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千葉鎮守府、千葉の太平洋沿いの海岸に建設された、日本の海上の安全を守る軍事施設。
一見してみるとどうも如何にもの軍人が沢山いそうなむさ苦しい感じを醸し出しているようなところなのだが、実際のところは、ほとんど誰もいない。
いわば無人の防衛拠点みたいな感じになっている。
……軍事施設の割には、なんか人の気配がまるでない。
比企谷がそう感じるのも無理は無いことだった。
比企谷が鎮守府に入ってから一度も人とすれ違ったりもしていないのだ。
流石に不安になってきた比企谷は、疑問を佐々木に尋ねた。
「…あの、ここって誰も人いないんすか?」
「ん?なんでそう思ったんだい?」
「いや、さっきから人の気配がしなかったのと、現に鎮守府に入ってから全く人とすれ違わなかったからです。人が居たとしたら普通は何処かしらで出会ったりするもんじゃないですか?」
「そうだね、正しくその通りだ。ここには僕達とあと一人しかいない。鋭いね比企谷君」
なんだか嬉しそうにそう答える佐々木に比企谷は不信感を抱く。
なんか企んでそうな感じなのだ。
それは、悪いことでは無いのだろうが、比企谷にイタズラしようとしている魂胆が丸見えなのだ。
「………何しようとしてるんすか?」
「別に~♪」
確信した。
この人相当のやんちゃな感じの人だわ。
こんなのが軍のお偉いさんで、国は大丈夫なのだろうか?
……大丈夫か、仕事できそうだしこの人。
「まあ、比企谷君。イタズラとかはしないから安心してくれ」
「ちょっと、俺の考えてることを読まないで下さい、怖いです」
「ははっ!俺が考えていることは、ここにいるもう一人の人物に君が逢ったときにどんな反応をするのかが楽しみだなぁ~って思っているだけだよ」
「趣味が悪いっすよ……」
それ以上の事は特に話さずに、軽く鎮守府の施設についての説明を佐々木さんがして、それに対して比企谷が相槌を打ったりたまに質問をしたりと、当たり障りの無いまま、最後の部屋まできた。
「さあ、ここが最後だ」
「ここはどういうところなんですか?」
「この扉の先は、君の仕事場になる。執務室というところだよ」
「……執務、ですか。……なんか大変そうっすね…」
「開けるよ」
佐々木はそう言って執務室の扉を開けた。
執務室というのはなんというか第一印象で、綺麗な感じの落ち着いた雰囲気の部屋だった。
特に目立つように家具なども無く、棚や、執務用と思われる机と高そうなイスがひとつあるだけ。
赤いカーテンがと赤い絨毯が部屋のバランスを整えていて、まさに俺のなかで最高の部屋と言った感じだった。
………それから、ん?
横には、もうひとつ机とイスががあって………誰か座っていた。
「……あの、誰かいるんですけど…」
「そうだね比企谷君。彼女は誰だと思う?」
「……分かるわけ無いじゃないですか…」
するとそこにいた女性がこちらの声に気づいて振り向いた。
「……なにやってんのよ、佐々木提督は…」
「いや、悪い悪い。仕事中だったぁ?」
どうやら佐々木さんとは知り合いのようだが、なんなのだろうか、髪は綺麗な銀色で、頭にはなんとも言えない最先端ぽそうなのを着けている。
おまけになんというかまだ未成年って感じだし、どう言うことだ!?
「はぁ、まあいいわ……それで、そこの目の腐った男は誰なの?」
「ああ、紹介しよう。彼はここ千葉鎮守府の提督に着任する比企谷八幡君だ」
「……えと、……あの、比企谷八幡です。よろしくお願いします」
「ふぅん…あんたが司令官ね。まぁ、目を治せば悪くないんじゃない。せいぜい頑張りなさい。……私は
いきなり過ぎるこのシチュエーションに少々戸惑う俺なのだが、落ち着け、俺はボッチを極めたボッチだ。
何事にも冷静に客観的に物事をとらえて落ち着いて行動する。
まず、明らかにおかしい疑問をぶつけて見せる。
「……あの、佐々木さん。流石にこの子は軍の人じゃないですよね?もしかして軍人さんのお子さんか何かですか?」
「……はぁ?なに言ってんのあんたは?私は艦娘よ。ちゃんと海で戦っているわ。現に書類仕事してたでしょ?それに子供扱いしないでくれる?」
「…そういうことだ比企谷君、彼女は艦娘で君の職業は提督。これの意味としては、彼女達は海域で戦い、その指揮をとるのが君の役目だ。それはさっき説明したでしょ?それにここに来る前に艦娘は女の子でとっても可愛いと言っていたはずだけど?」
確かにそうだ。
聞いていた通りに女の子が居て、彼女は艦娘だという。
分かっていたとしてもやっぱりいざその状況を体験するとやっぱり納得できないものなのである。
「いや、実際に自分の目で確認すると、やっぱり驚いてしまった節があったもので……いや、そのすいません……まあ、俺もまだ未成年でガキですしね」
「そうだね、これからは君の知らないことだらけだ。今回は驚くのも無理は無いことだし、これからも驚くことがあることだろう。でもまぁ、これからはどんなことがあろうとも柔軟に対応をしていくことが必要になる、だんだんと慣れていって君は凄い提督として評判を大本営に届けれるように頑張ってね。応援しているよ。君は自分をガキと思っているかも知れないが私は期待しているよ。」
「ありがとうございます、佐々木さん」
そもそも俺も未成年だし、こういうこともあるのだろう。
俺は提督になったのだ。
子供としての自分では無く、一人の社会人として自覚を持たなければいけないのかも知れない。
…………あれ?専業主夫はどこにいったんだろう……。
「さて、そろそろ帰るかな。大本営での仕事がまだ山積みなんだ」
佐々木はそう言って、執務室から出ようとした。
比企谷もそれに続いて出ていこうとしたら、いきなり服の襟を捕まれた。
「ぐぇっ!!」
「あんたどこに行くの?」
「……いや、家に帰るんだが…」
「あんたは今日からここに住むのよ?それとも聞いてなかったの?」
いや、聞いてない。聞いてないはず、そうだ!佐々木さんなら何とかしてくれるかも!
「あっ!ごめん比企谷君。そういえば、そういうことになってたわ。大本営から出来るだけ早くに提督を着任させなさいって命令でてたわ。……えと、まぁ、頑張れ!!」
そのまま佐々木さんは人間とは思えないような速度で執務室から出ていき、俺はまんまと鎮守府に住まわされることになったのだ。
クソ!佐々木さん一生恨むからな!!
「取り敢えず、あんたはこれに着替えなさい。提督の制服よ。必要なものは全て揃っているから、執務、明日からやりなさいね」
「………はい」
取り敢えず、俺は鎮守府に着任したのだった……。
ほんとに酷い話だわ。
その後比企谷は妹に連絡をとり、鎮守府で暮らすことやその他諸々の言うべきことを伝えて、両親からの許可も下り(国が関係しているためすぐに了承)その日から比企谷は鎮守府に住むことになった。
次の日は日曜なのに仕事は嫌だとか……叢雲と比企谷しかいない静かな鎮守府に比企谷の声が響き渡ったとか。
期待に応えられるように頑張りたいです!