亜里沙「私、夢で見たの…雪穂と一緒にいたら、お姉ちゃんやμ'sの皆が倒れてて…」
アギト「私達の世界は…他の世界と一緒になりかけてるの」
アギト「雪穂達には『ツカサ』っていう子と一緒に他の世界を守りに行ってほしいの」
少年「…ここが『μ'sの世界』か」
少年「変身!」
雪穂「ディケイド…!」
亜里沙「あなたはこの世界を助けてくれるんでしょ?」
亜里沙「じゃあ決まりだね…あなたの名前は『ツカサ』!」
雪穂「行こう…『ツカサ』」
雪穂「世界を救いに」
ツカサ「…一つ目の世界、か」
第2話『暗涙』
(パパは青空が大好きな人だった)
(青空を見るといつもにこにこ笑顔でこの歌を口ずさむ)
(『にこにーにこにーにっこにっこにー♪』)
(そんなパパを見て私も笑顔で一緒に歌った)
(パパは一緒に歌う私を見てサムズアップをしてくれた)
(パパの話によると…サムズアップは『古代ローマで満足、納得できる行動をした者にだけ与えられる仕草』らしい)
(そんなパパに…私はいつものニコニーポーズで返した)
(私が一番、笑顔になれるこのポーズ)
(パパを一番、笑顔にできるこのポーズ)
(パパが冒険に出て、私の前からいなくなっちゃっても…私は変わらずこのニコニーポーズをしている)
(そして今では、このポーズでたくさんの人を笑顔にしている)
(ねぇ、パパ?)
(私は絶対にパパからもらったこの笑顔で)
(世界中に…この最高の笑顔を振りまいて)
(世界で一番幸せなアイドルになるって…そう決めたから)
(それがいつかパパに届くその時まで…)
(私は絶対に…諦めないから)
(だから、見てて?)
(ニコの…変身)
~世界の破壊者、ディケイド…9人の女神に出逢い、その瞳は何を見る?~
雪穂(私達がツカサと会話していると…突然、写真館の中にあるスタジオの背景が突然違うものになった)
雪穂(背景には…秋の山道の中をパトカーが走っている様子が描かれていた)
雪穂(驚く私や亜里沙とは対照的に冷静だったツカサはこう呟いた)
ツカサ「…一つ目の世界、か」
雪穂「…え?」
亜里沙「どういうこと、ツカサ?」
ツカサ「さあ…オレにもまだ分からん」
雪穂「分かんないの!?」
ツカサ「なんとなくだ」
ツカサ「この写真館の背景が変わると外の世界も全く別のものになる…そんな気がするだけだ」
雪穂「えぇ…」
ツカサ「…何だ、その『マジかアンタ』みたいな顔は」
雪穂「いや…だって私達、会って間もないんだよ?」
雪穂「一緒に旅に出るとは確かに言ったけど、そんなこと信じられるわけないじゃん…」ハァ
亜里沙「私…ちょっと窓開けて確認してみる!」ガラッ
亜里沙「…ハラショー」
雪穂「亜里沙?」
雪穂(私は何が起きたのかと思い、亜里沙が開けた窓から外を覗くと…)
雪穂「…え?」
雪穂(そこには…私達が今まで歩いていた街とは全く違う街並みが広がっていた)
雪穂(そのうえ、この写真館に入るまでは朝だったはずなのに…今はいつの間にか夜になっていた)
ツカサ「これでオレの直感を信用してくれたか…?」フフン
亜里沙「ツカサ、すごい!」
雪穂「いやいや…ありえないってこんなの」
ツカサ「じゃあ、オレは寝る」スタスタ
雪穂「えっ、もう!?」
ツカサ「別に今、何か起きている訳じゃないし…休んでから動いても問題ないだろ」
雪穂「うっ…それはそう、だけど」
ツカサ「幸いか…この写真館には台所も風呂もあるし、各々が休める寝室も三部屋ある」
ツカサ「冷蔵庫の中には食材が十分入っていれば…クローゼットの中には洋服が豊富にある」
ツカサ「おまけにオレが持っていた財布の中には…お金が生活に困らないぐらいある」
ツカサ「まさに…至れり尽くせりだ」フフン
亜里沙「すごい!」
雪穂「いや…都合良過ぎない!?」
ツカサ「世界を守るんだ…これぐらいの待遇は当然だろ?」
雪穂「当然って…でも何かもう、これ以上ツッコむの疲れてきたかも…」ハァ
雪穂「本当に別の世界に来ちゃってるみたいだし…一体、何なのこの写真館?」
ツカサ「それじゃオレは寝る…じゃあな」スタスタ
バタン
雪穂(ツカサはそのまま部屋を出てしまった)
雪穂「ちょっと!?…行っちゃった」
亜里沙「でもそう言われると…なんだか私も眠くなってきちゃった…」フワァ
雪穂「うーん、確かに…今日は色んなことがあり過ぎたもんね」
亜里沙「それじゃ…私と一緒に寝よう?」ギュッ
雪穂(亜里沙はそう言って私の手を握った)
雪穂「…そうしよっか」フフッ
雪穂(ひとまず…私達は寝ることにした)
雪穂(これから何があるのか?)
雪穂(そして何をするべきなのかは…まだ分からないけど)
雪穂(ツカサと一緒に旅をすれば…きっと私達の世界を救えるはずだ)
雪穂(そう、きっと…)
雪穂「…ん」パチリ
雪穂(私が起きた頃にはもう朝になっていた)
雪穂「…あれ、亜里沙がいない?」キョロキョロ
雪穂(寝室を出た私がスタジオのある部屋に入ると…そこには亜里沙がいた)
亜里沙「あっ、おはよう雪穂!」
雪穂「おはよ…」フワァ
雪穂「…ん?」クンクン
雪穂「なんだか、いいニオイが…」
ツカサ「よう、起きたか」ヒョコッ
雪穂(そう言って台所から姿を現したのは…濃いピンクのエプロンと頭巾を着けたツカサだった)
雪穂「あっ…おはよう」
ツカサ「ほら、朝ご飯ができたぞ」
亜里沙「ありがとう、ツカサ!」
ツカサ「まあ…オレの手にかかればこんなもん朝飯前だ」フフン
雪穂「…ツッコまないからね?」
亜里沙「朝飯前って…確か朝ご飯の前のことでしょ?」
亜里沙「じゃあ…今だね!」
雪穂「いや、亜里沙…そういう意味じゃないから」
亜里沙「へっ…違うの?」キョトン
ツカサ「ほら、食べるぞ」コトッ
雪穂(私達は料理が並べられたテーブルを囲むように置かれた三つの椅子にそれぞれ座った)
ツカサ「いただきます」
亜里沙「いただきます!」
雪穂「い…いただきます」
ツカサ「…先に言っとくが、毒は入ってないぞ?」
雪穂「いや…そんなこと言われたら、むしろ食べづらいんだけど」
ツカサ「いいから冷める前に早く食べろ…このカレーライスは、オリエンタルな味と香りが決め手だからな」
亜里沙「カレー…お姉ちゃんと一緒に食べたことある!」
雪穂「ニオイで分かってはいたけど、朝からカレーかぁ…」
ツカサ「文句言うな…オレの作るカレーは一味違うぞ?」
ツカサ「何せオレは『2000のレシピを持つ男』だからな」
雪穂「またまた…記憶喪失の人がよく言うよ」
亜里沙「ハラショー!」ガタッ
雪穂(すると…ツカサが作ったカレーを一口食べた亜里沙が突然、立ち上がった)
雪穂「うわぁ!?ビックリした…どうしたの亜里沙?」
亜里沙「美味しい…」ジーン
雪穂「えっ…な、泣くほど?」
雪穂「いやいや、そんなわけ…」パクッ
雪穂「…ウソ」
雪穂「お母さんが作ってくれるカレーより美味しい…」ホロリ
ツカサ「当然だ…オレを誰だと思ってるんだ?」
亜里沙「ツカサ!」
ツカサ「…いや、確かにそうだが」
雪穂(それから私達は…ツカサが作ったカレーを完食した)
亜里沙「ごちそうさまでした!」
雪穂「ご…ごちそうさまでした」
ツカサ「おそまつさまでした」
亜里沙「私、洗い物やっておくね!」ガタッ
雪穂「…ねえ、ツカサ」
ツカサ「何だ」
雪穂「私達、別の世界に来たは良いけど…具体的にこれから何をすれば良いの?」
ツカサ「…これを見ればだいたいわかる」サッ
雪穂(そう言ってツカサは、新聞紙を私に渡してきた)
雪穂「何なに『未確認生命体4号現る!』…ってこれ!?」
雪穂(その新聞記事の写真には…見覚えのある姿が写っていた)
雪穂「赤いクワガタ虫の…これって、まさかにこさん?」
ツカサ「ああ…ここは『クウガの世界』だ」
雪穂「…『クウガ』?」
ツカサ「その『未確認生命体4号』とやらの本当の名前だ」
ツカサ「それと…その一面の下の広告、よく見てみろ」
雪穂「どれどれ…って!?」
『スクールアイドル全国大会優勝候補・ポレポレの新曲は本日発表!地区予選はいよいよ明日開催!』
雪穂「に、にこさん!?」
雪穂(広告の写真には二人の女性が写されていて…そのうちの一人はにこさんだった)
ツカサ「そして、このテレビのニュースだ…よっと」ポチッ
雪穂(ツカサがリモコンでテレビの電源を入れると…そこにはあるニュースが流れていた)
雪穂「『未確認生命体2号と8号が戦闘中』…どういうこと?」
ツカサ「この世界では…『グロンギ』という怪人がゲーム感覚で人を襲っている」
ツカサ「それを阻止するために『クウガ』は『グロンギ』と戦っているんだ…」
ツカサ「だが『グロンギ』や『クウガ』の存在が分からないこの世界の警察は…双方をまとめて『未確認生命体』と呼んだ」
ツカサ「分かりやすく説明すると…こんな感じか」
雪穂「…じゃあ、この新聞に出てるにこさんは?スクールアイドル『ポレポレ』って!?」
ツカサ「彼女は…お前達の知っている『矢澤にこ』とは少し違う存在だ」
ツカサ「スクールアイドル『μ's』のいない世界だからな…誰がどうなっていてもおかしくはないだろ」
ツカサ「例え別のスクールアイドルになっていたとしても、仮面ライダーとして戦っていたとしても…な」
雪穂「そっか…」チラッ
雪穂(私はテレビに映し出された未確認生命体2号の姿を見て…何かが違うと感じた)
雪穂「…ん?」
雪穂(2号は赤い色のいわゆる4号…『クウガ』と違って身体の色が白く頭の角も短い)
雪穂「ねえ、あの2号も『クウガ』なの?」
ツカサ「ああ、正確には同じ『クウガ』…のはずなんだが…」
ツカサ「白い『グローイングフォーム』の2号と赤い『マイティフォーム』の4号…」ボソッ
雪穂「何それ?」
ツカサ「こっちの話だ、後で確かめる必要はあるだろうが…今はオレにも分からん」
雪穂「…それで私達は結局、何をすればいいの?」
ツカサ「この『ポレポレ』について詳しく調べておいてくれ」
雪穂「…はい?」
ツカサ「オレには他にやるべき事があるからな、頼んだぞ」ガタッ
雪穂(そう言ってエプロンと頭巾を脱いだツカサは立ち上がり、写真館を出ようとする)
雪穂「ちょっ…ちょっと待ってよ!」
ツカサ「何だ」
雪穂「大事なことなんだから、一緒に調べればいいじゃん!?」
ツカサ「オレは忙しいからな…朝飯食ったんだからそれぐらいはやってくれても問題ないだろ」スタスタ
雪穂「そんなこと言ったって…」
ツカサ「じゃあな亜里沙、行ってくる」ガチャ
亜里沙「うん、行ってらっしゃいツカサ!」
バタン
雪穂「えぇ…本当に?」
?(白いクウガに変身した私は…黒い蝶の姿をした未確認生命体8号と戦っていた)
クウガ「ふんっ!」ドカッ!
8号「…!」ヨロッ
クウガ「まったく、アンタもしぶといわね…この『ラブニコアタック』をお見舞いしても倒れないなんて」
8号「…」キッ
クウガ(8号は…ただ私を睨み付けるだけだった)
クウガ「もしかして…『邪魔するな』って言いたいの?」
8号「…」
クウガ「なんとか言いなさいよね…まあ、言われても分かんないんだけど」ハァ
バン!
クウガ(すると…私の後ろから、銃声が聞こえた)
8号「!?」
クウガ(放たれた銃弾が8号に命中すると…)
8号「クウガ…ウッ!」バタッ
クウガ(8号は倒れて、黒いワンピースを着た人間の女性の姿に戻った)
クウガ(私は倒れた女性を見て…自分の拳を強く握りしめていた)
クウガ「…」グッ
クウガ(すると…ある人が私のもとへやって来た)
女性刑事「ニコ!ケガはない?」ダッ
クウガ「!」クルッ
クウガ(私はすぐに、変身を解いて…ママに抱きついた)
ニコ「ママ~!!」バフッ
ニコの母「おっと!全くしょーがないわね…」フフッ
ニコ(私のママは…警視庁の刑事なの)
ニコ(今は未確認ナントカに関わる事件の担当として…『クウガ』である私と一緒に戦っている)
ニコ(しばらくしてママは…ニコにこう言った)
ニコの母「ねぇ、ニコ?あなた…もうこれ以上は戦わなくていいって言ったじゃない」
ニコ「ママ…いいえ、それだけは出来ないわ」
ニコの母「あなた、まだそんな事を…」
ニコ「だってニコ、クウガだもん」
ニコの母「…ニコ」
ニコ「それに、関わっちゃったからには…中途半端なことはしたくないの」
ニコ「さっきだってニコがいなかったら、もっとたくさんの人が犠牲になってたかもしれないし…」
ニコの母「…だけど、未確認と戦ってるのは何もあなた一人だけじゃないわ」
ニコの母「あなたによく似た4号だっているし、それに…」
ニコ「4号なんてアテにならないわよ!」
ニコの母「ニコ…」
ニコ(ニコ達が話していると…どこからか声が聞こえてきた)
?「…百合の花が似合いそうな女だな」
ニコ「!?」
ニコ(声のする方を向くと、そこには倒れた女性の顔をしゃがんで覗き込むスーツ姿の少年がいた)
ニコ(少年はすぐに立ち上がるとニコ達に向けてカメラのシャッターを押しながらこう尋ねてきた)
カシャッ
ニコ「!?」
ツカサ「…アンタがニコか」
ニコ「はぁ?誰よアンタ?…あっ!」
ニコ(もしかして、ゴシップ誌のカメラマン!?マズいことになったわ…)
ニコ(ニコが色々考えていると、ママがニコをかばうように立ち…少年にこう言った)
ニコの母「ちょっとあなた…ここは今、関係者以外立ち入り禁止のはずよ?」
ツカサ「入れたもんは仕方がないだろ…それに、今のオレはアンタの関係者みたいだしな」ビシッ
ニコ「…はぁ?アンタがニコの関係者?」
ニコ(少年はニコを指を差してそう言うとスーツのポケットから名刺を一枚取り出してママに渡した)
ニコの母「えっと…『ポレポレ 顧問兼マネージャー 五代ツカサ』?」
ニコ「顧問兼マネージャー…!?」
ツカサ「ああ」
ニコ「ああって、なんでそんな偉そうなのよ…あっ!」
ニコの母「どうしたのニコ?」
ニコ「この後、私達の新曲の発表イベントがあるの!こうしちゃいられないわ…」
ツカサ「だから迎えに来たんだ…早く行くぞ?」
ニコ「だから何でアンタはそんなに偉そうにしてるのよ!?」
ニコの母「ふふっ、面白い子がマネージャーになったのね」クスクス
ニコ「笑いごとじゃないわよ、ママ…」
ニコの母「あら…ごめんなさいね」
ニコの母「じゃあ、ここはもう大丈夫だから…あとは私に任せて早く行きなさい?」
ニコ「ママ、良いの…?」
ニコの母「ええ…マナミちゃんと一緒にファンの人達を笑顔にするんでしょう?」
ニコ「…うん!」
ニコ「あっそうだ、明日のライブ…」
ニコの母「分かってるわ…私も見に行くから」
ニコ「約束ね…じゃあ、行ってくる!」ダッ
ツカサ「…」ダッ
ニコ(私は新しく入った生意気なマネージャーと一緒に、イベントの会場に向かった)
雪穂(『ポレポレ』について調べた私と亜里沙は…とある場所に来ていた)
雪穂(そこには大勢の『ポレポレ』のファンが集まっていた)
亜里沙「すごい人…」
雪穂「そうだね…はぐれないように手を繋いでおこっか」スッ
亜里沙「うん!」ギュッ
?「相変わらずお熱いな、お前達は…」
雪穂「?」クルッ
雪穂(私達が振り返ると、そこにはスーツを着たツカサがいた)
亜里沙「ツカサ!」
雪穂「茶化さないでよね…というか何なの、その格好?」
ツカサ「どうやら…この世界のオレはニコのマネージャーという役割らしい」
雪穂「えっ、じゃあ…ニコさんにはもう会ったの?」
ツカサ「ああ、ここに着いてからすぐにはぐれてしまったがな…全く世話の焼ける」ハァ
雪穂「いや…それは多分、ニコさんの台詞だと思うんだけど」
ツカサ「ところで…『ポレポレ』について何か分かったか?」
雪穂「まあ…大体だけど」
ツカサ「それでいい」
亜里沙「それなら私が!」
雪穂「大丈夫かなぁ…?」
亜里沙「任せて!」
亜里沙「『ポレポレ』はニコさんともう一人、ヤシロマナミさんの二人でデビューしたスクールアイドルなんだけどね…」
亜里沙「そのデビュー曲が数日でいきなり百万回再生を記録して…」
雪穂(それから亜里沙の長い説明が続き…)
亜里沙「…それで今日はその新曲の発表イベント、明日には大会の地区予選が開かれるの!」
ツカサ「なるほどな…だいたいわかった」
雪穂「…ツカサ、本当に分かってた?」ボソッ
雪穂(私は亜里沙には聞こえないぐらいの小さな声で、ツカサに話しかけた)
ツカサ「はぁ?」
雪穂「途中からあくびしたり上の空だったり、明らかに亜里沙の話を聞いてなかったような気がするんだけど…」
ツカサ「…さあ、どうだろうな」
雪穂「やっぱり聞いてないんじゃん…」ハァ
雪穂(私が呆れていると…背の高いスーツ姿の男性がツカサに話しかけてきた)
?「お待ちしてましたよ、ツカサくん」
ツカサ「…アンタは?」
?「これは失礼、私はマナミのマネージャーのゴウハラです」
ゴウハラ「スクールアイドルの顧問兼マネージャーは大変なお仕事ですが…とてもやりがいのある楽しいお仕事でもあります」
ゴウハラ「『ポレポレ』のファンの皆さんの笑顔のために…共に頑張りましょう」ニカッ
雪穂(そう言ってゴウハラさんは…笑顔でツカサに手を差し出した)
雪穂(今時、こんなに誠実そうな人はなかなかいない…私はそう思った)
雪穂(でも…ツカサはそんなゴウハラさんの握手には応じなかった)
ツカサ「…ところで、肝心の『ポレポレ』の姿が見えないが」
ゴウハラ「彼女達ならこれからステージに出てきますよ…ほら」
ニコ「こんにちはー!」
雪穂(ステージ袖から『ポレポレ』の二人が現れ…会場内から歓声があがった)
雪穂(ニコさんは…間違いない、私達の知ってるにこさんと全く同じ姿だ)
雪穂(一方のマナミさんは…ふわふわしたくせ毛と幼い顔立ちに小さく華奢なその姿は、まさに『美少女』だ)
雪穂(そんな二人のスクールアイドルとしての挨拶が始まった)
ニコ「それでは皆さんご一緒に…にっこにっこにー!」
観客「にっこにっこにー!」
ニコ「笑顔届ける矢澤ニコニコ~ニコニーって覚えてラブニコ♡」
観客「ニコニー!!」
雪穂「すごい人気…」
亜里沙「さすがはニコさん、だね!」
マナミ「みんなー!私が欲しいかぁ~!?」
観客「欲しい~!」
マナミ「ありがとー!マナミンことヤシロマナミです!」
マナミ「今日は私達の新曲をたくさん聴いて、明日の地区予選を一緒に楽しみましょー!」
観衆「マーナミーン!!」
雪穂「マナミさんもすごい人気…」
亜里沙「マーナミーン!」
雪穂「亜里沙までコールしてるし…ん?」
ツカサ「…」
雪穂「ツカサ…どうかした?やけに怖い顔してるけど」
ツカサ「…気にするな」
雪穂「そう?…ならいいけど」
ゴウハラ「それでは…私は彼女達の握手会の準備をするので、この辺で」
雪穂「あれ…ツカサを手伝わせなくていいんですか?」
ゴウハラ「なあに、ツカサくんには明日の地区予選でしっかりマネジメントしてもらいますから」
ゴウハラ「なので…今日はもう帰ってゆっくり休んでください」
ツカサ「そうか、それじゃ…その言葉に甘えるとしよう」
雪穂「何様のつもりなの、ホント…」
亜里沙「ツカサ、雪穂!私も握手会に参加したい!」
ゴウハラ「それならぜひ…彼女達も喜びます」
ツカサ「いや、悪いが…オレ達はここで帰らせてもらう」
ゴウハラ「そうですか…それは残念です」
亜里沙「えっ、帰るの…?」シュン
ツカサ「うっ…そんな顔するな!後でお前の好物作ってやるから!」
亜里沙「本当!?」パアッ
雪穂(どっちもチョロいなぁ)
ゴウハラ「そうだ…もし良かったら、これをあなた達に」
雪穂(そう言うとゴウハラさんは私と亜里沙にそれぞれチケットを一枚ずつ渡した)
雪穂(チケットには『スクールアイドル地区予選大会 関係者席』と書かれていた)
亜里沙「これって…もしかして!」
雪穂「良いんですか…?」
ゴウハラ「はい!関係者席のチケットが偶然、余りましたので…ぜひお越しください」
亜里沙「やった…やったよ雪穂!」
雪穂「う、うん…ありがとうございます!」
ゴウハラ「いえいえ、私はポレポレのファンの皆さんの笑顔のためなら出来る限りの事はやりたいですから」ニカッ
ツカサ「…」フン
雪穂(私達はゴウハラさんから明日の地区予選大会のチケットを貰って…写真館へ帰ることにした)
雪穂(写真館に帰ってきた私達は…晩ご飯を済ませた後、それぞれのことをして過ごしていた)
雪穂(ツカサは洗い物、亜里沙はイヤホンをしながらPCで『ポレポレ』の曲を聴いていた)
雪穂(私は朝にツカサからもらった新聞を読んで、この世界の情報収集をしていた)
雪穂「…ん?」
『古代遺跡に眠る碑文解読』
雪穂「これって…ツカサ!」
ツカサ「何だ、騒々しい…」スタスタ
雪穂(洗い物を終わらせたツカサが台所から出てきた)
雪穂「これ…」
ツカサ「…?」
『城南大学のサワタリ教授率いる古代遺跡発掘チームは多くの古代文字を解析することに成功した』
『また未確認生命体2号及び4号の腹部の装飾品に記された古代文字も解読された』
雪穂「腹部の装飾品って…?」
ツカサ「クウガのベルトの事だろうな」
雪穂「なるほど…それが、この文章みたい」
『心清く体健やかなる者にこれを身に付けよ さらば戦士クウガとならん ひとたび身に付ければ 永遠に汝と共にありてその力となるべし』
ツカサ「ふむ…」
雪穂「それと…こんな碑文もあったみたいなんだけど」
『邪悪なる者あらば 希望の霊石を身に付け 炎の如く邪悪を打ち倒す戦士あり』
ツカサ「これは…おそらく赤いクウガの事だろうな」
雪穂「この世界のニコさんが変身してる白いクウガについては、何も書かれていなかったけど…」
雪穂「そういえば、本来は白も赤も同じクウガって言ってたよね…?」
ツカサ「ああ、本来のクウガは赤が基本の形態で…あの白いクウガは不完全な形態だ」
ツカサ「ただ…何かが引っ掛かる」
雪穂「どういうこと…?」
雪穂(ツカサは新聞に載っている赤いクウガの写真を私に見せた)
ツカサ「写真だからなんとなくとしか言えないが…オレの見たニコの白いクウガとは違うクウガのような気がするんだ」
雪穂「なんとなくって…分かるもんなの?」
ツカサ「だいたい…だがな」
雪穂「またそれかぁ…」ハァ
雪穂(すると、曲を聴いていた亜里沙が急に立ち上がりこう叫んだ)
亜里沙「リントギベー!」ガタッ
ツカサ「!?」
雪穂「うわぁ!ビックリした…どうしたの亜里沙」
亜里沙「あっ、ごめん雪穂…実は今『ポレポレ』の曲を聴いていたらそれぞれのソロ曲もあって…」
雪穂「ソロ曲?」
亜里沙「うん!ニコさんの方は『まほうつかいはじめました!』っていう曲で…」
亜里沙「マナミさんの方は『ring to give』っていうんだけど、これがすっごく面白い曲で…」
雪穂「へぇ…そうなんだ、ちょっと聞かせて?」
亜里沙「うん!」
ツカサ「…」
雪穂(私は亜里沙からPCとイヤホンを借り、マナミさんの『ring to give』のサビを聴いた)
『ring to give』
GIVE GO BARONJI
いつもいつも SEE NAME YOU!(GIVE! GIVE!)
(get-get,luz yeah!)
ドキドキハートで Boy so gig GIVE! GIVE!
(GIVE GIVE,Ah~~~~~~ GIVE GIVE GIVE ME!!)
何度でもこうしたい 身体をビリビリと
いただきたいの 君をいま求めてるよ…
ring to give?
雪穂「へぇ…なかなか斬新な曲だけど、歌詞も曲調もアイドルらしくてかわいいね!」
亜里沙「うん!」
ツカサ「なぁ…その曲、オレにも聞かせてもらえるか?」
雪穂「えっ?う、うん…」
雪穂(私がPCとイヤホンを渡すと、ツカサはしばらく険しい顔をしながら『ring to give』を聴いていた)
亜里沙「どうかしたの、ツカサ…?」
ツカサ「…いや、何でもない」
雪穂「えっ、でも…」
ツカサ「いいんだ」
雪穂(ツカサはそう言って亜里沙にPCとイヤホンを返すと…リモコンを持って、テレビの電源を入れた)
雪穂(そこにはニュース番組が流れていた)
雪穂(すると…さっきの『ポレポレ』の握手会に参加した人の中の数人が突然、命を落としたという内容のニュースが流れた)
亜里沙「ウソ…」
ツカサ「…なるほど、だいたいわかった」
雪穂「え?」
雪穂(私がツカサにどういう意味で言ったのか聞こうとした時…緊急のニュースが入ってきた)
雪穂(未確認生命体9号がこの近くに現れたようだ)
ツカサ「…いよいよ、オレの出番か」スタスタ
雪穂(ツカサは写真館を出ようと部屋のドアを開ける)
ガチャ
雪穂「…待って、ツカサ!」
ツカサ「?」クルッ
雪穂「気をつけてね…?」
亜里沙「行ってらっしゃい!」
ツカサ「…ああ」バタン
雪穂(私は結局…さっきのニュースのことについて、ツカサに何も聞かなかった)
雪穂(いや…聞けなかったのかもしれない)
雪穂(ツカサのあの険しい表情の意味を…この時の私は、まだよく分かっていなかった)
ニコ(ニコは急いで、未確認生命体9号が現れた場所に向かっていた)
ニコ(すると…お猿さんのような姿をした化け物が、何かを探すように辺りを見回していた)
ニコ「いた…ちょっと待ちなさいアンタ!」
ザルボ「
ニコ「ニコが来たからには…もう容赦しないんだから」
ザルボ「フン…
ニコ「行くわよ!」
ニコ(ニコは9号に右手でパンチをぶつけると、右手が変化した)
ニコ(続いて左足でキックすると、左足も変化し…)
ニコ(左手のパンチを当て最後に右足で9号に回し蹴りをすると…私は白いクウガに変身した)
ザルボ「クウガ…!?」
クウガ「そう、クウガよ…」
ザルボ「
クウガ「相変わらずアンタ達、何言ってるか分かんないわね…ふんっ!」
クウガ(焦った様子の9号に私はそう言ってパンチを振るう)
クウガ(…でも、9号は私のパンチを手のひらで受け止めていた)
クウガ「なっ…!?」
ザルボ「
クウガ(9号がそう言った瞬間、私は反撃されて吹き飛ばれてしまった…)
クウガ「うっ…」
クウガ(倒れる私に…9号は近づく)
ザルボ「
バン!
ザルボ「グッ…」
ニコの母「ニコ!大丈夫!?」
クウガ(そこへママが9号をピストルで攻撃しながらやってきた)
クウガ「ママ…」
ザルボ「
クウガ(怒った9号はママに襲いかかろうとする)
ニコの母「…!」
クウガ「ママ、危ない!」
クウガ(その瞬間…見覚えのある一人の少年が私達と9号の間に入ってきて、9号に右手でパンチした)
ツカサ「ハッ!」ゴッ!
ザルボ「ガッ…!」
クウガ「!?」
ニコの母「あなた、さっきの…」
ツカサ「間に合ったようだな?」
クウガ「アンタ…なんで」
ツカサ「アイドルを守るのは…マネージャーの仕事だからな」
クウガ「…!」
ツカサ「ここはオレに任せろ」
クウガ(彼は見たことのないベルトをお腹に巻き、一枚のカードを9号に見せつけるように取り出した)
ツカサ「変身!」
クウガ(彼はそう言ってベルトにカードを入れ、開いていたバックルを閉じた)
『カメンライド…ディケイド!』
クウガ(すると、彼は光り輝き…姿を変えた)
ニコの母「未確認…10号?」
ディケイド「違うな…これは『ディケイド』だ」
ザルボ「
ディケイド「何だ、お前…オレを知っているのか?」
ザルボ「
クウガ(9号はディケイドに殴りかかっていった、でも…)
ディケイド「答える気はないってか」ヒョイ
クウガ(ディケイドは9号の攻撃を簡単に避けると、左腰のホルダーから一枚のカードを取り出してベルトに入れた)
『アタックライド…スラッシュ!』
クウガ(ホルダーは剣のような形をした武器になり、ディケイドはその武器で9号を斬りつけた)
ディケイド「はっ!」ザシュッ!
ザルボ「ウグッ…」
クウガ(9号を怯ませたディケイドはまた一枚、カードを取り出してベルトに入れた)
ディケイド「これで終わりだ」
『ファイナルアタックライド…ディ・ディ・ディ・ディケイド!』
クウガ(すると、ディケイドと9号の間に数枚の大きなカードのようなものが現れる)
ディケイド「やあーっ!」
クウガ(ディケイドがそれを全て潜り抜けると同時に…9号を思いきり斬りつけた)
ザルボ「!」
クウガ(ディケイドの攻撃をまともに受けた9号は耐えきれず…爆発した)
クウガ「そんな…あの子、9号をあっという間にやっつけちゃった」
ディケイド「…じゃあな」スタスタ
クウガ(戦いが終わって、ディケイドがどこかへ行こうとしたその時…)
ニコの母「待ちなさい」スチャ
クウガ(ママが…ディケイドにピストルを向けていた)
ディケイド「!」
ニコの母「動かないで」
クウガ「ママ!?」
ニコの母「未確認10号、まさかこのまま帰れるとでも思ってないでしょうね…?」
ディケイド「やれやれ…どうやら面倒な事になったみたいだな」
ニコの母「御託はいいわ、早く人間の姿に戻りなさい」
ディケイド「全く…仕方ない」ハァ
クウガ(ディケイドが変身を解くと…ママはピストルを構えたまま、少年にゆっくりと近づく)
ニコ(それを見ていた私はいつの間にか変身が解けていた)
ニコ「ママ…」
ニコの母「…」
ツカサ「…」
ニコ(少年とママはしばらくお互いをジッと見合っていた、そして…)
ニコの母「その右手…見せてみなさい」
ツカサ「…?」スッ
ニコ(少年はママに右手を見せた)
ニコの母「やっぱりね…」ハァ
ニコの母「きっと、さっき9号から私達を助けてくれた時にできたものね…少しアザになってるわ」
ツカサ「これか…この程度の怪我なら心配ない」
ニコの母「ダメよ」
ツカサ「なっ…!?」
ニコの母「全くしょーがないわね…無茶するところ、まるで誰かさんにそっくりだわ」
ニコの母「ニコは大丈夫?」
ニコ「あっ、ニコはベルトの力のおかげでなんともないけど…」
ニコの母「そう…それなら良かったわ」ホッ
ニコの母「じゃあ、このマネージャーさんをお家に連れて手当てしてあげてくれないかしら?」
ニコ「はぁ!?」
ツカサ「はぁ!?」
ニコ「ちょっ、ちょっと待ってママ!なんでニコが…」
ツカサ「オレも同じ意見だ…この程度、問題ない」
ニコの母「はいはい、二人とも文句言わないの!」
ニコの母「ママは他の刑事さんが来るまで、やらなきゃいけない事があるから…」
ニコ(ママがそう言うと…パトカーのサイレン音が聞こえてきた)
ニコの母「ニコ…クウガの正体、私やマネージャーさん以外にバレてもいいの?」
ニコ「うっ、それは…」
ニコの母「君…長い事情聴取や身体検査、受ける事になってもいいの?」
ツカサ「それは…もっと面倒だな」
ニコの母「分かればよろしい…ほら、早く行きなさい!」
ニコ「は、は~い…」
ツカサ「…」
ニコ(ニコ達はママに急かされ、現場を後にした)
ニコの母「それにしても…」
ニコの母「あのマネージャーの子、どこかで見たことある気がするわね…?」
ニコ「ここよ」
ツカサ(オレ達はニコの家に辿り着いた)
ツカサ(ニコの家はアイドルらしいイメージとはまるで正反対な…古いタイプの木造住宅だった)
ツカサ「そうか…ここがアンタの家か」
ニコ「そうよ…何よ、悪い?」
ツカサ「…いや、別に」
ニコ「いい?私はママに頼まれて仕方なく、アンタを家に連れてきただけなんだからね?」
ニコ「手当てしたらすぐ帰りなさいよ…分かった?」
ツカサ「…別にこっちは頼んでいないがな」
ニコ「アンタねぇ…!」ワナワナ
ガチャ
ツカサ(すると…玄関のドアが開き、双子の少女が揃って顔を出した)
?「ニコニーだ!おかえりなさい!」
?「まってたニコ!おかえりニコニー!」
ツカサ(双子の少女は同時にニコに抱きついた)
ニコ「あら二人とも…ただいま」
ツカサ(双子の少女を見た途端、ニコは優しく微笑んだ)
ニコ「ちゃんと晩ご飯は食べた?」
?「うん!のこさずたべたニコ!」
?「おいしかったニコ!」
ツカサ「…妹か?」
ニコ「ええ、ココロとココアよ」
ココロ「!」サッ
ココア「!」ササッ
ツカサ(双子は人見知りなのか…オレを見て、すぐにニコの後ろに隠れた)
ココロ「ニコニー、おともだち…?」
ニコ「違うわ、この子は…えーっと…」
ツカサ(怯えている双子にオレはしゃがんで挨拶をした)
ツカサ「初めまして…だな、オレはニコのお友達のツカサだ」
ニコ「なっ!?アンタ…」
ツカサ「いきなりだが…二人はお姉ちゃん、好きか?」
ツカサ(オレがそう聞くと、二人はすぐに頷いた)
ココロ「だいすきニコ!」
ココア「ココアも!」
ツカサ「そうか…お姉ちゃんは幸せ者だな」
ココア「ねえ…おにいちゃんはニコニーのこと、だいすきニコ?」
ツカサ「ん?」
ニコ「えっ…ちょっとココア!?」
ツカサ「うーん、どうだろうな?」
ツカサ「でも…嫌いじゃないぞ?」
ツカサ「今のを見て…とっても優しいお姉ちゃんだなと思った」
ニコ「…///」
ツカサ「…どうした、顔が赤くなってるぞ?」
ニコ「う、うるさいわね!なってないわよ!」アセアセ
ツカサ「はぁ…?」
ココロ「おにいちゃん、はじめてあったけどやさしいニコ!」
ココア「おにいちゃん、いっしょにあそぶニコ!おうちにはいるニコ!」
ココロ「ココアズルい!おにいちゃんといっしょにあそぶのはココロニコ!」
ココア「ぶぅー、ココアはズルくないもーん!」
ツカサ(双子はそう言い合いながらオレを家に招き入れようと引っ張っていく)
ツカサ「待て待て…そんなに引っ張ってもオレは一人しかいないぞ?遊ぶなら一緒にな」
ココロ「わぁーいニコ!」
ココア「わぁーいニコ!」
ツカサ(オレは双子に引っ張られるがまま、ニコの家に入っていく)
ニコ「あっ…ちょっと待ちなさい!」
ココア「ところでおにいちゃんはママのむかしのみょうじ、しってるニコ?」トテトテ
ツカサ「突然だな…いや、聞いたことないな」スタスタ
ココロ「ママのむかしのみょうじは『イチジョウ』っていうニコ!」トテトテ
ツカサ「なるほどな…だいたい分かった」
ニコ「聞きなさいよ!」
ニコ「妹達に付き合うなら、私がちゃんと手当てしてからにしなさいよ!?」ダッ
ツカサ(オレはニコからケガの手当てをしてもらった後、少しの間だけ双子と遊んだ)
ツカサ(双子は満足したのか、今は寝室でスヤスヤと眠っている)
ツカサ(双子の幸せそうな寝顔を見たニコは寝室の引き戸をゆっくりと閉めた)
ニコ「…」フゥ
ニコ「アンタ、どういうつもり…?」クルッ
ツカサ「別に…オレがあの子達と遊びたくなっただけだ」
ニコ「…ニコはアンタのこと、マネージャーだと認めたわけじゃないから」
ツカサ「…勝手にしろ」
ニコ「…というかアンタ、もうケガの手当てしたんだからさっさと帰りなさいよ?」
ツカサ「そうだな…だが、その前にいくつか聞きたいことがある」
ニコ「何よ…?」
ツカサ「白いクウガにしかなれないのは、どういう事だ?」
ニコ「はぁ?」
ツカサ「本来、クウガの姿は赤のはずだ…」
ツカサ「それがずっと引っかかっていた」
ニコ「…そんなの、ニコが知りたいわよ」
ニコ「大体、ニコはクウガになってからずっと白にしかなったことないし…」
ツカサ「…そうか、じゃあなぜクウガになったんだ?」
ニコ「…ニコがそんなこと、会って間もないアンタに話すと思う?」
ツカサ「思わないが…一応、聞いてみたくなってな」
ニコ「…全くしょーがないわねー」ハァ
ニコ「スクールアイドルの番組ロケで遺跡に行ったのよ」
ツカサ「ロケ?」
ニコ「ええ、その時にクウガのベルトをゴウハラさんが見つけて…」
ニコ「マナミが『ニコニーなら似合うと思う、着けてみて!』って言われて…」
ニコ「それで着けてみたら、ベルトがニコの身体の中にスッと入っていって…」
ニコ「その直後に未確認1号が私達を襲ってきて…」
ニコ「他の人達が犠牲になっていく中で、ママが助けには来てくれたんだけど…」
ニコ「1号がママやマナミ達を襲おうとして…」
ツカサ「それを助けようとして…クウガになったのか?」
ニコ「ええ、そんな感じよ」
ツカサ「マナミとはどういう関係なんだ?」
ニコ「あの子は…もともと、地元でちょっと有名な不良だったの」
ツカサ「不良…?」
ニコ「ええ、でも…スクールアイドルのことを知ってからすごく興味を持ったみたいで」
ニコ「『不良はやめる、だからアイドル研究部に入れてほしい』って…しつこくお願いされたから、一緒にやることになったの」
ニコ「始めたばかりの頃のあの子は全然ダメダメだったけど、やる気はニコに負けないくらいあったわね…」
ニコ「今ではたまにニコと一緒にアイドルのライブDVDを見たり、ライブで色々なアイディアを思いついたり…」
ニコ「素直でとっても良い子だと思うわ…まあ、かわいさはニコの方が断然あるけど!」フフン
ツカサ「…」
ニコ「何とか言いなさいよ!」
ツカサ「…『素直でとっても良い子』か、果たしてどうだろうな?」
ニコ「はぁ?どういう意味よ…それ」
ツカサ「すぐに分かる」
ニコ「…まあ、いいわ」ハァ
ツカサ「それにしても…スクールアイドルとクウガの両立は大変じゃないのか?」
ニコ「はぁ?」
ツカサ「アンタはスクールアイドルだ、そのうえクウガとして未確認と戦って…疲れているだろうと思ってな」
ツカサ「何ならマネージャーのオレが、代わりに他の未確認を倒してやってもいいぞ?」
ニコ「…!」
ツカサ「皆を笑顔にするため…ならな」フフン
ニコ「…アンタ、それ本気で言ってるの?」ガタッ
ツカサ「…?」
ツカサ(ニコはそう言うと、オレを追い出そうと玄関まで押し出す)
ツカサ「おい!一体何を…」
ニコ「アンタなんかに何が分かるのよ!?」
ツカサ「…!」
ニコ「皆を笑顔にする…?バカなこと言わないで」
ニコ「急にやってきたアンタが…いい加減な気持ちでそれを言わないでよ!」
ツカサ「アンタ…!」
ニコ「…いいからもう今日は帰りなさい、明日は地区予選なんだから」
ニコ「本当に皆を笑顔にさせるのは…スクールアイドルである私とマナミだけでいいの」
ツカサ「だが…」
ニコ「早く帰って!」ドン!
ツカサ「うわっ!」
バタン!
ツカサ(オレはニコに押され、家を追い出されてしまった)
ツカサ「おい!…困ったもんだ」ハァ
ツカサ(オレはそのまま写真館へと帰る事にした)
ツカサ「…」チラッ
ツカサ(オレはニコに巻いてもらった包帯を眺めていた)
ツカサ「…明日、か」
ツカサ(そう、全ては明日だ)
ツカサ(オレは…何としてでも、止めなければならない)
ツカサ(地区予選大会で、多くの人々が犠牲になる前に…)
ツカサ(ヤツらの正体を…早く明かさなければ)
雪穂(翌日、私達はスクールアイドル地区予選大会の会場に来ていた)
雪穂(『ポレポレ』の出番は…あともう少しだ)
亜里沙「もうすぐだね、雪穂!」
雪穂「…うん」
亜里沙「あれ…どうかしたの?」
雪穂「え?あっ…ううん、なんでもない!」
亜里沙「そう…」
雪穂(私は…昨日のツカサのあの険しい表情がどういう意味だったのか、ずっと気になっていた)
雪穂(もしかして…マナミさんに何かあるのかな?)
亜里沙「ねぇ、雪穂…」
雪穂「何?」
亜里沙「雪穂はライブ…楽しみじゃないの?」
雪穂「えっ…いやいや、そんなことないよ!もうすっごく楽しみ!」
亜里沙「本当に…?」
雪穂「ホントホント!」
亜里沙「…それなら良かった!」ニコッ
雪穂(いけない…ツカサだけじゃなく私まで考え込んでいたら、亜里沙を心配させてしまう)
雪穂(私は昨日のことを忘れて、思いきり楽しむことにした)
雪穂(そうだ、今はこれで…)
ツカサ「…」コンコン
ツカサ(オレは『ポレポレ』の控え室の扉をノックした)
ドウゾー
ツカサ「…」ガチャ
ツカサ(扉を開け、控え室に入ると…そこにはステージ衣装を着たマナミがいた)
マナミ「あれ、ニコニーのマネージャーさん?」
ツカサ「…ニコは?」
マナミ「ニコニーなら…『一人で集中したい』って言って、さっき出て行ったよ?」
ツカサ「そうか…それならちょうど良かった」
マナミ「ちょうど良かったって…どういうこと?」
ツカサ「ああ、お前と話がしたいと思ってな」
マナミ「へぇ…話って何?」
ツカサ「…
マナミ「!?」
ツカサ(オレがそう言うと、マナミは少し驚いた表情をした)
マナミ「フフッ、君…もしかしてふざけてるの?」
ツカサ「オレは大真面目だ」
マナミ「へぇ…面白いね、君」
ツカサ「オレは全然面白くないがな」
ツカサ「それにしても驚いたな…まさか、人間の言葉を流暢に話せるグロンギがいるなんてな」
マナミ「グロンギ…?」
ツカサ「
ツカサ「お前は香水で誤魔化しているつもりだろうが…血の臭いは隠せないぞ?」
マナミ「…そう、スゴいね君」
マナミ「でも…マナミンだって、まさか
ツカサ「…」
マナミ「…どこで私がグロンギだって確信したの?」
ツカサ「最初からだ…と言いたい所だが、まだあの時は十分な証拠が無かったからな」
マナミ「…」
ツカサ「だが、お前のソロ曲を聴いた時…オレは確信した」
マナミ「へぇ…マナミンの曲、聴いてくれたんだ?」
ツカサ「ああ、所々がお前らの言葉で発音してたからな…気にならないわけがない」
ツカサ「そして…特に気になったのは『Ring to give』だ」
マナミ「…!」
ツカサ「お前…『Ring to give』をわざと『リントギベ』と発音してただろ?」
マナミ「…」
ツカサ「『リント』は人間、『ギベ』は…」
ツカサ(オレがグロンギ語の意味を説明していると…マナミは突然、笑い始めた)
マナミ「アハハハハ!」
ツカサ「…」
マナミ「あー、チョーウケる…それで?」
ツカサ「…握手会に参加した人々が犠牲になったのも、お前の仕業だな?」
マナミ「…」
ツカサ「答えろ」
マナミ「フフッ…うん、そうだよ?」
マナミ「何人か距離が近過ぎて、嫌だったから…私が消しちゃったの」
マナミ「私に課せられた
ツカサ「お前…」
?「そういうことだったのね」
ツカサ「!」クルッ
ツカサ(オレが振り返ると、そこには腕を組んで立っているニコがいた)
ニコ「『リント』だの『ギベ』だの…なーんかどっかで聞いたことがあるから、おかしいと思ってたのよねぇ」ハァ
ニコ「スクールアイドルを一緒に始めてからキャラを変えたりして、やけに張り切ってると思ってたけど…」スタスタ
ツカサ(ニコはマナミに近づいていく)
ツカサ「ニコ…」
ニコ「アンタ…それ、本気で言ってるの?」
マナミ「…」
ニコ「…本気だったら許さないわよ」
マナミ「ニコニー…」
ガッ!
ツカサ(ニコはマナミの両肩を掴み、揺さぶった)
ニコ「答えて!」ユサユサ
ニコ「どうしてそんなことしたのよ!?」
マナミ「…」
ニコ「私達はアイドルなのよ…?」
ニコ「皆を笑顔にさせるのが私達の仕事なのよ!?」
ニコ「ファンの人達の命を奪って…何が楽しいのよ!?」
マナミ「ふふっ…ニコニーったらこわ~い」
ニコ「…アンタねぇ!」
パシッ
ニコ「!」
ツカサ(マナミはニコから離れ、背を向けてこう言った)
マナミ「あーあ…」
マナミ「本当なら今頃、会場にいる皆に…ライブの演出で私の毒が入った水をかけていたのにな」ハァ
ニコ「!」
ツカサ「…まさか、それがお前のもう一つの『
マナミ「アハハッ、当たり~!」クルッ
マナミ「人間なんて生きてる価値ないんだから…皆いなくなっちゃえばいいんだよ」
ニコ「…!!」
マナミ「ニコニーもそう思わない?」
ニコ「…思うわけ、ないでしょ」グッ
ツカサ(ニコは小さな拳を握りしめていた)
マナミ「そっか…まぁ、そうだよね」
マナミ「ニコニーは人間だもんね?」
ニコ「…絶対に許さない」
ニコ「ニコが、アンタを…止めてみせる」
マナミ「へぇ…できると思うの?」
ニコ「…」
マナミ「そっか、じゃあ…ニコニーとはもうお別れだね」
マナミ「…さよなら」
ツカサ(そう言うとマナミはクラゲのグロンギ怪人…ゲラグに姿を変えた)
ゲラグ「ハッ!」シュルッ
ニコ「!?」
ツカサ(ゲラグは瞬時に触手を伸ばし、ニコの首に巻きつけ締め上げた)
ニコ「ううっ…」グググ
ツカサ「ニコ!」ダダッ
?「待ちなさい」ガシッ
ツカサ(オレがニコのもとへ駆けつけようとすると…何者かがオレの肩を掴んだ)
ツカサ「?」クルッ
ゴッ!
ツカサ「うわっ!」
ツカサ(振り返ったオレを殴ったのは、マナミのマネージャーのゴウハラだった)
ゴウハラ「困るんですよ…『
ツカサ「…やはり、お前もグロンギか」
ゴウハラ「ええ…しかし、驚きました」
ゴウハラ「私の『
ツカサ「お前…なぜオレが、ディケイドだと?」
ゴウハラ「昨日のザルボとの戦い…近くでしっかりと見させていただきましたからね」
ツカサ「なっ…!」
ゴウハラ「フフフ…」
ツカサ(次にゴウハラは首を絞められているニコに向けてこう言った)
ゴウハラ「しかし、
ゴウハラ「最も…私の作戦通り、ですがね」
ニコ「…!」グググ
ゴウハラ「…ゲラグ、そちらは頼みましたよ」
ゲラグ「うん!」
ゴウハラ「さて、それでは私も…」
ツカサ(ゴウハラはライオンのようなグロンギ怪人…ゴ・ライオ・ダに姿を変えた)
ライオ「始めましょうか…はっ!」ボウッ!
ツカサ「…くっ!」サッ
『カメンライド…ディケイド!』
ディケイド(オレはギリギリのところで、ライオが繰り出した火球を避け…ディケイドに変身した)
ライオ「ほう…?なかなかやりますね」
ディケイド「くっ…」
ディケイド(早くしないと、ニコが危ない…)
ニコ「うっ…」グググ
ゲラグ「…あれ、もしかして抵抗してる?」
ニコ「うわぁぁぁぁっ!!」ブチッ!
ディケイド「!」
ディケイド(ニコは叫びながら、白いクウガに変身し…巻きつけられた触手を千切った)
ゲラグ「へぇ…やるじゃん」
クウガ「…」
ディケイド「ニコ!」
ゴッ!ガッ!
ディケイド「ぐはっ…!」
ディケイド(ライオがオレに二発の火球をぶつけてくる)
ライオ「こんな時によそ見ですか、随分と余裕ですね…ハッ!」ボウッ!
ディケイド「ぐっ…うわぁっ!」
ディケイド(火球をまともに受けたオレは壁を突き破り、会場の外へと吹き飛んでしまった…)
ディケイド(ライオは外まで吹き飛んだオレを追撃しようと迫ってくる)
ディケイド「くっ、オレとしたことが…ん?」
ポツッ…
ディケイド(空にはいつの間にか暗雲が立ちこめ、雨粒が降り始めていた)
ディケイド「…雨か」
ディケイド(オレには、まるでこの空が誰かの代わりに泣いているような…)
ディケイド(そんな気がして…ならなかった)
ディケイド(小雨が降っている中で、オレは一枚のカードをベルトに装填した)
『アタックライド…ブラスト!』
ディケイド「はっ!」ガガッ
ディケイド(オレは左腰に着けたライドブッカーを銃の形に変え、ライオに向かってエネルギー弾を発射する…が)
ライオ「フン、この程度ですか…」
ディケイド「なっ…効いてないだと!?」
ライオ「まだまだ、こんなものではありませんよ…ハッ!」ボウッ
ディケイド「ぐっ!」
ディケイド(その直後、ライオが放った火球が直撃し…オレはまた吹っ飛んだ)
ディケイド「うっ…」
ライオ「結局、甘いんですよ…あなた達人間は」
ライオ「仕留めるなら一撃で再生不能にしなくては、ね!」ボウッ!!
ディケイド(ライオは今までで一番、大きな火球をオレにぶつけた)
ディケイド「うわぁっ!!」
ディケイド(ライオの火球をまともに受けたオレは変身が解けてしまった)
ツカサ「くっ…」
ライオ「…しかし
ライオ「少なくとも…かつては我々同様、プライドを持った種族のはずでした」
ライオ「それが今は…スクールアイドルという偶像ごときで皆が笑顔になる、本当に馬鹿だ」
ツカサ「!」
ライオ「馬鹿は…いなくなるべきなんです」
ツカサ「なん…だと?」
ライオ「さて、そろそろトドメとしましょうか…それでは」
ライオ「さようなら」
ツカサ(ライオが生身のオレに火球を放とうとしたその時だった)
?「させないわ」
ガガッ!
ツカサ(どこからか放たれた数発の銃弾が…ライオに命中した)
ライオ「ぐっ!?」
ツカサ「…!」クルッ
ツカサ(オレが振り返ると…そこには白い制服を着た少女が立っていた)
?「…」
ツカサ(その少女は…特徴的な形をしたシアンカラーの銃を持っていた)
ライオ「何者ですか、あなたは?」
?「…私の名前は『綺羅ツバサ』」
ツバサ「またの名を…」サッ
ツカサ(少女は取り出した一枚のカードを銃に装填し、真上に向けて発射した)
ツバサ「変身!」
『カメンライド…ディ・エンド!』
ツカサ(やがて蒼い光が彼女を包み込み…姿を変えた)
ディエンド「『ディエンド』」
ツカサ「『ディエンド』…だと?」
ライオ「困りますね…私の『
ディエンド「あら、邪魔をしているのは…あなたの方よ?」
ツカサ(ディエンドはそう言いながら…一枚のカードを取り出し、銃に装填した)
『カメンライド…クウガ!』
ディエンド「はっ!」
ツカサ(ディエンドはライオに銃を向けて引き金を引くと、彼女の目の前に赤いクウガが現れた)
4号「悪魔を倒すためなら…俺は悪魔にだってなってやる!」
ライオ「ほう、クウガがもう一人いたとは…」
ディエンド「…行ってらっしゃい」
4号「はぁっ!」ダッ
ツカサ(赤いクウガはライオに立ち向かって行った)
ツカサ(赤いクウガとライオが殴り合いを繰り広げている間に…ディエンドはオレのもとにやってきて手を伸ばしてきた)
ディエンド「立てるかしら?」サッ
ツカサ「…」
ツカサ(オレはその手を掴まず、自力で立ち上がった)
ツカサ「あの赤いクウガは…?」
ディエンド「ええ、私が召喚した別の世界のクウガよ…この世界では未確認生命体4号という扱いになっているわ」
ディエンド「本来なら…『彼女』がなるべきなんだけどね」
ツカサ「ニコの事か…ところでアンタ、何者だ?」
ディエンド「言ったでしょ、私は『ディエンド』」
ディエンド「あなたと同じ…通りすがりの仮面ライダーよ」
ツカサ「…何でオレを助けた?」
ディエンド「簡単な話よ…私は今、やりたい事をやっただけ」フフッ
ツカサ「…」
4号「やあっ!」ガッ
ツカサ(オレとディエンドが話をしていると…赤いクウガはライオに跳び蹴りを命中させて、消失した)
ライオ「グッ…」
ツカサ(ライオの全身に赤いクウガの封印エネルギーが流れ込みライオは苦しみ出すが…)
ライオ「ハアッ!」
ツカサ(たてがみにエネルギーが収束していくと突然、放射状に開かれ封印エネルギーの全てが放出されてしまった)
ツカサ「なっ…!」
ツカサ(それと同時に…ライオはゴウハラに姿を戻した)
ディエンド「…」
ゴウハラ「フハ…フハハハハ!」
ツカサ(不敵に笑うゴウハラ…しかしその瞬間、ディエンドが叫んだ)
ディエンド「伏せて!!」サッ
ツカサ「!?」サッ
バン!
ゴウハラ「!」
ツカサ(オレとディエンドが伏せると、どこからか銃弾が放たれる音がした)
ツカサ(少ししてオレとディエンドが立ち上がると…)
ツカサ(そこにはもう…ゴウハラの姿はなかった)
ツカサ「これは、一体…?」
?「3号!ツカサくん!」
ツカサ(ニコの母がライフルを持って駆けつけてきた)
ツカサ「…3号?」
ツカサ(ディエンドは変身を解き、ツバサの姿に戻った)
ツバサ「ふぅ…」
ニコの母「お疲れ様…大丈夫?」
ツバサ「はい、私は大丈夫です」
ニコの母「ツカサくんは…ひどいケガじゃない!?」
ツカサ「…大丈夫だ、これくらい問題ない」
ニコの母「ダメよ!後で手当てしないと…」
ツバサ「ところで矢澤さん…私が持ってきた『お宝』はどうですか?」
ニコの母「あっ…ええ、暴発の可能性があるから安定性を改良する必要はありそうだけど…効果は抜群といったところかしら」
ツカサ「…『お宝』?」
ニコの母「未確認を倒す効果がある『神経断裂弾』の強化型のことよ」
ニコの母「3号…いえ、彼女はそのデータを私に持ってきてくれたの」
ツバサ「私…この世界では未確認生命体3号ということになっているの」
ツカサ「はぁ?」
ツバサ「4号を召喚したり『神経断裂弾』のデータを渡したりして、警察に協力しているわ」
ツカサ「なるほど…そういう事か、だいたいわかった」
ツカサ(オレ達が話していると…少し離れた場所から何かが爆発する音が聞こえてきた)
ニコの母「今の音は…何!?」
ツカサ「…そうだ、ニコ!」
ニコの母「えっ、ニコも戦っているの!?」
ツカサ「ああ、グロンギだったマナミとな…」
ニコの母「…!」
ツカサ「こうしちゃいられない…急ぐぞ!」ダダッ
ニコの母「…ええ!」ダダッ
ツカサ(オレとニコの母は一緒に爆発音がした方へと走り出した)
ツバサ「…」
ツカサ(雨が強くなる中、オレとニコの母は爆発音がした場所へと急行していた)
ニコの母「ニコ…無事でいて」
ツカサ(やがて…遠くから白いクウガの姿が見えた)
ツカサ「いた!」
ニコの母「ニコ!」
ツカサ「…!」
ツカサ(オレ達が近づくと、そこにはバラバラになったゲラグと立ち尽くす白いクウガの姿があった)
クウガ「…!」グググ
ツカサ(雨に打たれる中…白いクウガは何も言わず、身体を震わせながら両方の拳を握りしめていた)
ニコの母「ニコ…」
ツカサ「…」
ツカサ(雨は止むことなく…強く降り続けている)
ツカサ(オレは今、ニコの苦しみを)
ツカサ(仮面の下にあるであろうニコの悲しみを)
ツカサ(ただ、見つめることしか出来なかった…)
~次回、仮面ライダー×ラブライブ!~
「俺はもう甦らないはずだった」
「この空だってきっと晴れて、青空になるニコ!」
「オレは笑い合っていてほしい!」
「そう信じてる!」
「大銀河宇宙ナンバーワンアイドル…矢澤ニコよ」
「通りすがりの仮面ライダーだ…覚えておけ!」
「変身!」
EPISODE.3『愛笑(にこ)』
【挿絵表示】