集計したアンケートを参考にし、今後の登場艦娘を考えております。
引き続きアンケートの募集をしておりますので、今後もよろしくお願いします。
それでは、どうぞ。
「マジか……」
視線の先にあるのは一枚の茶封筒。
A4サイズのその封筒の中には、『演習のご連絡』と書かれた書類が複数枚同封されていた。内容的は、文字通り、演習の予定が決定したので報告するとのこと。
……嫌すぎる。
有給使って、当日にばっくれてしまいたいくらいに憂鬱な気分だ。家に帰ってもいいだろうか。
「……なんだろうな。これが試練ってやつなのかもな」
「提督さん、また目が濁ってる。嫌なことでもあったっぽい?」
叢雲不在で臨時の秘書官を務めてくれている夕立は真っ直ぐにこちらをみつめてそう告げる。心配してくるような反応だから、ちょっと困る。俺の屁理屈を本気に捉えるなんて、ちょっと純粋すぎやしませんか?
危うく、優しくされたことに勘違いして惚れちゃいそうになる。いや、そこ。ロリコンとか言うんじゃありません。
「まあ、世の不条理を嘆いていたのは確かだな」
「世の不条理?」
「ああ、どうしてもやりたくないことであっても、強制的にやらせれる世界。……はぁ、休みたい」
……センチメンタルな気分になる。
だいたい仕事量もブラック過ぎる。それに加えて、俺以外の提督との交流を促してくるのは、本当に許されない。社交性などいらん。俺は必要最低限の人間関係だけで生きていけるエリートボッチの頂点に君臨する男なのだ。
「んん?提督さんはお仕事が大変ってこと?」
眉をひそめて夕立は首を傾ける。
うんうん。夕立、お前は俺の言っていることを理解しなくていいぞ。どうせ世界中のどこにおいても役に立たない言い訳だから。
「まあ、そういうことだ」
俺がそう言うと、夕立は納得したのか興味を目の前の執務へと移す。こう見えて、夕立は仕事が出来る方だ。既に予定よりも仕事の消化が進んでいる。こりゃ定時より前に仕事が終わりそうだ。……まあ、この鎮守府に定時なんて概念があるかどうか微妙なところではあるが。
普段であれば、18時頃までかかる仕事も、今日は1時間くらい前には終わっていそうな勢いである。
さて、根を詰めすぎても効率が落ちるだけだ。
「……夕立、腹減ったな」
「あっ、そう!夕立お腹空いたっぽい!」
「じゃあ、ちょっと早いが仕事切り上げて食堂でも行くか」
「そうするっぽい!提督さん大好き!」
有能で純粋で素直な夕立。
学校に通っていたら夕立は間違いなくトップクラスにモテることだろう。
「ほらほら、提督さん急ご!早くしないと食堂が混みだすっぽい!」
おまけに過剰なスキンシップまで……。恐るべし。
魔性の魅力を発揮する夕立に手をひかれながら、食堂へと向かうのであった。
そんなわけで食堂にきてみたはいいものの。
「誰もいないっぽい?」
食堂には、俺と夕立の二人だけというなんとも寂しい展開が待ち受けていた。いや、そもそも今は11時。お昼時にしては少し早いため、誰も来ていないなんてことは想定内である。しかし、食事を準備してくれる艦娘もいないというところまでは考えが及んでいなかった。
千葉鎮守府において、専属で食事を作ってくれる人がいるわけではない。だから、ここでは交代制でその業務をこなしていく必要がある。そして、今日の当番は……金剛だ。
「……もしかして、まだ寝てるとかな」
ボソリと呟くと夕立も苦笑する。
金剛は本日、食事当番を任されている。出撃などの予定もなく、この食事当番以外の用事は基本的にないはずだ。だが、ご覧の通り金剛はいない。時間的に早いというのは確かだが、それでも準備に時間がかかることも考慮するならば、この時間に金剛がいてもおかしくないはずなのに……。
「はぁ、俺も昼頃まで寝ていたい……」
「提督さん、儚い願望が混じってるっぽい」
食事が用意されていないことよりも、寝坊というワードに引っ張られしまった。分かる。俺も執務中ずっとゴロゴロしていたいと考えている。なんなら、働きたくないという理由で夜逃げしちゃうまで考えちゃう。……いや、冗談ですけどね。
「提督さん、どうする?」
「まあ、ないなら作るしかないだろ。手の込んだものは無理だが……まあ、簡単なものくらいなら作ってやるよ」
将来は専業主婦として、職場体験の希望届けを自宅と書いた男。料理スキルも人並みに自炊できるくらいはあると自負できる。
この状況なら、家事スキルを披露するのも致し方あるまい。
「夕立も手伝う!」
ぴょんぴょん飛び跳ねる夕立の好意に甘えて、俺は夕立と共に簡単にかつ大量に作れるカレーを作った。他の艦娘も同様に昼食がありませんなんていう悲惨な現場に遭遇させるのはあまりにかわいそうであるという夕立の意見によるものである。
まあ、具材とルー入れて煮込むだけだからな。料理初心者にも優しいのがカレー。そして、万国共通で愛されるほどに美味しいのもカレー。……ああ、カレーは最強なのかもしれない。
「美味しいっぽい!」
「そうか。夕立が手伝ってくれたおかげだな」
「本当に!?夕立凄いっぽい!」
「ああ、夕立はなんでもできるな。偉いぞ」
「えへへ、もっと褒めて褒めて〜」
小町にいつもしてきるように夕立の頭を優しく撫でる。
「ふわぁ、すごく癒されるっぽい〜」
夕立はとろけたような声で幸せそうにゆらゆら揺れる。俺のお兄ちゃんスキルは世界クラス。こうなることは必然。
……おいこら、俺は決してロリコンではない。
年下には優しくするというお兄ちゃんとしての本能が自然と発揮しているだけで、特別夕立に変な気を起こそうというわけではない。
頭を撫で終え、俺と夕立は再び食事を再開する。
特に何か特別な考えがあったわけではない。だが、俺はこの時ふと夕立に対してとあることを聞いた。
「なあ、夕立」
「ん?どうしたの提督さん」
「近いうちに別の鎮守府の提督と合同演習があるんだが……どう思う?」
なんとも曖昧な質問。
しかし、夕立はそれが何を知りたくて聞いているかというところまで追求してこない。代わりに彼女はスラリと答える。
「演習……なんか、面白そう!夕立も活躍できるっぽい!?」
無邪気にはしゃぐ夕立は、俺の心の片隅にあった不安を払拭してくれた。
楽しそうにその日を待ち望む。……俺には到底できないような考え方だな。
しかし、夕立のやる気を目の当たりにして、俺は一つだけ小さな決意をする。
演習がどのようなものであろうとも、この鎮守府にいる艦娘たちにとって有意義なものにしてやりたい。
俺にできることなど極めて少ないことは自覚しているが、それでもできる限りの後押しをしてやりたいと感じてしまった。誰かのために行動を起こそうなんて俺には似合わないと思うが、この演習は俺に対しての大本営から下される評価にも関わってくることだろう。
せいぜい、足掻いてみようか。
「夕立」
「ぽい?」
「演習……勝率を上げるんだったら、何をするのが最適解だと思う?」
「ん〜、経験を積む……とか?」
なるほど。模範的な回答だ。……しかし、俺の考えは違う。
「……演習、絶対勝とうな」
「うん!夕立頑張るっぽい!」
あえて、夕立の告げた言葉の合否を伝えずに励ますようにそう言う。
嬉しそうな夕立をよそに俺は至極冷静にその場で思考を巡らした。
問題は解決するだけが最適であるとは限らない。時には解消することによって、先延ばしにするという方法も有効なのだ。
うちの鎮守府はまだまだ始動したばかり。経験も実力も浅いところだらけだ。しかし、逆にその未熟な部分が武器になることもある。
あいにく、型にハマったやり方をするほど、素直に育ってきていないんでね。俺は俺なりのやり方で、ここにいる全員が認められるように布石を打つ。
「あっ、提督……昼食ですか?」
「提督速いね!よーし、私も負けないぞ〜」
「おっ、今日はカレーかぁ。久々に食べたかったんだよね〜」
いつの間にか12時を回っており、神通、島風、鈴谷が食堂へと入ってくる。
「このカレーね、夕立と提督さんで作ったんだよ!」
「えっ、マジで!提督の作ったカレーって、なんかめっちゃ甘口カレーになってそう」
引き笑いを浮かべる鈴谷。おい、なんでもかんでも甘くしてるわけじゃねぇよ。ちゃんと誰でも食べやすいように中辛にしたわ。
「いや、マッカンを混入させたりとかしてねぇから……」
「えっと、私は甘いカレーもいいと思いますよ」
フォローをするつもりだろうが、俺が甘いカレーを作ったことを時事実であるかのように言い出す神通。
「お腹すいた〜、は〜や〜く〜」
早食いを求めて、駄々をこねる島風。
「お前らなぁ……」
賑やかというか騒がしいというか、しかしながら、この空間が嫌いではないから驚きである。
「ほら、文句言わずにさっさと食えよ。残したら、叢雲のお説教コースな」
馴染んでいるということだろう。
これまでの俺であったら、考えられないような環境でこうして誰かと談笑をしている。
今日も千葉鎮守府は笑いが絶えない。
今後出してほしい艦娘を教えてください。回答できる艦娘が少ないのはご了承ください
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