9つの道はいつか重なって   作:まーけたー

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~これまでの仮面ライダー×ラブライブ!は~

こころ「あなたたちがこうさかゆきほさんとあやせありささんですか?」

ここあ「おねがい、ここあたちといっしょに…こたろうをさがして!」

キバーラ「彼はもう一人の『矢澤コタロウ』…あなた達の世界にいる虎太郎くんとは別の世界の『矢澤虎太郎』よ」

女性シンガー「通りすがりの女性シンガーだよ、別に覚えなくても良いけどね…」

コタロウ「通り過ぎずに戦う事…それが、オレの決めた事だ!!」

偽アドベントマスター「ディケイド…!」

クウガ「コタロウ…じゃあね」

ディケイド「うわぁぁぁぁぁっ!!」

少女「ディケイド…あなたは九つの世界を旅しなければいけません」

少女「それこそが『μ'sの世界』を救い、あなたの記憶を取り戻す…たった一つの方法です」

ツカサ「残念だったな…もう『μ's』の助けは来ない」

亜里沙「!…そんな」

雪穂「ツカサ…?」


第23話『僕らは君のなかで』

男「おい!馬鹿かね…そんな答えがあるかね?」

 

ドラゴンナイト「…」

 

男「かつてのようにベントされるのがオチだぞ!?」

 

オニキス「…」

 

男「お前達が勝っても、私は戻ってくる…私を葬る事など無理だ!」

 

アドベントマスター「それはどうかな?」

 

男「!?」

 

アドベントマスター「ライダー諸君…リンクベントだ!」

 

13RIDERS「…!」スッ

 

『RINK VENT』

 

男「!」

 

13RIDERS「はぁーっ!!」

 

(私はバリアを張って抵抗し続けたが…『リンクベント』による十三人分の強大なエネルギーに耐え切る事は出来なかった)

 

男「私は必ず、甦る…グワァァァァァ!!」

 

(こうして奴らに倒された私は、魂だけの存在となり…幾つもの並行世界を彷徨うようになった)

 

(いつか必ず甦る…そう思いながら、とある世界にやって来た私は九人の少女達の歌を聴いた)

 

(ここは何処だ?いや、聞かずとも分かっている…ここは彼女達の世界だ)

 

(彼女達の歌には…世界を変えられる程のとてつもないパワーが込められているのを、私は感じた)

 

(身体さえあれば、すぐにでも彼女達が持つ力とこの世界を手に入れたい)

 

(そう思った瞬間…私の意識は途切れ、次に目を覚ましたのはとある施設の中だった)

 

男「…身体が、甦っているだと?」

 

~♪

 

男「!」

 

(私がベッドから起き上がると…水色のリボンを着けた学生服姿の少女が、近くでピアノを演奏していた)

 

?「…」フフッ

 

男「君かね、私の身体を甦らせたのは…?」

 

?「ええ…どうかしら、甦った気分は?」

 

男「最高だ…実に素晴らしい、まるで生まれ変わったかのようにさえ思えてくる」

 

?「ふふっ、良かった…」

 

男「…ところで、君は何者だ?」

 

?「私は…大ショッカーの大幹部の一人」

 

?「名前は…そうね、今はサヨとでも名乗っておきましょうか」

 

男「大ショッカー?」

 

サヨ「そう、自分達の野望を叶える為に幾つもの並行世界を征服しようとする組織…それが大ショッカーよ」

 

サヨ「良かったら、あなたも入ってみない?」

 

男「ふむ…つまり君は甦らせた私を部下として勧誘したい、そういう事かね?」

 

サヨ「う~ん…ちょっと違うかな?第一、あなたが私の言う事なんて聞くはずないと思うし」

 

男「ハハッ、確かに…そうかもな」

 

サヨ「でも…もし大ショッカーに入ってくれたら、あなたはあらゆる世界を自由に行き来する事が出来るわ」

 

男「!…何だと?」

 

サヨ「それだけじゃない…色々な世界の科学技術を利用する事も、一部のライダー達を傀儡として操る事だって可能よ」

 

サヨ「もちろん…自分の欲しい世界を手に入れる事だって、ね」

 

男「…それは、本当かね?」

 

サヨ「ええ…ただ、最初は下部組織である『秘密結社ショッカー』の幹部として入ってもらう形になるけどね」

 

サヨ「どこか一つの世界でも支配出来れば、すぐに大ショッカーの大幹部として昇格できるわ…どうする?」

 

男「…面白い、戦闘種族である私の力を存分に見せつけてやるとしよう」

 

サヨ「ウフフッ…あなたの活躍、楽しみにしてるわ」

 

(こうして大ショッカーの幹部となった私は…すぐに九人の少女達がいる世界へと向かった)

 

男「Hello!」

 

μ's「!」

 

男「Are you girls japanese?」

 

穂乃果「イ、イエース…ウィーアー ジャパニーズ スチューデント…」

 

男「I heard a little while ago of the song…It was a great song!」

 

海未「ま、また声を掛けられてしまいましたね…何と言っているんですか?」

 

穂乃果「この人も、どうやら怒ってはないみたい…」アハハ

 

海未「だから、それは私でも分かります…」

 

男「You guys is idle?」

 

希「Yes,We are school idols!」

 

穂乃果「!」

 

希「We are called μ's!」

 

男「School idols…『μ's』?」

 

希「Yeah!」

 

男「School idols…it interesting!」

 

男「『μ's』…Also looking forward to it to meet you guys! Bye!」スタスタ

 

希「See you!」

 

希「『さっきの歌、素晴らしかったね…また君達に会う事を楽しみにしてるよ』だって」

 

絵里「だって」フフッ

 

にこ「だって…じゃないわよ、アンタも英語は得意なんでしょ?」

 

絵里「…え、ええ///」コホン

 

真姫「何か引っ掛かるわね…今の人、また会うのを楽しみにしてるって言ってたんでしょ?」

 

ことり「一体、どういう意味だったなのかなぁ…?」

 

花陽「そういえば今の人、この前に話しかけてきた女の人達と違って…」

 

凛「普通の人って感じがしなかったニャ…」

 

にこ「…はっ、まさか!?」

 

穂乃果「えっ…どうしたの、にこちゃん?」

 

にこ「もしかしたらこの国で有名な大物プロデューサーかも…間違いないわ、きっと私達をスカウトしに来たのよ!」

 

八人「スカウト!?」

 

にこ「そうに違いないわ、例えば…」

 

男『《μ's》よ…是非、私のプロデュースでこの国だけの自由の女神になってはくれないかね?』

 

にこ「にこの為に、この国で一番大きなライブ会場に詰めかける何万人もの観衆…ス・テ・キ~!」

 

八人「…」

 

にこ「あっ、でも…ダメダメダメ~!」

 

にこ「この国だけじゃ、にこ達の溢れる魅力は収まりきらないわ!」

 

にこ「やっぱり『μ's』は…この世界のみ~んなのも・のっ♡」

 

真姫「気持ち悪い」

 

にこ「ちょっとぉ!?」

 

にこ「何よー!じゃあ、もし仮にそうだとしたらどうするつもりなのよ!?」

 

真姫「何それ、イミわかんない…そんなのある訳無いでしょ!?」

 

にこ「むむむむむ…」

 

真姫「…ふんっ」プイッ

 

希「あの二人、また始まっちゃったなぁ…」

 

ことり「あはは…どうしよっか?」

 

海未「そうですね、いつもの事ですし…ひとまず放っておきましょう」

 

絵里「海未の言う通りね…それに、そろそろ帰りの飛行機に乗らないといけない時間よ」

 

花陽「あっ、そっか…それなら早く空港に戻らないといけないね」

 

凛「じゃあ…空港に出発ニャ~!」ダッ

 

にこ「なっ…ちょっと!?」

 

真姫「待ちなさいよ、凛!」ダッ

 

穂乃果「…」

 

海未「…穂乃果?」

 

ことり「どうかしたの、穂乃果ちゃん?」

 

穂乃果「ううん、何でもない…私達も早く行こう!」ダッ

 

ナルタキ「スクールアイドル…『μ's』か」ニヤリ

 

(それから大ショッカーの基地に戻った私は…調査の結果、将来的に大首領としてこの組織を纏める素質がある『矢澤コタロウ』という少年がいる事を知った)

 

(彼と『μ's』の力を利用すれば、私は多くの並行世界を思うがままにする事が出来る…そう確信した私はすぐに行動に移った)

 

(まず私は…大ショッカーではなくショッカーの一員として、世界の融合の影響でライダーとしての変身能力を得ていた『μ's』の中の七人の心を操った)

 

(そのうえ、予め眠らせていた彼の母親を人質として利用し…彼をショッカーに引き入れようとした)

 

(だが…彼は私の誘いを断り、あろう事か『ディケイド』に変身して刃向かってきた)

 

(一度逃がした残りのメンバーにも妨害され、追い詰められた私は…ダークキバを召喚して『μ'sの世界』を滅ぼしてしまった)

 

(それから私は…『μ'sの世界』に極めて性質が近い『A-RISEの世界』を乗っ取ろうとしていた)

 

(そんな時、私はと一人の少女から『矢澤コタロウ』が別の『μ's』が存在する世界で生存しているという事実を知らされた)

 

(私はすぐにその世界へと赴き…『ツカサ』と名乗っている彼が生きていた事を確認した)

 

(やがて少年とそれに同行する二人の少女が九つの世界を旅する事を知った私は…何度も彼らの身柄を狙った)

 

(そして、ついに…その時が来た)

 

ゼイビアックス「悪かったね、私の勝ちだ…」

 

(目の前には変身が解除され、ボロボロになって倒れている彼がいた)

 

ツカサ「…」ハァハァ

 

ゼイビアックス「さあ、私の物となれ…『ディケイド』」

 

ツカサ「こと、わ…る」

 

ゼイビアックス「ふーむ…どうやら君は、今の自分の置かれている立場というものが理解出来ていないようだな?」

 

ゼイビアックス「ならば、こうするまでだ…フン!」スッ

 

ツカサ「!…うっ、ああぁぁぁぁっ!?」

 

 

 

(大ショッカーの大首領となった俺は…高坂雪穂、絢瀬亜里沙に再会した)

 

ゴルドラ「偉大なる、大首領様に…敬礼!」

 

戦闘員「イーッ!」ビシッ

 

雪穂「ツカサが…大ショッカーの、大首領?」

 

亜里沙「違う、そんなの…何かの間違いだよ!」

 

シルバラ「おい…テメーら、頭が高ぇぞ!」

 

ツカサ「やめろ、シルバラ…俺は別に構わん」

 

シルバラ「大首領様…でもよぉ!」

 

ツカサ「聞こえなかったのか…?」ギロッ

 

シルバラ「!…わ、分かったよ」

 

亜里沙「ねぇ、あなたは…本当にツカサなの!?」

 

ツカサ「…俺は貴様らがよく知ってる、あのツカサだ」

 

亜里沙「!」

 

ツカサ「貴様らは実に良い仕事をした…大首領であるこの俺が、直々に褒めてやる」

 

雪穂「…それ、どういう意味?」

 

ツカサ「貴様らが九つの世界を巡る旅に同行してくれたおかげで…俺は記憶を取り戻した」

 

ツカサ「そして俺は…大ショッカーに、この世界を征服させようと思った」

 

雪穂「せ、征服!?」

 

ツカサ「ああ、消滅するよりはマシだろ?」

 

亜里沙「でもどうして…何で、そう思っちゃったの!?」

 

ツカサ「…ゼイビアックスとの戦いで、気付いたんだ」

 

亜里沙「何に…気付いたの?」

 

ツカサ「『μ'sの世界』の消滅を防ぐには、大ショッカーの大首領となって世界を征服するしかないと」

 

ツカサ「結局、全てを破壊し支配する事からでしか…世界を守る事も未来を創造する事も出来ないのだと」

 

ツカサ「それこそが…オレが気付いた、物事の道理というものだ」

 

亜里沙「そんな…でも、だからって大ショッカーなんかと一緒に世界を支配していい理由にはならないよ!」

 

雪穂「そうだよ!それに…全てを破壊するってどういうことなのさ?」

 

ツカサ「おいおい、まだ分からないのか?『μ's』の助けは来ないという…さっきの言葉の意味が」

 

亜里沙「へっ?」

 

(俺は…大ショッカー製のジャケットのポケットからとある九枚のカードを取り出し、雪穂や亜里沙達に見せつけた)

 

雪穂「『HONOKA』…って、お姉ちゃん?」

 

亜里沙「私のお姉ちゃんもいる…ほら、『ELI』って!」

 

ツカサ「そうだ、他にも『KOTORI』…『UMI』…『RIN』…『MAKI』…『NOZOMI』…『HANAYO』」

 

ツカサ「そして『NICO』…一体、この九枚のカードが何を意味すると思う?」

 

雪穂「急にそんなこと聞かれても…!」

 

ここあ「あ…ああっ!?」

 

こころ「そ、そんな…!?」

 

亜里沙「こころちゃん、ここあちゃん…?」

 

こころ「どうして…どうして、おねえさまたちがカードに!」

 

雪穂「えっ!?」

 

ここあ「うそだ、おねえちゃんたち『μ's』が…大ショッカーなんかにまけるはずないっ!」

 

亜里沙「『μ's』が負けてカードになるって…一体、どういうこと!?」

 

キバーラ「…アタシが説明するわ」

 

雪穂「キバーラ…!」

 

キバーラ「ツカサはディケイドの力を使って…この世界の『μ's』を無理矢理、あのカードの中に閉じ込めたの」

 

雪穂「!?…じゃあ、それって!」

 

亜里沙「お姉ちゃんたちを…倒しちゃったってこと?」

 

ツカサ「…ああ、その通りだ」

 

ツカサ「この世界の『μ's』は全員倒された…そう、大首領となった俺の手によってな」フッ

 

亜里沙「何で…どうしてみんなをカードなんかにしちゃったの!?」

 

ツカサ「カードにした全ての『μ's』メンバーを集める…それこそが奴らを消滅させない為の一番の方法だと思ったからだ」

 

ツカサ「それに奴らをこの中に閉じ込めておけば…『μ's』は永遠にスクールアイドルとして、存在し続ける事も出来る」

 

亜里沙「違うよ、ツカサ…お姉ちゃんたちはそんなこと望んでなんかないよ!」

 

亜里沙「だって、穂乃果さん…言ってたもん」

 

穂乃果『私達《μ's》はこのライブをもって、活動を終了することにしました…』

 

穂乃果『私達はスクールアイドルが好き…学校のために歌い、みんなのために歌い、お互いが競い合い、そして手を取り合っていく』

 

穂乃果『そんな…限られた時間の中で、精いっぱい輝こうとするスクールアイドルが大好き!』

 

穂乃果『《μ's》はその気持ちを大切にしたい…みんなと話して、そう決めました』

 

亜里沙「スクールアイドルの時間は永遠じゃない…だからこそ、強く輝けるんだって!」

 

ツカサ「…本当に貴様らはそれで良いのか?」

 

亜里沙「えっ…?」

 

ツカサ「心の奥底では寂しいと思っているんじゃないのか?…憧れであり、貴様らの目標だった『μ's』が活動を終えてしまって」

 

亜里沙「違う、そんなことないよ…私たちは!」

 

ツカサ「『μ's』にはなれない」

 

亜里沙「…!」

 

ツカサ「そうだろう?だからこそ、本当は貴様の姉を含めた三年生の三人が卒業しても…『μ's』にはずっと活動を続けてほしかったと思っているはずだ」

 

ツカサ「何故なら、貴様らの大好きな『μ's』に…貴様らが入る事なんて出来ないのだからな」フッ

 

亜里沙「…」

 

ツカサ「だから俺は奴らを破壊したんだよ…『μ's』の新しい可能性を創造する為に」

 

ツカサ「何故なら創造する事は…破壊する事からでしか、生まれないのだからな」

 

ゴルドラ「そして、ここからが本番だ…大首領様の新たな旅が始まる」

 

シルバラ「それこそが大ショッカーによる、全ての世界の征服だ!」

 

ゴルドラ「大首領様が立てた完璧な作戦に…敬礼!」

 

戦闘員「イーッ!」ビシッ

 

亜里沙「…っ」ペタン

 

ここあ「そんな…!」

 

こころ「ほんとうに、おねえさまたちが…?」

 

雪穂「…」

 

キバーラ「ツカサ…あなた、まさか本当に世界の破壊者になったつもりなの?」

 

ツカサ「…俺はかつてお仕着せで、するべき事を決めていた」

 

ツカサ「だが今は、自分のするべき事は自分で決めている!」

 

雪穂「…それが、お姉ちゃん達をカードに閉じ込めることだって言うの?」

 

ツカサ「…」

 

雪穂「そんなの…本当の悪魔や破壊者がすることだよ」

 

ツカサ「そうだ、俺は全ての破壊者だ…俺はそれを受け入れた」

 

雪穂「!!」

 

ツカサ「それだけの事だ…そして、それが俺の選んだ道だ」

 

キバーラ「そう…あなたはもう、アタシ達の知ってるツカサじゃなくなったのね?」

 

ツカサ「何を馬鹿な事をほざいている…そもそも今までの俺は、本当の俺じゃない」

 

ツカサ「本当の俺は…今からこの宇宙にある数多の並行世界を支配する大ショッカーの大首領だ!」

 

ツカサ「そう、この『μ's』の力を使って…全ての世界をな」ニヤリ

 

雪穂「ツカサ…それ、本気で言ってるの?」

 

亜里沙「!…雪穂?」

 

雪穂「本気で言ってるんだったら…私、許さないから」

 

ツカサ「フッ…当然だ」

 

雪穂「…そう、だったら」スッ

 

(そう言って、雪穂は…青い鞄からディエンドライバーを取り出した)

 

亜里沙「!?」

 

キバーラ「雪穂、まさかあなた…!」

 

雪穂「そうだよ…私が、私がディケイドを倒す!」

 

雪穂「お姉ちゃん達を取り戻せるなら…私はツカサを倒してみせる!!」スチャッ

 

(雪穂は持っていたディエンドライバーを…俺に向けて構えていた)

 

亜里沙「!?」

 

ツカサ「そうか…なら、相手になってやるよ」スッ

 

(それを見た俺も…ディケイドライバーを腹部に装着した)

 

亜里沙「待ってよ、雪穂…こんなことしても!」

 

雪穂「…亜里沙、これお願い」スッ

 

亜里沙「!…このカメラ、ツカサの」

 

雪穂「…」スタスタ

 

亜里沙「あっ…雪穂!」

 

ゴルドラ「大首領様…私達が相手をしなくても良いのですか?」

 

シルバラ「あんなガキ、俺一人でも簡単に捻り潰せるぜ?」

 

ツカサ「貴様らはそいつを連れて戻れ…こいつらの始末は俺がやる」

 

虎太郎「…」

 

シルバラ「でもよ…」

 

ツカサ「貴様らは俺の支配下にある、故に大首領である俺の命令は絶対だ…良いな?」ギロッ

 

ゴルドラ「!…分かりました、行くぞ」スタスタ

 

シルバラ「ま…待ってくれよ、兄ちゃん!」ダッ

 

(俺の命令によってゴルドラとシルバラは虎太郎を連れて…その場を後にした)

 

ここあ「こたろう!」

 

こころ「まってください!」

 

雪穂「…動かないで」バッ

 

ここあ「ゆきほおねえちゃん…とめないでよ!」

 

こころ「このままではこたろうが…!」

 

雪穂「いいから動かないで!!」

 

ここあ「…!」

 

雪穂「大丈夫…全部、私一人で終わらせるから」スッ 

 

こころ「ゆきほさん…!」

 

ツカサ「…」スッ

 

(一枚のカードを取り出した雪穂を見て…俺もカードを取り出した)

 

亜里沙「雪穂、ツカサ…待って!」

 

ツカサ「…変身」

 

雪穂「変身っ!」

 

『カメンライド…ディケイド!』

 

『カメンライド…ディ・エンド!』

 

 

 

~世界の破壊者、ディケイド…9人の女神に出逢い、その瞳は何を見る?~

 

 

 

ハナヨ「ピャアッ!?」ゴロゴロ

 

(別のファンガイア達のライフエナジーによって生き返ったバットファンガイアの攻撃を受け…私の変身は解けてしまった)

 

バットファンガイア・リボーン「…」スタスタ

 

ハナヨ「うぅ…」

 

(ダメ…このままじゃ、私は負けちゃう)

 

(やっぱり、人間とファンガイアが一緒に手を取り合える世界を作るなんて…私には無理だったのかな?)

 

ハナヨチャーン!

 

ハナヨ「…?」

 

(私が声のする方向を見ると…そこにはシズカちゃんと私のお母さんがいた)

 

シズカ「負けないでー!」

 

ハナヨ「シズカちゃん…!」

 

(シズカちゃんの横にいたお母さんは…私に手話でこう励ましてくれた)

 

ハナヨの母『ハナヨちゃん、諦めないで…!』

 

ハナヨ「…お母さん」

 

ハナヨの母『あなたのそばには…私達がいる』

 

ハナヨ「!…そうだ」

 

(私は…ツカサくんのある言葉を思い出した)

 

ツカサ『アンタは一人じゃない、オレ達はいつでも…アンタが前に進むのを待ってる』

 

(そうだよ、今の私には…お母さんやキバットやシズカちゃん達がいる)

 

(それにあの時…ツカサくんや雪穂ちゃん、亜里沙ちゃんが励ましてくれたから私は変われたんだ)

 

ハナヨ「だったら、私は…!」

 

再生バットF「…」スッ

 

シズカ「危ない!」

 

(バットファンガイアが私に攻撃しようとしたその時…キバットとタツロットが飛んできた)

 

タツロット「びゅんびゅーん!」ズバッ!

 

キバットバットⅢ世「させるかー!」ゴッ!ガッ!

 

再生バットF「!?」フラッ

 

ハナヨ「キバット、タツロット…!」

 

キバット「おい、ハナヨ…まだ戦えるか!?」バサバサ

 

ハナヨ「…うん!」

 

タツロット「そうこなくっちゃ…ドラマティックにいきましょう!」

 

(私はキバットを掴むと、そのまま手に噛みつかせ…)

 

キバット「ガブッ!」

 

ハナヨ「…変身!」

 

タツロット「テンションフォルテッシモ!」

 

(キバットをお腹のベルトに、タツロットを左腕に着けた私は…キバ・エンペラーフォームに変身した)

 

キバ「…はぁっ!」ドカッ!

 

再生バットF「!?」

 

(封印の鎖を解き放って本当のキバになった私のキックを受けて…バットファンガイアは吹き飛ばされた)

 

再生バットF「グゥゥ…ウガァァァァァ!!」ダッ

 

キバ「ふっ…!」サッ

 

(すぐに起き上がって走ってきたバットファンガイアを…私はキバの紋章の形をしたエネルギー波で捕まえて動けないようにした)

 

再生バットF「!」

 

キバ「はぁっ…!」パシッ

 

(ザンバットソードを手にした私は、ザンバットバットのウェイクアップフエッスルをキバットに吹かせると…)

 

~♪

 

(ザンバットソードにくっついたザンバットバットをスライドさせ、剣を研いだ)

 

再生バットF「…!?」

 

キバ「ふっ!」ダッ

 

(赤く光るザンバットソードで私は…バットファンガイアに向かって『ファイナルザンバット斬』で攻撃していった)

 

キバ「やぁぁぁぁっ!!」

 

 

 

コトリ「…」

 

(私は…敵のイマジンさんに大きな鎌を向けられていた)

 

デスイマジン「終わりだ…今度こそ、消えろ」

 

コトリ「…ってない」

 

デスI「?」

 

コトリ「まだ、終わってないよ…!」

 

デスI「…何?」

 

コトリ「そうだよ…だって」スッ

 

(私はツカサくんからもらった写真をポケットから取り出した)

 

ツカサ『オレはこの写真をアンタに譲る事にする…だから、変わる事を恐れるな』

 

(ツカサくんや雪穂ちゃん、亜里沙ちゃんが…勇気付けてくれたおかげで…今の私はここにいる)

 

(例え、モモちゃん達やツカサくん達とは離れた時間や世界にいても…私が覚えている限り、いつでもそばで繋がっている)

 

コトリ「私はもう…変わることも恐れないし、変わらないものも大事にしたいから」

 

デスI「貴様、何を言っている…?」

 

コトリ「だから…悪いけど、この時間は消させないよ!」

 

デスI「意味の分からん事を…消えろ!」ブンッ!

 

コトリ「…!」

 

ガキンッ!

 

(大きな鎌が振り下ろされたと思ったその時…誰かの剣が私を守るように受け止められた)

 

コトリ「?…えっ!?」

 

モモ「アンタ、コトリに何しようとしてんのよ…」

 

デスI「!?」

 

モモ「はぁっ!」ザシュッ!

 

デスI「グッ…!」

 

(モモちゃんの攻撃で…敵のイマジンさんは後ろに下がった)

 

コトリ「モモちゃん!」

 

モモ「よく頑張ったわね…コトリ」

 

(私の周りにはウラちゃんやキンちゃん、リュウちゃん…そしてオーナーが他のイマジンさん達と戦っていた)

 

オーナー「コトリ…お待たせしました!」

 

コトリ「みんな…それぞれ別の時間に残って戦ってたはずなのに、どうして?」

 

ウラ「えっと…それが、パナが私達を迎えに来てくれてね?」

 

コトリ「ふぇっ?」クルッ

 

(私が後ろを向くと…そこには開いたデンライナーのドアから大きく手を振るパナちゃんがいた)

 

パナ「みんな、頑張ってぇ~!」ブンブン

 

コトリ「パナちゃん…」

 

キン「さすがパナちゃん、だよねっ!」

 

リュウ「うんうん…パナちん、さすがだニャ~!」

 

デスI「貴様ら…自分達が消えても構わないというのか!?」

 

モモ「うっさいわね…もうアンタ達のそういう話にはうんざりしてるのよ!」

 

キン「これ以上、あなた達が悪さしようって言うのなら…私達が相手になるよっ!」

 

デスI「おのれ…裏切り者共が!」

 

オーナー「この時間は私が守ります…家臣一同、心おきなく働きなさい!」

 

モモ「誰が家臣よ!?アンタに言われなくたってみんなで守るのよ!…そうでしょ、コトリ?」

 

コトリ「モモちゃん…うん!」スッ

 

モモ「…」フフッ

 

コトリ「変身…!」

 

『ライナーフォーム』

 

(ケータッチが付いたデンオウベルトをお腹に巻いた私は…電王・ライナーフォームに変身した)

 

デスI「…貴様ら、全て潰す!」ダッ

 

(私は変身してからすぐにデンカメンソードを呼び出して…ライダーパスをセットした)

 

電王「わぁっ!?」ヨロッ

 

パナ「コトリちゃん、大丈夫!?」

 

電王「やっぱり、これ…重いよぉ~」

 

モモ「何言ってんのよ、コトリ…これが正真正銘のクライマックスよ!」

 

ウラ「大物、釣り上げちゃいましょう!」

 

キン「コトリちゃんの強さに、みんなが笑って泣いた!」

 

リュウ「やってくれるかニャ?もちろん答えは聞いてないっ!」

 

オーナー「満を持して…頼みましたよ?」

 

電王「みんな…うんっ!」

 

『モモソード』

 

『ウラロッド』

 

『キンアックス』

 

『リュウガン』

 

『モモソード』

 

(デンカメンソードの仮面を回した私は…目の前に伸びていくオーラの線路『デンレール』に乗った)

 

電王「よっ…はぁ~っ!」

 

デスI「なっ、何!?」

 

(『デンレール』に乗った私は…四台のデンライナーのオーラと一緒に敵のイマジンさんに向かっていく)

 

モモ「今よ…アンタの技の名前、言ってみなさい!」

 

電王「え?技の名前…えっと、電車斬りっ!」

 

全員「ええっ?何でそれ~!?」

 

(私はそのまま、デンカメンソードで…敵のイマジンさんに突撃していった)

 

電王「やぁぁぁぁっ!!」

 

 

 

エリ「…」

 

(私は…囚われたアリサと苦戦しているガタックを助ける為、ZECTの最高幹部に擬態していたグリラスワームと対峙していた)

 

ガタック「エ、エリ…!」ハァハァ

 

アリサ「…」

 

エリ「ヒヨリ、早くアリサを連れて…ここから離れて」

 

ガタック「う…うん、分かった!」ダッ

 

グリラスワーム「カブト…貴様、生きていたのか?」

 

エリ「私は世界そのもの…世界がある限り、私はある」

 

エリ「もうすぐ散ってしまう野望と一緒に…あなたも天に昇るが良いわ」

 

グリラスW「フッ…己自身さえ変えられない、愚かな人間が!」

 

エリ「それがあなたの限界よ…」

 

グリラスW「何?」

 

エリ「変わろうと思いさえすれば、人間は変われる…もちろんそれはネイティブも同じよ」

 

グリラスW「馬鹿馬鹿しい…貴様らのような人間とネイティブを一緒にするな!」

 

エリ「人間もネイティブもないわ…この世界に生けとし生けるもの、総ての命は皆等しいの」

 

エリ「他者の為に自分を変えられる事こそが総てに繋がる道よ…自分の為に世界を変えるんじゃない」

 

エリ「自分が変われば、世界は変わる…それが天の道!」

 

グリラスW「愚かな…貴様一人で何が出来る?」

 

エリ「…あなた、何も分かっていないみたいね」

 

グリラスW「どういう事だ…?」

 

エリ「…」スッ

 

(私は天を指差しながら…ツカサのあの言葉を思い出していた)

 

ツカサ『…大丈夫だ、オレがそばにいる』

 

(そう、別の世界で旅をしているツカサや亜里沙…雪穂ちゃんが私のそばにいる)

 

エリ「私には支えてくれる仲間がいるの…だから、一人じゃない」

 

グリラスW「フン…ならばハッキリ言おう、私に従わない貴様らのような人間は必要無い!」

 

グリラスW「この世界は…私の物になるのだからな!」

 

エリ「…所詮、あなたはその程度よ」パシッ

 

(カブトゼクターとハイパーゼクターが空から飛来してきたのを確認した私は…カブトゼクターをその手で掴んだ)

 

エリ「変身!」

 

『Henshin…Cast Off…Change Beetle』

 

(私がカブトゼクターをベルトに嵌めてキャストオフすると同時に、ハイパーゼクターがベルトの左腰に装着され…)

 

エリ「ハイパーキャストオフ!」

 

『Hyper Cast Off』

 

(カブトゼクターの角を引きながらハイパーゼクターの角を押し下げた私は…そのままカブト・ハイパーフォームへの変身を完了させた)

 

『Change Hyper Beetle』

 

グリラスW「ッ…カブトォォォォォ!!」ダッ

 

カブト「…」スッ

 

『Maximum Rider Power』

 

(グリラスワームが接近してくる間に、私はまずハイパーゼクターの角を押し倒し…)

 

『One,Two,Three…』

 

カブト「ハイパー…キック!」

 

(カブトゼクターのボタンを順番に押し…角を一度戻してから、再び展開させた)

 

『Rider Kick』

 

カブト「ふっ!」バッ

 

グリラスW「!?」

 

(それからすぐに飛び上がった私は…グリラスワームに向かって、強烈なキックを放った)

 

カブト「はぁぁぁぁっ!!」

 

 

 

ノゾミ「…ここやね」

 

(ウチは…とある場所にある鬼石の前にやってきた)

 

ノゾミ「悪い気がいっぱいやね…」

 

(最近、普通の魔化魍だけじゃなく…夏にだけ出る魔化魍や改造されて生まれた魔化魍までが無秩序に現れるオロチ現象が起きていた)

 

(この現象を鎮めるには…妨害してくる魔化魍を倒しながらここにある鬼石を太鼓の音撃で叩き、土地ごと清めの音で浄化する必要があった)

 

(本当ならその役目はあだっちがするはずだったんやけど…ウチはあだっち達を置いて、一人でここに来た)

 

ノゾミ「ごめんな…あだっち」キィン…

 

(音叉を装甲声刃《アームドセイバー》の剣の先に当てて鳴らしたウチは…音叉を額にあてた)

 

ノゾミ「響鬼、装甲…!」

 

(ウチは真っ赤な炎とやってきた赤銅色のアームドディスクアニマル達を全身に纏わせ…装甲響鬼になった)

 

響鬼「はぁっ!…うん、これならええ感じやね」スッ

 

(ウチは音撃棒『烈火』を二本のうち一本だけ取り出して、鬼石を叩き始めた)

 

響鬼「…よっ、ほっ!」ドンッ!

 

(その直後、大量の魔化魍が出てきて…ウチに襲いかかってきた)

 

響鬼「もう…ジャマ、せんといてっ!」ズバッ!

 

(ウチは左手に持った『烈火』で鬼石を叩きながら…右手の装甲声刃で魔化魍を斬りつけていた)

 

ドカッ!

 

響鬼「きゃっ!…あっ!?」

 

(後ろにいた魔化魍に攻撃されたウチは、装甲声刃を放してしまい…装甲声刃はウチから少し離れた場所へと飛んでいってしまった)

 

響鬼「装甲声刃が…えいっ!」ドンッ!

 

(ウチはもう一本の『烈火』を取り出して反撃するけど…魔化魍の数はどんどん増えていく一方やった)

 

響鬼「このままじゃ…!」

 

(ウチがふと地面を見ると…一枚の写真を落としていた事に気が付いた)

 

響鬼「この写真は…」ピラッ

 

(ウチは…ツカサくんが写った写真を拾いながら、ある言葉を思い出していた)

 

ツカサ『誰かの為に慈しむ優しさを持っている鬼こそが…本当に強い鬼なんだ!』

 

(そうだ…ウチはツカサくんに鬼として、大切な事を思い出させてくれた)

 

(ツカサくんや雪穂ちゃん、亜里沙ちゃんに出逢えたから…ウチはまたこうして鬼になって戦っている)

 

(だから、ウチは…!)

 

ノゾミー!

 

響鬼「!…この声」クルッ

 

(ウチが声のする方を向くと…そこにはあだっちがいた)

 

サキ「あなたね…何でもかんでも、一人で全部背負い込もうとするんじゃないわよ!」

 

響鬼「…あだっち」

 

サキ「もっと私やお父さんや後輩達を頼りなさいよ…あなたは、私達の大切な仲間なのよ!?」

 

響鬼「!」

 

サキ「だから…これを、受け取りなさい!」ブンッ!

 

(あだっちは…拾った装甲声刃をウチに向かって投げた)

 

響鬼「あだっち…うん!」パシッ

 

(装甲声刃をキャッチしたウチは魔化魍を次々と倒しながら、また浄めの力を注入しようと『烈火』で鬼石を叩いていった…)

 

響鬼「やっ、はっ…はぁぁぁっ!!」ドンッ!ドンッ!ドンッ!

 

 

 

ウミ「…大丈夫ですか?」ハァハァ

 

女性「え、ええ…」

 

(私は…BOARDの元研究員だったサヨコさんと一緒に、山の中を逃げていました)

 

(人々の未来に役立てる為に、アンデッドについて研究していたサヨコさんは…実験で人工的なアンデッドを造り出す事に成功しました)

 

(しかし、その内の一体である人工ジョーカーアンデッドが覚醒し…すぐにサヨコさんを襲おうとしたのです)

 

人工ジョーカーアンデッド「…」

 

ウミ「!…サヨコさん、ここはあなただけでも逃げてください」

 

サヨコ「でも…」

 

ウミ「私の事は気にしないでください…さあ、早く!」

 

サヨコ「園田さん…っ!」ダッ

 

(サヨコさんを逃がし、私は…人工ジョーカーアンデッドと対峙していました)

 

ウミ「あなたは、ジョーカーアンデッドなんかじゃない…ただの紛い物です!」

 

人工ジョーカーU「…」スッ

 

『Spirit』

 

(ジョーカーラウザーにハートの2のラウズカードを通した人工のジョーカーアンデッドは…アマネと瓜二つの姿に変わった)

 

偽アマネ「…」

 

ウミ「なっ…!?」

 

偽アマネ「この姿なら手を出せないよね…だって、私はあなたの仲間だから」

 

ウミ「…っ!」

 

偽アマネ「ハハッ…アハハハハッ!」

 

バチン!

 

(私が偽者のアマネに張り手をお見舞いすると…吹き飛ばされた偽者のアマネはしばらく坂を転がっていきました)

 

偽アマネ「グハッ…!?」ゴロゴロ

 

ウミ「絶対に許せません…アマネの姿で、そんな事を言うなんて」

 

ウミ「あなたは最低…いえ、それ以下です!」

 

偽アマネ「貴様…!」

 

(偽者のアマネは憤慨しながら…人工ジョーカーアンデッドに姿を戻しました)

 

人工ジョーカーU「貴様ァァァァァ!!」ダッ

 

ウミ「こうなれば、十三体のアンデッドと融合した状態のブレイドで挑むしか…!」

 

(私は迷っていました…何故なら、その形態のブレイドではアンデッドになってしまう大きなリスクが伴っていたからです)

 

(もし私がアンデッドになれば…世界は滅んでしまう)

 

(ですが、このアンデッドを倒さなければ…サヨコさんやシオリやこの世界の人々が危険な目に遭ってしまう)

 

ウミ「一体、どうすれば…!」ハッ

 

(私は…あの時のツカサの言葉を思い出していました)

 

ツカサ『彼女が戦っているのは…仲間や人々を守る為だ!』

 

(そうです…あの時、私のそばにはツカサや亜里沙や雪穂がいてくれました)

 

(きっとツカサなら、アンデッド化して暴走した私を封印する為に再びこの世界に来てくれるはず…ならば)

 

ウミ「私はもう…迷いません!」

 

(スペードのAのラウズカードを挿入したブレイバックルを腹部に装着した私は…バックルのハンドルを引きました)

 

ウミ「変身!」

 

『Turn Up』

 

(回転したバックルの一部分から金色のオリハルコンエレメントが目の前に現れ…私はそれを通過しました)

 

人工ジョーカーU「!?」

 

(私は…ラウズアブソーバーにスペードのQとKのカードを通す事なく、ブレイド・キングフォームに変身していました)

 

ブレイド「…」スッ

 

(キングラウザーを手にした私は…自動的に五枚のギルドラウズカードをキングラウザーに読み込ませました)

 

『Spade Two』

 

『Spade Three』

 

『Spade Four』

 

『Spade Five』

 

『Spade Six』

 

『Straight Flush』

 

ブレイド「はっ…!」

 

人工ジョーカーU「グッ…!!」ダッ

 

(ブレイラウザーを召喚した私は、エネルギーを込めた二つの剣で人工ジョーカーアンデッドに斬りかかっていきました…)

 

ブレイド「やぁぁぁぁっ!!」

 

 

 

マキ「…うっ!」ゴロゴロ

 

(オルフェノクの王と呼ばれるアークオルフェノクの攻撃を受けた私は…ウルフオルフェノクの姿から戻ってしまった)

 

マキ「うぅ…!?」サァァ…

 

(灰化しかけている自分の右手に気付いた私は…オルフェノクとしての寿命がもうすぐ終わりを迎えている事を悟った)

 

アークオルフェノク「…」スタスタ

 

(アークオルフェノクは…ゆっくりとこっちに近付いてくる)

 

マキ「やっぱり、オルフェノクの私にはもう…!」ハッ

 

(その瞬間、私はツカサのある言葉を思い出した)

 

ツカサ『マキはマキだ』

 

(そうだ…あの時、ツカサや雪穂や亜里沙が『私は私』だと教えてくれたから今の私がいる)

 

(ツカサ達がそばにいてくれたから…私はあの時、皆の夢を守る為に戦おうと思えた)

 

マキ「だったら尚更…負ける訳には、いかないじゃない!」

 

アークO「…!」スッ

 

(アークオルフェノクが右手の人差し指から鞭を伸ばそうとした時…誰かがアークオルフェノクを斬りつけた)

 

?「はぁっ!」ズバッ!

 

アークO「!?」

 

(それは…ホースオルフェノクに姿を変えたユカだった)

 

マキ「ユカ…どうして?」

 

ホースオルフェノク「一体、どうすれば正しかったのか…まだアタシには分かんねぇ」

 

ホースO「だから、その答えをアンタが…アタシに教えてくれ」

 

マキ「…!」

 

マキチャーン!

 

(その直後、ファイズドライバーとファイズブラスターの入った鞄が私の目の前に投げ込まれ…私は何とかそれをキャッチする)

 

マキ「うぇえ!?…マコちゃん!」

 

マコ「やっぱりファイズは…マキちゃんでなくちゃ!」

 

マキ「!…ええ、そうね」フフッ

 

(ベルトを巻いて立ち上がった私は…右手に持っていたファイズブラスターの『5』キーを三回押し、最後に『ENTER』キーを入力した)

 

『Standing By』

 

マキ「ユカ…それなら、一緒に見つけましょう?」

 

ホースO「!…マキ」

 

マキ「私達の答えを、私達の力で…変身!」

 

『Awakening』

 

(ファイズフォンをファイズブラスターに挿した瞬間、全身を赤い光が包み込み…私はファイズ・ブラスターフォームに変身した)

 

アークO「…!」ダッ

 

ホースO「やぁっ!」ズバッ!

 

(アークオルフェノクが攻撃しようとする前にホースオルフェノクが剣で斬りつけていく)

 

アークO「!?」

 

ホースO「今だ!」

 

ファイズ「…!」コクリ

 

(アークオルフェノクが怯んでいる隙に私は…ファイズブラスターに『5214』と入力した)

 

『Faiz Blaster Take Off!』

 

(飛び上がった私は『143』と『ENTER』キーを連続で入力すると…)

 

『Blade Mode』

 

『Exceed Charge』

 

ファイズ「…はっ!」

 

(私はそのまま『フォトンブレイカー』という技で…アークオルフェノクに向かって突撃していった)

 

アークO「!!」

 

ホースO「…マキ!」

 

マコ「マキちゃーん!!」

 

(例えこの身が滅んでも、私は今ある全ての力でアークオルフェノクを倒そうとしていた…)

 

ファイズ「はぁぁぁぁぁっ!!」

 

 

 

リン「…」

 

(ミラーワールドから出てきたリンは…はぐれていた小さい女の子が、お母さんと会って抱き合っているのを見かけた)

 

女の子「ママ!」ギュッ!

 

母親「良かった、無事で…!」グスッ

 

リン「…ふふっ」

 

(リンはツカサくんに言われたことを思い出していた)

 

ツカサ『答えなんて、簡単に出るもんじゃない…だから、リンが決めろ』

 

(そうだよ…ツカサくんや雪穂ちゃん、亜里沙ちゃんが応援してくれたおかげでリンは変われたんだ)

 

(だから、リンは…ずっと悩みながらもみんなを守るためにモンスターと戦うことができた)

 

リン「やっと…ちょっとだけ、答えらしいものが…見つかったかもしれない…ニャ」

 

リン「でも…何かリン、もうダメ…かも」ドサッ

 

(リンは車にもたれかかるように倒れた)

 

ユイ「!?…リン!」ダッ

 

ユイ「ちょっと、リン…リン!」ユサユサ

 

リン「…ユイ、ちゃん?」

 

ユイ「リン…どうかしたの?」

 

リン「べ、別に…ちょっと、張り切りすぎた…だけニャ」

 

ユイ「でも…!」

 

リン「大丈夫、大丈夫…平気ニャ」

 

(ユイちゃんを心配させないようにリンが立ち上がると…車のミラーの向こうからまたあの音が聞こえてきた)

 

リン「!」クルッ

 

キィン…キィン…

 

(車のミラーの向こうには…大量のモンスターがいた)

 

レイドラグーン『…』

 

リン「…行かなきゃ」

 

ユイ「待って…もうこれ以上、無理をしないで!」

 

リン「…ユイちゃん」

 

ユイ「あなたには、これからも生きていてほしいの…!」

 

リン「ふふっ…嬉しいニャ」

 

ユイ「…えっ?」

 

リン「まさかユイちゃんが、リンにそんな風に思っててくれてたなんて…ありがとね?」ニコッ

 

ユイ「!…リン、待って」

 

リン「…」スッ

 

(リンが車のガラスにカードデッキを向けると…お腹にベルトが着けられた)

 

リン「変身!」

 

(カードデッキをベルトにはめたリンは…龍騎・サバイブに変身した)

 

龍騎「…ニャッ!」ダッ

 

ユイ「リン…行かないで、リン!!」

 

(リンは敵のモンスター達と戦うために…ミラーワールドの中へと入っていった)

 

龍騎「さあ、行っく…ニャ」スッ

 

『シュートベント』

 

(リンは契約モンスターのドラグランザーが吐く炎と一緒に、ドラグバイザーツバイから出すビームでモンスター達を一気にやっつけようとした…)

 

龍騎「っ…ニャアァァァァッ!!」

 

 

 

(私とユキホは…一日の店じまいをした穂むらで片付けをしていた)

 

ホノカ「本当に良かったよね…マナちゃんがまた、お母さんと一緒に暮らせるようになって!」

 

ユキホ「うん…そうだね」

 

ホノカ「一緒にいられないのは寂しいけど…高校もユキホと同じあかつきに入ってくれるみたいだし、本当に良かったよ~!」

 

ユキホ「…私もだよ」

 

ホノカ「そうだよね…やっぱりマナちゃんと高校に行けるの、嬉しいよねっ!」

 

ユキホ「いや、それもだけど!…お姉ちゃんとあかつきに行けるっていうのが嬉しいの」

 

ホノカ「…へっ?」

 

ユキホ「ほら…あかつきが廃校にならなくなったのも、お姉ちゃん達がスクールアイドルを始めて頑張ってくれたからだしさ」

 

ユキホ「だから、私もそれに応えたいなって…」

 

ホノカ「ユキホ…ありがと~!!」ギュッ

 

(私はユキホを抱きしめた)

 

ユキホ「ちょっ、お姉ちゃん…恥ずかしいからやめてよ!?」

 

ホノカ「あっ…ごめんごめん」

 

ユキホ「全く、もう…!」

 

(ユキホから離れた私は…あの時、ツカサくんが言ったある言葉を思い出していた)

 

ツカサ『歌う事が好きであるなら…勝利の女神は、必ず微笑んでくれるさ』

 

(私がスクールアイドルになって廃校を阻止することができたのは…ツカサくんや雪穂、亜里沙ちゃんが励ましてくれたから)

 

(そして…別の世界の私達が、スクールアイドルの素晴らしさを広めてくれたから)

 

(だから私達もこれからもっともっとスクールアイドルとして頑張らなきゃ…そうだよね、ツカサくん?)

 

(ツカサくんや別の世界の私達が、この世界の未来を変えてくれたように…きっと私にもこの世界の未来を変えることができるよね?)

 

(だって私は…高坂ホノカ、なんだから)

 

ホノカ「いつか、私にも広められるかなぁ…スクールアイドルの素晴らしさを」ボソッ

 

ユキホ「えっ…何か言った?」

 

ホノカ「あっ、ううん…何でもないよ!」

 

ユキホ「ホントに?…だと良いんだけど」

 

ホノカ「あはは…!?」

 

(私は…久しぶりにアンノウンがみんなを襲おうとしている気配を感じ取った)

 

ユキホ「…もしかして、アンノウンが?」

 

ホノカ「うん…私、ちょっと行ってくるね!」ダッ

 

ユキホ「えっ…ちょっと、お姉ちゃん!?」

 

ホノカ「後片付けよろしくね~!」ガラッ!

 

(穂むらを出た私は…急いでアンノウンがいる場所まで走って行った)

 

地のエル「…」

 

ホノカ「ちょっと待ったぁぁぁっ!」

 

地のエル「!…AGITΩ」

 

ホノカ「叶え、もう一つの…夢」グッ

 

(私は空でまぶしく輝いている太陽に手を伸ばすと…それを掴むようにグーを作った)

 

地のエル「…何?」

 

ホノカ「…」サッ

 

(そしてお腹のベルトを出現させて、集中しながらポーズを構えた私は…)

 

ホノカ「変身!」

 

(ベルトの左右のスイッチを同時を押して…アギト・シャイニングフォームに変身した)

 

アギト「…」

 

地のエル「フン…」

 

アギト「…ふっ!」ダッ

 

(これからもみんなの居場所を守るため、シャイニングカリバー・ツインモードを持った私は『シャイニングクラッシュ』という技でアンノウンに立ち向かっていった…)

 

アギト「はぁぁぁぁっ!!」

 

 

 

ブゥゥゥン…キキッ!

 

ニコ「…ふぅ」カポッ

 

(ビートチェイサー2000に乗ったニコは…新型マシンのビートチェイサー3000に乗ったママと一緒に、猛吹雪の山の中まで来ていた)

 

ニコの母「ふぅ…」カポッ

 

(バイクを降りてヘルメットを脱いだニコは…同じようにヘルメットを脱いだママにこう言った)

 

ニコ「ママのお友達のツバキ先生に診てもらったんだけど…ベルトの傷、やっぱりまだ治ってなかったみたい」

 

ニコの母「!」

 

ニコ「だから、狙う時は…ここをお願いね?」ツンツン

 

(ニコはベルトが埋め込まれた自分のお腹をつついた)

 

ニコの母「ニコ…」

 

ニコ「もちろん…もしニコが究極の闇をもらたす存在になっちゃったら、だけどね?」

 

ニコの母「…あなたにこんな寄り道は、させたくなかった」

 

ニコ「えっ?」

 

ニコの母「あなたには…スクールアイドルだけ、していてほしかった」

 

ニコ「…!」

 

ニコの母「娘であるあなたにここまで付き合わせてしまって…私は母親としても、警察官としても失格だわ」

 

ニコ「…そんなことないわ、ママ」

 

ニコの母「!」

 

ニコ「ニコ、クウガになって…良かったなって思ってるの」

 

ニコ「だってママと一緒の時間をたくさん過ごせたんだもん…だから、本当にありがとね?」

 

ニコの母「ニコ…!」

 

ニコ「…にっこにっこにー!」ニコッ

 

(それだけじゃない…ツカサのあの言葉があったから、私は変わる事が出来た)

 

ツカサ『アンタが皆を笑顔にさせられるように…オレが全力で支えてやる!』

 

ツカサ『オレが一緒に戦ってやる!』

 

ツカサ『だから、アンタは…一人じゃない!』

 

(不思議な話よね…まさか『別の世界からやって来た弟』に顧問兼マネージャーとして励まされるなんて)

 

(でもあの時、ツカサがそばにいてくれたから…今まで私はスクールアイドルとしてもクウガとしても頑張れた)

 

(だから、私は…!)

 

ニコの母「ふふっ…にっこにっこにー!」

 

ニコ「じゃあ、見ててね?…ニコの変身」

 

ニコの母「…ええ、分かったわ」

 

ニコ「…」クルッ

 

(ママに背を向けた私が、自分のお腹に両手をかざすと…ベルトが現れた)

 

ニコ「…」サッ

 

(無言で変身の構えを取った私は、少しずつ身体が黒く変化し…四本角で赤い目のクウガ・アルティメットフォームに変身した)

 

クウガ「…」

 

ニコの母「…!」

 

クウガ「…」ダッ

 

(雪の中を走って行った私は…全身、真っ白な服を着た男の子を見つけた)

 

(その男の子の顔は…ツカサによく似ていた)

 

?「なれたんだね…究極の力を、持つ者に」

 

クウガ「…」

 

(男の子は微笑みながら…未確認生命体第0号に姿を変えた)

 

ン・ダグバ・ゼバ「…」スッ

 

(0号は『超自然発火能力』と呼ばれる力で、私の身体を燃やそうとしたけど…今の私には効果が無かった)

 

クウガ「…」スッ

 

(私も同じように『超自然発火能力』で0号の身体に火を着けたけど…効果は無いように見えた)

 

ダグバ「フフッ…ハァッ!」ダッ

 

(お互いに『超自然発火能力』を止めると…第0号は笑いながらこっちに向かって走ってきた)

 

クウガ「!」

 

(これからも私は皆の笑顔を奪おうとする未確認を止めるために戦う…例え、今は涙を流してしまっても)

 

(いつの日かまた、必ず笑顔でステージに立って…皆を笑顔にさせてみせる)

 

(だって私はクウガで、皆の笑顔を守る『スクールアイドル』なんだから…)

 

クウガ「…はぁぁぁぁっ!!」ダッ

 

 

 

にこ「はっ!?」ガバッ

 

にこ「今の夢って…!」ツー…

 

にこ「あれ…私、何で泣いてるの?」ゴシゴシ

 

にこ「それに、身体まで重たいような…!?」

 

穂乃果「ぐぅ…」Zzz…

 

絵里「ふふっ、おばあさま…」スースー

 

にこ「…ちょっと穂乃果ぁぁぁ!?」ジタバタ

 

穂乃果「んぇ…何でにこちゃんが家にいるの?」ムクリ

 

にこ「アンタの家じゃないからよ!?どんだけヒドい寝相なのよ全く!」

 

絵里「んっ…何?」ムクリ

 

にこ「変な夢を見させられるわ、いつの間にかアンタや絵里と一緒に寝てるわ…一体どういうつもり~!?」グイグイ

 

穂乃果「私に言われても…」ムニャムニャ

 

にこ「絵里も夢の中でおばあさまに甘えてないで、穂乃果に何か言ってやってよ!」

 

絵里「…」ポカーン

 

にこ「?…どうしたのよ、そんなに大きな口開けて」

 

絵里「ここは…どこ?」

 

にこ「はぁ?…!」

 

穂乃果「言われてみれば…周りが全部白いね」

 

にこ「…何これ、どこなのよここ!?」

 

ホノカチャーン!エリチャーン!ニコチャーン!

 

絵里「!」クルッ

 

花陽「はぁはぁはぁ…!」ダダッ

 

凛「お~い!」ダダッ

 

にこ「花陽、凛…!」

 

花陽「た、大変ですっ!私と凛ちゃんが起きたらいつの間にかここに…」ハァハァ

 

凛「落ち着いて、かよちん!良かった…みんなもここにいたんだね?」

 

ミンナ-!

 

穂乃果「あっ…希ちゃん、真姫ちゃん!」

 

希「良かった、皆もここにいたんやね…」ホッ

 

絵里「ええ…私達も今、花陽と凛に会った所よ」

 

真姫「それにしても私達、知らない間にこんな何も無い所に連れて来られて…参ったわね」ハァ

 

穂乃果「あれ?みんながいるってことはもしかしてことりちゃんや海未ちゃんも…あっ、いた!」

 

ことり「海未ちゃん…しっかりして?」

 

海未「うぅっ…」グスッ

 

真姫「…こっちも参った事になってるわね」

 

穂乃果「あはは…」

 

ことり「あっ、穂乃果ちゃん…みんなも!」

 

花陽「ことりちゃん…海未ちゃんに何があったの?」

 

ことり「あはは、それが…」

 

海未「どこですか…どこなんですか、ここはっ!?」

 

穂乃果「いや、それが…私達にも分からなくて」

 

海未「穂乃果…まさか、あなたの仕業ですか!?」

 

穂乃果「え、ええっ!?」

 

海未「そうに違いありません…今度こそ、今日という今日は許しません!」

 

穂乃果「いや、さすがに私のせいじゃ…」

 

海未「あなたのその雑で大雑把な性格がどれだけの迷惑と混乱を引き起こしていると思っているのですか!?」ズイッ

 

穂乃果「そ…そんな、ヒドいよぉ~!?」

 

真姫「別に良いじゃない、一人でここにいる訳じゃないんだし…」

 

海未「それは結果的にそうなっただけでしょう!?」ズズイッ

 

真姫「っ!?」

 

海未「もし一人だったら…今頃、命は無かったのですよ!」オーイオイオイ

 

真姫「…」ハァ

 

凛「また始まったニャ~…」

 

穂乃果「…ねぇ、もしかしてこれって夢なんじゃないかな?」

 

ことり「でも、夢にしては意識がハッキリしてるし…」

 

絵里「確かにそうね…夢と言えばさっき、変わった夢を見たわ」

 

凛「それって、もしかして…化け物と戦ってた夢?」

 

絵里「えっ…凛も見たの?」

 

凛「そうだよ!」

 

ことり「実は私も…絵里ちゃんや凛ちゃんもそうだったんだね?」

 

凛「うん!」

 

穂乃果「あっ、それなら私も見たよ!」

 

海未「…実は、私も見ました」

 

花陽「わ、私も!」

 

真姫「私も見たわ」

 

希「ウチも!」

 

にこ「私もよ…変ね、私達全員が同じ夢を見るなんて」

 

希「そうやね…!?皆、あれ!」

 

海未「!?」

 

絵里「ハラショー!?」

 

花陽「さっきまで周りが全部、真っ白だったのに…!」

 

希「まるで、宇宙に来たみたいやね…」

 

ことり「きれ~い…!」

 

凛「ニャー!スゴいニャ~!!」

 

真姫「そんな事言ってる場合じゃないでしょ!?」

 

にこ「…何これ、どこなのよここ!?」

 

穂乃果「ねぇ、もしかしてあそこにあるのって全部…地球かな?」

 

絵里「地球は宇宙に一つしか無いはずよ…幾つもあるなんて、あり得ないわ」

 

花陽「じゃあ…」

 

凛「これは、一体…?」

 

にこ「それが分かれば、にこ達だって苦労しないわよ…」ハァ

 

?「そうか、ここが…の世界か」

 

μ's「!?」バッ

 

青年「…」カシャッ

 

穂乃果「…?」

 

希「あれ、あのカメラ…どこかで見たような」

 

青年「…お前達が『μ's』か?」

 

穂乃果「は…はい!」

 

青年「…そうか、大体分かった」

 

海未「まさか…あなたが私達をこんな所に連れて来たのですか!?」

 

青年「ああ、そうだ」

 

海未「私達をこんな所に連れてきて…一体、どういうつもりなんですか!?」

 

海未「戻してください…早く私達を元の場所に帰してください!!」オーイオイオイ

 

青年「ったく、うるさいヤツだな…喚くな!俺の話を聞いたらすぐに元の世界に帰してやる」

 

絵里「話…?」

 

青年「ああ…『μ's』のリーダーっていうのは、お前か?」

 

穂乃果「えっ?あっ、はい!」

 

青年「残念だったな…このままだと、お前達が廃校を阻止してきた音ノ木坂学院とやらは無くなるらしい」

 

μ's「!?」

 

穂乃果「えっ…ウソ!?」

 

絵里「無くなるって、どういう意味!?」

 

青年「消えるという事だ、要するに…あそこに見えるお前達の世界そのものが滅亡する」

 

花陽「あれが、私達の…世界?」

 

青年「そうだ」

 

ことり「滅亡って…」

 

海未「つまり…学校だけではなく、世界が無くなるという事ですね?」

 

青年「その通りだ」

 

青年「それにお前達の世界の周りにある九つの並行世界と融合すれば…お前達は時と共に消滅を迎え、忘れ去られる事になる」

 

凛「へ…並行世界って?」

 

真姫「パラレルワールド…私達の世界とは別の世界線って事よ」

 

凛「別の、世界線…?」

 

青年「お前達が『μ's』にならなかった世界線の事だ…もしこれらと融合すれば、全ての世界が消滅する」

 

八人「えぇっ!?」

 

穂乃果「あ、あぁ…」フラッ

 

海未「穂乃果!」ガシッ

 

ことり「穂乃果ちゃん!?」ガシッ

 

穂乃果「ご、ごめん…」

 

ことり「大丈夫?」

 

穂乃果「うん、でも…話が難し過ぎて」アハハ

 

海未「…そんな事だろうと思いました」ハァ

 

絵里「ねえ、ちょっといい…?」

 

青年「何だ?」

 

絵里「私達がさっき見ていた夢は…もしかして、あなたが見せてきたの?」

 

青年「いや…それは、並行世界にいるお前達の未来だ」

 

絵里「…未来?」

 

青年「九つの並行世界にはそれぞれ一人ずつ…『仮面ライダー』に変身するお前達と全く同じ名前、同じ顔をした人物がいる」

 

にこ「はぁ?『仮面ライダー』って…日曜の朝にテレビでよくやってる、あの『仮面ライダー』?」

 

花陽「にこちゃん、知ってるの?」

 

にこ「妹達がいつも見てるから、名前だけだけどね…」

 

凛「凛も名前だけなら知ってるよ!」

 

青年「知ってるなら話は早いな…その並行世界が融合しかけているせいで、お前達の存在は別世界の自分達と共有を始めた」

 

青年「そして、その影響で…この世界のお前達も『仮面ライダー』としての変身能力を得てしまったんだ」

 

μ's「!?」

 

希「ウチらが…『仮面ライダー』に?」

 

真姫「…何それ、イミわかんない」

 

海未「そもそも私達、スクールアイドルですよ?」

 

海未「先程の夢のように私達が『仮面ライダー』とやらになって、怪物と戦うなど…あり得ません」

 

青年「そりゃそうだろうな…本来はそれぞれが独立した、全く別々の物語だったんだからな」

 

青年「だが今…物語が融合し、全てが一つになろうとしている」

 

青年「あり得ない事が…実際に現実として起きてしまったんだ」

 

ことり「あり得ない事が、現実に…」

 

青年「放っておけば世界もお前達も消滅する…それを避けたいなら、並行世界を行き来する能力を持つディケイドの協力が必要だ」

 

穂乃果「えっ、ディケイド…?」

 

青年「そうだ、お前達が夢の中で出逢った…『仮面ライダー』の事だ」

 

海未「ディケイド…」

 

ことり「どこかで聞いた事あるような…」

 

にこ「そういえば…そんな名前の『仮面ライダー』を虎太郎がよく見てたような気がするわね」

 

真姫「虎太郎くん?…そうよ、虎太郎くんよ!」

 

花陽「えっ?…ああっ!?」

 

凛「そういえば、夢で大きくなった虎太郎くんっぽい男の子に会ったような気がするニャ!」

 

希「って事は…もしかして!」ガサゴソ

 

絵里「希?」

 

希「あった!…やっぱり、思った通りやね」

 

穂乃果「それ、何の写真…?」

 

希「実はウチ、夢の中でその男の子の写真を撮った覚えがあってな…ほらっ!」ピラッ

 

八人「あーっ!?」

 

絵里「この男の子…夢で見た事ある!」

 

穂乃果「確かこの子の名前って…そうだ、ツカサくんだよ!」

 

にこ「本当に虎太郎によく似てるわ…むしろ、そのまま大きくなった感じね」

 

花陽「でも…どうして、希ちゃんが夢の中で撮ったツカサくんの写真がここに?」

 

青年「それも別世界と融合している影響だろうな…ちなみにその『ツカサ』という人物の正体は、お前達の世界とは全く別の世界から来た『矢澤コタロウ』だ」

 

にこ「コタロウって…はぁ!?」

 

ことり「もしかして、違う世界の虎太郎くんが…」

 

μ's「ディケイドー!?」

 

青年「そうだ…そいつも世界が融合しかけている影響で、お前達の世界の『矢澤虎太郎』と記憶を共有してしまっている」

 

青年「そのせいでこの世界の崩壊も早まっている…このままだと、真っ先に消えるのはお前達の世界の『矢澤虎太郎』だ」

 

にこ「!!…そんな」

 

穂乃果「じゃあ、急いで何とかしなきゃ…!」ダッ

 

青年「待て、まだ話は終わってない」

 

穂乃果「でも!このままじゃ虎太郎くんが…」

 

絵里「穂乃果、落ち着いて…まだどうやって別世界の彼と協力してこの世界を救えば良いのか聞いていないわ」

 

穂乃果「あっ、そっか…ごめんなさい」

 

にこ「…それで、どうすれば良いのよ?」

 

青年「お前らがやるべき事は一つ…ディケイドにある二人の少女を逢わせ、ディケイドに物語を紡がせる事だ」

 

にこ「はぁ?…何よ、それ」

 

青年「ディケイドは…本来、物語の無いライダーだ」

 

青年「ヤツが通り過ぎた後の世界には何も残らない…故に世界の破壊者、悪魔とも呼ばれている」

 

真姫「なっ…それじゃダメじゃない!?」

 

青年「そうだ…だからこそ、ディケイドとお前達の世界に存在している特殊な力を持った二人の少女を逢わせる」

 

青年「そうすれば…二人の少女はお前達『μ's』とディケイドを繋ぐ架け橋になり、全ての世界は救われる」

 

海未「…本当にそれだけで、全ての世界が元通りになるんですか?」

 

青年「ああ、それだけでディケイドは…『これから』の物語を紡いでいく存在に変わる」

 

穂乃果「!…『これから』」

 

絵里「…ところで、その二人の女の子って誰なの?」

 

青年「それは…お前達の方がよく知ってるんじゃないのか?」

 

青年「特に…お前と、お前がな」

 

絵里「…えっ?」

 

穂乃果「私と、絵里ちゃんが…?」

 

青年「さて…これで説明は終わりだ、後の事はお前達に任せる」スタスタ

 

穂乃果「あっ…あ、あのっ!」

 

青年「ん?」クルッ

 

絵里「あなた…一体、何者なの?」

 

にこ「何か、どこかで見た顔ねぇ…!」ハッ

 

にこ「ま…まさか、アンタも違う世界から来た虎太郎とか言い出すんじゃないでしょうね!?」

 

青年「俺か?違うな、俺は…通りすがりの仮面ライダーだ」フッ

 

μ's「!」

 

穂乃果「通りすがりの、仮面ライダー…?」

 

青年「ああ…別に覚えなくて良い、じゃあな」スタスタ

 

カッ!

 

絵里「ちょっと…って、きゃあっ!?」

 

にこ「ま、まぶしい…!」

 

穂乃果「そ…そ、そそ…そんなぁ~!」

 

 

 

穂乃果「うわぁっ!?…っ!」ガバッ!

 

チュンチュン…

 

穂乃果「あれ…今のも、夢?」

 

穂乃果(それから目が覚めた私はすぐに家を出て…急いでオトノキへとやって来ていた)

 

穂乃果(本当だったら、ライブの練習をするはずだったんだけど…どうしてもさっき見た夢のことが気になっちゃって)

 

穂乃果(ガマンできなかった私は…『μ's』のみんなに、このことを相談した)

 

穂乃果「…っていう夢を見たんだよ!」

 

七人「…」

 

穂乃果「あれ…みんな、そこは『夢なんかーい!!』って言う所じゃなかったの?」

 

ことり「穂乃果ちゃん…それがね?」

 

海未「ここにいる私達も全員…穂乃果が見た夢と全く同じ夢を見たのです」

 

穂乃果「えぇっ、そうなの!?」

 

絵里「そう…『通りすがりの仮面ライダー』と名乗っていた、あの男の人と会う所まで全てが一緒だったの」

 

絵里「勿論、その夢の前に見た別の世界から来た虎太郎くんと会うという夢も…」

 

穂乃果「!…ツカサくん」

 

七人「…」

 

穂乃果「あれ…そういえば、にこちゃんは?」

 

凛「それが、にこちゃんも凛達と同じ夢を見たみたいで…」

 

穂乃果「へっ…にこちゃんも?」

 

花陽「うん…それで虎太郎くんの様子が気になるから、今日は練習を休みたいって連絡があったの」

 

穂乃果「そうだったんだ…」

 

~♪

 

穂乃果(その時、希ちゃんの携帯に電話がかかってきた)

 

希「おっ…にこっちからや!」ピッ

 

真姫「噂をすればね…」

 

希「もしもし、にこっち?」

 

 

 

にこ(練習を休み、家にいた私は…希に電話をかけていた)

 

にこ「もしもし?…悪いわね、ライブの日が近いのに急に練習休みたいなんて言っちゃって」

 

希『別にウチらは大丈夫よ、それで…虎太郎くんの様子はどう?』

 

にこ「…いつもと変わりないわね、今は借りてきた『仮面ライダー』のDVDを妹達と一緒に見ているわ」チラッ

 

青年『通りすがりの仮面ライダーだ…覚えておけ!』

 

虎太郎「…」キラキラ

 

にこ「!…今映ってた人、どこかで見覚えが?」

 

希『にこっち?』

 

にこ「あっ、ううん…何でもないわ!」

 

にこ「そうよね…気のせい、よね?」ボソッ

 

青年『変身!』

 

虎太郎「…でぃけいどー」キラキラ

 

こころ「こたろうはほんとうにディケイドがすきなんですね?」

 

虎太郎「!」コクコク

 

ここあ「でもさぁ、ところどころわからないところがあるよね…ディケイドって」

 

こころ「たしかに…そういえば、さいしゅうかいやそのあとのえいがをみてもわからないところがたくさんありました」

 

ここあ「それなのに、こたろうはしょうせつまでよんじゃうくらいきにいってるんだもんなぁ…そんなにディケイドがすきなの?」

 

虎太郎「!」コクコク

 

こころ「どういうところがすきなんですか?」

 

虎太郎「あれー…」スッ

 

『カメンライド…クウガ!』

 

DCDクウガ『はっ!』

 

ここあ「あっ…そっか、カメンライドか!」

 

こころ「たしかにクウガからキバまでの『仮面ライダー』にすべてへんしんできるなんて…すごいことですもんね!」

 

ここあ「ちょっとずるいきもするけどね~…だから、ここあがいちばんすきなのはやっぱりクウガになっちゃうかなぁ?」

 

ここあ「もちろんおねえちゃんのえがおがいちばんだけど…ユウスケのえがおも、なかなかいいよね!」

 

こころ「わかりますよ、ここあ!わたしもしゅうばんまでみたときはずっとないてばかりでしたから…」

 

こころ「とくにさいしゅうかいのごじつだんになるしょうせつばんでの、ごだいさんといちじょうさんのやりとりがさいこうで…」

 

ここあ「はぁ?…なにいってんの、クウガっていったら『小野寺ユウスケ』でしょ!?」

 

こころ「なっ…はぁ!?なにをいっているんですか?クウガといえば『五代雄介』さんにきまってます!」

 

虎太郎「…どらごんないとー」ピッ

 

主人公の青年『KAMEN RIDER!』

 

ここあ「ライジングアルティメットはね…アルティメットよりつよいんだよ!?」

 

こころ「それはのうりょくだけのはなしでしょう!?」

 

ここあ「ちゃんとかつやくしたじゃん!」

 

こころ「あれはほかのライダーとのきょうりょくがあったからです!」

 

虎太郎「でんおー…」ピッ

 

電王『俺、参上!』

 

ここあ「なにをぉ~…!」グギギ

 

こころ「なんですかぁ~…?」グギギ

 

にこ「…ごめん、少し待っててもらえる?」

 

にこ「ちょっとちょっと…さっきから何揉めてんのよ、アンタ達!?」

 

こころ「ごだいさんはやさしいこころであかいめのアルティメットフォームになれたんですよ!?」

 

ここあ「ユウスケはくろいめのアルティメットフォームでもぼうそうせずにたたかったんだよ!?」

 

にこ「さっきから何言ってるのかよく分からないけど…もうやめなさい、そんな喧嘩は!」

 

こころ「でも、ここあが…」

 

ここあ「だって、こころが…」

 

にこ「にこはあんまりよく分からないけど…どっちのクウガにも良い所があるんだったら、両方好きで良いんじゃないの?」

 

にこ「だって、どっちも皆の笑顔を守ってくれる…クウガには変わりないんでしょ?」

 

こころ「!」

 

ここあ「!」

 

にこ「にこはそう思うわ…だから、もうそんな事で喧嘩なんてしちゃダメよ?」

 

にこ「私達はいつだって、にこにースマイル…どんな時も笑顔でいなきゃ!」

 

にこ「にっこにっこにー♡」

 

二人「うわぁ~…!」

 

ここあ「…こころ、ごめんなさい」

 

こころ「ここあ…すみません、わたしもいいすぎました」

 

にこ「…」フフッ

 

ここあ「そうだ…こころ、もしおねえちゃんがクウガになったらどうおもう?」

 

にこ「…えっ、私?」

 

こころ「なるほど…!」

 

こころ「たしかに『大銀河宇宙ナンバーワンアイドル』であるおねえさまがクウガになったら…きっと、おにあいだとおもいます!」

 

にこ「…何の話なの?」

 

こころ「あっ、わすれてました…わたしたちもおねえさまにえがおをおかえしましょう!」

 

ここあ「うん!」

 

こころ「にっこにっこにー♪」

 

ここあ「にっこにっこにー!」

 

こころ「にっこにっこにー♪」

 

ここあ「にっこにっこにー!」

 

にこ「まあ、いっか…にっこにっこにー!!」

 

虎太郎「…」スタスタ

 

にこ「…えっ?」

 

にこ(突然、立ち上がった虎太郎は…玄関まで歩き出そうとしていた)

 

にこ「虎太郎…?ちょっと、どこに行くつもり!?」ガシッ

 

虎太郎「…!」バッ!

 

にこ(急いで私は虎太郎の腕を掴んだけど…虎太郎は小さな子どもとは思えないくらいの強い力で、簡単に私の手を振りほどいてしまった)

 

にこ「きゃっ…!?」ドサッ

 

にこ(それに驚いた私は…思わず尻餅をついてしまった)

 

こころ「おねえさま!?だいじょうぶですか?」

 

にこ「え、ええ…」

 

ここあ「ちょっと…おねえちゃんにあやまりなよ、こたろう!」

 

虎太郎「…」ギィ…バタン!

 

にこ「!?」

 

にこ(そのまま虎太郎は…マンションの部屋を出て行ってしまった)

 

ここあ「こ、こたろうがグレちゃった…?」

 

こころ「ボーッとしてるばあいじゃありませんよ、ここあ…はやくこたろうをおいかけましょう!」タタッ

 

ここあ「あっ、そうだね…まってよこたろぉー!」タタッ

 

にこ「…」ポカン

 

希『どうしたん、にこっち!?…にこっち!!』

 

にこ「!」ハッ

 

にこ(私は急いで携帯を手に取り…希に今起こった出来事を説明した)

 

にこ「もしもし、希!?実は今…って?」

 

にこ「ちょっと何よ、この床に落ちてる砂は!?」

 

 

 

絵里「虎太郎くんが…」

 

穂乃果「グレちゃった!?」

 

希「うん…それで突然、家を飛び出したみたいなんよ」

 

海未「それで、虎太郎はどこへ行ったのですか…?」

 

希「それがにこっち達がすぐに探しに行ったんやけど…まだ見つかってないみたい」

 

ことり「そっか…じゃあ、私達も探しに行ってみよっか?」

 

花陽「そうだね…私もあの夢を見てから、虎太郎くんのことがすごく気になるし」

 

凛「かよちんも?実は凛も気になってて…今日はとてもじゃないけど、練習って気分にはなれそうにないニャ」

 

穂乃果「だよね…じゃあ、私達も行こっか!」

 

真姫「でも探しに行くって言ったって…一体、どうやって探すのよ?」

 

穂乃果「そ…そうだよ、ね?」

 

絵里「だけど…皆で手分けして探した方が、早く見つかると思うわ」

 

穂乃果「う、うん…そうだね?」

 

絵里「穂乃果はどうするの?」

 

穂乃果「へっ?う~ん、難しいなぁ…」

 

真姫「穂乃果!」

 

穂乃果「えぇっ?その、えっと…どうしよぉ~!?」

 

~♪

 

穂乃果「?…電話だ、ちょっとごめんね!」ピッ

 

穂乃果「はい、もしもし!…えっ!?」

 

 

 

にこ(穂乃果から連絡をもらった私は、UTXの大型スクリーンの前へと向かった)

 

にこ(そこには…穂乃果と絵里が虎太郎と一緒にいた)

 

穂乃果「おーい、にこちゃ~ん!」ブンブン

 

にこ「いた…虎太郎!」ダッ

 

虎太郎「!」

 

にこ「はぁはぁ…もう!いきなり家を飛び出して何があったのよ、虎太郎!?」

 

虎太郎「…あれー」スッ

 

にこ「はぁ?あそこに一体、何があるって…!?」

 

にこ(次の瞬間…虎太郎が指を差した方向にある建物が次々と消えていった)

 

にこ「なっ…どうなってんのよ!?」

 

絵里「滅びの現象が起きているのよ…この世界にもね」

 

にこ「ほ、滅びの現象?」

 

絵里「ええ…虎太郎くんをここで保護してくれたある人達から聞いたの」

 

にこ「ある人達?…誰なのよ、それ」

 

穂乃果「にこちゃんもよく知ってるあの人達だよっ!」

 

にこ「あ~!あの人達ね…って、それで分かる訳ないでしょ!?」

 

絵里「その人達の話によるとね…」

 

にこ「話続けるの!?先にその人達が誰か教えなさいよ!」

 

絵里「どうやら…本当に、九つの並行世界と私達がいる世界の融合が始まってしまったみたいなの」

 

にこ「は…はぁ?そんな、嘘でしょ!?」

 

穂乃果「でも、今の…にこちゃんだって見たでしょ?」

 

にこ「それは、確かにそうだけど…」

 

穂乃果「それと…虎太郎くんを見てみて」

 

にこ「今度は何よ…!!」

 

虎太郎「…」スゥゥ…

 

にこ(私は…虎太郎の身体がほんの少しだけ透けていることに気付いた)

 

にこ「虎太郎、何でアンタ…!」ハッ

 

青年『このままだと、真っ先に消えるのはお前達の世界の《矢澤虎太郎》だ』

 

にこ「まさか…アレも本当だったって訳?」

 

穂乃果「…うん」

 

にこ「そんな、このままじゃ虎太郎が…一体どうすれば良いのよ!?」

 

絵里「…にこ、安心して」

 

にこ「?」

 

絵里「ここは私に…任せて!」

 

にこ「…はぁ?アンタに?」

 

絵里「ええ!」

 

にこ「いや、アンタ…海外に行った時も同じこと言ってたけど最終的には穂乃果に投げっぱなしだったじゃないのよ!?」

 

絵里「今度こそ大丈夫よ…そうよね、穂乃果?」

 

穂乃果「うんっ!」

 

にこ「結局、また穂乃果に投げっぱなしにしてるじゃないのよ!?」

 

にこ「こういう時のアンタは大抵…一番、頼りになんないって決まってんのよ!」

 

絵里「ちょっと、にこ…あなたは今まで穂乃果の何を見てきたの?」

 

絵里「穂乃果はここぞという所で…いつだって、私達を引っ張ってきてくれたじゃない!」キリッ

 

にこ「だから穂乃果じゃなくてアンタの方が頼りないって言ってんのよ!?」

 

絵里「…え?」ポカン

 

にこ「『え?』…じゃないわよ!?ってか、二人共が揃ってアテになんないのよ!」

 

穂乃果「まあまあ、にこちゃん…落ち着いて」

 

にこ「何よ!アンタまでボケ倒す気ぃ!?」

 

穂乃果「そ、そうじゃなくて…ちょっと見ててくれる?」

 

にこ「はぁ?」

 

穂乃果「…」ジーッ

 

虎太郎「?」

 

にこ(穂乃果は虎太郎の目を見つめながら…虎太郎にこう言った)

 

穂乃果「お願い…雪穂や亜里沙ちゃんと一緒に、九つの世界を救ってほしいの!」

 

虎太郎「…?」

 

にこ「いや…アンタ、何やってんの?」

 

穂乃果「お願いだよ!」

 

にこ「どうして虎太郎にそんなことお願いしてんのよ!虎太郎は神様じゃないのよ!?」

 

穂乃果「そ、そんなの分かってるよぉ…」

 

にこ「ってか、何でさりげなく自分達の妹を巻き込んでんのよ!?」

 

穂乃果「あはは…でも、夢の中であの人が言ってたでしょ?」

 

青年『世界が融合しかけている影響で、お前達の世界の《矢澤虎太郎》と記憶を共有してしまっている』

 

にこ「!…アンタ、まさか」

 

穂乃果「うんっ!だから…届くようにお願いしてみたの」

 

穂乃果「コタロウくん…ううん、ツカサくんに!」

 

にこ「…穂乃果」

 

穂乃果「それに…こんなことも言ってたでしょ?」

 

青年『ディケイドとお前達の世界に存在している特殊な力を持った二人の少女を逢わせる』

 

青年『そうすれば…二人の少女はお前達《μ's》とディケイドを繋ぐ架け橋になり、全ての世界は救われる』

 

青年『それだけでディケイドは…《これから》の物語を紡いでいく存在に変わる』

 

絵里「私がその二人の少女が誰なのかって尋ねた時…あの人が返した言葉で、私と穂乃果は気付いたの」

 

青年『お前達の方がよく知ってるんじゃないのか?特に…お前と、お前がな』

 

にこ「それでアンタ達…あの二人だって思ったの?」

 

穂乃果「そうだよっ!雪穂達があの子に会わない限り、世界はなくなっちゃう…」

 

穂乃果「ってことは一緒に旅をさせれば、なくならないってことでしょ?」

 

にこ「旅って…さすがにそこまでは言ってなかった気がするんだけど」

 

穂乃果「でも…にこちゃんも夢の中で、ツカサくんと旅をしている雪穂と亜里沙ちゃんに会ったんでしょ?」

 

にこ「…!」

 

雪穂『私達…見たいんです』

 

亜里沙『ニコさんの…笑顔を!』

 

穂乃果「私も最初はなぜか忘れてたんだけどね…あの人が教えてくれたおかげで、ちゃんと思い出せたの」

 

雪穂『思い切って自分のことを一番に考えてみたら?』

 

絵里「夢を見た今なら私も確信が持てるわ…あの二人がツカサくんと一緒に旅をすれば、絶対に何とか出来るって」

 

亜里沙『私、この世界のお姉ちゃんに会えて良かった!』

 

にこ「でも、根拠がないじゃないのよ…?」

 

絵里「根拠が無いのなら、作り出せば良いのよ…今からね!」フフッ

 

にこ「!…絵里」

 

絵里「…だから、聞いてくれる?」

 

虎太郎「?」

 

にこ(虎太郎の目を優しく見つめる絵里は…虎太郎にこう言った)

 

絵里「ディケイドである君と高坂雪穂と絢瀬亜里沙の存在が…μ'sとこの世界を救う鍵になるの!」

 

虎太郎「…?」

 

にこ「…ったく、私の弟に何吹き込んでんだか」ハァ

 

絵里「えっ、ダメかしら?ツカサくんに分かりやすく伝わるように二人の名前をフルネームで言ってみたんだけど…」

 

にこ「そうじゃなくて端からだと子供に声を掛けている不審者にしか見えないのよ…大体、こんなので伝わるかどうかも怪しいのに」

 

穂乃果「あはは…やっぱり、変かなぁ?」

 

にこ「当たり前じゃない…ってかアンタ達、良いの?」

 

にこ「もし仮にこれが別の世界のコタロウ…ツカサに通じたとしても、二人と会えるかどうか分からないのよ?」

 

穂乃果「大丈夫だよぉ~…その時は私がちゃんとツカサくんに会いに行くように雪穂達に話してみるから!」

 

にこ「それで会って旅に出られたとしても…ちゃんとこの世界に帰って来られる保証なんてないのよ?」

 

絵里「それも心配無いわ…希達も、夢の中で二人に会ったって言ってるもの」

 

絵里「必ず九つの世界を全て回って…私達がいるこの世界に戻ってきてくれるはずよ」

 

にこ「アンタ、どんだけあの夢のことを信頼してんのよ…?」

 

絵里「…いいえ、夢なんかじゃないわ」

 

絵里「あれは別の世界で、実際に起きようとしている事なんだって…私は思うの」

 

にこ「!…絵里」

 

穂乃果「それに、私は信じたい…雪穂と亜里沙ちゃんが無事に帰ってくるのを」

 

穂乃果「もちろん…ツカサくんのこともねっ!」

 

にこ「穂乃果…」

 

穂乃果「ほらほら、にこちゃんも…何かお願いしてみてよ!」ズイッ

 

にこ「ち、ちょっと!?…っ!」

 

虎太郎「?」ジーッ

 

にこ「ううっ…///」

 

絵里「…どうしたの、にこ?」

 

にこ「い、いや…よく見ると整った顔立ちしてるわねーって思って」アハハ

 

穂乃果「もしかして…照れてるの?」

 

にこ「てっ!?べ、別に照れてないわよ!」

 

穂乃果「ホントかなぁ…?」

 

にこ「別にどうだっていいじゃない…とにかくさっさとやれば良いんでしょ!?全く、しょーがないわねー!」

 

にこ(気を取り直した私は…虎太郎の目を見つめて、こう言った)

 

にこ「…お願い、世界を救って?」

 

虎太郎「…」

 

にこ「…やっぱり、こんなので伝わるなんて思えないんだけど」ハァ

 

穂乃果「大丈夫だよ…絶対に伝わるよ、ツカサくんに!」

 

穂乃果「それに今の私達には…『仮面ライダー』の力もあるんでしょ?」

 

穂乃果「つまり…雪穂達が帰ってくるまで私達が『仮面ライダー』になって、その間に世界を守ればいいんだよ!」

 

にこ「はぁ?アンタねぇ…『仮面ライダー』になって世界を守るって言っても、テレビみたいに悪の軍団がいる訳じゃないのよ?」

 

穂乃果「それが本当にいるんだよ!」

 

にこ「何よ、それ…どういうことよ?」

 

にこ(私達がそう話していると…突然、虎太郎が何かを呟いた)

 

虎太郎「!…おにー」スッ

 

にこ「え?…っ!?」

 

にこ(私達が空を見上げると…大きな船が飛んでいた)

 

穂乃果「絵里ちゃん、あれってもしかして…!」

 

絵里「どうやら…あれが『鬼の戦艦』のようね」

 

にこ「『鬼の戦艦』…?」

 

絵里「時を走るという伝説の船よ…今は『大ショッカー』の本部基地になっているみたい」

 

絵里「それにしても、まさかこの世界にも既に…『大ショッカー』の魔の手が迫ってるなんて」

 

にこ「いや、そうやって当たり前のように説明されても…そもそも『大ショッカー』って何よ?」

 

穂乃果「簡単に言うと、私達の世界を狙っている悪い化け物がたくさんいる組織なんだって!」

 

にこ「!…私達の世界を?」

 

絵里「ええ、要するに私達の敵…という事よ」

 

虎太郎「!」ハッ

 

にこ「?…虎太郎、どうしたの?」

 

虎太郎「…!」ダッ

 

にこ(虎太郎はまた突然…どこかへ向かって走り出した)

 

にこ「ちょっ…虎太郎!?」

 

穂乃果「虎太郎くん!」

 

絵里「待って!」

 

にこ(私達が虎太郎を追いかけようとすると…船から全身に黒タイツを着た集団が目の前に落ちてきた)

 

?「イーッ!」スタッ

 

にこ「っ!?」

 

穂乃果「!…そっか、あなた達が大ショッカーの戦闘員だね?」

 

戦闘員A「その通りだ…貴様らが『μ's』の高坂穂乃果と絢瀬絵里と矢澤にこだな?」

 

絵里「…そうだと言ったら?」

 

戦闘員B「大人しく我々に投降しろ!」

 

絵里「それは無理な話ね…分かったら、早くこの先を通しなさい」

 

戦闘員C「誰が通すか!」

 

戦闘員A「こうなれば、力ずくでも貴様らを捕まえてやる!」

 

にこ「ちょっと…何が起こってるのよ、これ!?」

 

にこ「っていうか、どうしてアンタ達があいつらのこと知ってるのよ?」

 

穂乃果「聞いたんだよ…ある人達からね」

 

にこ「だから誰なのよ、それは!?」

 

穂乃果「実はね…」ヒソヒソ

 

にこ(穂乃果に耳打ちされた私は…詳しい事情を聞いた)

 

にこ「!」

 

穂乃果「分かった?」

 

にこ「…そういうことね、よく分かったわ」

 

にこ「それで…ここからどうするつもり?」

 

絵里「そうね、虎太郎くんを追いかけたいけど…今のままだと難しそうね」

 

にこ「じゃあ…全員、大人しく捕まれっていうの?」

 

絵里「もちろんそのつもりは無いわ…そうよね、穂乃果?」

 

穂乃果「…うん!」

 

にこ「えっ…何するつもりよ?」

 

穂乃果「はあぁぁぁっ!」ダダッ

 

絵里「…ふっ!」ダダッ

 

にこ「!?」

 

にこ(走り出した穂乃果と絵里は…勢いをつけたまま、戦闘員達に体当たりしていった)

 

穂乃果「えいっ!」ドンッ!

 

絵里「はぁっ!」ドンッ!

 

戦闘員A「イーッ!?」ドサッ

 

にこ「ち、ちょっとアンタ達…何してんのよ!?」

 

穂乃果「行って、にこちゃん!」

 

にこ「はぁ!?」

 

絵里「あなただけでも虎太郎くんを追って…早く!」

 

穂乃果「この人達は…私と絵里ちゃんが止めるから!」

 

にこ「そんな…いくらアンタ達でも無茶よ!?」

 

穂乃果「ムチャなんかじゃないよ…だって今の私は、スクールアイドル『μ's』の高坂穂乃果としてだけじゃない!」

 

穂乃果「『仮面ライダー』として…みんなのいる世界や夢を守りたい!」

 

にこ「でも…!」

 

穂乃果「人間その気になれば、何だって出来るよ!」

 

穂乃果「だから…私、やっぱりやる!やるったらやる!!」

 

にこ(穂乃果がそう言った瞬間…穂乃果のお腹から、強く光るベルトが現れた)

 

にこ「うっ!?な、何…?」

 

絵里「…穂乃果!」

 

穂乃果「!…これって」

 

にこ(穂乃果の足元に浮かぶマークのようなものが段々と両足に集まっていくと…穂乃果は金色の戦士に姿を変えた)

 

アギト「…」

 

戦闘員B「何ッ!?」

 

戦闘員C「アギトに変身しただと!?」

 

アギト「アギト?…そっか、本当に変身しちゃったんだ!」

 

アギト「やったぁー!嬉しい~っ!!」ピョンピョン

 

絵里「ハラショー…」

 

にこ「嘘…でしょ?」

 

戦闘員B「くっ…怯むな、かかれ!」

 

戦闘員C「イーッ!」ダッ

 

アギト「わわっ…!」サッ

 

にこ(アギトになった穂乃果は戦闘員達のパンチを避けると…)

 

アギト「やぁっ!」ガッ!

 

戦闘員C「イーッ!?」ドサッ

 

にこ(キックで反撃し、戦闘員の一人を軽く吹き飛ばしてしまった)

 

アギト「あっ!?ごめんなさい!ちょっと力が強過ぎちゃった…」

 

絵里「気にする必要は無いわ、穂乃果…元々この戦闘員達は人じゃないわ!」

 

アギト「えっ?あ、そっか…そうだった!」

 

戦闘員B「今だ!」バッ

 

アギト「!」

 

ガッ!

 

戦闘員B「うわっ!?」

 

にこ(襲いかかった戦闘員から穂乃果を助けたのは…どこからか飛んできた赤いカブト虫だった)

 

にこ「カ、カブト虫…?」

 

アギト「ありがとう…あなたが助けてくれたんだね?」

 

赤いカブト虫「…!」ビュン!

 

パシッ

 

アギト「あっ…え、絵里ちゃん!?」

 

絵里「助けたのは…私よ」

 

にこ(絵里は赤いカブト虫を捕まえると…突然、目つきが鋭くなった)

 

アギト「絵里ちゃんが…カブト虫を掴んでる!」

 

にこ「何かお腹に変なベルト巻かれてるんだけど…一体、いつの間に着けたのよ?」

 

絵里「夢から覚めた後…私の枕元に、このベルトがあったの」

 

絵里「それからはずっと持ち歩いていたの、この子がやって来てくれるまで…ずっと」

 

絵里「妹達と世界を守りたいと思った…この時の為に、ね」フフッ

 

アギト「!…もしかして、絵里ちゃんも」 

 

絵里「さあ…行くわよ?」

 

戦闘員B「!」

 

絵里「…変、身」パッ

 

『Henshin』

 

にこ(絵里は赤いカブト虫を放して落とすと…そのままお腹のベルトに取り付き、姿を変えた)

 

カブト「…」

 

にこ(その姿は…全身に鎧をまとった戦士だった)

 

アギト「スゴい…絵里ちゃんも変身した!」

 

カブト「…はっ!」ガガッ!

 

戦闘員B「今度はカブトが…イーッ!?」バタッ

 

にこ(鎧の戦士になった絵里は銃のような形をした武器からビームを発射して…戦闘員の一人を倒した)

 

にこ「もう、何でもありって感じね…」ハァ

 

カブト「行って、にこ!」

 

アギト「そうだよ、にこちゃん…早く虎太郎くんを!」

 

にこ「…全く、しょーがないわねー!」ダッ

 

にこ(私が走り出したその時…別の戦闘員が剣を振るってきた)

 

戦闘員D「させるか!」ブンッ

 

にこ「!」

 

にこ(突然の出来事に、私は思わず目を閉じてしまった)

 

カブト「しまった…にこ!」

 

アギト「にこちゃん!」

 

にこ「…?」パチリ

 

にこ(少し経っても何も起こらないことを不思議に感じ、目を開けると…私の右腕は白く変わっていた)

 

にこ「!…か、変わった?」

 

にこ(にこはとっさに白く変わった右腕で…戦闘員の剣をガードしていた)

 

戦闘員D「なっ…何?」

 

にこ「ちょっと、危ないじゃないのよアンタ…さっさとどきなさいよ!」ドンッ!

 

戦闘員D「イーッ!?」ドサッ

 

にこ(にこが左腕を戦闘員を突き飛ばすと…左腕や両足、そして全身が白く変わった)

 

クウガ「…!」

 

アギト「スゴい…にこちゃんも変身した!」

 

クウガ「…これが、変身?」

 

カブト「ハラショー…さすがにこね!」

 

クウガ「でも、何か色が違うような気が…」

 

アギト「えっ…どういうこと?」

 

クウガ「こっちの話よ…それより、ここはアンタ達に任せるわよ!」ダッ

 

アギト「う、うんっ!」

 

カブト「ええ!」

 

クウガ(この場を穂乃果と絵里に任せた私は…急いで虎太郎の後を追って行った)

 

 

 

クウガ「はぁはぁ…虎太郎ー!」

 

クウガ「もう、どこに行っちゃったのよ…!?」

 

クウガ(虎太郎を探していた私は…クモのような姿をした人型の化け物から逃げている雪穂と亜里沙を見つけた)

 

クウガ「あれって…まさか、大ショッカー!?」ダッ

 

クウガ(逃げる雪穂達と追いかけるクモの化け物の距離は…どんどん近付いている)

 

クウガ「ダメ、このままじゃ…間に合わない!」

 

クウガ(あの様子だとツカサにもまだ会ってないみたいだし…一体、どうすれば良いの?)

 

穂乃果『《仮面ライダー》として…みんなのいる世界や夢を守りたい!』

 

穂乃果『人間その気になれば、何だって出来るよ!』

 

クウガ「!…そうよ」

 

クウガ「だったら、私も…何だってやってやるわ」

 

クウガ「この世界や夢のためだけじゃなくて…笑顔を守るために!」

 

クウガ「だって、私は…大銀河宇宙ナンバーワンアイドルなのよ?」

 

クウガ「あんな奴らのせいで、これ以上誰かに涙を流してほしくないし…流させる訳にもいかないの!」

 

クウガ「だってみんなには…私達『μ's』の歌で、笑顔でいてほしいから!!」

 

クウガ(その時、私のベルトの色がオレンジから赤に変わったような気がした)

 

クウガ「これって…どうやら、やるしかないみたいね!」

 

クウガ(決意した私は…そのまま走りながら、あの言葉を叫んだ)

 

クウガ「超変身!」

 

クウガ(それから私の姿は白から赤に変わり…その勢いのまま、クモの化け物にパンチしていった)

 

クウガ「ふんっ!」ガッ!

 

ズ・グムン・バ「グッ!?」

 

雪穂「!?」

 

クウガ「ちょっとアンタ…にこの大事な知り合いに何しようとしてんのよ!」ゼェゼェ

 

雪穂「えっ…」

 

亜里沙「にこ…さん?」

 

グムン「ク、クウガ!?」

 

クウガ「そう…これ、クウガって言うのね?」

 

クウガ(それから私は…驚いていた雪穂達に声をかけた)

 

クウガ「ちょっとアンタ達、早く逃げなさい!」

 

雪穂「もしかして…にこさんなんですか?」

 

クウガ「にこは今、説明してる暇ないの!いいから逃げなさい!」

 

雪穂「は…はい、行こう亜里沙!」ダッ

 

亜里沙「う…うん!」ダッ

 

クウガ(そのまま雪穂達は…その場から逃げて行った)

 

クウガ「全く世話のかかる子達なんだから…あと、そこのアンタ!」ビシッ

 

グムン「…?」

 

クウガ「この大銀河宇宙ナンバーワンアイドルが来たからには…これ以上、好き勝手な事はさせないんだから!」

 

グムン「クウガ…ガサダバ ディケイドバ ゾボザ(新たな ディケイドは どこだ)?」

 

クウガ「はぁ?何言ってんのアンタ?」

 

グムン「…」

 

クウガ「って…何か言いなさいよ!?」

 

クウガ「全く、しょーがないわねー…」ハァ

 

クウガ「こうなったら…にこにーのとっておきを見せてあげるんだから、覚悟しなさいよね!」

 

クウガ「超変身!」

 

 

 

希「!…いた」

 

海未「もう、一体何が…!」

 

ツチグモ「キシャァァァ!」

 

海未「な…何ですか、あれは!?」

 

希「ウチも詳しい事はまだ思い出せないんやけど…この世界の皆を襲おうとする怪物って事だけは確かよ」

 

ローカストアンデッド「…」

 

海未「そんな…あのままでは、雪穂と亜里沙が!」

 

希「…大丈夫、ウチがこれで何とかする」スッ

 

海未「!…その音叉、まさか」

 

希「だから、海未ちゃんは二人を…」

 

海未「…いえ、私も一緒に戦います」スッ

 

希「え?」

 

海未「私だって、あのような者達に雪穂や亜里沙…街の皆が襲われるのを黙って見ている訳にはいきません!」

 

希「!…海未ちゃん」

 

海未「それに敵は二体もいます…一対二では、さすがの希でも不利です」

 

海未「だから、共に立ち向かいましょう…私達の力で!」

 

希「…うん!」

 

キィィィン…

 

響鬼「はぁっ…はっ!」

 

海未「変身!」ダッ

 

『Turn Up』

 

ブレイド「ふっ!」スッ

 

『Thunder』

 

 

 

こころ「はぁはぁ…ここあ、そっちはどうでしたか?」

 

ここあ「ううん、いろいろさがしてみたんだけど…」ゼェゼェ

 

こころ「こたろう、いったいどこにいったんでしょうか…?」

 

ここあ「ぶじだといいんだけど…!」

 

キィン…キィン…

 

こころ「あら?このおとって…」

 

ここあ「どこかできいたような…」キョロキョロ

 

こころ「…!」

 

ここあ「どうしたの、こころ?」

 

こころ「か、かがみをみてください!」

 

ここあ「へ?…!?」

 

こころ「かがみにうつるわたしのくびに、しろいなにかがまきついてます…!」

 

ここあ「いや、でも…こっちのこころのくびにはなにもついてないよ!?」

 

こころ「…じゃあ、ためしにかがみをさわりにいってみましょう」トテトテ

 

ここあ「あっ…ちょっと、こころ!」

 

こころ「…!?」ネチャ…

 

ここあ「うわっ、なにこのネチャネチャ…きもちわる~い!」

 

こころ「これは…もしかして、くものいとでしょうか?」

 

ここあ「くものいと?あれ、なんかどっかでみたようなきが…!」

 

キィン…キィン…

 

ここあ「またあのおとが…って、ん?」チラッ

 

?『…』

 

こころ「!?…ま、まさかあれはミラーモンスターの…」

 

ここあ「ディスパイダー!?」

 

ディスパイダー『…!』ガシッ

 

こころ「きゃっ…!」ズルズル

 

ここあ「!?…こころ!」ガシッ

 

こころ「ここあ…あなただけでもにげてください!」

 

ここあ「ダメだよ…このままじゃこころが、こころがたべられちゃうよ!」

 

こころ「ですが、このままではふたりともたべられてしまいます…だからここあだけでも」

 

ここあ「イヤだっ!」

 

こころ「!?」

 

ここあ「だって、わたしたち…こんどの『μ's』のライブにいくんだよ?」

 

ここあ「おかあさんやこたろうもそうだけど…こころといっしょにいけないとわたし、えがおになんてなれないよ!」

 

こころ「ここあ…ふふっ、そうでしたね?」

 

こころ「かぞくみんながそろわないと…わたしたちもおねえさまも、えがおになれないですもんね!」

 

ここあ「そうだよ、だから…ふぎぎ~!」グググッ

 

こころ「いっしょににげましょう…ふぬぬ~!」グググッ

 

ディスパイダー『…』グイッ

 

こころ「っ!?」フラッ

 

ここあ「かがみのなかに、ひきずりこまれ…」

 

ダダダッ…ガシッ!

 

?「ニャァァァッ!!」グイッ!

 

ここあ「わぁっ!?」ドサッ

 

こころ「いたた…って、りんさん!?」

 

凛「き、危機一髪ニャ~…」ホッ

 

リーン!

 

凛「あっ…真姫ちゃん!」

 

真姫「どうやら間に合ったみたいね…安心したわ」ホッ

 

凛「二人とも、ケガはないかニャ?」

 

こころ「は、はい…だいじょうぶです!」

 

ここあ「ありがとう、りんおねえちゃん!」

 

凛「えへへ…良かった!」

 

真姫「それにしても困ったわね…今から安全な場所まで逃げるにしても、もう大ショッカーの侵攻は始まってる」

 

こころ「へっ…大ショッカー?」

 

ここあ「大ショッカーって、あの大ショッカー?」

 

真姫「何、あなた達も知ってるの?」

 

こころ「えっと、はい…」

 

ここあ「しってるというか、みてるというか…」

 

真姫「だったら話は早いわね…じゃあ、早くここから離れましょう」スタスタ

 

凛「…ねぇ、真姫ちゃん」

 

真姫「何?」クルッ

 

ディスパイダー『…』ガッ!ガッ!

 

真姫「うぇえ!?」

 

こころ「あ、あれは…ディスパイダーが!」

 

ここあ「せまいかがみのなかから、むりやりでてこようとしてる!?」

 

凛「たぶん、あのクモはこころちゃんとここあちゃんを狙ってるんだと思う…」

 

こころ「えっ…!」

 

ここあ「そうなの?」

 

凛「うん、だからね…」

 

凛「凛があのクモをやっつけるから、この二人を安全な場所まで連れて行ってくれないかニャ…?」

 

真姫「…!」

 

こころ「りんさん、なにをいってるんですか!?」

 

ここあ「そうだよ!ミラーワールドにいくカードデッキもあるわけじゃないのに…」

 

凛「えっ、カードデッキって…これのこと?」スッ

 

ここあ「!…それって」

 

こころ「カードデッキ…どうしてりんさんが?」

 

凛「実はね…制服のポケットの中に入ってたんだ!」

 

凛「きっとこれで…あのクモをやっつけられるはずだよ!」

 

真姫「…無茶よ」

 

凛「えっ…真姫ちゃん?」

 

真姫「あんな大きな怪物に凛一人で立ち向かうだなんて…そんな事、させられない!」

 

凛「…安心して、真姫ちゃん」

 

真姫「え?」

 

凛「凛…絶対に、生きるから」

 

真姫「!…凛」

 

凛「あのクモが鏡から出てくる前に…早く行くニャ、真姫ちゃん!」

 

真姫「…本当に、任せて良いのね?」

 

凛「うん…大丈夫だよ!」

 

真姫「そう、その言葉…信じるわ」フフッ

 

凛「…!」バッ

 

凛「変身!」

 

龍騎「…」

 

こころ「『龍騎』に…!」

 

ここあ「変身した!」

 

ディスパイダー「…!」

 

龍騎「…ニャッ!行っくニャー!!」ダッ

 

真姫「行ってらっしゃい…凛」ボソッ

 

真姫「さあ、二人ともこっちよ!」ダッ

 

こころ「あっ…はい!」タタッ

 

ここあ「ま、まってよ~!」タタッ

 

 

 

こころ「そういえばまきさん…そのだいじそうにもってるケースはなんなんですか?」

 

真姫「これ?これは…」

 

ここあ「あっ…!?」ピタッ

 

真姫「…!」

 

?「フフフ…」

 

ここあ「あいつは…ホースファンガイア!」

 

こころ「そ、そんな…どうしてミラーモンスターだけでなくファンガイアまで!?」

 

ホースファンガイア「君のような美しい人間が見つかって嬉しい…君のライフエナジーに、乾杯」

 

真姫「…それ、まさか私へのナンパのつもり?」パカッ

 

こころ「えっ、まきさん…?」

 

ここあ「!?…みてこころ、まきおねえちゃんがもってるあのケースのロゴ!」

 

こころ「あ…あれは『スマートブレイン』の!?」

 

真姫「だったら悪いけど…あなた、私の好みじゃないの」ピッピッピッ…

 

ホースF「何…?」

 

ピピッ

 

『Standing By』

 

真姫「変身!」

 

『Error』

 

真姫「え?…きゃあっ!」バチバチッ!

 

こころ「まきさん!」

 

ここあ「ファイズドライバーがふきとんだ…って、だいじょうぶ!?」

 

真姫「もう!イミわかんない…何で変身出来ないのよ!?」

 

ホースF「何をするつもりだったかは知らないが…どうやら役に立たなかったようだな?」スタスタ

 

ここあ「あいつ…けんをもってこっちにやってきてるよ!」

 

こころ「まきさん、たてますか?ひとまずここはにげないと…っ!?」

 

?「逃がさん…」

 

こころ「ば、バットイマジン…!」

 

ここあ「まさかイマジンまでいるなんて…どうしよう、はさまれちゃったよ!?」

 

バットイマジン「ハアッ!」バッ!

 

真姫「はっ、危ない!…うっ!?」ゴロゴロ

 

ここあ「まきおねえちゃん!」

 

真姫「ち、ちょっと擦りむいただけだから…っ!」ズキッ

 

こころ「わたしたちをかばって…しっかりしてください、まきさん!」

 

真姫「う、ううっ…」

 

ホースF「…さあ、終わりだ」スタスタ

 

バットI「潰れろ!」ダッ

 

?「危ねぇ!」ガッ!ゴッ!

 

ホースF「グッ!?」

 

バットI「ガッ!?」

 

こころ「えっ…?」

 

?「ふぅ~、ヒヤヒヤしたぜ…」バサバサ

 

真姫「うぇえ!?」

 

ここあ「あれは…キバット!」

 

こころ「ほんとうに…キバットバットⅢ世さんなんですか!?」

 

キバット「おう!それにしてもお嬢ちゃん達…良く知ってるな?」

 

キバット「あっ、もしかして…俺様のファンか!?」

 

ここあ「うん!」

 

こころ「はい!」

 

キバット「本当か!?な、何か嬉しくて泣きそうになってきたぜ…」ジーン…

 

真姫「な、何…?」

 

キバット-!

 

真姫「!」クルッ

 

こころ「あっ、はなよさんと…!」

 

ここあ「ことりおねえちゃんだ!」

 

花陽「こころちゃん、ここあちゃん!…って真姫ちゃん!?」

 

ことり「足、擦りむいちゃってる…大丈夫?」

 

真姫「ええ、このくらい平気よ…っ!」ズキッ

 

花陽「あっ…ダメだよ真姫ちゃん、無理しちゃ!」

 

ことり「今、すぐに手当てしてあげるから…少しそのままにしててくれる?」

 

真姫「でも…」

 

ことり「ちょっとだけだから…ねっ?」

 

真姫「!…分かったわ、お願い」

 

ことり「~♪」グルグル

 

こころ「じつはまきさん、わたしたちをてきのこうげきからかばってくれて…」

 

花陽「そうだったんだ…」

 

ここあ「そのせいでケガしちゃったの…まきおねえちゃん、ごめんなさいっ!」

 

真姫「別に気にしなくて良いわ…私はあなた達を守りたいから守った、それだけよ」

 

真姫「別にあなた達がにこちゃんの妹だからとかなんて関係無い…ただ、あなた達を守りたかった」

 

真姫「そう…ただ、それだけよ」

 

こころ「…まきさん」

 

ここあ「まきおねえちゃん…」

 

ことり「これでよし…っと!」ポンポン

 

真姫「…ありがとう、ことり」

 

ことり「うふふ…どういたしまして!」

 

真姫「それにしても…花陽もことりも、もう大丈夫なの?」

 

花陽「うん…みんなにはもう、安全な所に避難してもらってるから」

 

ことり「だから私達も…真姫ちゃん達を手伝いたいなと思って、ここまでやって来たの」

 

真姫「そう…」

 

ホースF「貴様ら…!」

 

バットI「許さんぞ!」

 

ことり「!…真姫ちゃん、ここは私達に任せてくれる?」

 

真姫「…!」

 

ここあ「でも、おねえちゃんたちはどうするの…?」

 

花陽「私達なら大丈夫だよ…キバット!」

 

キバット「よっしゃ、キバって行くぜ!」

 

花陽「…!」パシッ

 

こころ「えっ…もしかして!?」

 

花陽「…」スッ

 

キバット「ガブッ!」

 

花陽「…変身」

 

キバ「…」

 

ホースF「なっ…お前は!?」

 

ここあ「『キバ』だ!」

 

キバ「…ふっ!」ダダッ

 

こころ「はなよさん…!」

 

ことり「…」スタスタ

 

ここあ「まさか…ことりおねえちゃんも?」

 

ことり「…うんっ!」スッ

 

バットI「!?…貴様、それは!」

 

こころ「デンオウベルトと…ライダーパス!?」

 

ことり「私に出来ることを…変身」

 

『ソードフォーム』

 

電王「…」

 

バットI「その姿は…!」

 

こころ「『電王』!」

 

電王「…私、参上!」

 

ここあ「あれ?いまのこえ…」

 

電王「真姫!」

 

真姫「…え?」

 

電王「早くその子達を連れて行きなさい!」

 

真姫「っ!?…ちょっとことり、何でいきなりそんな命令口調なのよ!」

 

電王「戦いの邪魔だって言ってるのよ…ここはいいから、早く行きなさいよ!」

 

真姫「こ、ことり…あなたねぇ!?」

 

ここあ「まきおねえちゃん、まって!」

 

真姫「何よ!?」

 

こころ「たぶん、いまのことりさんはことりさんのようで…ことりさんじゃありません!」

 

真姫「?…何それ、イミわかんない」

 

ここあ「とにかく…ここはことりおねえちゃんたちにまかせて、いっしょにいこうよ!」

 

真姫「!…もう、後で覚えてなさいよことり!」

 

こころ「それにしても…あの電王、こえがちがうようなきがしませんか?」ヒソヒソ

 

ここあ「うん、なんだか…モモタロスじゃなくておねえちゃんににてるきがする」ヒソヒソ

 

こころ「やはりここあもそうおもってましたか…」

 

真姫「行くわよ、二人とも!」ダッ

 

こころ「あっ…はい!」タタッ

 

ここあ「えっ、ちょっと…ファイズギアはもっていかなくていいのー!?」タタッ

 

電王「…ようやく行ったわね」ハァ

 

バットI「おのれ…こうなったら、まずは貴様を潰す!」

 

電王「はっ…残念だけど、潰されるのはアンタの方よ!」

 

電王「なぜなら私は最初から最後までクライマックスなんだから…覚悟しなさい!」ダッ

 

 

 

真姫「こっちよ!」

 

ここあ「はぁはぁ…うん!」

 

こころ「あっ、あれは!?」

 

真姫「!」

 

?「フン…」

 

ここあ「たしか、あいつは…スティングフィッシュオルフェノク!」

 

こころ「そんな、オルフェノクまで…!」

 

スティングフィッシュオルフェノク「…ハッ!」バッ

 

こころ「なっ…さかなのすがたで、そらをとびながらこっちにむかってきます!」

 

ここあ「まさか…わたしたちにぶつかってくるつもり!?」

 

真姫「…どうやら、あの姿になるしかないみたいね」

 

ここあ「へっ…?」

 

真姫「二人とも、伏せてっ!」

 

こころ&ここあ「!?」サッ

 

ガシッ!

 

こころ&ここあ「…?」パチリ

 

?「…」グググッ…

 

ここあ「!?…あのオルフェノクは!」

 

こころ「ウルフオルフェノク…?」

 

ウルフオルフェノク「ううっ…」

 

スティングフィッシュO「何…攻撃を受け止めただと!?」

 

ウルフO「ぐっ…はぁっ!」ブンッ

 

スティングフィッシュO「グアッ!」ドサッ

 

ウルフO「うっ…!」フラッ

 

こころ「まきさん!?」

 

ここあ「まきおねえちゃん…しっかりして!」ユサユサ

 

真姫「…」ハァハァ

 

スティングフィッシュO「グッ…次こそ、消えろ!」ダッ

 

ここあ「マズい、こんどはやりでわたしたちをつきさすきだ!」

 

真姫「…っ!」

 

ガガガッ!

 

スティングフィッシュO「ウグッ!?」

 

真姫「え…?」

 

こころ「あっ…あれは!?」

 

ここあ「オートバジンだ!」

 

オートバジン「…」ポイッ

 

ドサッ

 

こころ「このケースは…ファイズギア!」パカッ

 

ここあ「なかみもぜんぶはいってる…きっとオートバジンがこのなかになおしてくれたんだ!」

 

こころ「そうだ…まきさん、もういちどこれをつかってみてください!」

 

真姫「えっ?」

 

ここあ「たぶん…いまのまきさんなら、つかえるとおもうよ!」

 

真姫「あなた達…どうして?」

 

真姫「私、怪物になったっていうのに…」

 

ここあ「オルフェノクかどうかなんてかんけいないよ!」

 

真姫「!」

 

こころ「だって、まきさんは…みをていしてわたしたちをまもってくれたじゃないですか!」

 

ここあ「だから…まきおねえちゃんはどんなすがたでも、まきおねえちゃんだよ!」

 

真姫「…私は、私」

 

オートバジン「…」サッ

 

真姫「!…あなた」

 

オートバジン「…」ピピピ…

 

真姫「ふふっ…ありがとう、励ましてくれて」ガシッ

 

オートバジン「…」グイッ

 

真姫「よっと…」フゥ

 

スティングフィッシュO「グッ、お前ら…!」

 

真姫「それにしても、随分とこの子達に怖い思いをさせてくれたわね…今度はこっちの番よ!」ピッピッピッ…ピピッ

 

『Standing By』

 

真姫「変身!」

 

『Complete』

 

ファイズ「…」

 

こころ「あれが『ファイズ』…!」

 

ここあ「まきおねえちゃんも…へんしんした!」

 

ファイズ「…オートバジン、二人をUTXまでお願い」

 

オートバジン「…」ガシッ

 

こころ「え?」

 

ここあ「へ?」

 

オートバジン「…!」フワッ…ビュン!

 

こころ&ここあ「あれ?そらをとんで…って、えぇ~っ!?」

 

ファイズ「穂乃果、絵里…頼んだわよ」

 

スティングフィッシュO「…!」ダッ

 

ファイズ「…はっ!」ダッ

 

 

 

オートバジン「…」スタッ…スッ

 

こころ「よっ、と…」

 

ここあ「ほっ!」

 

オートバジン「…」ピピッ

 

『Vehicle Mode』

 

ここあ「あっ、オートバジンが…」

 

こころ「きっと…やくめをおえて、もとにもどったのかもしれませんね」

 

ここあ「そっか…ありがとう、オートバジン!」ナデナデ

 

こころ「ありがとうございます!」ナデナデ

 

ここあ「それにしても…どうしてわたしたち、こんなところに?」

 

こころ「わかりません…あっ!」

 

ここあ「どうしたの?…ああっ!?」

 

アギト「はぁーっ!!」ザシュッ!

 

戦闘員「イーッ!?」バタッ

 

こころ「あ…あれは『アギト』とショッカーのせんとういんじゃないですか!」

 

ここあ「でも、あのアギト…なんかぜんしんがあかいよ!?」

 

こころ「しかも、シングルモードにしたシャイニングカリバーまでもっています…!」

 

ここあ「ってことは…まさか、バーニングフォーム!?」

 

こころ「ひっさつわざのバーニングボンバーまでしていましたから…まちがいありません!」

 

アギト「…」スタスタ

 

こころ「こ…こっちにきますよ!?」

 

ここあ「あのアギト…もしかして、ぼうそうしてるんじゃないの!?」

 

こころ「そんな、もしぼうそうしてたら…かくじつにおそわれます!」

 

ここあ「ど、どうしよう…またオートバジンにまもってもらう!?」

 

こころ「でも、オートバジンがロボになりませんよ!?」

 

ここあ「にげるばしょもないし…!」バッ

 

アギト「…」

 

こころ&ここあ「い、いやぁぁぁ!」

 

アギト「あ、あの~…」

 

こころ&ここあ「…え?」

 

アギト「えっと…あなた達が、こころちゃんとここあちゃん?」

 

こころ「は、はい…」

 

ここあ「たしかにそうだけど…あれ?」

 

こころ「そのこえ…もしかして、ほのかさん!?」

 

アギト「うん、そうだよ!」

 

ここあ「なんだ~…ほのかおねえちゃんだったんだね!」ホッ

 

こころ「なにもいわずにこっちにくるのでビックリしましたよ…」

 

アギト「あはは…急に驚かせちゃってごめんね?」

 

ここあ「でも、なんでほのかおねえちゃんがここに…?」

 

アギト「うん、実はね…あなた達に大事なお願いがあるの!」

 

こころ「だいじなおねがい…ってことは、ほのかさんがわたしたちをここにつれてくるようにまきさんにたのんだんですか?」

 

アギト「えっ?あっ、う~ん…そうかな?」

 

ここあ「そうだったんだ…それで、おねがいってなに?」

 

アギト「二人にはね…雪穂や亜里沙ちゃんと一緒に、大ショッカーから逃げてほしいの!」

 

こころ&ここあ「…?」

 

こころ「えっと…ゆきほとありさって、どなたですか?」

 

ここあ「うーん…あっ、たしかかいがいにいくおねえちゃんたちをくうこうでみおくるときに!」

 

こころ「!…もしかして、ほのかさんとえりさんのいもうとさんたちのことですか?」

 

アギト「そうそう、その子達だよ!」

 

ここあ「でも、どうしてわたしたちなの…?」

 

アギト「それが…私達『μ's』は、大ショッカーからこの世界のみんなを守るために仮面ライダーに変身してるの」

 

アギト「でも、そのせいで忙しくなっちゃって…雪穂達を迎えに行くことが出来なくなっちゃったの」

 

こころ「なるほど…だから、わたしたちに?」

 

アギト「うん!」

 

ここあ「でも、じつはわたしたち…おとうとのこたろうをさがしてて」

 

アギト「それなら大丈夫だよ!」

 

ここあ「えっ?」

 

アギト「二人に頼めば…きっとその子を一緒に探して見つけてくれるはずだよ!」

 

アギト「なぜなら、未来のスクールアイドルを目指す二人には…世界を変えるかもしれないくらいのスゴい力があるんだから!」

 

こころ「おふたりに…」

 

ここあ「すごいちからが?」

 

アギト「そう…だから、大ショッカーは雪穂達を狙っているの」

 

アギト「お願い…もう頼めるのは『仮面ライダー』に詳しいあなた達しかいないの!」

 

こころ「…どうします?」

 

ここあ「…きまってるよ」

 

ここあ「ほのかおねえちゃんがこんなにおねがいしてるんだから、ことわるわけにはいかないよ!」

 

こころ「そうですよね…ほのかさんには、おねえさまのライブをみせてくれたごおんがありますし!」

 

アギト「二人とも…ありがとう!」

 

アギト「じゃあ、さっそく行ってもらおうかな…おーい!」

 

キバーラ「はいは~い♡」バサバサ

 

こころ「キ、キバーラ!?」

 

ここあ「どうしてキバーラが…?」

 

キバーラ「その話は後にして、とりあえず行くわよ…グルグルグルグル~!」

 

ここあ「わ、わぁ~っ!?」

 

こころ「またこうなるんですかぁ~!?」

 

アギト「…」フゥ

 

?「…ごめんなさいね」

 

アギト「!」クルッ

 

?「こんな事の為に…あなたを私達の世界に呼び出してしまって」スタスタ

 

アギト「…気にしないでください」

 

アギト「私も…消えちゃう前にまた、みんなの力になれないかなって思ってたので」スゥゥ…

 

?「…」

 

アギト「それにツカサくんに雪穂達、この世界の私達『μ's』やみんなが…きっと何とかしてくれるって信じてますから!」フフッ

 

アギト「…もちろん、あなたのことも」

 

?「!…ええ、その通りよ」

 

?「必ず私達が…あなた達九人を、元通りにしてみせるわ」

 

アギト「えへへ…じゃあ、後はお願いします!」

 

ホノカ「じゃあね?…さん」スゥゥ…

 

?「…ありがとう、ホノカさん」

 

~♪

 

?「…!」ピッ

 

?「私よ、そっちの様子はどう?」

 

?「そう…分かった、私もすぐに向かうわ」ピッ

 

?「さあ、ここからが…本当の戦いよ」スタスタ

 

 

 

ブレイド「…」フゥ

 

響鬼「よっと…お疲れさん、海未ちゃん!」

 

ブレイド「希…終わったのですね?」

 

響鬼「うん…今、終わったとこよ」

 

ブレイド「…」 

 

響鬼「…あれ、どうしたん?」

 

ブレイド「雪穂と亜里沙は…ちゃんとツカサに会えているのでしょうか?」

 

ブレイド「九つの世界を回って、無事に帰ってきてくれると良いのですが…」

 

響鬼「でも…海未ちゃんも夢で見たんやろ?」

 

ブレイド「それは、そうですが…」

 

響鬼「大丈夫や…雪穂ちゃんも亜里沙ちゃんもきっと、無事に帰ってきてくれる」

 

響鬼「だから…ツカサくん達を信じよう?」

 

ブレイド「…はい」

 

響鬼「!…ねえ、あっちから歩いて来てるのって」

 

ファイズ「…」スタスタ

 

ブレイド「あれは…まさか私達と同じ『仮面ライダー』でしょうか?」

 

ファイズ「えっ?…うぇえ!?」

 

響鬼「あれ、その驚き方はもしかして…」

 

ブレイド「真姫?…真姫なのですか!?」

 

ファイズ「その声は…海未、希!?」

 

響鬼「やっぱり真姫ちゃんや!」

 

ブレイド「驚きました…真姫も変身していたのですね?」

 

ファイズ「それはこっちの台詞よ…二人とも、何がきっかけで変身したの?」

 

響鬼「ウチらは化け物に襲われそうになってる雪穂ちゃんと亜里沙ちゃんを見かけて、助けないとって思ってたら…」

 

ブレイド「変身する為の道具である、このベルトの使い方を思い出して…変身できるようになっていました」

 

響鬼「ウチの変身アイテムは音叉やったけどね!」

 

ファイズ「そう…私もにこちゃんの妹達を助けなきゃって思ってたら、変身できたわ」

 

響鬼「って事は…こころちゃんとここあちゃんに会ったんやね?」

 

ファイズ「ええ」

 

ブレイド「それで…二人はどうしたんですか?」

 

ファイズ「オートバジンにUTXまで送ってもらうようにお願いしたわ…きっとそこなら今頃、にこちゃんや虎太郎くんもいるでしょうし」

 

響鬼「そっか…穂乃果ちゃんやえりちもいるし、大丈夫やね!」

 

ブレイド「…本当に、そうでしょうか?」

 

響鬼「!…海未ちゃん」

 

ファイズ「どういう意味よ?」

 

ブレイド「…胸騒ぎがするんです」

 

ブレイド「これから、とんでもない事が起こる…そんな気がしてならないんです」

 

?「そうか…例えば、こんな風にか?」

 

響鬼「!」クルッ

 

ディケイド「…」スッ

 

ファイズ「そのカード…!」

 

ブレイド「まさか、あなたは!?」

 

『ファイナルフォームライド…ブ・ブ・ブ・ブレイド!』

 

ブレイド「あっ…ああっ!?」

 

ディケイド「…」パシッ

 

響鬼「海未ちゃんが…おっきな剣に!?」

 

ファイズ「あなた、何のつもり!?」

 

ディケイド「ハッ、決まってるだろ?…貴様ら二人には逃げられた事があるからな」

 

ディケイド「だからこそ、まずは…貴様らから始末してやる」スッ

 

ファイズ「!…そんな」

 

響鬼「嘘、やろ…?」

 

ディケイド「じゃあな…西木野真姫、東條希」ニヤリ

 

『ファイナルアタックライド…ブ・ブ・ブ・ブレイド!』

 

 

 

ブレイド「ううっ…!」ゴロゴロ

 

ディケイド「…」スタスタ

 

ブレイド「あなた、真姫と希に何を…何をしたんですか!?」

 

ディケイド「…見て分からないのか?」スッ

 

『アタックライド…スラッシュ!』

 

ディケイド「フッ!」ザシュッ!

 

ブレイド「かはっ…!?」ドサッ

 

ディケイド「安心しろ、すぐに俺が…二人と会わせてやるよ」

 

ブレイド「まさか私達を裏切ったのですか…?本当に、裏切るつもりなのですか!?」

 

ディケイド「裏切っただと?…違うな」

 

ディケイド「俺は…自分の本当の使命に、気が付いただけだ」スッ

 

ブレイド「…っ!」

 

ディケイド「じゃあな…園田海未」ニヤリ

 

『ファイナルアタックライド…ディ・ディ・ディ・ディケイド!』

 

 

 

龍騎「あれ?あっちに『仮面ライダー』っぽいのがいる…お~い!」ブンブン

 

キバ「えっ、もしかしてその声…凛ちゃん?」

 

龍騎「あっ…その声はかよちん!」

 

キバ「良かった…凛ちゃんも無事だったんだね?」

 

龍騎「うん!…って、あれ?」ジーッ

 

電王「…何よ?」

 

龍騎「こっちのライダーに変身してるのは…にこちゃんかニャ?」

 

キバ「ううん、ことりちゃんだよ?」

 

龍騎「え?ええ~っ!?」

 

電王「何よ…文句あんの?」

 

龍騎「大ありだよ!?だって…ことりちゃんはそんな感じじゃないもん!」

 

電王「はぁ?知らないわよ、そんなの…別にどうだっていいでしょ」

 

龍騎「全然良くないニャー!」

 

キバ「まあまあ…落ち着いて、凛ちゃん?」

 

龍騎「納得できないよ!だって、ことりちゃんの声は…」

 

電王『…胸騒ぎがする』

 

龍騎「そうそう、こんな感じで…へっ?」

 

キバ「胸騒ぎ…?」

 

電王『うん、何だか…イヤな予感がするの』

 

龍騎「イヤな…予感?」

 

?「その予感…当ててやろうか?」スッ

 

電王『!』バッ

 

龍騎「えっ?…あっ!?」

 

『ファイナルフォームライド…キ・キ・キ・キバ!』

 

キバ「えっ?あっ…誰か助けてぇ~!」

 

龍騎「かよちん!?」

 

ディケイド「…」パシッ

 

龍騎「ウソ…かよちんが弓みたいになっちゃった!」

 

電王『そんな、どうしてツカサくんが…?』

 

ディケイド「見て分からないのか?…お別れを言いに来たんだよ、貴様らに」

 

龍騎「お別れ…?」

 

電王『…!』ハッ

 

ディケイド「今更、気が付いても…もう遅い」スッ

 

ディケイド「じゃあな…南ことり、星空凛」ニヤリ

 

『ファイナルアタックライド…キ・キ・キ・キバ!』

 

 

 

キバ「うっ…!?」ドサッ

 

キバ「はっ!…凛ちゃんとことりちゃんは?」

 

ディケイド「奴らには…しばらく籠の中へと入ってもらったよ」スッ

 

『アタックライド…ブラスト!』

 

キバ「!」クルッ

 

ディケイド「ハッ!」ガガッ!

 

キバ「ああっ!?…あっ」ドサッ

 

キバ「な、何で…こんなことを」

 

ディケイド「この世界を手に入れる為だ…だから、貴様にも入ってもらう」

 

ディケイド「自分の意思では出られない籠の中に…ずっとな」

 

キバ「…!」

 

ディケイド「じゃあな…小泉花陽」ニヤリ

 

『ファイナルアタックライド…ディ・ディ・ディ・ディケイド!』

 

 

 

クウガ「夢の中でも戦ってたけど…どうしても慣れないわね、こういうの」ハァ

 

クウガ「やっぱり、にこは…アイドルでなくっちゃ!」

 

ニコチャーン!

 

クウガ「!」

 

アギト「お~い!」

 

クウガ「あれは穂乃果と…絵里、かしら?」

 

アギト「あれ…にこちゃん、いつの間にか色が赤くなってない!?」

 

アギト「それに、何だか角も大きくなってるような…?」

 

クウガ「あー…まあ、色々とね」

 

アギト「色々ってどういうこと?何があったの!?教えてよぉ~!」

 

クウガ「うるさいわね!その姿で駄々こねるんじゃないわよ…みっともない」

 

アギト「だってだってぇ~!」ジタバタ

 

クウガ「…そういえば、絵里もだいぶ変わってない?」

 

カブト「えっ?ああ…これ?」

 

アギト「そうなんだよ…実は絵里ちゃん、カロリーオフしたの!」

 

クウガ「…はぁ?カロリーオフ?」

 

カブト「穂乃果…それを言うなら、キャストオフ」

 

アギト「あっ…そうそう、それそれ!」

 

アギト「そのキャストオフっていうので、姿が変わったんだよ!」

 

クウガ「いや、そもそもキャストオフって何よ…?」

 

アギト「キャストオフっていうのはね…えっと、何だっけ?」

 

クウガ「…もういいわ」ハァ

 

アギト「私もこの金色以外に変われないかなぁ~…あっ、そういえば虎太郎くんは?」

 

クウガ「さっきから探してるんだけど、全然見つからないのよ…行く先々で大ショッカーの戦闘員が邪魔してくるし」

 

カブト「そう…どこかで大ショッカーに捕まったりしてないと良いんだけど」

 

?「…なるほどな、大体分かった」

 

アギト「ん?…って、ええっ!?」

 

ディケイド「…」スッ

 

クウガ「アンタ、何で…!」

 

『アタックライド…インビジブル!』

 

カブト「えっ、消えた?」

 

ドカッ!

 

クウガ「うっ…!?」ゴロゴロ

 

カブト「にこ!」

 

アギト「にこちゃん!」

 

『アタックライド…クロックアップ!』

 

ガッ!ゴッ!

 

アギト「わぁっ…!?」フラッ

 

カブト「穂乃果!?…っ!」

 

『Clock Up』

 

ディケイド「…」

 

カブト「あなた…どうして、私達を襲うの!?」

 

ディケイド「…貴様らを全員、カードにする為だ」スッ

 

カブト「!?」

 

ディケイド「じゃあな…高坂穂乃果、絢瀬絵里」ニヤリ

 

アギト「…!」

 

『ファイナルアタックライド…ディ・ディ・ディ・ディケイド!』

 

 

 

『Clock Over』

 

クウガ「はぁはぁ…!」

 

ディケイド「…」ググッ

 

クウガ「アンタ…その手に持ってるカード、まさか」

 

ディケイド「…そうだ」

 

ディケイド「世界の破壊者としての運命を受け入れた俺は…『μ's』メンバーの八人を、このカードの中に閉じ込めさせてもらった」

 

クウガ「!!」

 

ディケイド「そして…最終的には貴様も、カードの中に入ってもらう」

 

クウガ「…そう、それがアンタの出した旅の答えなのね?」

 

ディケイド「…ああ」

 

クウガ「だったら…私は全力で、アンタを止めてみせるわ」

 

クウガ「穂乃果達だけじゃない…アンタの笑顔も、取り戻す為に!」

 

ディケイド「フン…だったら止めてみろよ、止められるものならな」

 

クウガ「…見てなさい、私の変身」

 

クウガ「超変身!」

 

ディケイド「…!」

 

クウガ「…」

 

ディケイド「…そうか、まさかアルティメットフォームに変身するとはな」

 

ディケイド「それも…究極の闇に呑み込まれず、瞳の色を赤く保ったままで」

 

ディケイド「しかし、アルティメットだろうが何だろうが…俺は既に究極を超えている」

 

クウガ「…?」

 

ディケイド「もうこの俺に刃向かう敵などいない、何故なら…」

 

?「動くな!」

 

クウガ「!」バッ

 

ゴルドラ「動けば…こいつの命は無い」

 

虎太郎「…」

 

クウガ「!?」

 

ディケイド「貴様の弟は…既に大ショッカーの手の中にあるのだからな」

 

ディケイド「貴様も…そして、この俺もな」スッ

 

クウガ「!…ツカサ、やっぱりアンタは」

 

ディケイド「じゃあな…矢澤にこ」

 

『ファイナルアタックライド…ディ・ディ・ディ・ディケイド!』

 

クウガ「…!」

 

ディケイド「これで…貴様ら『μ's』は、コンプリートだ」ニヤリ

 

 

 

亜里沙(ツカサと雪穂は…ディケイドとディエンドに変身した)

 

ディエンド「…」スタスタ

 

亜里沙「待って…待ってよ、雪穂!」

 

こころ「まさかゆきほさんがディエンドになるなんて…!?」

 

ディケイド「…」

 

ここあ「あのディケイド、おでこのいろがきいろじゃなくてむらさきだ…まさか!?」

 

こころ「めのかたちからみてもまちがいありません…あのディケイドは!」

 

キバーラ「…激情態」

 

ディエンド「ツカサ…私が、あなたの旅を終わらせる」

 

ディケイド「ハッ、面白いな…やってみろよ」

 

亜里沙「!?…ダメ、二人が戦ったら!」

 

ディケイド「フッ!」ダッ

 

ディエンド「はぁっ!」ダッ

 

亜里沙(二人は…私の話を聞いてくれることなく、戦い始めた)

 

亜里沙「…!」

 

ここあ「いっちゃった…」

 

亜里沙「…世界はもう、おしまいなの?」ボソッ

 

こころ「えっ、ありさ…さん?」

 

亜里沙「私、どうすればいいの…?」ポロポロ

 

ここあ「!…ありさおねえちゃん」

 

亜里沙「誰か止めて…私にはもう、何もできないよ」

 

亜里沙「二人の戦いを止めることもできないし、力にも…なってあげられない」

 

亜里沙「私にはもう、できることなんて何も…!」グスッ

 

こころ「…そんなことありませんよ、ありささん」

 

亜里沙「えっ…?」

 

ここあ「さっきもいったでしょ、ゆきほおねえちゃんとありさおねえちゃんにはすこいちからがあるんだって!」

 

亜里沙「そんな…でも、私には」

 

こころ「まだあるじゃないですか…ほら、さっきもやったでしょう?」

 

亜里沙「…さっき?」

 

ここあ「ほら、あれだよ…あれ!」

 

亜里沙「あれ…?」

 

こころ「きまってるじゃないですか!」

 

ここあ「これだよ!」

 

こころ&ここあ「にっこにっこにー!」

 

亜里沙「えっ?…!」ハッ

 

こころ「ふふっ、どうやら…きづいてくれたみたいですね?」

 

ここあ「スクールアイドルをめざすおねえちゃんたちがもつすごいちからが…なんなのか!」

 

亜里沙「スクールアイドルを目指す私たちの…そっか、そうだよね!」

 

こころ「まあ、これはあくまでもわたしたちのかってなよそうなんですけどね…」

 

亜里沙「でも、きっとそうに違いないよ…こうしちゃいられない!」

 

亜里沙「早く…二人を止めに行かなきゃ!」ダッ

 

キバーラ「待って、亜里沙ちゃん!」

 

亜里沙「?」クルッ

 

キバーラ「あなた一人じゃ危険よ…アタシも一緒に行くわ!」

 

亜里沙「キバーラ…!」

 

キバーラ「それと、あなたに…アタシの力をあ・げ・る♡」

 

亜里沙「…へっ?」

 

こころ「それって!」

 

ここあ「もしかして…!」

 

キバーラ「…そう、ついにその時が来たのよ」

 

キバーラ「高坂雪穂と絢瀬亜里沙、あなた達二人の本当の力を見せる時が…ね♡」

 

?「その通りよ」

 

亜里沙「!」バッ

 

ここあ「?…ああーっ!?」

 

こころ「あなたは…!」

 

?「…」フフッ

 

 

 

『アタックライド…ブラスト!』

 

ディエンド「やぁっ!」ガガッ!

 

ディケイド「フンッ!」ガガッ!

 

ディエンド(同じ効果のカードを入れた私とディケイドは…お互いに攻撃し合った)

 

ディエンド「ううっ…!」

 

ディケイド「グッ…なかなかやるな、雪穂?」

 

ディエンド「…っ!」

 

ディケイド「おいおい、そう怒るなよ…仲間だろ?」

 

ディエンド「…仲間?」

 

ディケイド「そうだよ…俺達は一緒に色々な世界を旅してきた仲間じゃないか」

 

ディエンド「…今さら、何言ってるの?」

 

ディエンド「お姉ちゃん達をカードにして、そのうえ亜里沙にまでヒドいことを言ったあなたが…何を言うの!?」

 

ディケイド「…」

 

ディエンド「ふざけないで!もうあなたは…私達の仲間なんかじゃない!!」

 

ディケイド「…そうか、それは残念だ」

 

ディエンド「私だってこんなことしたくない…でも、やらなくちゃいけないんだ」

 

ディエンド「私一人でやるしかないんだ…だから、これで決める!」スッ

 

ディエンド(私は左腰のホルダーから二枚のカードを取り出した)

 

ディケイド「能書きはいい…早くかかってこい」

 

ディエンド「…!」 

 

『カメンライド…G4!アーク!』

 

ディエンド(私は…ディケイドに向かって、二人のライダーを召喚した)

 

G4「分かっているはずだ…どちらが正しいか、今この場で答えを出すか!」

 

アーク「倒す、この手で…貴様を」

 

アークキバット「じゃあ行きますか~…ドロンドロン~」

 

ディケイド「…来いよ、逃げるつもりはないからな」

 

G4「…!」ガガガッ!

 

ディエンド(G4はG3が使っていたGM-01と同じ形をした銃を使って…ディケイドを攻撃し始めた)

 

ディケイド「…」サッ

 

ディエンド(それでもディケイドは…G4の攻撃を次々と避け続ける)

 

ディエンド「っ…G4!」

 

G4「…!」バシュッ!

 

ディエンド(G4は大きなランチャーを肩に背負うと…四本のミサイルをディケイドに向かって発射させた)

 

ディケイド「…フン、甘ちゃんの攻撃だな」スッ

 

『アタックライド…インビジブル!』

 

ディエンド(三枚のカードを取り出し、一枚目のカードをベルトに入れたディケイドは姿を消し…G4のミサイルは避けられてしまった)

 

ディエンド「まさか…逃げた!?」

 

ディケイド「どこを見ている?…逃げるつもりはないと言ったはずだ」

 

『アタックライド…ギガント!』

 

『アタックライド…サイドバッシャー』

 

ディエンド「!」バッ

 

ディケイド「もういいだろ…これで終わりだ」

 

ディエンド(巨大なメカに乗って姿を現したディケイドは…G4と全く同じ武器を肩に背負っていた)

 

ディエンド「!…そんな」

 

ディケイド「フンッ!」バシュッ!

 

ディエンド(ディケイドは肩に背負った武器と巨大なメカから…全てのミサイルを私達に向けて放った)

 

G4「!」ドンッ!

 

ディエンド「うわぁっ!?」ゴロゴロ

 

G4「…!!」

 

ディエンド(私をかばうために、わざと私を遠くへと突き飛ばしたG4は…そのまま攻撃を受けて消滅してしまった)

 

ディエンド「あっ…!」

 

ディケイド「…あとは、もう一体か」

 

アーク「…!」ブンッ

 

ガシャン!

 

ディケイド「!?…ッ!」ドサッ

 

ディエンド(アークは大きな槍を振り回して巨大なメカを壊し…ディケイドを地面に落とした)

 

アーク「…」スッ

 

アークキバット「ウェイクアップ!」

 

ディエンド(ディケイドを倒そうと笛を取り出し、ベルトのコウモリのようなものに吹かせたアークは…空を飛び上がった)

 

アーク「我が一族に…最後の力を!!」

 

ディエンド(空を夜に変えるアークは…月から浮かび上がった目のようなものを自分の胸の中へと吸収した)

 

ディエンド「あれは…一体?」

 

ディケイド「堕ちる月か…酔狂なモンだな」

 

メカキバット「ゴートゥーヘル!!」ポロッ

 

ディケイド「『Go to hell』?…悪いが、地獄に行くのはお前の方だ」スッ

 

アーク「…!」バッ

 

ディエンド(ディケイドが三枚のカードを取り出すと同時に…アークは胸の一つ目から大きな光の玉をディケイドに向けて放った)

 

『アタックライド…イリュージョン!』

 

『アタックライド…クロックアップ!』

 

ディケイド「…フッ!」ササッ

 

ディエンド(三人に分身し、速く動けるようになったディケイドは…アークの技を避けた)

 

ディエンド「なっ…!?」

 

『ファイナルアタックライド…ディ・ディ・ディ・ディケイド!』

 

ディエンド(その間に最後の一枚をベルトに入れた三人のディケイドは…アークに向かって、いくつものカードを出現させた)

 

ディケイド「ハァーッ!!」

 

ディエンド(三人のディケイドは逃げようとするアークを追い続け、無数のカードを突き抜けながら…キックを放った)

 

アーク「…!!」

 

ディエンド(空中で倒されたアークの大きな身体は…私の頭上へと落ちてこようとしていた)

 

ディエンド「っ…う、うわぁぁぁぁぁ!?」

 

ズシーン!

 

ディエンド(避けようとする前に、私は…アークの下敷きになってしまった)

 

ディエンド「ううっ…!」ハッ

 

雪穂(アークが消えると同時に…私の変身は解けてしまっていた)

 

雪穂「へ、変身が…」

 

ディケイド「…悪いな、俺の勝ちだ」スッ

 

『アタックライド…スラッシュ!』

 

雪穂(ディケイドはカードの効果で変形させた剣を…倒れていた私に向かって突きつけた)

 

雪穂「…!」

 

ディケイド「雪穂…最後にもう一度だけ、聞く」

 

ディケイド「亜里沙と大ショッカーに入って…俺と一緒に来るつもりは無いか?」

 

雪穂「…悪の手先になんて、なるわけないでしょ」

 

雪穂「私達の行く先は、私達で決める!」

 

ディケイド「…そうか、大体分かった」

 

ディケイド「貴様には失望したよ…消えろ」ブンッ

 

雪穂「…っ!」

 

雪穂(亜里沙、お姉ちゃん、みんな…ごめん)

 

雪穂(やっぱり私だけじゃ、何も…!)

 

?「ダメーーーッ!!」ドンッ!

 

ディケイド「グアッ!?」ゴロゴロ

 

雪穂「…え?」

 

雪穂(私が諦めかけた時、ディケイドを突き飛ばしたのは…)

 

亜里沙「雪穂、大丈夫!?」

 

雪穂「!…あ、亜里沙?」

 

キバーラ「ホッ…どうやら間に合ったみたいね?」バサバサ

 

雪穂「キバーラまで…!」

 

雪穂(亜里沙は私のもとへ駆け寄ると…すぐに私を支えて立ち上がらせた)

 

亜里沙「よっと…ケガしてない?」

 

雪穂「う、うん…」

 

ディケイド「グッ…亜里沙、貴様!」

 

?「…あなた、相変わらずつまらない事をやっているみたいね?」

 

ディケイド「!?」バッ

 

雪穂(ディケイドが声をする方を向くと、そこには…UTXの白い制服を着たあの人がいた)

 

ツバサ「まあ、良いわ…私が面白くしてあげる」

 

雪穂「ツ、ツバサさん!」

 

ツバサ「ふふっ…久しぶりね、雪穂さん」

 

ディケイド「何故だ…どうして貴様が、ここにいる!?」

 

ツバサ「当然でしょ、だって私は…この世界の人間なのだから」

 

雪穂「この世界の…ってことは!」

 

ツバサ「そう、私はUTX高校スクールアイドル『A-RISE』の…綺羅ツバサよ」フフッ

 

ディケイド「…!」

 

ツバサ「そこにいるキバーラから話を聞いて『μ's』を取り戻すお手伝いをしに来たの…勿論、ディケイドである彼の意識もね」

 

ツバサ「そうでしょう?…ゼイビアックス」

 

ツバサ「それとも…ナルタキ、と呼んだ方が良いのかしら?」

 

雪穂「!?」

 

ディケイド「…そうか、気付いていたのか」

 

雪穂「ど、どういうことなの…?」

 

亜里沙「今のツカサはね…あのナルタキって人に身体を乗っ取られているの!」

 

雪穂「!…じゃあ、お姉ちゃん達をカードに閉じ込めたのは?」

 

ツバサ「そう、全ては…彼の仕業よ」

 

雪穂「…!」

 

ディケイド「再三、大ショッカーからの誘いを断ったからな…俺は彼の身体を乗っ取る事にした」

 

ディケイド「そのおかげで…こうして『μ's』のメンバーをカードに変えて集める事が出来た」

 

ディケイド「最早、彼の身体と『μ's』の力を手に入れた俺は…これから数多の世界を支配する最強の存在となる!」

 

ディケイド「ハハハ…フハハハハ!!」

 

ツバサ「…呆れた」ハァ

 

ディケイド「!…何だと?」

 

ツバサ「あなた、やっぱり何も分かっていないみたいね?」

 

ツバサ「凄い力を持っているのは…何も『ディケイド』や『μ's』だけじゃないという事を、ね」フフッ

 

雪穂「…どうしよう、亜里沙」

 

亜里沙「えっ?」

 

雪穂「私…ツカサに、ヒドいこと言っちゃった」

 

亜里沙「!…雪穂」

 

雪穂「ツカサが苦しんでいることも知らずに、私は自分のことばかり考えて…ツカサを仲間じゃないって言って倒そうとして」

 

雪穂「私、最低だよ…」グスッ

 

亜里沙「…泣かないで、雪穂」ギュッ

 

雪穂(亜里沙は…泣いている私の手を、優しく握りしめてくれた)

 

雪穂「亜里沙…?」

 

亜里沙「オトノキに入学するのはあともうちょっとだけ先だけど…私たちは、あの時からもうスクールアイドルなんだよ?」

 

雪穂「あの時、から…!」ハッ

 

穂乃果『伝えよう…スクールアイドルの、素晴らしさを!!』

 

亜里沙「だから、どんな時もずっと…楽しく笑顔でいなきゃ!」ニコッ

 

雪穂「…亜里沙」

 

亜里沙「それに…二人で一緒に叶えようって約束したでしょ?」

 

亜里沙「私たちは『μ's』に負けないくらい、楽しくてハラショーなスクールアイドルを目指そうって…」

 

雪穂「!」

 

亜里沙「それにね…私、叶えたい夢がもう一つできたの!」

 

雪穂「…もう一つの、夢?」

 

亜里沙「うん…ツカサにはいつか、スクールアイドルになった私たちのライブを見て笑顔になってほしいの!」

 

雪穂「!!」

 

亜里沙「それが、今の私の…もう一つの夢だよ」

 

雪穂「…そっか」フフッ

 

ディケイド「ほう…それはまた随分と大層な夢だな」

 

雪穂「!」

 

ディケイド「だが、残念ながら貴様のその夢は…永遠に叶う事は無い」

 

ディケイド「何故なら俺が…今ここで、貴様らの命を消し去るのだからな!」ダッ

 

ツバサ「…させないわ」スッ

 

雪穂(また私達に襲いかかろうと走り出すディケイドを見たツバサさんは…一枚のカードと黄色いバックルを取り出した)

 

ディケイド「なっ…それは、まさか!?」

 

ツバサ「変身!」

 

『Open Up』

 

雪穂(カードを入れたバックルを装着したツバサさんがそれを展開させると…バックルから黄色い壁のようなものを出現させた)

 

ディケイド「ガッ…!」

 

雪穂(ディケイドを弾き飛ばした黄色い壁が後ろに下がり、ツバサさんの身体をすり抜けていくと…)

 

グレイブ「…」

 

雪穂「ツバサさんが…変身、した?」

 

グレイブ「ええ、実は私や他の二人も『μ's』と同じように…もう一人の自分の記憶や変身能力を共有していたの」

 

雪穂「えっ…他の二人?」

 

亜里沙「それじゃあ…まさか!」

 

?「そう、そのまさかだ」

 

雪穂「!」クルッ

 

英玲奈「…」フフッ

 

あんじゅ「ハロ~♡」フリフリ

 

亜里沙「英玲奈さん、あんじゅさん!」

 

あんじゅ「うふふっ…手伝いに来たわよ」

 

英玲奈「…これ、お土産だ」スッ

 

雪穂(英玲奈さんは…私に四枚のカードを渡してきた)

 

雪穂(そのうちの三枚はブランクカードで、後の一枚は…)

 

雪穂「!…これって、もしかしてディエンド?」

 

亜里沙「でも、後ろの色が何だか黄色いね…私にも見せて!」スッ

 

雪穂「ちょっと待って…!?」

 

雪穂(亜里沙がカードに触れた瞬間…絵柄が別のものに変わった)

 

亜里沙「!…カードが変わった?」

 

雪穂「…?」

 

あんじゅ「それはディエンドのパワーアップカードよ…ツバサちゃんに頼まれて、英玲奈ちゃんと二人で探していたの」

 

英玲奈「まさかUTXの劇場のステージにあるとは思わなかったけどな…『μ's』や彼を取り戻す為に、是非使ってくれ」

 

雪穂「!…あ、ありがとうございます」

 

あんじゅ「さ~て…そろそろ私達も行きましょうか、英玲奈ちゃん?」スッ

 

英玲奈「ああ、勿論…そのつもりだ」スッ

 

雪穂(二人はツバサさんが持っていたのと色違いのバックルを取り出すと…それぞれのバックルに一枚ずつ、カードを入れた)

 

英玲奈&あんじゅ「変身!」

 

『Open Up』

 

雪穂(バックルをお腹に着け、展開させた二人は…ツバサさんが変身したのとよく似た姿をした色違いの戦士になった)

 

ランス「…やるぞ、ツバサ」

 

ラルク「私達『A-RISE』のチームワークで…寝ている坊やを起こしてあげましょう?」

 

グレイブ「ふふっ…ええ!」ダッ

 

ディケイド「貴様ら、よくも…ハッ!」ダッ

 

雪穂(変身した『A-RISE』は…ディケイドに立ち向かっていった)

 

雪穂「亜里沙…私にも、叶えたい夢がもう一つできたよ」

 

亜里沙「え?」

 

雪穂「私は亜里沙と一緒に…『ラブライブ!』に出たい」

 

雪穂「でも、それだけじゃなくて…『μ's』とは違う形でスクールアイドルの素晴らしさを広めていきたいなって思うんだ」

 

亜里沙「!…違う形?」

 

雪穂「うん!」

 

雪穂「たぶん…そこまでしないと、私達のライブを見に来たツカサが満足してくれないような気がするんだよね」

 

雪穂「ツカサはもちろん、お姉ちゃん達やみんなには…いつも笑顔で楽しく過ごしていてほしいから!」

 

亜里沙「!!」

 

雪穂「やっぱり…こんなの、きれいごとかな?」

 

亜里沙「…ううん、そんなことない」

 

亜里沙「雪穂のもう一つの夢…私はとっても素敵な夢だなって思うよ!」

 

雪穂「…亜里沙のもう一つの夢も、素敵だよ」

 

亜里沙「ふふっ…ありがとう、雪穂」

 

雪穂「…ううん、お礼を言うのは私の方だよ」

 

亜里沙「…じゃあ、そろそろ行こっか?」ギュッ

 

雪穂(亜里沙は右手で私の左手を繋ぎながら…『A-RISE』の三人と戦っているディケイドの方を向いた)

 

雪穂「うん…そうだね、私達が」

 

ゆきあり「私達がツカサと『μ's』を取り戻す!!」

 

雪穂「…」スッ

 

雪穂(再び、一枚のカードを取り出した私は…それをディエンドライバーに入れた)

 

亜里沙「…キバーラ」

 

キバーラ「ええ…ウフフ♡」バサバサ

 

亜里沙「…」パシッ

 

亜里沙(亜里沙は…キバーラを右手に持って構えた)

 

雪穂「…変身!」

 

亜里沙「変身!」

 

『カメンライド…ディ・エンド!』

 

『変身…チュッ♡』

 

雪穂(私はディエンドに変身し…亜里沙は、赤い瞳にサーベルを持った白と紫のライダーに変身した)

 

ディエンド「…亜里沙、その姿は?」

 

???「えへへ、これはね…」

 

?「わたしがせつめいしましょう!」

 

ディエンド「えっ…こころちゃん?」

 

こころ「ありささんがへんしんしたのは『仮面ライダーキバーラ』…キバーラのしんのすがたです!」

 

仮面ライダーキバーラ「そっか…これがキバーラの真の姿なんだ」

 

?「ゆきほおねえちゃん!」

 

ディエンド「!…ここあちゃん」

 

ここあ「はい、これ!」スッ

 

ディエンド(ここあちゃんは青いカバンからあるものを取り出すと…私に渡してきた)

 

ディエンド「…これ、何?」

 

ここあ「イクサナックルだよ!」

 

キバーラ「イクサナックル…?」

 

ここあ「それと…こころ!」

 

こころ「はい!」パカッ

 

ディエンド(こころちゃんは持っていたバイオリンケースを開けると…私に中のバイオリンを渡してきた)

 

こころ「これが…あのブラッディ・ローズです!」スッ

 

ディエンド「…ブラッディ・ローズ?」

 

こころ「はい、これもゆきほさんがもっていたカバンのなかにはいっていました!」

 

ここあ「そのふたつを…なにもかいてないカードにちかづけてみて!」

 

ディエンド「この二つを?…!?」

 

ディエンド(私がイクサナックルとブラッディ・ローズを一枚のカードに近付けると…二つを吸収したカードに絵柄が入った)

 

こころ「やった…せいこうです!」

 

ここあ「はやくつかってみてよ!」

 

ディエンド「?…う、うん」

 

ディエンド(ディエンドライバーにカードを入れた私が引き金を引いてみると…)

 

『カメンライド…プロトイクサ!』

 

ディエンド(私達の前に…バイオリンを弾く一人の若い男の人が現れた)

 

?「…」~♪

 

ディエンド「えっ!?」

 

キバーラ「誰…?」

 

こころ「まちがいありません、あのひとは…!」

 

ここあ「おとやだ!」

 

キバーラ「おとや?あれ…そういえばこの曲、聴いたことある!」

 

ディエンド「言われてみたら…確かに、ツカサがハナヨさんを励まそうとした時に弾いてた曲と同じ気がする」

 

ディエンド(曲を弾き終えた男の人は…私達の方を見た)

 

?「何だ?デートのお誘いならお断りだぜ…俺は今、音楽の神ミューズとデートをして…って、天使!?」

 

キバーラ「…へっ、私?」

 

?「そうだ、俺の天使…やっと見つけた」スッ

 

ディエンド「なっ…ちょっと、何するつもりですか!?」バッ

 

ディエンド(私はキバーラに変身した亜里沙を触ろうとする彼を止めた)

 

?「どうした…まさかお前、千年に一度の天才ヴァイオリニストと言われるこの『紅音也』に惚れたのか?」

 

ディエンド「…は?」

 

音也「良いだろう、二人纏めて…俺が愛してやる!」

 

ディエンド「いや、あの…話聞いてもらえます!?」

 

キバーラ「私たち、ツカサを元に戻したいんです!」

 

音也「あ?ツカサ…あそこにいるピンクのバーコード野郎の事か?」

 

ディエンド「バ、バーコード野郎…?」

 

キバーラ「はい!」

 

音也「悪いが俺は男を助ける事に興味は無い…それよりも、俺とデートに行かないか?」

 

ディエンド「行くわけないでしょ!?」

 

ディエンド「何なんですか、あなた…何しにここに来たんですか!?」

 

音也「お前が呼んだんだろう?それに俺は誰にも縛られない…近いうちに教科書に載る、偉~い人なのだからな!」

 

ディエンド「…な、何か頭痛くなってきた」ハァ

 

キバーラ「どうしたら協力してもらえるのかな…?」

 

こころ「…おふたりとも、ここはわたしたちにまかせてください」

 

ディエンド「こころちゃん、ここあちゃん…?」

 

ここあ「ねぇねぇ、おとや…おねがいがあるの!」

 

音也「ん?何だ、お前ら」

 

こころ「わたしたち、どうしても…スクールアイドル『μ's』をたすけたいんです!」

 

音也「!…ミューズだと?」

 

ここあ「うん…『μ's』のきゅうにんはいま、ツカサってひとがもってるカードにとじこめられているの!」

 

音也「だが、ミューズならさっきまで俺とデートを…」

 

ここあ「そっちのミューズじゃなくて『μ's』!」

 

こころ「おねがいします…なんとか、かれからきゅうまいのカードをうばうようにきょうりょくしてもらえませんか?」

 

ここあ「おねがい…このとおり!」

 

音也「…分かった、良いだろう」クルッ

 

音也「スクールアイドルが何かは知らんが…愛しの女神達を助ける為に立ち上がるのは、男として当然の事だ」

 

こころ「おとやさん…ありがとうございます!」

 

ここあ「さっすが、たよりになる!」

 

音也「本当に手伝うだけで良いのか?」

 

ディエンド「…はい!」

 

キバーラ「ツカサや『μ's』は…私たちの手で助けたいから!」

 

音也「そうか…じゃあ、俺が合図をしたらあのバーコード野郎からカードを奪い取るんだ」

 

ディエンド「…えっ、合図ですか?」

 

音也「ああ…まずは俺だけで先に行く」スッ

 

ディエンド(私達の前に立った彼は…取り出したイクサナックルを手のひらに当て、ポーズを取った)

 

『レ・ヂ・イ』

 

音也「変身!」

 

『フィ・ス・ト・オ・ン』

 

ディエンド(やがて彼は…金色の十字架を仮面に着けた白い戦士に変身した)

 

プロトイクサ「まあ、見てな…はっ!」ダッ

 

こころ「…それでは、おとやさんがたたかってくれているあいだに!」

 

ここあ「ツバサさんにおしえてもらったさくせんをふたりにせつめいするね!」

 

ディエンド「…作戦?」

 

こころ「まずはわたしが…ありささんに、そのキバーラサーベルのつかいかたをおしえますね!」

 

キバーラ「これが、キバーラサーベル…?」

 

こころ「はい!まずはそのもちてのぶぶんであるツボを…」

 

ここあ「じゃあ、ゆきほおねえちゃんは…そのカードをディエンドライバーにいれてみて!」

 

ディエンド「う、うん…やってみるね?」

 

ディエンド(私は…さっき、亜里沙が触ったことで絵柄が変わったあのカードをディエンドライバーに入れてみた)

 

『アタックライド…イリュージョン!』

 

 

 

グレイブ「ぐっ…!」ゴロゴロ

 

ディケイド「どうした、その程度か?」

 

英玲奈「!…変身が解除されてしまったな」

 

あんじゅ「でも、時間稼ぎは出来たみたいね?」

 

ツバサ「ええ…信じましょう、彼女達を」

 

ディケイド「何をほざいている…終わりだ!」ブンッ

 

ガキンッ!

 

Pイクサ「おーっと、俺の世界三大美女に手を出すのはそこまでだ…バーコード野郎」

 

ディケイド「何!?」

 

Pイクサ「ふっ!」ガッ!

 

ディケイド「グアッ…」フラッ

 

Pイクサ「お前達、大丈夫か?」

 

ツバサ「ええ、ありがとう」

 

英玲奈「…感謝します」

 

あんじゅ「ふふっ…サンキュ~♡」

 

ディケイド「馬鹿な、この俺が何故…プロトタイプのイクサごときに押されている!?」

 

Pイクサ「確かに…本気で殴り合えば多分、お前の方が強い」

 

Pイクサ「だが、お前は俺には勝てない…なーんでだ?」

 

ディケイド「…?」

 

Pイクサ「お前には遊び心がない、心の余裕がない…張りつめた糸はすぐ切れる」

 

ディケイド「黙れ…黙れぇぇぇぇぇ!!」ダッ

 

Pイクサ「…そう、そういう所だ」スッ

 

『イ・ク・サ・ナッ・ク・ル・ラ・イ・ズ・アッ・プ』

 

Pイクサ「はあっ!」ゴッ!

 

ディケイド「フンッ!」ザシュッ!

 

Pイクサ「…」

 

ディケイド「…フン、口ほどにもないな」

 

Pイクサ「がはっ!?」バチバチッ!

 

ディケイド「さて…次は貴様らにトドメを刺してやろう」

 

ツバサ「…さあ、それはどうかしらね?」

 

ディケイド「何?」

 

音也「…っ」ハァハァ

 

ディケイド「なっ…あれだけの攻撃を受けて、まだ立っているのか!?」

 

音也「残念だったな、バーコード野郎…俺は囮だ」スッ

 

ディケイド「!…まさか貴様、最初から九枚の『μ's』のカードを狙うつもりで!?」

 

音也「さあ…受け取れ!」ブンッ

 

キバーラ「はいっ!」パシッ

 

ツバサ「雪穂さん、亜里沙さんにさっきのブランクカードを!」

 

ディエンド「はい…亜里沙!」スッ

 

キバーラ「うん!」

 

ディケイド「貴様ら…一体、何をしようとしている!?」

 

ツバサ「見て分からない?…あなたを彼から引き剥がす為の最後の仕上げよ」

 

ディケイド「引き剥がすだと…?させるか!」ダッ

 

ディエンド「はっ!」ガガッ!

 

ディケイド「ッ…邪魔だ!」ザシュッ!

 

ディエンド「っ!?」

 

こころ「ゆきほさん!」

 

ここあ「ゆきほおねえちゃん!」

 

ディエンド「…!」ドサッ

 

ディケイド「フン、これで後は…貴様だけだ」

 

キバーラ「…」

 

ディケイド「どうした…親友の命が目の前で奪われるのを見て、言葉を失ったか?」

 

キバーラ「…ううん、違うよ」

 

こころ「どうやら…わたしたちのえんぎにだまされたみたいですね?」

 

ここあ「あっかんべー!」ベッ

 

ディケイド「何?…!」

 

ディケイド「倒れたはずのディエンドが…いない!?」

 

キバーラ「今だ…やぁっ!」ドスッ

 

ディケイド「!…フハ、フハハハハハハハハハ!?」

 

こころ「わらった…『笑いのツボ』がせいこうしました!」

 

ここあ「うちゅうじんにも『笑いのツボ』はきくんだね!」

 

キバーラ「雪穂…受け取って!」ブンッ

 

ディエンド「うん!」パシッ

 

ディエンド(『イリュージョン』で分身を作り出してから、本物の私は…『インビジブル』のカードを使って一時的に姿を消していた)

 

ディエンド(姿を現した私がキバーラから受け取ったのは…ブランクカードから変化した音ノ木坂学院の校章が描かれたカードだった)

 

キバーラ「それっ!」ガシッ!

 

ディエンド(それからすぐにキバーラは…笑っているディケイドの後ろに回り込み、羽交い締めにした)

 

ディケイド「フハッ…!?き、貴様!」

 

キバーラ「行くよ、雪穂!」

 

ディエンド「亜里沙…うん!」

 

『ファイナルアタックライド…ミ・ミ・ミ・ミューズ!』

 

キバーラ「お姉ちゃん…『μ's』のみんな!」

 

ディエンド「…借りるよ!」

 

ディエンド(私はカードを入れたディエンドライバーを…そのままディケイドのディケイドライバーに突きつけた)

 

ディケイド「まさか!?…待て、止めろ!」

 

ディエンド「…痛みは一瞬だよ、ツカサ」

 

ディケイド「グッ、止めろぉぉぉっ!!」

 

キバーラ「お願い…ツカサに、届いてぇぇぇっ!!」

 

ディエンド「はぁぁぁぁっ!!」

 

ディエンド(そして…私は、ディエンドライバーの引き金を引いた)

 

 

 

コタロウ「っ…!」ガバッ

 

コタロウ(目を覚ましたオレの目の前にあったのは…瓦礫の山と化した音ノ木坂学院の校舎だった)

 

コタロウ「これは…そうか、オレは何も守れなかったんだ」

 

コタロウ「姉ちゃんや穂乃果、絵里達『μ's』や皆を失ったうえに…もう一つの『μ'sの世界』にいた『μ's』まで倒してしまって」

 

コタロウ「オレはあいつらに…何て謝れば良いんだ?」

 

コタロウ「一体、どうすれば…ん?」

 

コタロウ「あいつらって…誰の事だ?」

 

コタロウ「オレは何か、大切な記憶を失っている気がするような…!」

 

コタロウ(思い出そうとしていたオレの耳に…どこかから力強くて綺麗な歌声が聞こえてきた)

 

コタロウ「この歌声、どこかで聞き覚えが…?」スタスタ

 

コタロウ(オレは導かれるように、歌声の聞こえる方へと歩き出した)

 

コタロウ「…ここは、講堂か?」

 

コタロウ(中に入ってみると、ステージには…自前のスタンドマイクで『as time goes by』を唄うあの女性シンガーがいた)

 

~♪

 

コタロウ「!」

 

女性シンガー「…ふふっ、また会えたわね?」

 

コタロウ「アンタ…無事だったのか?」

 

女性シンガー「うん!」

 

コタロウ「でも、何で…何でアンタがここにいるんだ!?」ズイッ

 

女性シンガー「わぁっ!?」

 

コタロウ「あの時も急にいなくなって…というか、白い蝙蝠なんて何処にも見えなかったぞ!」

 

女性シンガー「ご、ごめ~ん…」

 

コタロウ「はぁ…まあいい」

 

女性シンガー「…ありがとう」

 

コタロウ「はぁ?」

 

女性シンガー「だって、ちょっと前に初めて会ったばかりの私を心配してくれてたんでしょ?」

 

女性シンガー「やっぱり君は…私が知ってる通りの、優しい人なんだね」

 

コタロウ「…オレは、優しくなんかない」

 

女性シンガー「えっ?」

 

コタロウ「オレは世界を変えようと…今まで旅をしてきた」

 

コタロウ「でも、結局…オレは何も変える事が出来なかった」

 

コタロウ「むしろ、大事な何かを失ってしまっているような気がして…」

 

女性シンガー「…」

 

コタロウ「気が付けばオレは…誰かの大事なものを奪う本当の破壊者になっていた」

 

コタロウ「罪を重ね、世界や『μ's』を破壊しようとする悪魔になっていた」

 

コタロウ「そんなオレに…誰かを思いやる優しさなんて、あるはずがない」

 

コタロウ「オレには…もう、何も残ってなんかいないんだ」

 

コタロウ「自分の世界を守れずに、記憶までも失った…あの時よりも」

 

女性シンガー「…本当に、君はそう思う?」

 

コタロウ「えっ…?」

 

女性シンガー「だって君は、今まで色んな世界を旅して…たくさんの人に出逢ってきたんでしょ?」

 

女性シンガー「だったら…見つかったはずだよ」

 

コタロウ「…見つかった?」

 

女性シンガー「そう、君の中にある…新しい君が」

 

コタロウ「新しい、オレ…」

 

???「探したぞ」

 

女性シンガー「!」クルッ

 

コタロウ(オレ達が声のする方を向くと…そこにはゼイビアックスがいた)

 

コタロウ「お前は…ゼイビアックス!?」

 

ゼイビアックス「こんな所にいたとはな…しかし、かくれんぼはもうおしまいだ」

 

ゼイビアックス「大人しく、私に全て支配されろ…ム?」

 

女性シンガー「…」フフッ

 

ゼイビアックス「どういう事だ?…何故、他に誰もいないはずの矢澤コタロウの心の世界に人がいる!?」

 

コタロウ「…心の世界?」

 

女性シンガー「そう、ここは君の心の中の世界…本当なら君だけしかいない世界だよ」

 

コタロウ「!…じゃあ、何でゼイビアックスとアンタがここに?」

 

女性シンガー「私は…君の意識を完全に乗っ取る為に、この世界の君をやっつけようとするゼイビアックスを追い出しに来たの」

 

コタロウ「…つまり、オレを助けに来たという事か?」

 

女性シンガー「うん、そういう事っ!」

 

ゼイビアックス「小癪な真似を…だが、もう手遅れだ」

 

ゼイビアックス「所詮、お前一人が邪魔をした所で…私を追い出す事など不可能だ!」

 

女性シンガー「…一人じゃないよ、私は」フフッ

 

コタロウ(そう女性シンガーが微笑むと…突然、オーロラが出現した)

 

ゼイビアックス「なっ…!?」

 

コタロウ(すると…オーロラから右腕に特殊な義手を着けたサングラスの男性とてんとう虫のマスクを被ったスカート姿の女性が現れた)

 

コタロウ「あの二人は…!」

 

女性シンガー「そう、ライダーマンとして戦う結城丈二と…岬ユリコが変身した電波人間タックルだよ」

 

ライダーマン「…」

 

タックル「電波人間…タックル!」

 

ゼイビアックス「ライダーを召喚する能力を持っていたとはな…だが貴様らなど、この手で捻り潰してくれる!」ダッ

 

コタロウ(ゼイビアックスがオレ達に襲いかかろうとすると…まず、タックルがゼイビアックスの前に立ちはだかった)

 

タックル「電波投げ…はっ!」バッ

 

ゼイビアックス「何ッ!?」クルッ

 

コタロウ(タックルが繰り出した衝撃波によって、身体を一回転させられたゼイビアックスに僅かな隙が生まれた)

 

タックル「今だよ!」

 

ライダーマン「…ああぁぁぁぁっ!!」バシュッ!

 

ゼイビアックス「ヌワァァァッ!?」

 

コタロウ(その隙を突くようにライダーマンがブラスターアームから強力なビームを放ち…ゼイビアックスを壁際まで吹き飛ばした)

 

ライダーマン「っ…」ハァハァ

 

コタロウ「…!」

 

女性シンガー「いやぁ~…相変わらずスゴいね、二人とも!」

 

タックル「へへ~んだ、こういう時はやっぱりユリコ達じゃないとね?」

 

ライダーマン「…新たな破壊者というのは、お前だな?」

 

コタロウ「!」

 

ライダーマン「お前に大切な事を教えてやる…自責の念に駆られて塞ぎ込んでいても、何も変わりはしない」

 

ライダーマン「罪は消せない…自分自身と向き合って、背負って生きていくしかないんだ」

 

コタロウ「!…自分自身と向き合い、生きる?」

 

ライダーマン「そうだ…戦うとは、そういう事だ」

 

コタロウ「…」

 

タックル「…それに、君にも見つかったんじゃない?」

 

コタロウ「え?」

 

タックル「君の事をちゃんと見てくれる大切な人と…君にとっての、新しい居場所が」

 

コタロウ「大切な人と…新しい居場所?」

 

タックル「うん…今まで旅をしてきた君なら、もうとっくに気付いてるはずだよ」

 

コタロウ「…!」

 

タックル「じゃあ、私達はそろそろ帰るね…バイバイ!」

 

ライダーマン「…いつか、また会おう」フッ

 

コタロウ(そのままライダーマンとタックルは…オーロラの中へと消えて行った)

 

コタロウ「…」

 

女性シンガー「…実は私ね、もともと学校の為に歌を始めたの」

 

コタロウ「…学校の為に?」

 

女性シンガー「うん、それから仲間の皆と出逢って…一緒に目指すものに向かって全力で走り続けたんだ」

 

女性シンガー「そうしたら…絶対に届かないと思っていたものに、手が届いたの」

 

女性シンガー「きっとそれは、偶然そうなったんじゃなくて…思いきり夢中になれたから」

 

女性シンガー「そして…最高に楽しかったからなんだって、今でも思うの」

 

女性シンガー「だから私は…ううん、私達は限られた時間の中で精一杯輝こうとするスクールアイドルが大好きなの!」

 

コタロウ「!!」

 

女性シンガー「私達は今でも…胸を張って、そう言えるの」

 

コタロウ「…アンタ、まさか」

 

女性シンガー「…」フフッ

 

ゼイビアックス「おのれ…!」

 

コタロウ「!」

 

ゼイビアックス「こうなったら、まずは貴様をこの世界から消してやる!」

 

女性シンガー「…悪いけど、あなたには私を消す事なんて出来ないよ」スッ

 

コタロウ(女性シンガーは黒いバックルを腹部に装着すると…一枚のカードを取り出した)

 

コタロウ「!」

 

ゼイビアックス「それは!?…貴様、何者だ!」

 

女性シンガー「通りすがりの女性シンガーだよ…覚えておいてよ!」

 

コタロウ(女性シンガーは一枚のカードを黒いバックルに装填すると…)

 

女性シンガー「変身っ!」

 

『カメンライド…ディケイド!』

 

コタロウ(金色の胸の十字と青い瞳が特徴的な…黒いディケイドに変身した)

 

コタロウ「ダーク、ディケイド…!」

 

ダークディケイド「…」

 

ゼイビアックス「黒いディケイドだと!?」

 

Dディケイド「そう…他にも、こんな姿にもなれるよ?」スッ

 

コタロウ(ダークディケイドはまた別のカードをバックルに入れると…とあるライダーにカメンライドした)

 

『カメンライド…G!』

 

コタロウ「あの姿は…G!?」

 

G「今、私のヴィンテージが芳醇の時を迎える!…なんてね?」

 

ゼイビアックス「ここまで私を愚弄するとは…良いだろう、全力で相手をしてやる!」ダッ

 

G「よーし、行っくよ~!」ダッ

 

 

 

コタロウ(Gにカメンライドしたダークディケイドとゼイビアックスが戦っている最中…誰かの声が聞こえてきた)

 

ツカ…カサ…ツカサ!

 

コタロウ「ツカサ?…!!」ハッ

 

コタロウ(その声は…これまでオレと一緒に九つの世界を旅してきた、二人の少女の声だった)

 

亜里沙『にっこにっこにー!…ほら、雪穂もやって?』

 

雪穂『亜里沙…に、にっこにっこにー///』

 

亜里沙『照れちゃダメ!恥ずかしがらないで、もっと大きな声で…にっこにっこにー!!』

 

雪穂『に、にっこにっこにー!!』

 

亜里沙『お願い…起きてよ、ツカサ!』

 

雪穂『ツカサ、早く起きないと承知しないよ!?』

 

亜里沙『ツカサにはいつか私たちのハラショーなライブを見に来て…笑顔になってほしいの!』

 

雪穂『その為ならどんなにキツい練習でも乗り切ってみせるから…何があっても、諦めずに二人で最後までやりきるから!」

 

雪穂『だから、ツカサも…ファイトだよ!!』

 

亜里沙『ツカサ、目を覚まして…にっこにっこにー!!』

 

雪穂『起きてよ、ツカサ…お願いだから笑ってよ!にっこにっこにー!!』

 

コタロウ「雪穂、亜里沙…!」ハッ

 

コタロウ「そうか…なるほどな、だいたいわかった」

 

コタロウ(自分と向き合う事で、大切な仲間や心の居場所を思い出したオレは…ようやく新しい自分自身が何なのか理解した)

 

コタロウ(いや…雪穂と亜里沙が、仲間達が教えてくれたんだ)

 

コタロウ(そう、オレは…!)

 

 

 

『ファイナルアタックライド…ジ・ジ・ジ・ジー!』

 

G「スワリング…ライダーキーック!」ガッ!

 

ゼイビアックス「グアァァァッ!?」ゴロゴロ

 

Dディケイド「ふぅ…」

 

コタロウ「おい!」ダッ

 

Dディケイド「ん?」クルッ

 

コタロウ「…ようやく見つけたよ、新しい自分を」

 

Dディケイド「!…そっか、良かった」

 

Dディケイド「じゃあ…変身して、アイツを追い出しちゃおっか!」

 

コタロウ「…変身する?」

 

Dディケイド「うん!命ある限り戦う…それが、仮面ライダーなんでしょ?」

 

コタロウ「いや、確かにそうなんだが…」

 

Dディケイド「どうしたの?」

 

コタロウ「…変身する道具が無い」

 

Dディケイド「へ?あっ、そっか…ここは君の夢の中だったね」

 

Dディケイド「でも、大丈夫…これで戦えるから!」スッ

 

コタロウ「戦える?…って、そのカードは!?」

 

コタロウ(ダークディケイドは…一枚のカードを黒いディケイドライバーに装填した)

 

『ファイナルフォームライド…ディ・ディ・ディ・ディケイド!』

 

Dディケイド「さてと…ちょっとくすぐったいよ?」

 

コタロウ「ま、待て!嫌な予感が…」

 

Dディケイド「良いから良いから…目を閉じて」

 

コタロウ「目、目を閉じる…?」

 

Dディケイド「うん…そうすれば、大丈夫だから」

 

コタロウ「…こ、こうか?」

 

Dディケイド「…」ポンッ

 

コタロウ(ダークディケイドがオレの背中の優しく押すと…歌が聞こえてきた)

 

コタロウ「!!…この歌は」

 

『ほのかな予感』

 

『始まる希望』

 

『駈けていく星空』

 

『咲かせる花』

 

『にっこりの笑顔』

 

『小鳥の翼』

 

『広がる海』

 

『描いた絵』

 

『巻き戻さずに進む時』

 

コタロウ(いつも聞いていた歌声)

 

コタロウ(いつも見守っていた光)

 

コタロウ「そうか…だいたいわかった」

 

『また会おう、呼んでくれるかい?』

 

コタロウ「…ああ、何度だって呼んでやるさ」

 

コタロウ「そして『今が最高』だったその記憶を胸に刻んでいく…オレはずっと、アンタ達を忘れない!」

 

コタロウ(その時、瞼を開いたオレの両手には…いつの間にか白いバックルと一枚のカードが握られていた)

 

コタロウ「!…これは」

 

コタロウ(右手の白いバックルには九つのライダークレストの代わりに、九つの『μ's』のメンバーアイコンが刻まれ…)

 

コタロウ(左手のカードには…『μ's』のメンバー全員の顔が描かれていた)

 

女性シンガー「…飛べるよ」

 

コタロウ「!」

 

コタロウ(ダークディケイドはいつの間にか変身を解除し…女性シンガーの姿に戻っていた)

 

女性シンガー「君も飛べるよ…いつだって、彼女達のように!」

 

コタロウ「アンタ…」

 

女性シンガー「きっとどこまでだって行ける…どんな夢だって叶えられる!!」

 

コタロウ「!…ああ、そうだな」フフッ

 

女性シンガー「…」フフッ

 

コタロウ(オレはバックルを腹部に装着し…一枚のカードをかざした)

 

ゼイビアックス「グゥッ…惨めなものだ、まだ私に抗うつもりか?」

 

ゼイビアックス「それが本当にお前の望みなのか!?お前の旅など…無意味で愚かなものだったというのに!」

 

コタロウ「それは違うな」

 

ゼイビアックス「何…?」

 

コタロウ「オレはこれからも『ツカサ』として旅を続ける…世界の壁を壊し、可能性を感じられる未来を創る!」

 

コタロウ「そして、その旅はやがて…夢の扉を開いた新たな『スクールアイドル』に奇跡で満ち溢れた光を灯す」

 

ゼイビアックス「貴様…一体、何者だ!?」

 

コタロウ「通りすがりの仮面ライダーだ…覚えておけ!!」

 

『ファイナルカメンライド…ミューズ!』

 

 

 

コタロウ(ディケイドライバーにカードを入れると…オレの周りを九色の光が覆った)

 

コタロウ「!」

 

コタロウ(やがて九色の光は…九人の少女の幻に変化した)

 

花陽『ツカサくんは一人じゃないよ…私達は、ツカサくんが前に進むのを待ってる』

 

ことり『ツカサくんは私達にたくさんのものを思い出させてくれた…だから、ツカサくんも変わる事を恐れないで?』

 

絵里『ツカサ…大丈夫、私達がいつでもそばにいる』

 

希『誰かを思いやる優しさを持っているツカサくんは…本当に強い人なんやって、ウチらは思ってるよ!』

 

海未『ツカサが戦っているのは…世界や人々の夢を守る為だと、私達は信じています』

 

真姫『何をしたってツカサはツカサよ…だって、それは私達の中で変えられない事実なんだから』

 

凛『ツカサくんの中の答えはもう決まってるんでしょ…?それなら、後は凛達と一緒にやるだけだよ!』

 

穂乃果『スクールアイドルが好きな君なら…私達は、いつだって歌うよ!』

 

コタロウ「!…みんな」

 

にこ『ちょっとコタロウ…何、ボーッとしてんのよ?』

 

コタロウ「姉ちゃん…」

 

にこ『アンタが皆を笑顔にさせられるように…私達が全力で支えてあげる!』

 

にこ『私達が一緒に戦ってあげる!』

 

にこ『だからツカサ、アンタは…一人なんかじゃない!』

 

コタロウ「!」

 

穂乃果『あれ…にこちゃん?』

 

にこ『何よ?』

 

穂乃果『今の最後の言葉って…花陽ちゃんが最初に言ったのと同じじゃない?』

 

にこ『うっ…うっさいわね!?大事なことだから二回言ったのよ!』

 

穂乃果『へっ…そうなの?』

 

にこ『そうよ!』

 

コタロウ「…」フフッ

 

絵里『何だか締まらないわね…ごめんなさいね、こんな感じになっちゃって』

 

コタロウ「いや、むしろ謝るのはアンタ達をカードに閉じ込めてしまったオレの方だ…本当にすまなかった」

 

にこ『はぁ?何で謝る必要があんのよ?』

 

コタロウ「…はぁ?」

 

穂乃果『だって、ツカサくんは…私達のお願いを聞いてくれたんでしょ?』

 

コタロウ「!…じゃあ、あの時に聞こえた声は」

 

絵里『届いていたのね…そう、私達があなたの旅に亜里沙と雪穂ちゃんを同行するようにお願いしたの』

 

コタロウ「…なるほどな、だいたいわかった」

 

にこ『それで、どうするのよ?』

 

コタロウ「…ああ、もちろん救ってみせるさ」

 

コタロウ「全ての世界を、アンタ達『μ's』の存在を…雪穂と亜里沙の夢を!!」

 

にこ『!…さすが、私の弟ね?』

 

絵里『本当にね』フフッ

 

穂乃果『ふふっ…じゃあ、いつものやろっか!』

 

穂乃果『1!』

 

ことり『2!』

 

海未『3!』

 

真姫『4!』

 

凛『5!』

 

花陽『6!』

 

にこ『7!』

 

希『8!』

 

絵里『9!』

 

穂乃果『μ's…!』

 

μ's『ミュージック・スタート!』

 

コタロウ(九人の『μ's』メンバーは九枚のカードに変化すると…オレの胸にその顔を並べた)

 

『ファイナルカメンライド…ディケイド!』

 

ディケイド「…」

 

ディケイド(九つの道が重なった時…オレはファイナルカメンライドディケイドへと変身していた)

 

ディケイド「これが…オレと『μ's』の力」

 

ゼイビアックス「かつてやられた分際の貴様が…この私に敵うはずが無い!」ダッ

 

ディケイド「…はぁぁぁぁっ!!」ガッ!

 

ディケイド(オレは襲い掛かってきたゼイビアックスの攻撃を避けると…右の拳でありったけの一撃をぶつけた)

 

ゼイビアックス「グッ…カハッ!?」

 

ディケイド(その攻撃で…ゼイビアックスは苦しみ始めていた)

 

ゼイビアックス「馬鹿な?この私が…たった一人の攻撃程度で、倒されるはずが無い!」

 

ディケイド「…残念だったな」

 

ゼイビアックス「!?」

 

ディケイド「オレは今…九人の力を借りて、この姿になっている」

 

ディケイド「つまり、この姿は…『リンクベント』と似た効果があるという事だ」

 

ゼイビアックス「なっ…『リンクベント』だと!?」

 

ディケイド「そう、だから…これはオレ一人の技じゃない」

 

ディケイド「これはDCDI(ディケイドインパクト)…オレと『μ's』の、技だぁぁぁぁっ!!」

 

ゼイビアックス「グアァァァッ!?」

 

ディケイド「終わりだ、ゼイビアックス…お前はもう二度と復活する事は出来ない」

 

ゼイビアックス「ウグッ!お、おのれ…おのれディケイドォォォォッ!!」

 

ディケイド(ゼイビアックスが光に変わっていくように消滅すると…次第にオレの意識も段々と遠くなっていった)

 

女性シンガー「…じゃあね、ツカサ」

 

 

 

ツカサ「…」パチリ

 

ツカサ(倒れていたオレが目を覚ますと、そこにはことり達六人の『μ's』メンバー…そして)

 

穂乃果「あっ、起きた!」

 

絵里「良かった…」ホッ

 

亜里沙「…ツカサ、私たちが分かる?」

 

雪穂「しっかりして、ツカサ!」

 

ツカサ「まさか、お前達に助けられるなんてな…一生の不覚だ」

 

にこ「…」フフッ

 

ツカサ「ん…?」チラッ

 

ツカサ(オレの右手を雪穂と穂乃果、左手を亜里沙と絵里が握りしめ…にこが膝枕でオレの頭を支えていた)

 

ツカサ「!!?」ガバッ

 

全員「わぁっ!?」

 

亜里沙「ビ、ビックリしたぁ~…」

 

雪穂「目を覚ましたと思ったら急に起き上がって…一体、どうしたの?」

 

ツカサ「はぁ!?どうしたもこうしたもあるか!」

 

穂乃果「へっ?」

 

ツカサ「手を握るとか膝枕するとか…あ、ああああり得ないだろ!?///」

 

雪穂「手を握る、って…は!?///」

 

にこ「別に膝枕くらい良いでしょ?…だってアンタ、違う世界の私の弟なんだし」

 

ツカサ「良くない!!」

 

穂乃果「良くないの?」

 

ツカサ「当たり前だろ…お前らな、もうちょっとスクールアイドルだって事を自覚したらどうなんだ!?」

 

にこ「はぁ!?アンタにそこまで言われる筋合いなんてないわよ!」

 

にこ「大体、私の方がスクールアイドルに詳しいんだからね!?」

 

ツカサ「オレは色々な世界のスクールアイドルを見てきたんだ…オレの方が詳しいに決まってる!」

 

にこ「何ですってぇ!?」

 

亜里沙「でも、イベントで握手会をやるスクールアイドルもいるし…男の子とも手を握るなんて普通だよ?」

 

ツカサ「そ…それはそれ、これはこれだ!」

 

絵里「あら?そういえば、確か別の世界の私が…ツカサに助けてもらう時に手を握っていたような気がするのだけど」

 

ツカサ「あ、あれは…あれだ」

 

にこ「どれよ!?」

 

ツカサ「とにかく…スクールアイドルが男の手を握ったり膝枕するなんて、言語道断だ!」

 

雪穂「う、うるさいなぁ!」

 

にこ「状況が状況だったんだから仕方ないでしょ!?」

 

ツカサ「仕方なくないだろ!そんなにオレの事が心配だったのか!?」

 

雪穂「べ…別に心配なんか!」

 

にこ「してないわよ!」

 

ツカサ「じゃあ、何で手を握ったり膝枕したりしたんだよ?」

 

雪穂「そ、それは…///」

 

にこ「その…///」

 

ツカサ「どうした…言えないのか?」

 

雪穂「っ!…もういい、放っておいて」プイッ

 

にこ「アンタなんか知らないわよ、もう…」

 

ツカサ「はぁ?」

 

雪穂「いいから!」

 

にこ「もう黙ってなさいよ!?」

 

ツカサ「そう言われて素直に『はい、分かりました』とオレが言うとでも思ったのか?…そもそもお前らはな!」

 

ほのあり「二人とも…どうどう!」

 

ツカサ&にこゆき「だから馬じゃない!!」

 

絵里「ぷっ…あはははは!」

 

ツカサ「!」

 

亜里沙「…お姉ちゃん?」

 

絵里「ご、ごめんなさい…何だか皆のやりとりを見てたら面白くなっちゃって」

 

ツカサ「!…絵里」

 

ことり「私も見てて…何だかホッとしちゃったなぁ~」

 

海未「まさに喧嘩するほど何とやら…ですね?」

 

真姫「本当、変わってるわよね…あなた達って」

 

凛「それは凛達も同じだと思うよ?」

 

希「凛ちゃんの言う通りやね…ツカサくん達三人の関係はウチら『μ's』の関係と一緒」

 

花陽「にぎやかで、楽しくて、あったかくて…」

 

穂乃果「…笑顔に、なれるよね」

 

ツカサ&ゆきあり「!」

 

穂乃果「ツカサくんや雪穂や亜里沙ちゃんも…そう思わない?」

 

亜里沙「はいっ!」

 

雪穂「…そう、なのかな?」

 

ツカサ「どうだろうな…『そうなってしまった』と言った方が正しいのかもな」

 

にこ「何よ、その返事…素直じゃないわねぇ?」

 

ツカサ「アンタにだけは言われたくないな」

 

にこ「どういう意味よ、それ!?」

 

雪穂「あれ…そういえばこころちゃんとここあちゃんは?」キョロキョロ

 

亜里沙「キバーラや『A-RISE』のみんなもいないね…どこに行っちゃったんだろう?」

 

オーイ!

 

ツカサ「!」

 

ツカサ(にこに向かって一直線に走ってきたのは…にこの二人の妹だった)

 

こころ「おねえさま!」ギュッ

 

ここあ「おねえちゃーん!」ギュッ

 

にこ「こころ、ここあ!…心配かけてごめんなさい」ナデナデ

 

こころ「きにしないでください!」

 

ここあ「わたしたち、おねえちゃんたちがもどってくるってしんじてたから!」

 

雪穂「それにしても…二人とも、どこに行ってたの?」

 

ここあ「じつはね…」

 

こころ「『A-RISE』のみなさんについていこうとするおとやさんをつれもどしてきたんです!」

 

ツカサ「…おとや?」

 

音也「おいおい、何なんだいきなり…あともう少しで俺はさっきの世界三大美女とデートする所だったんだぞ?」

 

ツカサ「!?…アンタは、紅音也!」

 

音也「ん?お前は…さっきのバーコード野郎か、俺様ほどでは無いがなかなか良い面構えをしているな?」

 

ツカサ「…え?」

 

ここあ「そっか、アンタがべつのせかいのコタロウなんだね…カッコいいなぁ~!」

 

こころ「ととのったかおだちやふんいきなんかもそっくりですね!」

 

ツカサ「そうか?…まあ、それほどでもあるかな」フフン

 

雪穂「はぁ…また始まったよ」

 

亜里沙「でも、ツカサらしいね!」フフッ

 

ツカサ「そうだ…礼を言うよ、紅音也」

 

音也「俺は自由にやらせてもらっただけだ、礼には及ばん…!」

 

ツカサ(少し話していると…音也の身体は透け始めていた)

 

ツカサ「!…それは」

 

音也「どうやら、元の世界に帰る時が来たようだな…ここでお別れだ」

 

ツカサ「音也…」

 

音也「俺がお前に会うのは、これが最初で最後だろう…だから『ヤツ』の伝言を伝えておく」

 

ツカサ「…『ヤツ』の伝言?」

 

音也「ああ、本来…『μ's』の物語は時と共に消滅する運命だった」

 

音也「だが、お前と『μ's』を繋ぐ架け橋となる二人の少女が旅をする事で人々の記憶に留まり…再び『μ's』の物語は紡がれた」

 

穂乃果「!…それって、もしかして?」

 

青年『俺は…通りすがりの、仮面ライダーだ』

 

音也「そうだ…『ヤツ』の言う通り、ディケイドは『これから』の物語を紡ぐ存在になったんだ」

 

亜里沙「そっか、そのために私たちはツカサと一緒に旅をしないといけなかったんだ…」

 

音也「あ?…まさか、知らなかったのか?」

 

雪穂「それが私達…理由とかよく分からないまま、ツカサと旅をするようにお姉ちゃんに言われてたんで」

 

絵里「えっ、そうだったの?」

 

亜里沙「うん…」

 

にこ「…ほ~の~か~!?」ゴゴゴゴ

 

穂乃果「ごっ、ごめんごめん…急いでたもんだからつい」

 

にこ「つい…で済むような問題じゃないでしょ!?」

 

ツカサ「…本当にオレが、彼女達の物語を?」

 

音也「本当だ…お前は彼女達に流れる音楽の素晴らしさと愛を伝える為に、世界を繋いだんだ」

 

ツカサ「!!」

 

音也「さて、これで『ヤツ』の伝言は終わりだ…これからもしっかり生きろよ?」

 

ツカサ「…ああ!」

 

音也「ふっ…じゃあな」

 

ツカサ(そのまま音也は消え…元の世界へと帰っていった)

 

雪穂「…行っちゃったね」

 

亜里沙「うん…あ、そうだ!」

 

雪穂「えっ?…あっ」

 

ツカサ「?」

 

亜里沙「ツカサ、これ!」スッ

 

ツカサ(亜里沙はオレに…預けていたトイカメラを渡してきた)

 

ツカサ「!」

 

亜里沙「受け取って、ツカサ!」

 

亜里沙「私ね…ツカサの写真、いつも素敵だなって思うから!」

 

ツカサ「…亜里沙」

 

雪穂「ツカサ!さっきは倒すとか仲間じゃないだとか…ヒドいこと言って、ごめん」

 

ツカサ「!」

 

雪穂「だからさ…これからも、そのカメラで撮り続けてよ」

 

ツカサ「雪穂…オレの方こそ、お前や亜里沙に辛い思いをさせてしまったな」

 

ツカサ「悪かった…本当にすまない」

 

雪穂「!…ツカサ」

 

亜里沙「じゃあ、仲直りだね…えへへっ!」

 

雪穂「ふふっ…おかえり、ツカサ」

 

ツカサ「…ああ、ただいま」フフッ

 

ツカサ(亜里沙からトイカメラを受け取ったオレは…自分の首元に掛けた)

 

にこ「…」フフッ

 

穂乃果「これで、一件落着だねっ!」

 

絵里「そうね…オトノキや世界が無くなるって聞いて、最初はどうなるかと思ってたけど」

 

にこ「そんなことあるわけないでしょ?なぜなら『μ's』はこの世界のみ~んなのも・のっ♡…なんだから!」

 

ツカサ「気持ち悪い」

 

にこ「ちょっとぉ!?」

 

真姫「ツカサ…それは私の台詞よ、取らないで!」

 

凛「オコトワリシマス!」

 

真姫「凛には言ってないでしょ!?」

 

穂乃果「イミワカンナイ、イミワカンナイ、イミワカンナイ~」クルクル

 

真姫「…何してるの?」

 

ツカサ(そのやりとりで、オレや雪穂や亜里沙…『μ's』の皆が笑い合っていた)

 

こころ「みなさん…ちょっとまってください!」

 

穂乃果「…え?」

 

ここあ「まだ、たたかいはおわってないよ!?」

 

亜里沙「終わってない?…ああっ!!」

 

雪穂「そうだ…虎太郎くんがまだ大ショッカーに捕まってるんだ!」

 

ツカサ「!」

 

μ's「えーっ!?」

 

にこ「そんな…早く助けないとマズいじゃない!」

 

ツカサ「今頃、もう一人のオレはゴルドラやシルバラに連れられて『鬼の戦艦』の中にいるはず…っ!」ハッ

 

ツカサ(その時、オレの頭の中に…もう一人のオレの見ているものが流れて込んできた)

 

 

 

サヨ「ハァ…やっぱり、彼にはちょっと荷が重かったみたいね」

 

シルバラ「…テメー、何でまだここにいんだよ?」

 

サヨ「?…あら、ゴルドラとシルバラじゃない」

 

ゴルドラ「答えろ…何故、大神官ビシュムがこの鬼の戦艦の操舵室にいる?」

 

サヨ「見届けに来たの、この世界がこれからどうなるのか…ね」

 

サヨ「それと…私をそんな名前で呼ばないでくれる?」

 

サヨ「今の私には『サヨ』っていう…立派な名前があるの」

 

シルバラ「ハッ、テメーの呼び名なんざ知ったこっちゃねえや…とっととその邪魔なピアノと一緒に消えやがれ!」

 

ゴルドラ「もうすぐ我々の大首領様はこの世界を手に入れる…今頃、かつての仲間達を葬っているはずだろう」

 

サヨ「じゃあ…このモニターに映っているのは何?」

 

ゴルドラ「!?…これは、どういう事だ!」

 

サヨ「どうやら、大首領様は…元の良い子に戻っちゃったみたいよ?」

 

シルバラ「チッ…こうなったらこの鬼の戦艦でこの世界を支配しようぜ、兄ちゃん!」

 

ゴルドラ「…仕方ない、鬼の戦艦は俺が操縦しよう」

 

戦闘員「ゴルドラ様、シルバラ様…報告します!」ダダッ

 

シルバラ「あぁ?何だよ、一体!?」

 

戦闘員「拘束していた矢澤虎太郎が逃走しました!」

 

シルバラ「おいおい、ガキ一人相手に何やってんだよテメーら…早く捕まえろ!」

 

戦闘員「そ、それが捕まえようとしているのですが…!?」

 

ドカッ!

 

戦闘員「イーッ!?」ドサッ

 

サヨ「!」

 

ゴルドラ「何だ、今のは?…!」

 

虎太郎「…」

 

シルバラ「おい…何でガキが戦闘員を倒してんだよ!?」

 

サヨ「…」~♪

 

シルバラ「テメー!何でこんな時にピアノなんか弾いてんだよ!?」

 

サヨ「この曲は…『Double-Action Piano form』っていうの」

 

サヨ「時の悪戯によって…消滅した哀しいピアニストの男が、大切な人の為にずっと弾き続けていた曲」

 

ゴルドラ「どういう事だ?」

 

サヨ「…分からない?彼の様子、あなた達が捕まえた時と明らかに違うわ」

 

サヨ「いえ、もしかしたら…捕まえる前からそうだった可能性もあるわね」

 

シルバラ「あぁ!?だから何がだよ?」

 

?『よう、どうやらまた生き返ったみてぇだな?…オメーら』

 

シルバラ「!」バッ

 

虎太郎「…」

 

ゴルドラ「今の声…まさか!」

 

シルバラ「でもよ、どうしてあのガキから聞こえんだよ!?」

 

サヨ「…よく見なさい、彼を」

 

ゴルドラ「?…っ!?」

 

虎太郎「…」

 

シルバラ「あのガキの跳ねた髪と眼が…」

 

ゴルドラ「赤く、なっているだと…!?」

 

虎太郎「…」フッ

 

 

 

ツカサ「…?」

 

亜里沙「ツカサ!」

 

ツカサ「!」

 

雪穂「どうしたの、ツカサ?」

 

ツカサ「今、オレの中にもう一人のオレの記憶が流れてきた…アイツは鬼の戦艦の操舵室にゴルドラやシルバラ達と一緒にいる」

 

ここあ「ホント!?」

 

こころ「ぶじなんですか!?」

 

ツカサ「ああ、一つ気になっている事はあるが…すぐに助けに行った方が良いのは間違いないだろうな」

 

穂乃果「だったら急いで助けに行かないと…あっ、そうだ!」ポンッ

 

穂乃果「ねえねえ、ツカサくん!」

 

ツカサ「何だ?」

 

穂乃果「鬼の戦艦の場所って、どこにあるか覚えてる?」

 

ツカサ「あ、ああ…だいたいな」

 

雪穂「お姉ちゃん、何か思いついたの?」

 

穂乃果「うんっ!あのね…」チョイチョイ

 

雪穂「…?」

 

ツカサ(オレ達は穂乃果から…ある考えを聞いた)

 

全員「ええーっ!?」

 

雪穂「何考えてるの、お姉ちゃん!」

 

海未「本気ですか!?」

 

絵里「そんな事、本当に出来るの?」

 

真姫「そうよ…一人だけならまだしも、全員がまた成功する保証なんてどこにも無いのよ!?」

 

穂乃果「えぇ…ダメ?」

 

ツカサ「いや、オレともう一人のオレの記憶がまだ共有されている今なら…穂乃果の案を試してみる価値は十分にある」

 

亜里沙「『μ's』のみんながケガするかもしれないって思ったら心配だけど…今はそれよりも、虎太郎くんを助けなきゃ!」

 

希「そうやね、ウチも賛成!」

 

凛「凛もやってみたいニャ~!」

 

花陽「成功したら、きっと虎太郎くんを無事に助け出すことも出来るはずです!」

 

にこ「ふふっ…矢澤家長女・にこにーにとって不足なし!」

 

こころ「さすがです、おねえさま!」

 

ここあ「いつもはかわいいけど…きょうのおねえちゃん、なんだかカッコいいね!」

 

ことり「やってみよう、虎太郎くんを取り戻すために…!」

 

海未「…ええ、やりましょう!」

 

穂乃果「みんな…!」フフッ

 

ツカサ「…じゃあ、行くぞ」

 

亜里沙「あっ、でも…!」

 

雪穂「!…そっか、キバーラがいないと亜里沙は変身できないんだ」

 

ミンナ-!

 

ツカサ「あれは…」

 

亜里沙「キバーラ!」

 

雪穂「どこに行ってたの!?」

 

キバーラ「ごめんなさい…この世界のツバサ達と一緒に、とある用事を済ませに行ってたの」

 

ツカサ「用事?」

 

キバーラ「ええ…それは後でのお・た・の・し・み♡」

 

ツカサ「相変わらずだな…まあ良い、これで準備は良いか?」

 

亜里沙「うん!」

 

海未「では、気を取り直して…もう一度です!」

 

ツカサ「皆…行くぞ!!」

 

μ's&ゆきあり「おー!!」

 

ツカサ(大ショッカーのジャケットを脱ぎ捨てていつもの服装になったオレは…雪穂と亜里沙、そして『μ's』を入れた十二人で変身アイテムを使い、それぞれの構えをとった)

 

『Standing By』

 

キィィィン…

 

キバット「ガブッ!」

 

ツカサ(それからオレ達は…全員で変身する事を試みた)

 

μ's「変身!」

 

ツカサ「…変身!」

 

ゆきあり「変身っ!」

 

『Complete』

 

『Turn Up』

 

『Henshin…Cast Off…Change Beetle』

 

『ソードフォーム』

 

『カメンライド…ディケイド!』

 

『カメンライド…ディ・エンド!』

 

『チュッ…変身♡』

 

ツカサ(オレ達の変身は全員が成功し…十二人の『仮面ライダー』が並んだ)

 

こころ「スゴい…クウガからディケイドまでのライダーがせいぞろいですよ、ここあ!」

 

ここあ「しかもディエンドとキバーラまで…スゴいね、こころ!」

 

アギト「…やった、成功したね!」

 

カブト「ええ…正直な事を言うとツカサくんに力を託したあの時、もう変身能力は無くなったものだと思ってたんだけど」

 

クウガ「ちゃんと残ってたみたいね…まあ、別の世界の私達の記憶もまだあるから当然といえば当然だけど」

 

ディケイド「…!」

 

ディケイド(すると、突如として現れたオーロラから…大ショッカーの戦闘員達が現れた)

 

キバーラ「あれは…!」

 

ディケイド「おそらくオレが元に戻った事に気付いた大ショッカーが呼び寄せたんだろうな…」

 

ディエンド「でも、私達なら…きっと!」

 

キバーラ「そうだね…きっと!」

 

ディケイド「もう一人のオレを…虎太郎を、助けてみせる!!」ダッ

 

ディケイド(オレ達は…大ショッカーの戦闘員達に立ち向かって行った)




次回、仮面ライダー×ラブライブ!…最終回!



#24『それは僕たちの世界』

 

叶え、みんなの夢――

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