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それは朝日が差してきて、いつも司令官を叢雲が起こす時間。
叢雲がいつも通り提督を部屋まで起こしに行こうとしたときの早朝のことだった。
鎮守府の執務室に続く廊下はまだ薄暗く、唯一の明りと言えば窓からこの建物に差してくるやんわりとした日光くらいだ。
あくびが出てしまいそうな位にまだ薄暗く、寒い。
ただ、勤務時間なのでまだ自室で寝ているであろう司令官を起こさなければならない。
「……はぁ、本当に司令官としての自覚はあるのかしら?」
呆れたようにため息をつく。
普段から比企谷の事を一番近くで見ている叢雲だからこその反応であった。
「司令官、そろそろ時間よ。早く起きて朝食前の執務をしなさい」
そう言いつつ、比企谷の自室である扉のドアノブに手をかけて扉を開く。
しかし、そこには叢雲が予想していない光景が広がっていた。
……司令官が……いない!?
もしかしてと、あわてて自室の扉を閉め、隣に隣接している執務室の扉に手をかける。
いや、そんなはずはないと心に言い聞かせて、ゆっくりと扉を開ける。
不思議と執務室のドアの開く音は不気味に感じられる。
!!!
執務室の中を見た叢雲は、驚きの表情を浮かべた。
「………ん?叢雲か……朝の分の執務なら終わったが?」
「し、司令官!!あ……あんた、熱でもあるの?今日は休みでいいから自室で安静にしてなさい」
「は?いや、待て。なんで俺がどこか具合が悪いって前提で話進んでんだよ?状況が理解できないぞ?」
はて?と首をかしげる比企谷だが、叢雲はそれどころでは無い。
いつもは自分が起こすまでぐっすりと眠っているだらだらとした司令官、それが叢雲の比企谷に対する印象なのだ。
ど、どういうこと!?
何時もなら、こんなに早くは起きないはず……しかも、心なしか目がキラキラしている。
……不気味でならないわ……。
「司令官?何か悩みとかがあれば相談にのってあげても良いわよ?」
「……いや、今度は悩んでる人ですか……俺はどんな風に見えてんだよ……」
叢雲は分からない。
比企谷が何故いつもと違う行動を取るのかが理解しきれない。
執務室の空気はなんとも言えないような変などんよりとした空気になり、比企谷と叢雲の会話はイマイチ噛み合ってない。
「いや……だって……あんたが早起きなんて……おかしいじゃない!」
話が通じていないのを感じた叢雲は比企谷に右手の人差し指を突き付けて、直球で思っていることを口にした。
それを口にした途端に比企谷の目が腐っていくのを叢雲は感じる。
「お前、俺に対しての評価が低すぎるんだが……まあ、いいか……」
「それで?あんたはなんでこんな早くに?理由がないなら今すぐにベッドで安静にさせるわよ?」
頭をガシガシと掻きながら、面倒くさそうな表情を浮かべる比企谷は、頭のアホ毛を上下に揺らしながら説明を始めた。
「実は、大本営に欲しいものがあるからって要望用紙に書いて、提出したんだよ。そしたら今日届けてくれるって言うから早起きして受け取ったんだよ。それが早起きの理由だ」
……え?私が……勘違いした?
「で、でもどうしてそれで今あんたが仕事をしている理由になるのよ!?あんたなら受け取ったら寝たりするはずよ!!」
「おい、偏見すぎるだろ……嬉しくて目が冴えてな、眠れなかったから仕事を終わらせておこうかと思ったんだよ」
変などんよりとした空気がまるで化学変化で別の物になったかのように、拍子抜けしたような感じになった。
「……つまり、あんたはなんとも無いってこと……?」
「ああ、そうだ」
「全部私の勘違いってこと……?」
「だから、そう言ってるだろ」
比企谷がそう言った瞬間、叢雲はうつむき、顔を真っ赤にしている。
執務室に本格的に太陽が照りつけてきた。
「……えっ……む、叢雲?」
叢雲はうつむいたままプルプルと震えている。
比企谷は何事かと思って、思考を巡らすが、そのせいで叢雲が拳を握りしめていることに気付いていなかった。
「この、腐り目司令官!!」
「ぐへぇっ!」
握りしめている拳で殴った訳ではなく、右足から繰り出される強烈な蹴りによって比企谷は執務室の床に轟沈した。
まったく……心配かけさせるんじゃないわよ……紛らわしいのよ……。
「……り、理不尽だ……」
「ふん!」
比企谷を地面に沈めた叢雲だったが、沈めた比企谷を優しく起こし、そのまま食堂へと二人で向かったのだった。
なんだかんだで相性がいい二人であった。
比企谷が叢雲に余計な事を言って再び沈められたのは、また別の話である。
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