ「待って!」
ターキーI「ん?何だお前…相手をしてる暇はないもんね!」
コトリ(私は…デンオウベルトを巻いて、黄色のボタンを押した)
コトリ「キンちゃん…行くよ!」
キン『うん!』
『アックスフォーム』
コトリ(ベルトにパスを通して、プラットフォームの電王に姿を変えた私はアックスフォームに変身するはずだったんだけど…)
電王「私の強さにあなたが泣い…っ!?」
ターキーI「…何だ?」
電王(私の姿は…プラットフォームのまま、変わらなかった)
電王「へっ…?」
キン「うわぁ~!?」ドサッ
モモ「なっ…ちょっと何やってんのよアンタ!?」
キン「いや、それがコトリちゃんの中に入ろうとしたら追い出されちゃって…」
ウラ「ちょっと…コトリ一人にしたら危ないでしょ!?」
ウラ『コトリ、私が行くわ!』
電王「ウラちゃん…うん!」
電王(私はベルトの青いボタンを押して、ロッドフォームに変身しようとしたけど…)
『ロッドフォーム』
電王「あなた、私に釣られてみ…っ!?」
電王(私の身体から突然、ウラちゃんは出て行っちゃって…)
電王「ウソ…何で?」
ウラ「きゃっ!?」ドサッ
モモ「アンタまで何やってんのよ!?…全く、しょーがないわねー!」
キン「う~ん…コトリちゃんは嫌がってないのに何で追い出されちゃうんだろう?」
パナ「リュウちゃん!大丈夫!?」
キン「?」クルッ
ウラ「一体どうしたの?…!?」
リュウ「だから…沈んでるんだよ~」サァァ…
キン「えっ、リュウちゃんが…消えかけてる?」
ウラ「…どうやら、リュウだけじゃないみたいよ」
キン「えっ?…!」サァァ…
ウラ「…」サァァ…
パナ「そんな、ウラちゃんとキンちゃんまで…?」
モモ『私に任せなさい、コトリ!』
電王「…うん!」
ターキーI「何だか知らないけど…やっつけちゃうもんね!」ダッ
電王(私はベルトの赤いボタンを押して、パスを通した)
『ソードフォーム』
電王(私はソードフォームに姿を変えて…デンガッシャーソードモードでイマジンを攻撃した)
電王「はぁっ!」ザシュッ
ターキーI「ウッ!?」
電王「何よ、普通に動けるじゃない…」
ターキーI「ビックリした…お前、電王か」
電王「私、参じょ…うっ!?」
電王(すぐにモモちゃんが私の身体から出て行って…私はプラットフォームに戻ってしまった)
電王「ええっ…どうして!?」
ターキーI「電王…何だか様子がおかしいみたいだけど、お前の相手をしてる暇はないもんね!」ガッ!
電王「きゃあっ!?」
電王(七面鳥のイマジンさんに攻撃されて吹き飛ばされちゃった私は…変身が解けてしまった)
コトリ「うっ…」ゴロゴロ
ターキーI「早く逃げちゃうもんね!」ダダッ
コトリ「待っ…て…」
コトリ(私は…そのまま意識を失ってしまった)
ツカサ「まさかあれは…!」
ユウコ「コトリ!?」
雪穂「大丈夫ですか、コトリさん!」
亜里沙「しっかりして…コトリさん!」ユサユサ
コトリ「…」
?「リ…コトリちゃん!」
コトリ「ん…」パチリ
キン「あっ、起きた!」
リュウ「良かったニャ~!」
ウラ「ふふっ…」
モモ「…起きたわね、コトリ」
コトリ「みんな…」
モモ「…突然だけど、アンタとはお別れよ」
コトリ「へっ…?」
ウラ「特異点のコトリと一緒にいれば消えないかと思ったけど…仕方ないわね」
キン「そうだね…じたばたしてもしょうがないもんね!」
コトリ「それ、どういうこと…?」
モモ「コトリ…私達がいなくなっても、元気でやんなさいよ?」
コトリ「待って!みんながいなくなったら、私…」
リュウ「何で?」
コトリ「何でって…」
リュウ「コトリちゃんはスッゴく楽になるんだよ?それなのに…」
コトリ「だって、急にそんなこと言われても…」
ウラ「ちゃんとした嘘のつき方を教えてあげられなくて…ごめんなさいね、コトリ」
コトリ「えっ…ウラちゃん?」
キン「本当だったらもっと前に消えてたはずだもんね…コトリちゃん、一緒にいられて楽しかったよ!」
コトリ「キンちゃん…!?」
リュウ「コトリちゃん、リュウね…」
コトリ「ダメ、みんなが消えちゃったら…!」
モモ「…じゃあね、コトリ」
コトリ「そんな…ダメ!」
コトリ「待って!!」ガバッ
パナ「ピャアッ!?」ビクッ
コトリ「…あれ、パナちゃん?」
亜里沙「あっ、コトリさん!」
雪穂「良かった、目が覚めたんですね…」
コトリ「雪穂ちゃん、亜里沙ちゃん…」
ツカサ「…」
コトリ「ツカサくん…私、いつの間にデンライナーに?」
パナ「倒れていたコトリちゃんをツカサくん達がユウコちゃんと一緒に連れてきてくれたんです」
コトリ「そうだったんだ…みんな、ありがとね?」
雪穂「いえ、ケガがないみたいで安心しました!」
亜里沙「えへへ…」
コトリ「…あれ?」キョロキョロ
コトリ(私は食堂車の中を見回したけど…モモちゃん達の姿はどこにもなかった)
コトリ「あの…モモちゃん達は?」
亜里沙「あっ…」
コトリ「?」
パナ「それが、モモちゃん達は…」
コトリ「…!?」
コトリ(私が車内の床を見ると…そこには大きな砂の山が四つほどあった)
コトリ「もしかして…!」
ツカサ「…そうだ」
ツカサ「コトリとの繋がりが、消えかけてしまっている為に…あいつらは消滅してしまったんだ」
コトリ「でも…私、モモちゃん達のことは忘れてないよ?」
コトリ「ちゃんと覚えているのに、どうして…!?」
ツカサ「…」
コトリ「いや…いやっ!」ダッ
亜里沙「コトリさん!」
ツカサ「…待て、亜里沙」
亜里沙「でも…!」
ツカサ「大丈夫だ…オレが行く」スタスタ
雪穂「…ツカサ」
ツカサ(食堂車から出たコトリは…デンライナーの扉の近くでうずくまって泣いていた)
コトリ「そんな、イヤだよ…」グスッ
ツカサ「…すまない」ピコッ
ツカサ(オレはコトリの隣に座って…食堂車の中で拾ったピコピコハンマーで自分自身の頭を叩いた)
コトリ「…えっ?」
ツカサ「オレのせいだ…」
コトリ「…それって、どういうこと?」
ツカサ「ズィークから…モモ達が消えた原因を聞いたんだ」
ズィーク「実は彼女には…留学の話が来ているんです」
ユウコ「…!」
パナ「ウソ…?」
ズィーク「本当です」
ズィーク「彼女が留学すれば…同時に電王をやめるという事になります」
ツカサ「つまり…コトリに憑いたモモ達との繋がりが切れるという事か?」
ズィーク「そういう事です」
ズィーク「彼女は…以前から服飾の勉強をしたいと思っていたようです」
ズィーク「そこでつい最近、お母様の知り合いの学校の方から留学の話が来たそうです」
ズィーク「一緒に戦っている彼女達に相談するかどうか迷っていたみたいですが…」
ツカサ「気を遣って相談できなかった…という訳か」
ズィーク「はい」
雪穂「だからコトリさん、写真であんな顔してたんだ…」
亜里沙「もし留学しちゃったら…それっきり戻ってこれないんですか?」
ズィーク「おそらく…高校を卒業するまでは」
デネヴ「そんな…!」
ズィーク「ずっと…行くかどうか迷っていたみたいです」
ズィーク「むしろ…行きたがってなかったようにも見えました」
ズィーク「ずっと彼女達を気にしてて、彼女達に相談したら何て言うかってそればかり…」
ズィーク「ただ…黙っているつもりはなかったんです」
ズィーク「それだけは…分かってあげてください」
ユウコ「…行くわよ、デネヴ」
デネヴ「えっ…ユウコちゃん?」
ユウコ「今は…私達が逃げたイマジンを探しましょう」スタスタ
デネヴ「…分かった」スタスタ
ツカサ(そう言ってユウコとデネヴはデンライナーから出ていった)
ズィーク「…もう一つ、考えられる理由があります」
ツカサ「もう一つ…?」
ズィーク「先日、彼女達が…あなたに憑依して戦った事です」
ツカサ「…!」
ズィーク「あなたを責めたい訳ではありません…ですが、さすがに無理がありました」
ズィーク「イマジンとの繋がりは…意外とデリケートなものですから」
亜里沙「そんな…」
雪穂「…!」
ズィーク「では、私はこれで…」スタスタ
ガラッ
ツカサ「おい、待て…ズィーク!」ダッ
ツカサ(ズィークの後を追おうと、オレは食堂車を出るが…デッキにはズィークの姿が無い代わりに大きな砂の山があった)
ツカサ「…!」
コトリ「そんな、オーナーさんまで…!」
ツカサ「コトリとの繋がりが切れかけていた時に…別の世界から来たオレがモモ達と憑依して戦ってしまった」
ツカサ「そのせいで…モモ達がいなくなる時間が早まったらしい」
コトリ「…ツカサくん」
ツカサ「すまなかった…オレのせいで、こんな事になってしまって」
コトリ「そんな…ツカサくんのせいじゃないよ!」
コトリ「もともとは私が…私が、モモちゃん達にちゃんと相談できなかったから!」
ツカサ「コトリ…」
コトリ「何度も言おうとしたけど、怖くて言えなかった…そのせいで話すこともできなくなっちゃって」
ツカサ「…」
コトリ「モモちゃん達はずっと私と一緒に戦ってくれた友達だった…だから、本当は一番に言わなきゃいけなかったのに!」
コトリ「相談したかったのに…聞いてほしかったのに!」
コトリ「そんなの当たり前のことのはずだったのに…なのに!」
ツカサ「…それに気づけただけでも、十分じゃないのか?」
コトリ「えっ…?」
ツカサ「ほら」ピラッ
ツカサ(オレは先日、デンライナーの車内で撮った写真をコトリに渡した)
コトリ「この写真って…」
ツカサ「オレのせいじゃないと、言ってくれたお礼だ…オレはこの写真をアンタに譲る事にする」
ツカサ「…だから、変わる事を恐れるな」
ツカサ「明日を見失わずに…自分自身を誇れるように、大胆に高く飛び上がればいい」
コトリ「ツカサくん…」
ツカサ「さっき…モモ達の事をちゃんと覚えているって言ってたよな?」
コトリ「…うん」
ツカサ「それなら…コトリの中でもう一度、モモ達をイメージすればいい」
コトリ「私の中で、モモちゃん達を…?」
ツカサ「そうだ…それが消えたモモ達を助ける唯一の方法だ」
コトリ「私が、助ける…」
ツカサ(コトリはしばらく写真を見つめると、立ち上がってこう言った)
コトリ「私ね…もしモモちゃん達と出会ってなかったらどうなってたのかなって、思ったことがあるんだ」
ツカサ「…」
コトリ「ウラちゃんが憑くと次の日には会った覚えのない女の子達が私を追いかけてくるし…」
コトリ「キンちゃんが憑いた後は…身体中が痛くなっちゃうし」
コトリ「リュウちゃんは、たまに私が苦手なにんにく入りのとんこつラーメンを食べようとしちゃうことあるし…」
ツカサ「それは…災難だな」
コトリ「うん、最初の頃にモモちゃんに憑かれて戦うだけでも大変だったのに…いつの間にかいっぱい憑かれちゃって」
コトリ「でも…私、そんなみんながいるデンライナーが大好きになってて」
ツカサ「…」
コトリ「だから…私、モモちゃん達を助けたい!」
コトリ「またみんなと会って…ちゃんと相談したい!」
ツカサ「…そうか」フフッ
コトリ「うん!」ニコッ
ツカサ(止まっていた彼女の時間が…ようやく動き出した)
ツカサ(決意し、微笑むコトリを見て…オレはそんな気がしていた)
ツカサ(その直後…食堂車の扉から出てきたパナがこちらに声をかけてきた)
パナ「た…大変ですっ!」
ツカサ「どうした?」
パナ「ユウコちゃんがイマジンを見つけたってデネヴちゃんから連絡が!」
コトリ「…!」
ツカサ「よし…オレ達も向かうぞ!」
コトリ「…うん!」
ツカサ(オレとコトリはデンライナーを出て、ユウコがいる場所に向かった)
ユウコ「見つけた…待ちなさい!」
ターキーI「うるさいなぁ…待ってる暇なんかないもんね!」
デネヴ「もう逃がさないよ?」
ターキーI「こっちは早くあの女を見つけないと…ってあれ?」
ユウコ「?…何よ」
ターキーI「…ようやく見つけたもんね!」ダッ
ユウコ「!?」
ターキーI「オリャ!」ブンッ
ユウコ「!」サッ
デネヴ「ユウコちゃん!?」
ターキーI「逃げられる訳にはいかないもんね!」
ユウコ「ちょっと!何でさっきまでイマジンを追いかけてた私が逆に追われてるのよ!?」
ターキーI「お前に言う必要なんかないもんね!」
ユウコ「何それ…イミわかんない!」
ターキーI「大人しく捕まればいいだけだもんね!」
ユウコ「…こうなったら、やるしかないわね!」サッ
デネヴ「えっ…ちょっと待って、ユウコちゃん!」
ユウコ「今度は何よ!?」
デネヴ「そのカードはもう一枚しかないんよ!?ツカサくんが来るまで待った方が…」
ユウコ「何言ってるのよ!カードはお守りじゃないのよ!?」
デネヴ「!」
ユウコ「ここで使わなかったら…一体、どこで使えっていうのよ!?」
デネヴ「ユウコちゃん…」
ターキーI「早く観念するもんね!」
ユウコ「それはこっちの台詞よ…変身!」
『アルタイルフォーム』
ターキーI「!?」
ゼロノス「最初に言っておくわ…私はかーなーり、強い!」
ツカサ(デンライナーから降りたオレとコトリは…急いでユウコ達がいる場所に向かっていた)
コトリ「ユウコちゃん、大丈夫かな…?」
ツカサ「そうだと良いんだがな…!」
ツカサ(すると…オレ達の目の前にオーロラが現れ、欧米風の中年男性が出てきた)
?「…」
ツカサ「…コトリ、アンタは先に行ってくれ」
コトリ「えっ、でも…」
ツカサ「オレもすぐに後から追いかける…ユウコをよろしく頼む」
コトリ「…うん!」ダッ
ツカサ(コトリはユウコがいる場所に向かっていった)
?「久しぶりだね、ディケイド」
ツカサ「…やはりお前か、ナルタキ」
ナルタキ「その通りだ…よく分かったね」
ツカサ「お前の顔をちゃんと見るのは初めてだが…何度も邪魔されてるからな、声を聞けば嫌でも分かる」
ナルタキ「顔を見るのは初めて、か…本当にそうかね?」
ツカサ「…どういう事だ?」
ナルタキ「君は私が何者か…知っているはずだ」
ツカサ「オレが…アンタを?」
ナルタキ「そうだとも、君は覚えているはずだ…私のこの姿を」
ツカサ(そう言ってナルタキは…黒い甲冑のような姿をした怪人に変化した)
ツカサ「…!!」
コトリ「いた…ユウコちゃん達だ!」
コトリ(ゼロノスに変身したユウコちゃんは…七面鳥のイマジンさんと戦っていた)
ターキーI「チッ…まさかお前がゼロノスだったなんて、聞いてないもんね!」
ゼロノス「あなたなんかに言うつもりもないけどね…行くわよ、デネヴ!」
デネヴ「ほい来た!」
コトリ(ゼロノスは…カードを裏側に返した状態でベルトに入れて、デネヴちゃんを憑依させた)
『ベガフォーム』
ゼロノス「…最初に言っておくな?」
ターキーI「こ、今度は何だ…?」
ゼロノス「ウチの胸の大きさは…飾りやないよっ!」ダッ
コトリ(ベガフォームになったゼロノスは…大きな剣を持って、イマジンさんに向かっていく)
ゼロノス「ほっ!」ズバッ
ターキーI「ウグッ…!」
ゼロノス「まだまだ!」
『フルチャージ』
ゼロノス「やぁっ!」ザシュッ!
コトリ(ベルトから出したカードを大きな剣に入れたゼロノスは…イマジンさんを斬った後、黄色い『V』の文字が浮かんだ)
ターキーI「グワァァァ!!」
コトリ(斬られたイマジンさんは…遠くの方に吹き飛んでいった)
ゼロノス「ふぅ…もうええかな?」
コトリ(ゼロノスは変身を解いて…ユウコちゃんの姿に戻って、憑依していたデネヴちゃんも元通りの姿になった)
コトリ「ユウコちゃん、デネヴちゃん!」ダッ
ユウコ「…!」
デネヴ「あれ…コトリちゃん、もう動いても大丈夫なん?」
コトリ「うん…もう、大丈夫!」
ユウコ「…どうしてよ」ボソッ
コトリ「えっ、ユウコちゃん?」
ユウコ「どうして…モモ達や私に相談してくれなかったのよ?」
コトリ「!」
デネヴ「ちょっと、ユウコちゃん…」
ユウコ「デネヴは黙ってて!」
コトリ「…ごめんね」
コトリ「私、怖かったの…こんな話をしたらみんなは何て言うんだろうって」
コトリ「だから…ずっと話せなかったの」
ユウコ「だからって…そんな事は!」
コトリ「何もしないことの…言い訳にはならない」
ユウコ「…!」
コトリ「お母さんのお友達のサクライさんって人が…よく言ってた」
ユウコ「何よ、他人の受け売りじゃない…」
コトリ「えへへ…でもね?」
コトリ「サクライさんのこの言葉とツカサくんに励ましてもらって…やっと分かった気がするの」
ユウコ「…何が分かったの?」
コトリ「それはね…」
?「まだ…ぼくはやられてないもんね!」ガシッ
コトリ「!」
コトリ(後ろからユウコちゃんを捕まえたのは…いなくなったと思っていた七面鳥のイマジンさんだった)
ユウコ「えっ…何!?」
デネヴ「ユウコちゃん!」
ターキーI「おっと…ちょっとでも動いたらコイツの命はないけど、それでもいいの?」
コトリ「そんな…!」
ユウコ「二人とも、私に構わないで!早くこのイマジンを…」
ターキーI「よいしょ…っと」ヒョイ
コトリ(イマジンさんはユウコちゃんの身体を軽々と持ち上げると…右肩に担いだ)
ユウコ「きゃっ!?ちょっ…降ろしなさいよ!」
コトリ「ユウコちゃん!」
ターキーI「さて…とっとと契約を完了させちゃうもんね!」ダッ
デネヴ「契約を完了させるって事は…もしかして!」
コトリ「契約した人の所に行くつもりなんだ…待って!」ダッ
コトリ(私とデネヴちゃんは…ユウコちゃんを返してもらおうと、イマジンさんを追いかけた)
ツカサ「…なるほどな、だいたいわかった」
???「ようやく私の事を思い出してくれたみたいだね…嬉しいよ、ディケイド」
ツカサ「出来れば…自分の事を先に思い出したかったんだがな」ハァ
???「その前に…私が君を消す」スッ
ツカサ「?…うわっ!」
ツカサ(奴が手をかざした直後…オレは吹き飛ばされてしまった)
ツカサ「くっ…全く、仕方ないな」
?「ツカサ~!」
ツカサ(オレがディケイドライバーを装着しようとすると、キバーラがやってきた)
ツカサ「キバーラ…どうした?」
キバーラ「助けに来たわ…早く逃げるわよ!」
ツカサ「助けに来た…?」
???「今度は貴様が邪魔をするつもりか…逃がさん!」ダッ
キバーラ「ぐるぐるぐるぐる~!」
ツカサ「おい!ちょっと待っ…」
ツカサ(キバーラがオレの周りを飛び回った瞬間…オレの意識は遠のいていった)
???「クソッ!…だが、回り道はもうおしまいだ」
???「私から逃げ続けると面倒になるという事を…次に会った時にしっかり教えてやらないといけないな」
???「そうだろう?スクールアイドル『μ's』の諸君…」
ツカサ「ここは…?」
ツカサ(意識を取り戻したオレは…ミルクディッパーの店内にいた)
?「あれ…ツカサくん?」
ツカサ(オレが振り返ると、そこにはユウコとデネヴと…倒れているコトリの母がいた)
コトリの母「…」
ツカサ「これは…一体、何があったんだ?」
デネヴ「実はさっき、ユウコちゃんがイマジンに捕まったからコトリちゃんと一緒に追いかけてたんやけど…」
ユウコ「…」
デネヴ「そうしたら、コトリちゃんのお母さんの記憶の中に入っちゃって…」
ツカサ「なるほどな…つまり、コトリの母がイマジンの契約者だったという事か」
ツカサ「それで…コトリの母は大丈夫なのか?」
ユウコ「…大丈夫よ、イマジンに突き飛ばされたショックで一時的に意識を失ってるだけだから」
ツカサ「そうか…そういえば、コトリは?」
デネヴ「それが…」
コトリ(デンライナーに乗った私は…マシンデンバードに一枚のチケットを挟んだパスを入れた)
コトリ(チケットに書かれていた日付は…私のお母さんがサクライさんと一緒にスクールアイドルをやることを決めた大切な日だった)
コトリ(お母さんと契約したイマジンは…その日に飛んで、きっと何かするつもりなんだ)
コトリ(だから…止めなきゃ)
コトリ(お母さんが忘れられない…絶対に忘れたくない日を)
コトリ「守らなきゃ…『私達』が」
コトリ(食堂車に入った私は…四つの砂の山を見た)
コトリ「みんな…」
コトリ(私はその中の一つの砂の山に触れた)
コトリ「…」
?「…ツカサが言ってました」
コトリ「!」クルッ
亜里沙「…」
雪穂「…」
コトリ「雪穂ちゃん、亜里沙ちゃん…」
亜里沙「その砂の山は…コトリさんに残っていたモモさんたちのかけらみたいなものだって」
コトリ「モモちゃん達の…かけら?」
雪穂「…はい」
雪穂「そこから何かイメージすれば、もしかしたら別の形として残るかもしれない…そう言ってました」
コトリ「…!」
ツカサ『コトリの中でもう一度、モモ達をイメージすればいい…それが消えたモモ達を助ける唯一の方法だ』
コトリ「私の中で、もう一度…そっか」
コトリ(私はモモちゃん達と過ごした今までの思い出を振り返っていた)
コトリ(一緒に戦ったこと、悪いイマジンを追いかけていたこと…)
コトリ(チョコレートパフェや生地がパリパリのクレープをみんなで一緒に食べたこと…)
コトリ「みんなとまた繋がりたいって思ってるけど…本当にこんなことで、良いのかな?」
コトリ「なかなかちゃんとしたこと、思い出せないよ…」
亜里沙「…それで、良いと思います!」
コトリ「えっ?」
雪穂「私達も…ツカサと色んな世界を回ってきましたけど、私が思い出せるのはツカサとケンカしたことばっかりです」
コトリ「雪穂ちゃん…」
雪穂「でも…いや、だからですかね?」
雪穂「私はそれだけで…終わりたくない」
コトリ「…」
コトリ(確かに私達も…ツカサくん達と同じように、ケンカばかりしてきた)
コトリ(でも…そのおかげでお互い良いところも悪いところも言い合って、ちょっとずつ成長できてるんだと思う)
コトリ(だから…これで良いんだ)
コトリ(今はまだ悲しい記憶も痛い心の傷も、私がありのままに生きていれば…いつかきっと楽しい思い出に変わる日が来るんだって)
コトリ「ふふっ…そうだね」
コトリ「ありがとう、二人とも!」
雪穂「…」フフッ
亜里沙「えへへ…」
コトリ「…あれ?」
コトリ(その時…私は砂の山の中から何かを見つけた)
亜里沙「それって…」
雪穂「携帯…電話?」
コトリ(私達が不思議がっていると、パナちゃんが食堂車に入ってきた)
パナ「コトリちゃん!」
コトリ「パナちゃん…」
パナ「つ…着きました!」
コトリ「…分かった、ありがとね」
コトリ「じゃあ…行ってくるね?」
雪穂「…はい!」
亜里沙「頑張ってください!」
コトリ「うん!」ダッ
コトリ(私は変わった形をした携帯電話をポケットの中にしまって…食堂車を出た)
コトリ「行くよ…みんな」
ツカサ(コトリの母をユウコに任せ…オレとデネヴはゼロライナーで目的の日付に向かっていた)
ツカサ「デネヴ…一つ、聞いていいか?」
デネヴ「何?」
ツカサ「…『サクライ ユウコ』の事だ」
デネヴ「!…そっか、気付いてたんやね」
ツカサ「ああ…何となく、だがな」
デネヴ「…今からウチが話す事、他の皆には内緒な?」
ツカサ「…分かった」
ツカサ(オレは…デネヴから話を聞いた)
ツカサ「つまり…サクライはイマジンの侵攻から未来を守ろうと、過去にいる自分自身にゼロノスカードを託したという事か」
ツカサ「例え…コトリの母や他の人が、今の自分の存在を忘れてしまう事になっても」
デネヴ「…うん」
ツカサ「なるほどな、だいたいわかった…それならオレが出来る事は一つだな」
デネヴ「えっ…?」
ツカサ「時間を自分達のものにしようとするイマジンをこれ以上、好き勝手させない…それだけだ」フフッ
デネヴ「!…ツカサくん」
ツカサ(ゼロライナーが止まり…オレは目的の時間に着いた事を確認した)
ツカサ「さて…行ってくるか」スタスタ
コトリ(デンライナーを降りた私はすぐに…高校の制服を着たお母さんとサクライさんを追いかける七面鳥のイマジンさんを見つけた)
ターキーI「待て~!」
サクライ「はぁはぁ…大丈夫、絶対に私が助けるから!」
サクライ「けっこう、マズいかもしれないけど…」
コトリの母「はぁはぁ…ううん、大丈夫!」
コトリの母「サクライさんと一緒なら、怖くないから!」
コトリ「!…お母さん、サクライさん」
ターキーI「フフン…絶対に見つけて始末してやるもんね!」
コトリ「待って!」
ターキーI「!」クルッ
サクライ「?」クルッ
コトリ「…!」
コトリ(サクライさんの姿を初めて見た私は…ユウコちゃんにそっくりだったことにびっくりしていた)
サクライ「…あなたは?」
コトリ「に、逃げてください…早く!」
サクライ「え、ええ…こっちよ南さん!」グイッ
コトリの母「う…うん!」ダッ
ターキーI「また電王か…お前、ろくに戦う事も出来ないくせに性懲りもなく来たの?」
コトリ「!」
ターキーI「弱いくせに…どうしてそこまでやろうとしてくるの?」
コトリ「…私は、確かに弱いかもしれない」
ターキーI「じゃあ、さっさと…」
コトリ「でも!!」
ターキーI「!?」
コトリ「例え弱くたって…何もしない言い訳にはならないから」
コトリ「だから…私は戦うよ、みんなと一緒に!」
ターキーI「フン…お前なんて一捻りにしてやるもんね!」
コトリ「…変身」
電王(私はイマジンさんの攻撃を受けて、吹き飛ばされてしまった)
電王「きゃっ…!」ゴロゴロ
ターキーI「踏んづけてやるよ…フン!」ゲシッ
電王「うっ…」
ターキーI「オリャッ!」ゲシッ
電王「…」ガシッ
ターキーI「!?」
電王「絶対に…止めないと」
ターキーI「ビックリした…ぼくの脚を掴んでこないでよ!」ゲシッ
電王「あっ…!」
電王(イマジンさんに蹴られて私は…変身が解けてしまった)
ターキーI「こうなったら…お前からやっつけてやるもんね!」
コトリ(ごめんね…みんな)
コトリ(やっぱり、私だけじゃ…)
?「ふんっ!」ブンッ
ピコッ!
ターキーI「痛ッ!?」
コトリ「えっ…?」
コトリ(そこには…イマジンさんをピコピコハンマーで何度も叩くツカサくんがいた)
ツカサ「はっ!」ピコピコピコピコ!
ターキーI「痛い痛い痛い痛い!」
ツカサ「どけ!」バコッ!
コトリ(それからツカサくんは…ピコピコハンマーが壊れちゃうほどの強さでイマジンさんを叩いて吹き飛ばした)
ターキーI「ウワァァァァ!?」ドサッ
コトリ「ツカサくん…」
ツカサ「…立てるか?」スッ
コトリ「う、うん…」
コトリ(私はツカサくんの手を取って、立ち上がった)
ターキーI「イテテ…」
ツカサ「よう…やっと会えたな、七面鳥」
ターキーI「お前、いきなりだな~…挨拶もなし?」
ツカサ「お前に挨拶する時間はない」
ターキーI「ぼくだってお前らの相手なんかしてる暇はないもんね!」
ツカサ「コトリ…ここはオレに任せろ」
ターキーI「無視するな!」
コトリ「…ううん、私はまだ戦えるよ」
ツカサ「だが…」
コトリ「大丈夫…『私達』なら!」
ツカサ「!…そうか」フフッ
ターキーI「しぶといなぁ…弱いヤツが何度向かってきても無駄だっていうのに」
ツカサ「飛べない七面鳥のお前には…分からないだろうな」
ターキーI「は?」
ツカサ「コトリは…誰よりも頑固だ」
ツカサ「一度こうと決めたら絶対に曲げない…芯の強さがある」
ツカサ「だからこそ…例え力が弱くても、絶対にどんな事も乗り越えようとする!」
コトリ「ツカサくん…」
ツカサ「その意志があるから…コトリは今、殻を突き破って巣から飛び立とうとしている」
ツカサ「羽ばたこうとしている!」
ツカサ「それが彼女の…コトリの『強さ』だ!」
ターキーI「クッ…うるさいうるさい!」
ターキーI「お前の説教なんか聞いてる暇はないもんね!」
ターキーI「ってか…さっきからお前、誰!?」
ツカサ「通りすがりの仮面ライダーだ…覚えておけ!」
コトリ(私とツカサくんはそれぞれベルトを巻いて…)
ツカサ「変身!」
コトリ「…変身!」
コトリ(電王プラットフォームとディケイドに変身した)
ターキーI「ディケイド!?…まあいいや、お前らなんて倒してやるもんね!」
ディケイド「…やってみろ」
ターキーI「グッ…生意気な!」ダダッ
~♪
電王(すると…突然、どこからか音が聞こえてきた)
電王「この音…何?」
ディケイド「…コトリの方から聞こえてくるぞ」
電王「えっ?…あっ!」ガサゴソ
電王(私は…さっき拾った、不思議な携帯電話を取り出した)
電王「この携帯からだ…」
ディケイド「!…それは、まさか」
ターキーI「ぼくを無視するな!」
『アタックライド…ブラスト!』
ディケイド「いいからちょっと黙ってろ!」ガガッ!
ターキーI「アイタッ!?」
ディケイド「やっぱり…ケータロスだな」
電王「ケータロスって…?」
ディケイド「その電話に出てみれば…すぐに分かる」
電王「電話に出る…これかな?」ポチッ
電王(携帯を開いた私は、通話ボタンを押して電話に出た)
電王「も…もしもし?」
?『…もしもし、コトリ?』
電王「もしかしてその声…モモちゃん?」
モモ『全く…アンタも諦め悪いわねぇ』ハァ
電王「!…他のみんなは!?」
ウラ『本当…センパイったら素直じゃないわね?』
キン『だよねだよね!さっきなんて私よりも泣いてたのに…』
リュウ『リュウ知ってるよ!モモちゃんは意外と涙もろいんだよね~』
モモ『うっさいわよアンタ達!!』
電王「みんな…!」
電王(良かった…私、まだみんなとちゃんと繋がってたんだ)
モモ『だいたいアンタ達はね…!』
電王「…あの」
モモ『何よ!?』
電王「今さらになっちゃうけど…私のお願い、聞いてくれる?」
モモ『…言っておくけど、無理なお願いは聞かないわよ?』
電王「最後まで…私と一緒に、戦ってくれる?」
モモ『!』
電王「…お願い」
モモ『しょーがないわねー…アンタの願い、聞いたわ!』
ウラ『大船に乗ったつもりで任せなさい!』
キン『コトリちゃんの強さに…私達が笑った!』
リュウ『途中でイヤだなんて言わせないよ…答えは聞かないけど!』
電王「…うん!」
ディケイド「コトリ…ケータロスの下四つのボタンと通話ボタンを順番に押してみろ」
電王「えっと…こうかな?」ポチポチ
『モモ ウラ キン リュウ』
ディケイド「それを…ベルトに着けてみろ」
電王「分かった…えいっ!」
『クライマックスフォーム』
電王(次の瞬間…私の顔と両肩と胸にそれぞれ見覚えのある四つの仮面が取りついた)
ターキーI「な…何だ!?」
ディケイド「クライマックスフォーム…電王の中でも最もクライマックスな形態だ」
ターキーI「いや、どういう事か分からないんだけど…」
モモ『…分からないなら、教えてあげるわ』
ターキーI「!?」
電王(私達はケータロスの一番大きなボタンを押した後…ベルトにパスを二回通した)
『チャージアンドアップ』
モモ『見せてやるわ、私達の必殺技…!』
電王(デンガッシャーソードモードを持った私達は…剣の先を飛ばした後に左右に大きく振って、イマジンさんを攻撃する)
ターキーI「イタッ…グワッ!」
モモ『クライマックスバージョン!』
電王(最後に私達はデンガッシャーを上から下に大きく振って…イマジンさんを斬りつけた)
ターキーI「ウワァァァァァ!!」
電王(私達の攻撃が当たって…イマジンさんは爆発した)
電王「や、やった…えっ!?」グイッ
リュウ『勝ったニャー!』
電王(私の身体は…胸を引っ張られたように前に出ていく)
モモ『ちょっと、勝手に動くんじゃないわよ!』
ウラ『やっぱり私達がいなきゃね…ねぇ、コトリ?』
電王「ウラちゃん…わぁっ!?」グイッ
電王(それから私の身体は左右に引っ張られるように…勝手に動いていた)
キン『またお話できるね、コトリちゃん!』
電王「ちょっと、みんな…」
モモ『だから…動くなって言ってるでしょ、アンタ達!?』
電王「私の身体で、遊ばないでぇ~…!」グイグイッ
ディケイド「…」フフッ
電王「みんな、ふざけないの…!?」
電王(その時…爆発の中から大きな鳥の化け物が空へ飛んでいった)
ディケイド「ギガンテスヘヴン…イマジンのイメージが暴走した姿か」
電王「あんな大きなのが暴れたら…!」
ディケイド「間違いなく…今や未来の時間にも大きく影響するだろうな」
電王(そんなこと…絶対にさせない)
電王(また、モモちゃん達に会えたのに…)
電王(だから今は…私が守らなきゃ!)
電王(みんなが過ごしてきた…大切な時間を、消させない!)
電王「諦めちゃダメ!」
電王「せっかく…せっかくここまで来たんだから!」
電王「だから私は…絶対に、諦めない!」
ディケイド(電王がそう言うと、ライドブッカーから三枚のカードが飛び出してきた)
ディケイド(それらを掴んだオレはカードに電王の力が宿ったことを確認した)
ディケイド「やっとか…」
電王「えっ…どうしたの?」
ディケイド「オレに良い考えがある」
電王「考え…?」
ディケイド(オレはその中から一枚のカードをディケイドライバーに装填した)
『ファイナルフォームライド…デ・デ・デ・デンオウ!』
ディケイド「ちょっとくすぐったいぞ」
電王「えっ、何?」
ディケイド(オレは電王の後ろに回り込み…電王の背中を押した)
ディケイド(クライマックスフォームはプラットフォームに戻ったが…その代わりにオレに四つの電仮面が取り付けられた)
ディケイド(そして…プラットフォームはイメージ体に変化し、オレの身体の中に入り込んだ)
電王『えっ…えぇ~っ!?』
ディケイド「驚かせたな」
電王『びっくりしたよぉ~…私達、どうなっちゃったの?』
ディケイド「オレとコトリの力だ」
電王『えっと…つまり私が、ツカサくんと力を合わせて戦うってこと?』
ディケイド「そういう事だ」
電王『…分かった、行こう!』
ディケイド「ああ!」
『ファイナルアタックライド…デ・デ・デ・デンオウ!』
ディケイド(もう一枚、カードを入れたオレ達は…四つの電仮面からそれぞれの色のレールが現れた)
ディケイド「はっ!」
ディケイド(そこから五人に分身したオレの中から四人がそれぞれ赤、青、黄、紫のレールの上を走っていく)
ディケイド「やぁっ!」ザシュッ!
ディケイド「ふっ!」ガガッ!
ディケイド(青と黄のディケイドがライドブッカーソードモードで、紫のディケイドがガンモードでギガンテスを攻撃すると…)
ディケイド「今だ、行け!」ズバッ!
ディケイド(上空から赤のディケイドがライドブッカーソードモードで両断した事を確認し…オレは空に伸びるレールの上に乗った)
ディケイド「行くぞ!」
電王『うん!』
ディケイド「電車斬り!」
電王『え…えっ!?』
ディケイド「やぁーっ!!」
電王『え、え~いっ!!』
ディケイド(突撃するオレ達は…ライドブッカーソードモードでギガンテスヘヴンを両断し、トドメを刺した)
ディケイド(これは『DCDL(ディケイドライナー)』…オレと電王の技だ)
ディケイド「よっと…」
電王「きゃっ…!」ヨロッ
ディケイド(オレと分離した電王は同時に着地し…オレはよろけそうになった電王の手を掴んだ)
ディケイド「おっと」ガシッ
電王「あっ…ありがとう」
ディケイド「大丈夫か?」
電王「うん!」
ディケイド「そうか…それなら良かった」フフッ
ディケイド(ギガンテスを倒し…オレと電王は変身を解除した)
コトリ「…ねえ、ツカサくん」
ツカサ「どうした?」
コトリ「『電車斬り』って…何?」
ツカサ「アレか?勢い良く決めるにはカッコ良い名前が必要だと思ってな…」
コトリ「あ、あはは…そっか」
コトリ「ちょっと変な気がするけど…まあ、いっか」ボソッ
ツカサ「何か言ったか?」
コトリ「あっ…ううん、何でもないのよ何でも!」ブンブン
ツカサ「…?」
コトリ(デンライナーに戻った私は…食堂車に入った)
コトリ「あっ…」
モモ「…」
ウラ「コトリ…またお世話になるわね」
キン「また会えて嬉しいよ、コトリちゃん!」
リュウ「まさかまたここにいられるなんて思わなかったニャ~」
コトリ「みんな…」
モモ「…パナ、いい加減に泣くのやめなさい」
パナ「だって…みんな、帰ってきてくれたから」グスッ
ズィーク「…どうやら、あなたの熱い想いが繋ぎ留めてくれたみたいです」
コトリ「私の…熱い想い?」
ズィーク「ええ…不思議な事も、あるものですね」
コトリ「…」
モモ「コトリ!」
コトリ「は、はいっ!?」
モモ「大事な話は後にするとして…今日はパーッと飲むわよ!」
コトリ「えっ…?でも、飲むって言ったって」
モモ「もちろん…ジュースでよ!」
コトリ「いや、でも…」
ウラ「ほら、細かい事言わないの」
キン「そうそう、みんなで楽しまないとね~…早くコップ持って!」
リュウ「一緒に楽しんでも良いかニャ?…答えは聞いてない!」
コトリ「みんな…うん!」
モモ「じゃあ行くわよ…私達のクライマックスに!」
全員「カンパーイ!」
ツカサ「…」カシャッ
ツカサ(オレは食堂車の扉の外から…そっとカメラのシャッターを切った)
亜里沙「どう?」
ツカサ「…手応えありって顔、してるだろ?」フフッ
亜里沙「ツカサ…うん、確かにそういう顔してる!」ニコッ
雪穂「…これで、もうこの世界は大丈夫なのかな?」
ツカサ「ああ…何故なら人が覚えていれば、その時間は存在するからな」
ツカサ「今日のこの日を覚えている人間が、明日や明後日やその先にいれば…時は消えない」
ツカサ「人の記憶こそが…時間なんだ」
雪穂「…時間、か」
ツカサ「そして、それこそが…人を支える」
ツカサ「コトリがモモ達と共に過ごした時間と記憶が…モモ達を、ずっと存在させるんだ」
亜里沙「何か…深いね?」
ツカサ「…そんな事はない、単純な話だ」
ツカサ「きっと今のコトリ達なら…どこにだって、飛んで行けるはずだ」
亜里沙「そっか…そうだね!」
雪穂「…」フフッ
コトリ(それから数日後…私は駅にいた)
コトリの母「…皆にさよなら、言わなくていいの?」
コトリ「うん!会うと、私…きっとまた泣いちゃうから」
コトリの母「そう…」
コトリ「お母さんも、ここで大丈夫だよ…着いたらすぐ連絡するね!」
コトリの母「コトリ!」
コトリ「?」
コトリの母「…身体に気を付けてね」
コトリ「…!」
コトリ(私は何も言わずにそのまま…改札を通った)
コトリの母「…守れたのね?私達の未来」
サクライ「…」コクリ
コトリの母「分かってる…例え、私があなたを忘れ去ってしまったとしても」
コトリの母「スクールアイドル『ミルクディッパー』はいつか…またきっと」クルッ
コトリの母「…あら?」
コトリの母「私…今、誰に話しかけてたのかしら?」
コトリの母「誰もいないのに…変ねぇ」
モモ「…」
モモ『行きなさいよ』
コトリ『でも…』
モモ『私達が…アンタの夢を応援しないわけがないでしょ?』
コトリ『!』
モモ『だから…アンタはアンタらしく、頑張りなさい』
コトリ『モモちゃん…!』
キン「ぐぅ…」Zzz…
パナ「…コトリちゃん」
ウラ「行っちゃったわね…」
リュウ「モモちゃんったら素直じゃないニャ~」
モモ「うっさいわね!別に良いでしょ!?」
ズィーク「…そういえば、彼女からパスを返してもらっていませんね」
パナ「あっ、そういえば…」
ズィーク「泣く暇も無かったですからね…早く返していただかないと」
キン「泣く…?」
パナ「えっ?」
キン「!」ガタッ
パナ「ピャア!?」ビクッ
キン「それだぁぁぁぁぁ!!」
モモ「はぁ?起きたと思ったら、いきなり大声出して…何よアンタ」
キン「パスを返してもらってないなら…返してもらわなければいいんだよ!」
キン「私達にしかできない…とっておきの方法で!」
モモ「とっておきの方法…?」
ズィーク「…どうやら、次の行き先は決まったようですね」フフッ
モモ「えっ…ちょっと、まさかアンタ!?」
ズィーク「行きましょう…コトリが待ってます!」
コトリ(空港に着いた私は…ある事を思い出した)
コトリ「あ、あれ…ない!?」
コトリ(私は…大切なものを忘れていた)
コトリ「そんな…アレがないと」
コトリ「アレがないと~!」
?「コトリ!」
コトリ「へっ?」クルッ
コトリ(私が振り向くと…そこにはツカサくんがいた)
ツカサ「これ、忘れてたんだろ?」
コトリ「あっ…それ、私の枕!」
ツカサ「ほら」スッ
コトリ「ありがとう…でも、どうしてツカサくんが?」
ツカサ「ミルクディッパーに寄ったら…アンタの母親に頼まれてな」
ツカサ「『きっとまだ間に合うだろうから…あなたが渡しに行ってあげて』ってな」
コトリ「そうだったんだ…ごめんね、迷惑かけちゃって」
ツカサ「別に迷惑だなんて思ってないさ…それに、その枕は大事なものなんだろう?」
コトリ「そうなの…これがないと、どうしても眠れなくて」
ツカサ「慣れない場所だからな…大事なものはなるべく持って行った方が良い」
コトリ「うん…ありがとう」
コトリ(その時…私が乗る飛行機の便がもうすぐ出発するというアナウンスが流れた)
コトリ「あっ、もうこんな時間…そろそろ行かなくちゃ!」ダッ
ツカサ「…コトリ!」
コトリ「?」
ツカサ「またな」
コトリ「…うん、ツカサくんも元気でね!」
ツカサ「…ああ!」
コトリ(私は…そのまま飛行機の搭乗口に向かった)
ツカサ(オレがロビーを出ると…そこには大きな箱を持って、飛行機を見つめるユウコがいた)
ツカサ「…アンタのおかげで間に合った、ありがとな」
ユウコ「そう…やっぱりゼロライナーで行って良かったわね」
ツカサ「そういえば、その箱には何が入ってるんだ?」
ユウコ「これ?これは…天体望遠鏡よ」
ツカサ「…コトリの母へのプレゼントか?」
ユウコ「まあね…スクールアイドルの練習が終わった後は、よく一緒に星を見に行ってたから」
ツカサ「なるほどな…それにしても、本当にコトリに会わなくて良かったのか?」
ユウコ「ええ、私に会ったら…あの子はきっと心配しちゃうと思うから」
ツカサ「そうか…だが、もうゼロノスカードは使い切ったんだろ?」
ツカサ「これからどうやって…」
ユウコ「心配いらないわ、私には…これがあるから」スッ
ツカサ(ユウコは…ポケットから数枚の赤いゼロノスカードを出した)
ツカサ「そのゼロノスカード…良いのか?」
ツカサ「アンタ自身が他の人から忘れ去られる事になっても…」
ユウコ「良いのよ、今の私には…デネヴがいるから」
ユウコ「それに私は…錆びても強いのよ?」フフッ
ツカサ「…そうか」
ユウコ「ええ…あの子も向こうで頑張るでしょうし、きっと大丈夫よ」
ツカサ(すると…デネヴがこちらにやってきた)
デネヴ「ユウコちゃん、近くにイマジンが!」
ユウコ「分かったわ…行きましょう!」ダダッ
ツカサ(オレは空港を後にするユウコとデネヴを見送った後…コトリを乗せて飛んでいく飛行機を見つめた)
ツカサ「じゃあな…コトリ」フフッ
ツカサ(いつの間にか透けていたオレの身体は消え…そのまま光写真館へと戻っていった)
コトリ(私を乗せた飛行機は…目的地に向かって飛び立った)
コトリ(それから数時間経って…私はアイマスクを着けて、枕を抱いて眠っていた)
ザワザワ…
コトリ(何だか騒がしいけど…どうかしたのかな?)
乗客A「あ…あれは何!?」
乗客B「電車が飛んで…走ってる!?」
CA「お客様、落ち着いてください!」
コトリ「…?」
コトリ(アイマスクを外した私は…窓の外を見た)
コトリ「えっ…ええっ!?」
コトリ(そこには飛行機と並ぶように走るデンライナーの姿があった)
コトリ「な…なんで~!?」
リュウ「お~い!」ブンブン
コトリ「あっ…」
ウラ「コトリ!」
キン「ごめんね…私達、やっぱり電王やりたいの!」
キン「コトリちゃんと一緒にやりたいの!」
コトリ「…!」
キン「いつか別の夢に向かう時が来るとしても…だから!」
コトリ「キンちゃん…」
モモ「コトリ!アンタ…あの時、言ったわよね!?」
コトリ「へっ…?」
モモ「『最後まで…私と一緒に、戦ってくれる?』って!」
モモ「だから私達は…アンタについて行く事にしたわ!」
モモ「アンタが迷惑だって言ってもね!」
コトリ「!」
モモ「だから…私達はこれからもずーっと、クライマックスよ!!」
コトリ「モモちゃん…うん!!」グスッ
パナ「ううっ…良かったぁ」グスッ
ズィーク「それでは私は…キングライナーの駅長との勝負に向けて、特訓に励むとしましょうか」フフッ
コトリ「みんな…!」
コトリ(私…ツカサくん達と会って、気付いたことがあるの)
コトリ(運命ってきっと…一つじゃないんだって)
コトリ(現実はいつもたくさんの色の色んな『可能性の糸』が混ざり合ってできてて…)
コトリ(そこから本当の運命を決める、布地の表に出る色が決まるのは…ほんの一瞬の偶然な気がして)
コトリ(だから…始まりはいつも突然だけど)
コトリ(今、私はこうしてデンライナーのみんなと一緒にいられて…とっても幸せで楽しいなって思うの)
コトリ(みんな…私の気持ち、分かってくれてありがとう)
コトリ「ツカサくん…ありがとう」
コトリ「いつか…また、未来で!」
ツカサ(写真館に戻ったオレは…スタジオにある部屋に入った)
ツカサ「…ただいま」
亜里沙「おかえり!」
雪穂「コトリさん…どうだった?」
ツカサ「今日が出発の日だったそうだ」
亜里沙「そっか…私たちも行けば良かったね」
雪穂「そうだね…あっ、そういえばこないだ撮った写真は?」
ツカサ「ああ…これか?」ピラッ
ツカサ(オレは雪穂達に写真を見せた)
ツカサ(写真には衣装を懸命に作っているコトリとデンライナーの車窓から外を微笑みながら眺めるコトリが写っていた)
雪穂「うん…良い写真だね」
亜里沙「やっぱりツカサの写真はこうでなくちゃ!」
ツカサ「…そうだな」
雪穂「でも私達…結局、真姫さんに似た人には会えなかったね?」
亜里沙「うん、そうだね…どうして他のみんなはいたのに真姫さんだけいなかったんだろう?」
ツカサ「!!」
雪穂「…ツカサ?」
亜里沙「どうしたの?」
ツカサ「…いや、何でもない」
亜里沙「?」
ツカサ「そういえば…キバーラのヤツ、まだ戻ってきていないのか?」
雪穂「あっ…うん」
ツカサ「あいつには聞きたい事が山程あるんだが…いないなら仕方ないな」ハァ
亜里沙「何かあったのかな…?」
ツカサ「あの蝙蝠もどきの事だ、どこかでフラフラしてるだけだと思うが…」
亜里沙「そうだといいんだけど…あっ!」
ツカサ(すると…スタジオの背景がまた違うものに変化した)
亜里沙「いよいよ…やってきたんだね」
雪穂「うん、やっと戻ってこれたんだ…!」
ツカサ「…『μ'sの世界』」
ショッカー戦闘員A「待て…貴様ら、何者だ!」
1号(First)「…」
戦闘員B「貴様らは…仮面ライダー!?」
2号(First)「…」
戦闘員C「こちら、仮面ライダーを発見…直ちに始末する!」
1号「…ふっ!」ダッ
2号「はっ!」ダッ
1号「はぁっ!」バキッ!
戦闘員A「イーッ!」ドサッ
2号「ふぅ…これで、ここにいる戦闘員はみんな倒したのよね?」
1号「そうだ」
2号「じゃあ、行きましょうか?」
1号「…ああ」スタスタ
次回、仮面ライダー×ラブライブ!
「こんな事、ちょっとの勇気と情熱くらいで軽く乗り越えられるわ」
「帰ってきたんだ…私達の世界に」
「アレは…『Version3』」
第20話『First Wars』
---継ぐのは、魂。