比企谷提督と千葉鎮守府   作:血塗りの晶

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比企谷……




18.話が脱線する

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マッ缶が鎮守府に届き、俺の今日の一日の運勢は最高のはずだったんだがな……。

何故か早朝に執務終わらせていたら叢雲に蹴られた。

まったく俺に落ち度など無いはずなのだが……挙げ句の果てに、なんで蹴ったのかを聞いたら顔を真っ赤にし、また蹴っ飛ばされて尻が真っ赤になった。

本当に解せぬ……。

 

 

叢雲と食堂へと来ていた比企谷はそう回想する。

 

 

「提督おはようごさいまーす!!もう食堂始まって5分たってるよ?おっそーい!!」

 

 

「ああ、おはよう島風。……て言うかお前はブレねぇな……」

 

 

比企谷が食堂に入ってかけられた第一声は島風からだった。

島風はぴょんぴょんと兎のようにジャンプし、頭に兎のような飾りを着けている。

足元には島風がいつも連れている連装砲ちゃんがいる。

食堂には既にいい香りが漂っていて、自然と気分も良くなってくる。

 

 

「提督?そう言えばなんか制服が汚れてるよ?なんでぇ?」

 

 

「ああ、それな。さっき物凄い怖いやつと戦ってたんだよ。恐ろしかったわ、アレ……」

 

 

「ふーん……提督、叢雲が後ろで怖い顔してるよ?」

 

 

ビクッとする比企谷の後ろには口元は口角が上がっているが、目が笑っていない叢雲の姿があった。

物凄く黒いオーラが見えるほどに比企谷の背を見ながら立っている。

 

 

……これってさ、俺助からなくね?

 

 

「いや、叢雲待ってくれ!!」

 

 

「物凄い怖いやつとねぇ?………誰のことかしら!?」

 

 

今度は蹴りではなく直に腹パンチを食らった。

痛すぎて声がでねぇわ……。

 

 

そのまま地面に倒れ込み、悶える比企谷。

食堂は鎮守府の艦娘が全員揃っていて(現状六人しかいない)なんとも気不味い空気となった。

口々に他の見ていた艦娘は夫婦喧嘩だとか、色々と話していた。(正確には鳳翔、夕立、神通の三人)

 

 

「え……えっと提督?生きてる?」

 

 

「いや……島風……死にそうだわコレ……」

 

 

途切れ途切れにそう答える比企谷はなんとも痛々しい感じの雰囲気でそう言った。

叢雲は怒って食堂から出ていき、終始食堂は沈黙に包まれたが、やがて皆平常な感じに戻った。

 

 

「提督?大丈夫デスカ?」

 

 

倒れている比企谷に手を差し出して来たのは金剛。

語尾がカタコトになる外国人のような話し方と綺麗な茶髪で、性格は比企谷に対しても、他の艦娘に対してもとても親身になってくれる。とても優しい艦娘である。

一応、千葉鎮守府で最大の火力を誇るエースというポジションになっている。

 

 

「……大丈夫だ、ありがとな」

 

先程のいざこざを見ていた金剛はこちらに歩み寄り比企谷の倒れている前に膝を着く。

そして、金剛の差し出した手を掴み比企谷は立ち上がる。

 

 

「提督?叢雲を怒らせたデスカー?」

 

 

「んー?俺もよく分かんねぇんだよな。なにもしてないはずなんだが……」

 

 

いや、本当に心当たりがないんだよなぁ……強いて言えば朝の蹴り飛ばされたやつだって俺なんも悪くなかったし。

 

 

「提督なんかしたんじゃないの?あっ!提督が遅いからだ!!」

 

 

「島風、全ての基準を速さで考えるのはやめような……取り敢えず、本当になんもしてないはずだ」

 

 

島風はそう言われると頬をぷくっと膨らませて、提督が色々遅いからだよー!と比企谷に何度も言う。

比企谷はそれを適当にあしらう。

 

 

「でも、叢雲はどうしたんデスカネー?」

 

 

「さぁ?取り敢えず飯食べてから何とかしようか……鳳翔さん、よろしくお願いします」

 

 

「はい、今持ってきますね」

 

 

厨房にニコニコとしながら立っている鳳翔に比企谷は数メートル離れた位置から聞こえるように声をかけた。

鳳翔は返事をして、厨房で料理などを盛り付けた皿などをお盆に乗せていく。

そのまま比企谷の方へと歩いていった。

比企谷は、鳳翔が厨房で準備している間に近場にあった机に腰を下ろした。

 

 

「お待たせしました。本日の朝食です」

 

 

「ありがとう、鳳翔さん」

 

 

料理を受け取り、箸を使い、そのまま口へ温かいご飯を運ぶ。

 

 

「うん、美味いな!」

 

 

「それは良かったです!」

 

 

比企谷の感想に満足そうに鳳翔は頷く。

 

 

「……それで提督?叢雲さんと喧嘩なんて珍しいですね。何かあったんでしょうか?」

 

 

それとなく聞いてくる鳳翔、だが比企谷もよくわかっていない為、よく分からないと鳳翔にも答えた。

食堂には現在四人、比企谷、鳳翔、金剛、島風、四人は机を囲んでどうしてこうなったのかを話し始めた。

 

 

「そもそも、どういう経緯なのかがわからないデスネ」

 

 

「それなんだよなぁ……まず、俺が朝早くに起きたからついでに執務してたら驚かれて……蹴られた……」

 

 

「……提督……やっぱり提督が何かしたんでしょ……」

 

 

「いや、島風はなんで俺が悪いって方向に持ってこうとするんだよ!今の話の中で俺に落ち度なんてねぇだろ」

 

 

うん!俺に落ち度など無いはず!

これは覆せない事実だ。

 

 

比企谷はどや顔で島風に弁解する。

島風はまるで腐った何かを見るような蔑んだ目で比企谷を見ていた。

 

 

「そもそも、提督が朝早くに起きたのってアレを受け取とったことですよね」

 

 

「ああ、マッ缶受け取ったからだ」

 

 

「マッ缶……デスカ?」

 

 

鳳翔と比企谷は分かっているものの、朝の事をしらない金剛と島風は分かっていない様子だ。

 

 

「……提督?マッ缶って何ー?」

 

 

よく分からないからかマッ缶について比企谷に島風は尋ねる。

金剛も、マッ缶がなんなのかを知りたいような目を比企谷に向ける。

 

 

「マッ缶ってのは、まぁコーヒーみたいなやつだな……」

 

 

「コーヒーって……苦いじゃん!」

 

 

「提督は紅茶よりもコーヒーの方が好きデスカ?」

 

 

コーヒーが好きって訳じゃなくて、マッ缶が好きなんだよなぁ……まあマッ缶甘いし……。

 

 

「いや、マッ缶はコーヒーであって、コーヒーで無いんだ!マッ缶とは──」

 

 

マッ缶の長々とした比企谷の雑談の後ににいつの間にか叢雲の話からマッ缶の話に逸れてしまった。

しばらくマッ缶の話から抜け出せないことになる四人であった。

鎮守府の食堂では、四人の意味の無い話し合いが繰り広げられ、広々とした食堂には話し声が響いていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




見てくれてありがとうございます!
話は次に続きます。



明日は無理でーす(泣)
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