9つの道はいつか重なって   作:まーけたー

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~これまでの仮面ライダー×ラブライブ!は~

雪穂「ディケイド…!」

亜里沙「あなたの名前は『ツカサ』!」

ツカサ「ここは『クウガの世界』だ」

ガミオ「この世を究極の闇が覆い尽くす!」

ニコ「私は…皆に、笑顔でいてほしいだけなのに」

ツカサ「にっこにっこにー!」

ツカサ「オレは…アンタのいるこの世界を救いたいと思った」

ツカサ「アンタが皆を笑顔にさせられるように…オレが全力で支えてやる!」

ツカサ「通りすがりの仮面ライダーだ…覚えておけ!」

ニコ「超変身!」

ディケイド「オレとニコの力だ」

ニコ「…ありがとう、ツカサ」


~花陽×キバの世界~
第4話『リミックス♬君に捧げる独奏(ソロ)曲』


(私は小さい頃からアイドルに憧れていて…)

 

(あっ、でも…憧れているっていうよりはただ好きなだけなのかな?)

 

(ひらひら、ふわふわした衣装でくるくる回りながら踊る姿は…すごくキラキラしてて)

 

(テレビに映っているアイドルを見ているだけで…私はなんだか幸せな気持ちになる)

 

(見ているだけで本当に…嬉しくって楽しくって胸がワクワクして)

 

(どこか身体の奥の方がうずうずするの)

 

(でも私はどんくさくて、歌う声も小さくて、踊るのも下手っぴで…)

 

(ビビリで、臆病で、気が弱くて、ドジばっかりして)

 

(不器用で、要領も悪くて、引っ込み思案で)

 

(地味で、何も特技なんてなくて…)

 

(おまけに私は…これまで自分で決めなきゃいけない大事なことまでも、全部決めずに逃げてきた)

 

(自分が決めたら…きっと失敗するって思ってたから)

 

(そうやって自分自身を鎖で縛りつけてた)

 

(でも…私はずっとこのままでいいと思ってた)

 

(無理に自分を変える必要なんてないんだって)

 

(だけど…ある日、お母さんが大切にしていたバイオリンから声のような音が聞こえた)

 

(まるで誰かが私を呼んでいるような気がして)

 

(いつの間にか私は…その音に導かれるように、身体が勝手に動いてた)

 

(その時の私は…まるで今までと違う自分になったような気がして)

 

(…ねぇ、お母さん?)

 

(私は本当にこのままでいいの?)

 

(ハナヨは一体、どうすれば…)

 

 

 

~世界の破壊者、ディケイド…9人の女神に出逢い、その瞳は何を見る?~

 

 

 

雪穂(私達が写真館で話していると…スタジオの背景が別のものに変わった)

 

雪穂「これ、月とお城の中に…」

 

亜里沙「ドラゴン?」

 

ツカサ「キャッスルドランだな」

 

雪穂「えっ…何それ?」

 

ツカサ「キバをサポートするモンスターが幽閉されてる竜の城だ」

 

雪穂「キバって…?」

 

ツバサ「この世界のライダーよ」

 

ツカサ「ここは…『キバの世界』か」

 

亜里沙「私達はここで何をすればいいの?」

 

ツバサ「この世界には人間の『ライフエナジー』…簡単に言えば生命力の事なんだけど」

 

ツバサ「それを餌にする為に人間を襲う『ファンガイア』という怪人がいるの」

 

亜里沙「ってことは『ファンガイア』って…バンパイアみたいなもの?」

 

ツバサ「そうね…確かに近いわね」

 

雪穂「じゃあ、この世界では…その『ファンガイア』と戦っているキバっていうライダーを探せば良いんですか?」

 

ツバサ「ええ…でも、単純にキバを見つけるだけで終わりって事ではないでしょうね」

 

ツカサ「…『クウガの世界』がそうであったようにか?」

 

ツバサ「そうよ…他の世界もクウガになったニコさん同様、μ'sメンバーの誰かがキバになっている可能性が高いわ」

 

雪穂「えっ…そうなんですか!?」

 

ツバサ「あくまでも可能性の話だけど、別の世界にいるμ'sがライダーになっているのを考えると…あり得ない話じゃないわ」

 

亜里沙「ハラショー…!」

 

ツバサ「その為に、私達が今するべき事は…」

 

雪穂「今するべきことは…?」

 

ツバサ「…ごちそうさま」ガタッ

 

雪穂「えっ?」

 

ツカサ「は?」

 

ツバサ「休んで英気を養うことが何より大切よ」スタスタ

 

ツバサ「じゃあ、私は寝るから」ガチャ

 

雪穂(そう言ってツバサさんは部屋のドアを開けた)

 

ツカサ「おい待て!」ガタッ

 

ツバサ「何かしら?」

 

ツカサ「オレはここにいていいなんて一言も…!」

 

ツバサ「あら、じゃあ私にこのまま野宿しろとでも言いたいのかしら?」

 

ツカサ「うっ…いや、別にそこまでは言ってないが」

 

ツバサ「そう…それじゃまた明日、おやすみ」バタン

 

ツカサ「あっ、おい!」

 

雪穂(押しに弱いなぁ…)

 

雪穂「…じゃあ、私達もこれ食べて寝よっか」

 

亜里沙「うん!」

 

雪穂(私達は…明日の朝までゆっくり休むことにした)

 

 

 

?(夜の遅い時間…私は街の外れにある人気のない場所に来ていた)

 

男「チュ~リッヒヒヒ!」

 

女「…」

 

?(大きく半透明な二本の牙を首に突き刺された女の人の身体が透けていくと…やがて服を残して消えた)

 

?(この男の人はファンガイアと呼ばれる魔族)

 

?(普段は人間として生活してるんだけど…ガマンできなくなった時はこうして人を襲ってライフエナジーを吸収してる)

 

?(私は「人を襲う悪いファンガイアを倒して」という声に導かれるまま、ここにやってきた)

 

?「…あ、あのっ!」

 

男「…ん?」クルッ

 

?(振り向いた男の人は、顔の下半分にステンドグラスのような模様を浮かべると…蜘蛛のようなファンガイアになった)

 

スパイダーファンガイア「君も僕に喰われたいのかい?」

 

?(私はファンガイアになった彼に怯えながら、近くを飛び回っていた金色の小さなコウモリの名前を呼んだ)

 

?「ひっ…キ、キバット!」

 

キバット「よっしゃ!ハナヨ、キバっていくぜ!」パタパタ

 

ハナヨ(私はキバットを掴んで…そのまま腕に噛みつかせる)

 

キバット「ガブッ!」

 

ハナヨ「…へ、変身」

 

ハナヨ(私はお腹に巻かれたベルトにキバットを着けて、姿を変えた)

 

キバ「…」

 

スパイダーF「お前は…キバ!?」

 

キバ「…!」ダダッ

 

キバ(キバになった私を見て驚く相手に対して、私は走り出してパンチした)

 

キバ「ふっ!」ガッ

 

スパイダーF「ウグッ…」ドガッ

 

キバ(私はそのまま相手に対して、連続でパンチしていく)

 

キバ「はっ!やぁっ!」ゴッ!ガッ!

 

スパイダーF「グアッ…!」バタッ

 

キバ「…?」

 

キバ(相手は倒れた…と思ったら、すぐに起き上がった)

 

スパイダーF「…!」ムクッ

 

キバ「!?」

 

スパイダーF「ガーリッククク!」ダダッ

 

キバット「あっ!アイツ逃げる気だな…待て!」パタパタ

 

キバ(キバットはベルトから離れると…相手の周りを飛び回りながら攻撃した)

 

キバット「このっ!おりゃ!」ゴン!

 

スパイダーF「グッ…」ヨロッ

 

キバ(キバットのおかげで相手がひるんでいる間に…私はベルトから赤い笛を取り出した)

 

キバ「…」サッ

 

キバット「よし…いくぜ!」

 

キバ(キバットがベルトに戻ったのを確認した私は…キバットにその赤い笛を吹かせた)

 

キバット「ウェイクアップ!」

 

キバ(笛の音が鳴るとキバットはまたベルトから離れ…私は身体中に力を溜めるようにかがんだ)

 

キバ「はぁっ…!」

 

キバ(それから私が右足を上げると、キバットは右足にある鎖を切った)

 

キバ(すると…私の右足から赤いコウモリのような翼が出てきた)

 

キバ「はっ!」

 

キバ(月が満ちる夜の中で…私は地面をゆっくり蹴って、高くジャンプした)

 

スパイダーF「!?」

 

キバ(一回転した私は…相手に向かって右足を突き出した)

 

キバ「やあっ!」

 

キバ(私のキックが命中した相手は飛んでいって、そのままコンクリートの壁にぶつかった)

 

スパイダーF「グワアァァァァァ!!」

 

キバ(壁には一瞬、大きなコウモリのようなマークが浮かんで…相手の身体はガラスのように割れた)

 

キバ「…」フゥ

 

キバ(戦いが終わって…私は変身を解いた)

 

ハナヨ(ベルトから離れたキバットが私に話しかけてくる)

 

キバット「いや~…今日もやったな、ハナヨ!」パタパタ

 

ハナヨ「う、うん…」

 

キバット「…?」

 

ハナヨ「…」

 

キバット「おいおい…どうしたんだよ、ハナヨ?」

 

ハナヨ「いや、その…」モジモジ

 

キバット「何だよ、そんなにモジモジして」

 

ハナヨ「な、何でも…ない」

 

キバット「本当か?」

 

ハナヨ「うん…」

 

ハナヨ(あのね、キバット…)

 

ハナヨ(私は何のために戦っているんだろう?)

 

ハナヨ(どうして「悪いファンガイアを倒して」って声が聞こえてくるんだろう?)

 

ハナヨ(私なんか…何の取り柄もないのに)

 

ハナヨ(一体、なんで…)

 

キバット「それじゃ、帰ってひとっ風呂でも浴びるかな」パタパタ

 

ハナヨ「…うん」

 

ハナヨ(私はキバットと一緒に家へ帰ることにした)

 

 

 

雪穂(翌朝、私は起きてスタジオのある部屋に入った)

 

亜里沙「あっ…雪穂!」

 

ツバサ「おはよう」

 

雪穂(部屋には亜里沙とツバサさんがいた)

 

雪穂「おはよう…ございます」

 

亜里沙「ツカサ、今日はオムライスを作ってくれたんだ…一緒に食べよう!」

 

雪穂「うん…」

 

雪穂(イスに座った私はテーブルに置かれたオムライスを食べることにした)

 

雪穂「いただきます…」パクッ

 

雪穂「…うん、美味しい」

 

亜里沙「でしょでしょ!」

 

雪穂「あれ…そういえばツカサは?」

 

亜里沙「ツカサなら『ちょっと外の様子を見てくる』って言って、先に出て行ったよ?」

 

雪穂「そっか、それじゃ私達は…どうしよっか?」

 

亜里沙「うーん…」

 

ツバサ「ごちそうさま」フキフキ

 

雪穂(ツバサさんがそう言って口についたケチャップを拭き取ると、足元に置いていたカバンから二つの道具を取り出した)

 

ツバサ「それなら二人にちょうどいい『お宝』があるわ」

 

雪穂「えっ…何ですか、それ?」

 

ツバサ「ファンガイアに対抗できる…とまではいかないけど、護身用の道具よ」ゴトッ

 

雪穂(ツバサさんはその二つの道具をテーブルの上に置いた)

 

ツバサ「剣、鞭、ブーメランとして使えるファンガイアスレイヤーとフックと矢を発射できるファンガイアバスター…」

 

ツバサ「外に出るならこれらを持って出るといいわ…きっと何かの役に立つでしょうから」

 

亜里沙「ハラショー…!」

 

雪穂(亜里沙は手に取ったファンガイアバスターを見つめていた)

 

雪穂「えっと…あの、良いんですか?」

 

ツバサ「ええ、今の私には『ディエンドライバー』っていう青い銃があるから…問題ないわ」

 

雪穂「そうですか…ありがとうございます」

 

亜里沙「ツバサさん、ありがとう!」

 

ツバサ「どういたしまして」フフッ

 

ツバサ「じゃあ、私はちょっと用事があるから…先に出るわね」スタスタ

 

雪穂「あっ、はい…」

 

亜里沙「行ってらっしゃい!」

 

ガチャ…バタン

 

雪穂「…」

 

雪穂(私はテーブルに置かれたファンガイアスレイヤーを見つめていた)

 

雪穂「護身用の武器…か」ボソッ

 

 

 

ツカサ(オレが写真館から出ると、また服装が変わっていた)

 

ツカサ(どこかホストっぽい格好だが…手にはマゼンタカラーのバイオリンケースを持っていた)

 

ツカサ(ディケイドのマークが目印になっているバイオリンケースには小さな文字で『TSUKASA KURENAI』と刻印されていた)

 

ツカサ(紅ツカサ…?)

 

ツカサ(この世界のオレの役割は、まさかバイオリニストということか…?)

 

ツカサ(やがて近くにある緑が生い茂る公園までやってきたオレは…大きな樹の下で立ち止まった)

 

ツカサ(そして…ケースからバイオリンと弓を取り出した)

 

ツカサ「…試してみるか」

 

ツカサ(オレはバイオリンを弾いてみた)

 

~♪

 

ツカサ(オレは演奏できている自分を疑った)

 

ツカサ(バイオリンを弾くのは初めてのはずだった)

 

ツカサ(なのに…まるで慣れているかのように弓を持つ腕が、バイオリンの弦を押さえる指が軽やかに動いていた)

 

ツカサ(それに、オレが弾いているこの曲は…?)

 

ツカサ(自分でもどういう事なのか…全く分からなかった)

 

~♪

 

ツカサ(オレは最後にバイオリンの弦を指で弾いた)

 

パチパチパチ…

 

ツカサ「!」

 

ツカサ(オレの目の前には拍手をしている一人の女性がいた)

 

?「…」パチパチパチ

 

ツカサ(一言でどんな女性か表すなら…柔らかい雰囲気で、おっとりとした感じだろうか)

 

ツカサ(彼女は…手話でオレに話しかけてきた)

 

?『お上手なんですね、バイオリン』

 

ツカサ「いや…初めて弾いた」

 

?『そうなんですか?』

 

ツカサ「ああ」

 

ツカサ(すると…女性はどこか物憂げな顔をしながら手話を続けた)

 

?『私もその曲を弾いていました』

 

ツカサ「…この曲か?」

 

?『ええ、もう弾く事はないし聴く事もないと思っていたのだけど…』

 

ツカサ(女性はそこで話をやめると…瞳を閉じた)

 

ツカサ「…?」

 

ツカサ(すると…遠くから亜里沙の声が聞こえてきた)

 

亜里沙「ツカサ!」

 

ツカサ「!」

 

雪穂「やっと見つけた…ここにいたんだね」

 

ツカサ「ああ」

 

雪穂「…ところで、そのホストみたいな格好は何?」

 

ツカサ「お前な…他にもっと言い様ってものがあるだろ」

 

亜里沙「あっ…そういえばさっき、バイオリンの音が聞こえてきたけど」

 

亜里沙「もしかして…ツカサがそのバイオリンを弾いてたの?」

 

ツカサ「一応な…どうやらこの世界でのオレの役割は、天才バイオリニストという事らしい」

 

亜里沙「ハラショー…さすがツカサ!」

 

雪穂「自分で天才って…」

 

ツカサ「いや、オレには才能がある」フフッ

 

ツカサ「アンタもそう思う…ん?」クルッ

 

ツカサ(オレは振り向いてさっきの女性に感想を聞こうとしたが、女性はどこにもいなかった)

 

ツカサ「…?」

 

亜里沙「ツカサ、どうかしたの?」

 

ツカサ「…いや、何でもない」

 

亜里沙「?」

 

雪穂「じゃあツカサと合流したし…早くキバになったμ'sの誰かを探さないとだね?」

 

ツカサ「ああ…そうだな」パタン

 

ツカサ(オレがそう言ってバイオリンと弓をケースに収めた…その直後だった)

 

ダレカタスケテー!

 

ツカサ「!?」

 

亜里沙「ツカサ、今の…!」

 

ツカサ「ああ…行ってみるか」ダッ

 

ツカサ(オレ達は声のした方へ向かう為に走り出した)

 

 

 

ツカサ(オレ達は洋館の前までやって来た)

 

雪穂「ここって…家?」

 

亜里沙「ねぇ…この門、開いてるよ?」

 

ツカサ「…とりあえず入ってみるか」

 

雪穂「えっ…ちょっと大丈夫?」

 

ツカサ「ここから助けてって聞こえたんだ…入っても問題ないだろ」

 

雪穂「そうかなぁ…?」

 

ギィ…

 

ツカサ(門を通ったオレ達は洋館のドアを開け、中に入った)

 

雪穂「お邪魔しまーす…」

 

ツカサ「…上から何か聞こえるな」

 

ツカサ(オレたちは階段を登り、二階へと上がる)

 

ツカサ(二階には三つのドアがあったが、そのうち一つのドアから声が聞こえた)

 

ツカサ「…ここか」

 

ツカサ(オレはそのドアを開けてみた)

 

ガチャ…

 

ツカサ(ドアを開けると、部屋の中には四人の女子がいて…そのうち二人はチラシを押しつけ合っていた)

 

ツカサ(…というより、眼鏡をかけた少女の方がもう一人の少女に一方的にチラシを押しつけられていた)

 

?「無理無理無理ぃ…私には無理だよぉシズカちゃん!」グググ

 

シズカ「そんなことない…ハナヨちゃんは可愛いから、絶対ボーカルに向いてる!」グググ

 

ハナヨ「向いてないよぉ!」

 

シズカ「お願い、一度だけで良いから!」

 

ハナヨ「無理だってばぁ!」

 

シズカ「メグミちゃんもミオちゃんも…ハナヨちゃんが可愛いって思うでしょ!?」

 

メグミ「そうね…私もシズカちゃんと同じ意見かな?」

 

ミオ「…うん」コクコク

 

シズカ「ほらね…諦めなさい、ハナヨちゃん」

 

ハナヨ「そ、そんなぁ…」

 

雪穂「もしかして…」

 

亜里沙「…花陽さん?」

 

ハナヨ「ふぇっ!?」

 

シズカ「あれ?ハナヨちゃん…この人達、知り合い?」

 

ハナヨ「えっ、ええっと…?」

 

ツカサ「取り込み中、すまないな…実はここを借りてハナヨや彼女達にバイオリンを教えている者でな」

 

ハナヨ「へっ?あの…」

 

ツカサ(オレはポケットから名刺を出し…シズカと呼ばれてる女の子に渡した)

 

シズカ「『バイオリニスト 紅ツカサ』…そうだったんですか!?」

 

ツカサ「ああ」

 

シズカ「何だ…ハナヨちゃんったらびっくりしたよ~、バイオリン習ってるなら最初からそう言ってくれれば良かったのに」

 

ハナヨ「えっ?いや、その…」

 

シズカ「じゃあ私達はこれで帰るけど…ボーカルの件、考えておいてね!」

 

メグミ「じゃあね、ハナヨちゃん」

 

ミオ「…またね」

 

ハナヨ「う、うん…」

 

シズカ「それじゃ!」バタン

 

ツカサ(そう言ってシズカ達は部屋から出て…階段を降りて行った)

 

ツカサ(これで洋館にいるのはオレ達とハナヨだけ…いや、もう『一匹』いるか)

 

ハナヨ「あ、あの…あなた達は?」

 

雪穂「あっ、私達は…」

 

ツカサ「アンタがハナヨだな?」

 

ハナヨ「は、はい」

 

ツカサ「単刀直入に言う、オレ達は別の世界から来た」

 

ハナヨ「…え?」

 

雪穂「ちょっとツカサ!?」

 

ツカサ「この世界を救うために…」

 

サッ

 

ツカサ「!?」モゴモゴ

 

ツカサ(オレは雪穂に口を塞がれ、それ以上喋れなくなった)

 

雪穂「ちょ、ちょっと待ってて…ください」アハハ

 

ハナヨ「は、はい…?」

 

雪穂「ちょっと…いきなり何言ってるのさ!?」ヒソヒソ

 

ツカサ「ここは『キバの世界』だ…どう考えても彼女がキバだろ?」ヒソヒソ

 

ハナヨ「…?」

 

雪穂「いや、それはそうかもしれないけど…話す順番があるでしょ!?」

 

ツカサ「全く…うるさいヤツだな」ハァ

 

ツカサ(すると…それまで黙っていた亜里沙がハナヨに話しかけた)

 

亜里沙「ハナヨさんって…キバなの?」

 

ハナヨ「…へっ!?」

 

雪穂「亜里沙!?」

 

亜里沙「それならもう大丈夫!」

 

亜里沙「ツカサが…『ディケイド』がこの世界を助けに来たから!」

 

ハナヨ「えっ…ええっ?」

 

雪穂「ああ…言わんこっちゃない」ハァ

 

?「何っ!ディケイドだと!?」パタパタ

 

ツカサ(『ディケイド』という言葉を聞いて…金色の小さなコウモリが部屋の奥から飛んでやってきた)

 

雪穂「うわっ!コウモリが喋った!?」

 

亜里沙「喋るコウモリ…ハラショー!」キラキラ

 

ハナヨ「あっ、キバット…ダメだよ隠れないと」

 

キバット「良いんだハナヨ、こいつらは多分大丈夫だ」

 

ハナヨ「多分って、そんな…」

 

キバット「ところでお嬢ちゃん…今の話は本当か?」

 

亜里沙「う…うん!」

 

ツカサ「アンタがキバットか」

 

キバット「そうか、お前がキバーラの言っていた…」

 

ツカサ「キバーラ?」

 

キバット「こっちの話だ…おっと、そういうことなら自己紹介しなきゃな」

 

キバット「俺様の名前はキバットバットⅢ世だ」 

 

キバット「ハナヨにキバの鎧…簡単に言うとキバに変身する力を与えている」

 

キバット「よろしくな、お嬢ちゃん達」

 

亜里沙「そっか…私は亜里沙でこっちは友達の雪穂!よろしくね!」

 

雪穂「よ、よろしく…」

 

キバット「おう!」

 

ツカサ「どうやら…アンタを入れた方が話が早そうだな?」

 

キバット「ああ、色々聞かせてくれ」

 

ツカサ(オレ達はハナヨとキバットに事情を説明した)

 

 

 

キバット「世界の崩壊か…にわかには信じられねえ話だがそれで最近、ファンガイアの奴らも活発になってきてたんだな」

 

ツカサ「そういう事だ」

 

キバット「よし、そういうことなら協力するしかねえな!」

 

キバット「お前もそう思うだろ、ハナヨ?」

 

ハナヨ「わ、私は…いいよ」

 

キバット「え…?」

 

ハナヨ「私なんかが一緒に行っても、足手まといになるだけだから…」

 

キバット「ハナヨ…お前なぁ」ハァ

 

雪穂「…ん?」チラッ

 

ツカサ(雪穂は机に置かれていた一枚のチラシを見つけた)

 

『バンド形式のスクールアイドルTETRA-RICE!○月△日にライブハウスマル・ダムールにてライブ開催!』

 

雪穂「そういえばハナヨさん、これってさっきの人達が…」

 

ハナヨ「あっ…うん、シズカちゃん達のだよ」

 

ハナヨ「彼女達、バンドって形でスクールアイドルをすることになってたんだけど…急にボーカルの子が抜けちゃったみたいで」

 

ハナヨ「それで、同じクラスの私が声をかけられて…」

 

ハナヨ「私には出来ないって断ってるんだけど、シズカちゃん達に『あなたは可愛いから大丈夫!』って言われて…」

 

雪穂「そうだったんですか…」

 

ハナヨ「私、地味だし何の取り柄もないから…スクールアイドルなんて無理だよ」エヘヘ

 

亜里沙「…」

 

~♪

 

ハナヨ「!」

 

ツカサ(オレは再びバイオリンを取り出して…あの曲を弾いていた)

 

ハナヨ「この曲…もしかしてお母さんの『音也』?」

 

雪穂「…えっ?」

 

ハナヨ「私のお母さん…バイオリニストで、作曲もしてたの」

 

~♪

 

ツカサ(最後に弦を指で弾いたオレは…ハナヨにこう言った)

 

ツカサ「人間はそれぞれ、音楽を奏でている」

 

ツカサ「知らないうちに…心の中で」

 

ハナヨ「…」

 

ツカサ「どうもオレには…アンタが今、奏でている音が本当のアンタじゃないように聴こえてきてな」

 

ハナヨ「私が奏でている…音?」

 

ツカサ「ああ」

 

ハナヨ「…」

 

ツカサ「なあ…本当にスクールアイドル、やりたくないのか?」

 

ハナヨ「…」フルフル

 

ツカサ(ハナヨは首を横に振った)

 

ハナヨ「本当は…ちょっぴり気になっているんです」

 

ハナヨ「シズカちゃん達が誘ってくれたのもあるけど…」

 

ハナヨ「私、小さい頃からアイドルに憧れていたんです」

 

ハナヨ「私のお母さんは昔、作曲家もしてて…アイドルが歌う曲とかもよく作ってて」

 

ハナヨ「お母さんが作った曲を歌うアイドルは皆、キラキラ輝いてて…私も憧れてました」

 

ハナヨ「いつか私もアイドルになって、お母さんが作った曲で歌うんだって」

 

ハナヨ「でも…お母さんは突然、私の前からいなくなってしまって」

 

ハナヨ「今の私は、一人ぼっちで…」

 

ツカサ(そう言ってハナヨは落ち込んでしまった)

 

キバット「ハナヨ…」

 

亜里沙「…諦めちゃうの?」

 

ハナヨ「えっ?」

 

亜里沙「ハナヨさん、本当はどうしたいのか答えてない…」

 

ハナヨ「あっ…私はまだ、何ていうか…」

 

亜里沙「私は…絶対やってみたほうがいいと思います!」

 

亜里沙「だって私たちの世界の花陽さんもアイドルになってすっごくキラキラ輝いてますから!」

 

ハナヨ「別の世界の、私も…?」

 

亜里沙「はい!」

 

雪穂「私も…やってみたい気持ちがあるなら、やってみた方がいいと思います」

 

ハナヨ「で、でも…」

 

雪穂「声を出すことは…ハナヨさんにとって不安かもしれません」

 

雪穂「でも、一度出してみれば…自信に繋がると思うんです」

 

亜里沙「そうだよ…アイドルになりたいと思っていたハナヨさんなら、きっと大丈夫!」

 

ハナヨ「亜里沙ちゃん、雪穂ちゃん…」

 

雪穂「頑張ってください…私達がついてますから!」

 

ハナヨ「…」

 

ツカサ「…で、どうするんだ?」

 

ハナヨ「えっと…一度だけならやってみよう、かな?」ボソッ

 

亜里沙「ハラショー!」ガシッ

 

ハナヨ「ピャア!?」ビクッ

 

ツカサ(亜里沙はハナヨの手を握った)

 

雪穂「それなら私達、ハナヨさんのライブ…楽しみにしてますね!」

 

ハナヨ「あっ、ありがとう…」

 

キバット「いやぁ~、良かったなハナヨ!」

 

ハナヨ「う、うん…」

 

ツカサ(雪穂達がハナヨを励ましていると…近くに置かれていたバイオリンから音が聞こえてきた)

 

ハナヨ「…!」

 

ツカサ(その瞬間、ハナヨの顔は強張っていた)

 

ツカサ「このバイオリンの音は…?」

 

雪穂「えっ?」

 

亜里沙「何も聞こえないよ?」

 

キバット「俺様もだ…」

 

ツカサ「何…?」

 

ツカサ(オレとハナヨにしか聞こえてないのか?)

 

ツカサ(すると、ハナヨはオレの質問にようやく答えた)

 

ハナヨ「この音は、悪いファンガイアを倒してという『声』…」

 

ツカサ「『声』…つまり、アンタを呼んでいるのか?」

 

ハナヨ「はい、でも…私、怖くて」

 

ツカサ「…怖い?」

 

ハナヨ「はい…ファンガイアもだけど、ファンガイアと戦う自分も」

 

ハナヨ「戦う度に自分じゃなくなっているような気がして…」

 

ツカサ「…そうか、だいたいわかった」

 

ハナヨ「えっ?」

 

ツカサ「それなら…まずはオレが一人で戦ってやる」スタスタ

 

ハナヨ「ツカサくん…」

 

ツカサ「…」クルッ

 

ツカサ(ドアの前まで行き、振り向いたオレはハナヨにカメラを向け、シャッターを切った)

 

カシャッ

 

ハナヨ「?」

 

ツカサ「アンタが歌っている姿を…見る為にもな」フフッ

 

ハナヨ「…!」

 

ツカサ「行ってくる」ガチャ

 

雪穂「うん…行ってらっしゃい」

 

亜里沙「頑張って、ツカサ!」

 

ツカサ(オレは扉を開け、洋館を出た)

 

 

 

ハナヨ(それはツカサくんが洋館を出てからすぐのことでした…)

 

ハナヨ「うっ…!?」

 

亜里沙「ハナヨさん?」

 

雪穂「どうかしました…?」

 

ハナヨ「お腹が…」

 

雪穂「えっ?」

 

ハナヨ「お腹が減って…」

 

キバット「!?」

 

ハナヨ(その時、キバットが雪穂ちゃんの頭の上に何かがあることに気づいた)

 

キバット「雪穂、危ねぇ!」

 

雪穂「…えっ!?」

 

ハナヨ「ううっ…!?」

 

ハナヨ(それは…ファンガイアが人を襲おうとする時に現れる二本の牙だった)

 

雪穂「何、これ…?」

 

ハナヨ(そんな…私が、何で?)

 

ハナヨ(…早く逃げなきゃ)

 

ハナヨ(私が誰かを…襲っちゃう前に)

 

ハナヨ「うっ…」ダッ

 

亜里沙「ハナヨさん!?」

 

ガチャッ

 

ハナヨ(私は洋館を飛び出して、とにかく走った)

 

キバット「おい…どこ行くんだよ、ハナヨ!」

 

雪穂「ハナヨさん!」

 

亜里沙「待って!」

 

ハナヨ(ねぇ、お母さん)

 

ハナヨ(私…一体、どうしちゃったの?)

 

ハナヨ(どうしたらいいの…?)

 

ハナヨ(お願い…誰か)

 

ハナヨ「誰か助けて…」ハァハァ

 

 

 

ツカサ(オレはオフィス街の中心部へと駆けつけていた)

 

ツカサ(そこではファンガイアにライフエナジーを吸われて倒れている人々が大勢いた)

 

ツカサ「…!」

 

ツカサ(その先には…革ジャンを着た長髪の男が立っていた)

 

長髪の男「…ムッ?」

 

ツカサ(筋骨隆々とした肉体であった長髪の男は、オレを見てこう尋ねた)

 

長髪の男「貴様、ディケイドか?」

 

ツカサ「…だったら何だ?」

 

ルーク「俺は…チェックメイトフォーのルーク」

 

ツカサ(チェックメイトフォー…確かファンガイアの中で、圧倒的な実力を誇る者達の総称だと聞いた覚えがある)

 

ツカサ「人々を襲ったのはお前か…?」

 

ツカサ(ルークはオレの質問に答えず、下顎にステンドグラスの模様を浮かべた)

 

ルーク「タイムプレイの始まりだ」

 

ツカサ(そう言ってルークは…ライオンファンガイアに姿を変えた)

 

ライオンF「俺は、ディケイドをこの世界から消去する…」

 

ツカサ「…全く、仕方ないな」ハァ

 

ツカサ「変身!」

 

『カメンライド…ディケイド!』

 

ディケイド(ディケイドに変身したオレは、ライドブッカーソードモードでライオンファンガイアを斬りつけようとする)

 

ディケイド「やあっ!」ガキン!

 

ライオンF「…」

 

ディケイド(だが…ライオンファンガイアには傷一つついていなかった)

 

ディケイド「なっ…!?」

 

ライオンF「その程度か?…フン!」ガッ

 

ディケイド「ぐっ!」

 

ディケイド(オレはライオンファンガイアの蹴りを受けた)

 

ディケイド「くっ…ならこれだ!」

 

『アタックライド…ブラスト!』

 

ディケイド「ふっ!」ドドッ

 

ディケイド(カードを装填したオレはライドブッカーをガンモードに変え、ライオンファンガイアに向かって撃ち続ける)

 

ディケイド(それでも…奴に対して効果はなかった)

 

ライオンF「今度はこちらの番だ…」ダダッ

 

ディケイド(ライオンファンガイアはオレに接近すると…強烈な一撃を繰り出してきた)

 

ライオンF「ハアッ!」ゴッ

 

ディケイド「うわっ!」ゴロゴロ

 

ディケイド(攻撃を受けオレは吹き飛ばされる)

 

雪穂「ツカサ!」ダッ

 

亜里沙「大丈夫!?」ダッ

 

ディケイド(雪穂達とキバットがオレのもとへやって来た)

 

ディケイド「お前達…どうして来た!」

 

キバット「それよりも聞いてくれ!ハナヨが…」

 

ディケイド「…?」

 

ライオンF「タイムプレイの邪魔をするな」

 

雪穂「あっ…!」

 

キバット「なっ…アイツは!?」

 

ディケイド(ライオンファンガイアはゆっくりとオレ達に近づく)

 

ディケイド「…とにかく話は後だ、今は安全な場所に隠れてろ」 

 

亜里沙「ツカサは?」

 

ディケイド「オレならまだ戦える…『笑顔』を知った、今のオレなら」

 

雪穂「…分かった」

 

亜里沙「キバット、行こう…」

 

キバット「あ、ああ…」パタパタ

 

ディケイド(雪穂達が離れたのを確認したオレは一枚のカードを取り出した)

 

ディケイド「…借りるぞ、ニコ」

 

ディケイド(オレはそのカードをディケイドライバーに装填し、バックルを閉じた)

 

『カメンライド…クウガ!』

 

ディケイド(その瞬間、オレは赤いクウガへと姿を変えた)

 

ディケイドクウガ「…」

 

亜里沙「アレって…」

 

雪穂「ニコさんと同じ…クウガ?」

 

ライオンF「なんだその姿は?」

 

DCDクウガ「クウガ…そう、クウガだ」

 

DCDクウガ(オレはもう一枚、カードを装填した)

 

DCDクウガ「お楽しみはこれからだ」

 

『フォームライド…クウガ、ライジングマイティ!』

 

DCDクウガ(次の瞬間、オレの身体の中に電撃が走った)

 

DCDクウガ「…」ビリッ

 

亜里沙「赤と金の、クウガ…」

 

キバット「ディケイドって、違うライダーにもなれるのか?」

 

雪穂「いや、それが私達も初めて見たから分からなくて…」

 

ライオンF「面白い…その力、存分に見せてみろ!」ダダッ

 

DCDクウガ「…!」ダダッ

 

ライオンF「ハアッ!」

 

DCDクウガ「やあっ!」

 

DCDクウガ(オレはライオンファンガイアの一撃を難なく避け、右肩にカウンターを決めた)

 

ライオンF「グアッ!」

 

DCDクウガ(ライオンファンガイアに傷を再生させる隙を与えないために、オレは二枚のカードを取り出した)

 

DCDクウガ「これでトドメだ」

 

『フォームライド…クウガ、アメイジングマイティ!』

 

DCDクウガ「はっ!」ビリビリッ

 

キバット「今度は黒くなったぞ!」

 

ライオンF「何ッ!?」

 

『ファイナルアタックライド…ク・ク・ク・クウガ!』

 

DCDクウガ(カードを装填したオレは駆け出し、飛び上がった)

 

DCDクウガ(そこから回転を加え、ライオンファンガイアに向かって両足を突き出した)

 

DCDクウガ「おりゃあぁぁぁ!!」

 

ライオンF「なっ…グワァァァッ!!」

 

DCDクウガ(キックが命中したライオンファンガイアは爆発せず、そのまま色とりどりのガラス片になって砕け散っていった)

 

ディケイド(ライオンファンガイアを倒したのを確認したオレは…ディケイドに姿を戻した)

 

ディケイド「…」フゥ

 

?「見つけたぞ、ディケイド」

 

ディケイド「…?」クルッ

 

ディケイド(振り返ると…そこには生気のない顔をした若い女と飄々とした痩せ形の男が立っていた)

 

痩せ形の男「私はビショップ、こちらに仰せられるのはクイーン」

 

ディケイド「…またチェックメイトフォーか、やけにオレを倒そうと躍起になってるんだな?」

 

クイーン「当然だ、お前は全てをぶち壊す存在だからな」

 

ディケイド「…オレが、全てを壊す存在?」

 

クイーン「そうだ、お前がこの世界を破壊しに来た…そうなれば我々は迎え撃つしかない」

 

ディケイド「…やるしかないのか」ハァ

 

クイーン「貴様の命日にしてやる」

 

ディケイド(クイーンとビショップは…それぞれソーンファンガイアとスワローテイルファンガイアに変化した)

 

ディケイド(その直後…オレとファンガイア達の間に不思議なオーロラが現れた)

 

ディケイド「これは…?」

 

ソーンF「チッ…邪魔が入ったか」

 

亜里沙「ツカサ、危ない!」

 

ディケイド「何?…うわっ!」

 

ディケイド(次の瞬間…オレはあっという間にオーロラの中に吸い込まれてしまった)

 

 

 

ディケイド「…ここは?」

 

ディケイド(オレが意識を取り戻すと、そこには先程までいた場所とは全く違う光景が広がっていた)

 

ディケイド「ビルの屋上…夜?」

 

?「やあ、ディケイド」

 

ディケイド「!」クルッ

 

ディケイド(オレが振り向くと、そこには小さなラジオを片手に持つ一人の中年男性の姿があった)

 

ディケイド「…?」

 

ディケイド(男の顔は周りが暗くてよく見えなかった)

 

中年男性「うーむ…『彼女達』の曲を聞いてみようと思ったのだが、このあたりはどうも電波が悪いようだな」ポイッ

 

ディケイド(中年男性はそう言って、ラジオを投げ捨てた)

 

ディケイド「お前…何者だ?」

 

中年男性「私の名前は、そうだな…」

 

中年男性「ナルタキ…とでも言っておこうか」

 

ディケイド「…オレをここに連れてきたのはお前か?」

 

ナルタキ「ご名答、その通りだ」

 

ディケイド「一体、何の為に…」

 

ナルタキ「その前に私から一つ聞いておきたいことがある」

 

ナルタキ「ディケイド、君は自分が存在している理由を知りたくないか…?」

 

ディケイド「オレが存在している理由…?」

 

ナルタキ「そうだとも」

 

ディケイド「…それは何だ?」

 

ナルタキ「よし、ならば教えてあげよう…答えはいたってシンプルだ」

 

ディケイド(ナルタキがそう言うと、再びオーロラが現れた)

 

ナルタキ「君は…全ての世界を破壊する為に存在している」

 

ディケイド「…!?」

 

ディケイド(オーロラからは二人の仮面ライダーが姿を表した)

 

イクサ「ディケイド…その命、神に返しなさい」

 

サガ「王の判決を言い渡す…死だ」

 

ディケイド「イクサとサガ…?」

 

ナルタキ「つまり君は邪魔な存在だ…どの世界においてもね」

 

ナルタキ「任せたよ、二人とも」

 

ディケイド(そう言ってナルタキはオーロラを通過し、姿を消していく)

 

ディケイド「待て!」

 

イクサ「待ちなさい」スッ

 

ディケイド「!」ピタッ

 

ディケイド(イクサはイクサカリバーを、サガはジャコーダーを向けてきたため…オレはナルタキを追う事が出来なかった)

 

ディケイド「くっ…面倒な事になったな!」

 

『アタックライド…イリュージョン!』

 

ディケイド「はっ!」ダッ

 

ディケイド(カードを装填し、四人に分身したオレはそれぞれ二人ずつに分かれてイクサとサガに向かっていった…)

 

 

 

雪穂(ツカサがいなくなってから…私達はファンガイアに狙われていた)

 

スワローテイルF「貴様達、人間か…ディケイドの仲間か?」

 

亜里沙「どうしよう、雪穂…?」

 

雪穂「…」

 

ソーンF「どちらにせよ、生かしてはおけないな…」

 

雪穂(そう言ってファンガイアは私達に近づいてくる)

 

雪穂(そうだ、ツバサさんにもらったファンガイアスレイヤーって武器…アレを使えば何とか逃げられるかもしれない)

 

雪穂「…」スッ

 

雪穂(そう思って、私はファンガイアスレイヤーをポケットから取り出した…けど)

 

雪穂「やっぱり、私には…」

 

亜里沙「雪穂…?」

 

雪穂(私はそれを振るうことができなかった)

 

雪穂(今、近づいてきているのは…私達を襲おうとしている化け物だ)

 

雪穂(でも…化け物はさっきまで人間の姿をしていた)

 

雪穂(それが、私の中で引っかかっていた)

 

雪穂(私は…ツカサみたいに戦うことはできない)

 

ゴトッ

 

雪穂(私は構えたファンガイアスレイヤーを落とした)

 

ソーンF「フン…」ガッ

 

雪穂「うっ!?」

 

雪穂(私は…ファンガイアに右手で首を絞められてしまった)

 

亜里沙「雪穂!」

 

キバット「やめろぉー!…うわっ!?」ボトッ

 

雪穂(キバットが果敢にファンガイアに立ち向かっていくが、すぐに左手で弾き飛ばされてしまう)

 

亜里沙「キバット!」

 

キバット「うーん…」

 

スワローテイルF「クイーン、その小娘の始末は私が」

 

ソーンF「こんな人間…お前の手を借りるまでもない」ググッ

 

雪穂「ううっ…」  

 

雪穂(私の意識が遠のいていきそうになったその時…銃声が聞こえてきた)

 

バン!

 

ソーンF「クッ!?」パッ

 

雪穂(誰かがファンガイアを撃ったのか、攻撃を受けたファンガイアが私を放した)

 

雪穂「うっ…?」クルッ

 

雪穂(私が振り向くと…そこには震えた手でファンガイアバスターを構える亜里沙がいた)

 

亜里沙「…」

 

雪穂「えっ…亜里沙!?」

 

亜里沙「私だって守りたい…」

 

雪穂「…?」

 

亜里沙「私だってツカサみたいにみんなを、世界を守りたい!」

 

亜里沙「だから…!」

 

雪穂「!」

 

スワローテイルF「貴様、クイーンに何を…!」ダッ

 

雪穂「…はっ!」ガキン!

 

雪穂(私はすぐさまファンガイアスレイヤーを拾い…鞭のように振るった)

 

スワローテイルF「グッ!?」

 

亜里沙「雪穂!」

 

雪穂「そうだね…私、忘れてた」

 

雪穂「ツカサは誰かや何かを傷つけるために戦ってるんじゃない…」

 

雪穂「皆や世界を守るために戦ってるんだって」

 

雪穂「だから…私達も守ろう」

 

雪穂「ツカサと一緒にこの世界を…私達らしいやり方で!」

 

亜里沙「…うん!」

 

スワローテイルF「人間ごときが…!」ダッ

 

雪穂「…!」

 

雪穂(怒ったファンガイアの一人が私達に襲いかかろうとしたその時だった)

 

?「ま、待って…!」

 

ソーンF「!…待て、ビショップ」

 

スワローテイルF「!?」

 

雪穂(私達が声のした方を向くと…そこにはハナヨさんがいた)

 

ハナヨ「…」ハァハァ

 

亜里沙「ハナヨさん!」

 

雪穂「一体、どこに行ってたんですか!?」

 

ハナヨ「…ごめんね」

 

ハナヨ「私、自分が何をしたのか分からなくて…」

 

ハナヨ「それで、その…うっ!」ヨロッ

 

雪穂「ハナヨさん!」

 

ソーンF「お前がキバの鎧を持つ者か…どうやら随分と苦しんでいるみたいだな」

 

ハナヨ「うぅ…」

 

ソーンF「無理もないな、何せ…人間のライフエナジーを吸収していないのだから」

 

ハナヨ「…えっ?」

 

亜里沙「…?」

 

雪穂「!?」

 

ソーンF「知らなかったのか?」

 

ソーンF「かつて私達ファンガイアの中には…裏切り者がいた」

 

ソーンF「そいつはファンガイアの掟に背き、人間と恋に落ち…やがて人間との子を身籠った」

 

ハナヨ「…!?」

 

ソーンF「そいつは愛した人間と共に私達からキバの鎧を奪って逃げ…辛うじて生き延びていた」

 

ソーンF「そして…人間との子を産んだ」

 

雪穂「それって、まさか…!」

 

ソーンF「そこの人間は察しがいいな…そう、その通りだ」

 

ソーンF「お前は…ファンガイアと人間の間に生まれた子だ」

 

ハナヨ「…!!」

 

 

 

『カメンライド…クウガ!』

 

DCDクウガ(集まった四人のオレはイリュージョンの効果を維持させたまま、一斉に赤いクウガへと姿を変えた)

 

DCDクウガ「まだだ…!」

 

DCDクウガ(四人のオレはそれぞれ別々のカードを取り出し、ベルトに装填する)

 

『フォームライド…クウガ、ライジングマイティ!』

 

『ライジングドラゴン!』

 

『ライジングペガサス!』

 

『ライジングタイタン!』

 

DCDクウガ(ライジングマイティ以外のオレはライドブッカーを取り出し、それぞれ専用の武器に変化させる)

 

DCDクウガ「はあっ!」ダダッ

 

ガキン!

 

DCDクウガ(ライジングドラゴンロッドとジャコーダー…ライジングタイタンソードとイクサカリバーがそれぞれぶつかり合う)

 

DCDクウガ(その隙をついてライジングマイティとライジングペガサスのオレはカードを装填する)

 

『ファイナルアタックライド…ク・ク・ク・クウガ!』

 

DCDクウガ「はぁっ!」バシュッ

 

イクサ「!」

 

DCDクウガ(ライジングペガサスボウガンがイクサを撃ち抜き、イクサは消失する)

 

DCDクウガ「あと一人…はっ!」ダッ

 

DCDクウガ(一人に戻ったオレは右足にエネルギーを溜め、走り出す)

 

サガ「…!」

 

DCDクウガ(そこから跳び上がり一回転を加えて、サガに向かって右足を突き出した)

 

DCDクウガ「おりゃあぁぁぁ!」

 

 

 

ハナヨ「私に…ファンガイアの血が?」

 

ハナヨ「…そんな」ポロポロ

 

雪穂(ハナヨさんは…涙を流していた)

 

亜里沙「…ハナヨさん」

 

ソーンF「それで、どうするつもりだ?」

 

ハナヨ「…えっ?」

 

ソーンF「こちら側につくか、人間側につくか…答えてもらおうか」

 

ハナヨ「な、なんでそんな…?」

 

ソーンF「お前は既に多くの同胞を葬っている、本来なら許される事ではない」

 

ソーンF「だが…」

 

ガシッ

 

雪穂「…!?」

 

亜里沙「えっ!?」

 

スワローテイルF「フン…」

 

雪穂(私達はいつの間にかファンガイアの一人に捕まってしまった)

 

雪穂「しまった!」

 

亜里沙「いや、放して!」

 

スワローテイルF「おとなしくしていろ」ギリギリ…

 

雪穂「…うっ」

 

亜里沙「ううっ…」

 

雪穂(ファンガイアが私達を掴む力がどんどん強くなって…私達は逃げられなくなってしまった)

 

ハナヨ「雪穂ちゃん、亜里沙ちゃん…!」

 

ソーンF「こちら側について…そこにいる人間共のライフエナジーを吸うというのなら、話は別だ」

 

ハナヨ「!?」

 

ソーンF「今までの罪は帳消しにしてやろう」

 

ハナヨ「わ、私は…」

 

ソーンF「さあ、この場で人間のライフエナジーを吸収するか…私達に逆らって今日を命日とするか」

 

ソーンF「どちらか好きな方を選べ」

 

ハナヨ「わ、私は…」

 

ソーンF「どうした…?早くしろ」

 

雪穂「ううっ、ハナヨさん…!」

 

ハナヨ「…」

 

ガガッ!

 

ソーンF「グッ…何者だ!?」

 

雪穂(どこからか飛んできた銃弾のようなものにダメージを受けたファンガイア達は…辺りを見回した)

 

スワローテイルF「今の弾は真珠のように見えたが…まさか!」

 

雪穂(やがて…青い空からピンク色の身体をした一体のファンガイアが降り立った)

 

パールシェルファンガイア(ピンク)「…」

 

ソーンF「やはり…お前か!」

 

ハナヨ「…?」

 

パールシェルF「…!」バッ

 

雪穂(そのピンク色のファンガイアは跳び上がると…私達を捕まえていたファンガイアに向かってキックを放った)

 

ガッ!

 

スワローテイルF「グアッ!」

 

雪穂(おかげで私達は…敵のファンガイアの拘束から解放された)

 

雪穂「今の…」

 

亜里沙「誰…?」

 

パールシェルF「…!」ガガガッ!

 

雪穂(次にピンク色のファンガイアは…真珠のような形をした弾を敵のファンガイアに向けて大量に放出させた)

 

スワローテイルF「この私が…グワァァァッ!?」

 

雪穂(攻撃を受けた敵のファンガイアの身体は…ガラスが割れるように砕けた)

 

パールシェルF「…」

 

ソーンF「お前…まさか助けるつもりか?」

 

ソーンF「お前と人間の子である、こいつを…」

 

パールシェルF「…」

 

ハナヨ「…へっ?」

 

雪穂(突然、知らされた事実に…ハナヨさんは目を丸くしていた)

 

パールシェルF「…」

 

ハナヨ「もしかして、お母さん…?」




次回、仮面ライダー×ラブライブ!

「ファンガイアは人間を貪り尽くす!」

「だがハナヨは…信じるものの為に戦える!」

「オレ達はただ…スクールアイドルをやってほしいと思っただけだ」

第5話『ウィズミー♬陽が花を咲かすまで』

ウェイクアップ!運命の鎖を解き放て!
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