ドンッという衝撃音と共に、ティオネの身体が地面に叩き落される。瓦礫の上で、身をくねらせる様に回転させて受け身を取り、起き上がるティオネ。素早くククリナイフを構える。
山羊女の見えない攻撃を回避できなかったと思ったのだが、空中でいきなり加速して地面に墜落したのだ。何が何やら分からないというのがティオネの心境だ。
「ティオネさん、山羊の両角は第一等級武装並みの切れ味です。それと背中の女体は、見えない斬撃を手で飛ばしてきます。注意してください」
ティオネのすぐ横、斜め上の何も無い所から声が聞こえてくる。落下のショックで幻聴が聞こえるようになったかと、頭を振ってみるティオネ。
「ちなみに私はヘルメス・ファミリア団長のアスフィです。
「まぎらわしい、姿見せろよ!」
つっこむティオネ。だが、冷静にアスフィが反論する。
「奇襲が出来るので、このまま行きます。でないと私では手も足も出ませんから」
アスフィと話すことで、幾許かの冷静さを取り戻したティオネ。墜落の衝撃で記憶が混乱しているようで、はっきり思い出せないが、確かアスフィのレベルは4か3だったということを思い出す。そのレベルでも姿を消せるのであれば、相手に対する奇襲にもなるだろう。仕方ないと思考を切り替えるティオネ。
「私の方からは援護が出来ないわよ、大丈夫?」
「大丈夫です。そこは上手くやりますから」
自信をもって返事をするアスフィ。そこへ黄山羊が飛び込んできた。自分の角の特性を分かっているようで、目の前で跳ねるように頭を動かし、角で斬りつけてくる。ティオネはククリナイフで受けると同時に、山羊女の攻撃を横っ飛びに躱して見せる。見えない攻撃がかすめたのか、黒髪の毛先がスッパリと切り落とされる。先程、ヘルメス団員の腕を切り落としかけていたし、相当切れ味は良いようだ。
見えない攻撃は間合いがつかめず厄介だ。そう考えると、ティオネは山羊女を目掛けてとびかかる。山羊女が掴みかかってくるが、それをククリナイフで横へとそらす。が、山羊が高々と身体の前半分を振り上げ、後足だけで立ち上がる。その勢いでティオネは吹き飛ばされる。だが、その時、山羊女の後ろから山羊の臀部にかけてが爆発する。
「なんだ?」
「私が攻撃しているだけなのでお気になさらずに」
驚くティオネの呟きに、またも空中からアスフィの声が聞こえる。アスフィがバーストオイルをつかって攻撃しているのだが、見えないのでティオネには分からない。ティオネは内心やりづらいと思うが、戦力が減るよりはましかと考え直す。
そうぼやきつつも戦っている間に、昔、妹が話していたことを思い出す。どんな英雄譚だったか忘れたが、牡牛だったか山羊だったかをけしかけられて、角で襲い掛かってくるのをどうにかする話だった。
今まさに自分がその状況。その英雄がどうやって切り抜けたか覚えていれば良かったのだが、ティオネはすっかり忘れていた。確か牛の角を掴んで背中へどうこう言っていたような。角を掴むといっても、この黄山羊の角は剣と同じで握ることもできないし、どうしろというんだ。やっぱり叩き折れというのかと、妹の
その感情のままに、山羊の角をへし折ろうと、ククリナイフを全力でぶつける。
ギリギリという不快な音を立てて鍔迫り合いをするが、角が折れることは無い。その上背中の山羊女からは見えない攻撃が飛んでくる。だが、もう何度目かになるか分からない見えない攻撃。何度か浅手の傷を受けたが、その甲斐あって、かなり間合いはつかめるようになっていた。
「おおっと、もう当たるわけないだろうっ!」
かなり回避できるようになったとはいえ、山羊と山羊女の、この連携がいやらしい。いわば騎馬に乗った騎士が、突撃をかけてくるようなものだ。騎士の場合は落馬があるが、こっちの山羊女は一体化しているので落馬が無い。まさに人馬一体とはこのことだろう。
いっそのこと、千切り取ってやろうかと考えるティオネ。そこまでやったらさすがにモンスターといえども生きていられないだろう。いや、山羊女の方は兎も角、山羊の方は無事なのか?
とりとめもない物騒なことを考え始め、実は
そうやって闘っている間にも、アスフィが攻撃しているのか、山羊女が時々爆発をしている。
「アスフィ、頭を狙えっ!」
全生物に共通の急所、頭。頭をつぶされても生きている生物は、モンスターも含めあまり見たことが無かった。しかしこの黄山羊は階層主アンフィス・バエナ同様、頭が二つある。片方を潰されたくらいでは、死ぬことは無いだろう。
そこでティオネの中にひらめくものがあった。妹が大双刃を最初に買う前の時だ。こんな武器が欲しいと妹が説明した時、ティオネはそんな武器有るわけがないと言ったのだ。そしたら、妹は簡単にこう続けた。
『無いなら一から作ってもらえば良いじゃない』
そしてゴブニュの所でフルオーダーメイドでの作成になったのだ。高い買い物だった。
「うん、そうだ、掴むことができる角が無いなら、掴める角を作れば良いんだよなぁっ!」
両方のククリナイフを逆手に持ち替え、アスフィに叫ぶ。
「私が突っ込むのに合わせて、上の頭を攻撃しろっ」
「5秒待ってください!」
「5秒だなっ!」
秒読みを始めるティオネ。
5。ティオネは相手の攻撃をさけながら、黄山羊の前足に切りつける。しかし黄山羊は後足だけで立ち上がって棹立ちになり躱される。
4。黄山羊が棹立ちになりながらも、横から身体を乗り出した山羊女が、見えない攻撃をティオネに放つ。しかしティオネは右ステップで避ける。何度も受けた攻撃。既にティオネは、見えない攻撃の縦方向だけでなく、横方向の間合いもつかめてきたのだ。
3。前足をティオネに振り下ろし、再び四つ足に姿勢に戻った黄山羊。続けて角の横払いで斬りつけてくるのを、ティオネはしゃがんで躱す。
2。再度、ティオネ目掛けて飛んでくる見えない攻撃。しゃがんで動きづらいティオネは、瓦礫の上を転がって避けつつ、山羊頭の正面に移動する。
1。地面を転がる姿勢から、流れるような動きで、クラウチングスタートの姿勢になるティオネ。両足に力を籠め、突撃の準備をする。
0。アスフィが山羊女を攻撃するのと、ティオネが両足に込めたパワーを開放して突撃するのと、ほぼ同時であった。
ティオネは右手のククリナイフを、山羊の二本の角の間に差し込んで、ガイド代わりにする。そして身体全体を砲弾にして突っ込む。
山羊頭は、ティオネを払いのけようと頭を振り払うが、もう遅い。
ティオネの右手のククリナイフが黄山羊の角をレールの様に滑り、ティオネを黄山羊の頭へと導く。
左手のククリナイフを振りかぶり、全力で山羊頭に突き刺す。上手く右眼に刺さり、そのまま深々と刺さる。
「GUGYAAAAAA」
黄山羊が悲鳴を上げる。ティオネは抜けなくなったククリナイフの柄を、角代わりに握りしめる。
ズブリという音と共にククリナイフが10Cほど突き刺さる。しかし黄山羊のサイズからすると浅い傷だ。
「くそったれがぁっ!」
そのまま、横に倒れて、山羊の背中から、転がり落ちる。そんなティオネを山羊女の爪がかすめる。ティオネの右の二の腕が縦にすっぱりと切れ目が走り、鮮血が迸る。
出血に構わず、ゴロゴロと転がり、黄山羊と距離をとる。再び爆発音が起こったことから、アスフィが援護をしていることを悟るティオネ。立ち上がる。右手は力が入らない。結構な深手のようだ。左手で武器を構え相手を見据える。
そこには、山羊頭が胴体から、だらりとぶら下がっていた。右眼の部分には、ククリナイフが刀身半ばまで突き刺さ去り、真っ赤な血がダラダラと流れ落ち、地面で血だまりになる。
山羊の身体を動かしていたのは、山羊頭だったようで、足取りはふらつき、ティオネが見ている間に、大地にうずくまってしまった。
「GYAAAAAAAA」
山羊女が気合のこもった叫びをあげる。浅手とは言え腹を切られているのに、闘志は十分なようだ。その気合の叫びと共に、山羊の足が伸びていき、遂には立ち上ってみせた。
だが気合は有れど、ダメージは大きい。伸びた脚はぶるぶると震え、歩くことさえままならないようだ。
山羊女の頭で爆発が起きる。棒立ちになっている状態を見逃さずにアスフィが仕掛けたようだ。立ち上がろうとした集中力が切れ、崩れ落ち、再びうずくまる黄山羊。
「GYAAAAAAA!」
山羊女は体が動かないことで悔し気な恨みの声を上げるが、もうティオネは聞いていなかった。アスフィの攻撃に気を取られている山羊女の背後に回り込むと、左手で構えたククリナイフを山羊女の首筋に撃ちこんだ。首を半ば断ち切ることしかできなかったが、それで十分だった。山羊女は、血を吐き、何度か痙攣した後に動かなくなった。
「やれやれ、倒せましたね、ティオネさん」
脱いだ兜を片手に、ようやく姿を現したアスフィ。その彼女の胸ぐらをつかむと、ティオネは、グラグラと激しく揺さぶった。
「フィンがどこ行ったか知らない? 居場所がわかる魔道具ない? もし、あるならさっさと貸しなさいよっ!」
別の難題に直面したアスフィは、どうやって切り抜けるか頭を悩ませるのだった・・。
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オッタルは阿修羅を観察する。
この穢れた精霊、阿修羅は、オッタルよりも大きく身長三Mほどだ。横幅や手足の長さなどは、身長に見合った人間と同じバランスのサイズになっている。ただ、頭が三つ、腕が三対というのが異なっている。そして、体表面はざらざらとした赤と青の斑模様の皮膚に覆われ、疑似ランクアップの証、金色の粒子が溢れ出している。
武器は大剣が一振りと短剣が一振りである。オッタルが知る由もないが、これらの武器はヴォルデモートが変身術で作り出したもので、切れ味はたいしたことは無い。しかし、ハリー印の魔法薬瓶と同じ加工がされており、穢れた精霊の筋力でも壊す事が出来ないほど、頑丈に造られている。阿修羅はその長さ2Mを超える大剣を一対の腕で力任せに振り回している。
レベル6相当のモンスターに、更に疑似ランクアップ魔法をかけた状態の動きなのだ。手に持つ大剣の一薙ぎは風を生み、足の運びは大地に地響きを起こすほどの力強さ。スピードとパワーは、恐るべきものがあった。
阿修羅が魔法詠唱を始める。しかも三つの頭が、それぞれ別の種類の魔法を詠唱している。
そのうち一つが早口に詠唱を終えた。阿修羅の身体が真っ青にまばゆく輝く。あまりの光量に、陰になった部分が昼間にもかかわらず、真っ暗になって見えるほどだ。その光をまともに浴びれば目が眩み、一時的とはいえ何も見えなくなってしまうだろう。。
さらに二つ目の頭が詠唱を完成した。武器を持っていない腕をオッタルに突き付けた。その拳からまばゆい熱線が一直線に迸る。太さ5Cほどの熱線は、オッタルをかすめると背後の建物に直撃する。あっさりと貫通し、その背後の建物も次々に貫通していき、その先のオラリオ外壁で爆発が起こる。恐るべき威力である。
最後の三つ目の頭も詠唱を終了する。同時に、体中の筋肉がブワリと膨れ上がる。身体強化魔法だ。強化した筋力で、大剣を頭上に振りかぶり、オッタル目掛けて振り下ろした。
単純な動作。だが早い。今までよりもさらにスピードが上がった打ち込みである。
阿修羅と戦うオッタルは身長約2M。冒険者の中では十分に巨漢であるのだが、今回は相手が悪い。身長3M近い阿修羅に比べると、子供のサイズであった。
オッタルの武器は、自身の身体のサイズに見合った、アダマンタイト製の大剣。身を守る防具は、カドモスの皮革から作り出された、柔軟かつ強靭な動きやすい皮鎧。
身体のサイズは阿修羅の方が上である。強化魔法のおかげでパワーは互角。そんなモンスターを相手にして、オッタルは防御に徹した戦いを繰り広げていた。阿修羅の力任せの攻撃をいなしたオッタルが、次の攻撃を素早く避ける。かと思えば、オッタルが攻撃すると見せかけて、相手の攻撃の出だしをつぶす等、多彩な技で阿修羅を翻弄している。そうやってオッタルは数十合を打ち合っていた。
今までオッタルは防御に専念し、阿修羅の行動パターンを観察し続けていた。そして出した結論が『このモンスターも、たいした戦闘経験が無い』である。
戦闘能力は、ステイタスと戦闘技術から構成される。ダンジョンでは下層に進めば進むほど、ステイタスが強いモンスターが生息している。だが、モンスター同士で戦うことは基本的にないため、戦闘経験が無いのである。したがって戦闘技術を向上させることも無いのである。
この点、冒険者は違う。冒険者は生きて地上に戻ることが必須である。生きて戻れば、それは経験となる。経験は恩恵として更新されステイタスは強化される。しかし、それだけではない。その経験を戦闘技術の向上につなげられるかどうかで、その冒険者が強くなるかどうかの分け目になるのだ。
つまり、強くなるためには、ステイタスの強化は必須だが、同時に、ステイタスに現れない戦闘技術の向上も必須なのだ。一対一ならステイタスを強化して、ゴリ押しで何とかなる場合も多い。しかし、数多くのモンスターと同時に戦うことが多く、冒険者よりも格上が相手になる下層では、ステイタスのゴリ押しでは、生き抜くことはできない。そのために、高レベル冒険者は戦闘技術を磨くのだ。
オッタルと同じフレイヤ・ファミリアの『ガリバー兄弟の連携は1ランク上の戦闘力を発揮する』というのが、戦闘技術の例として、理解しやすいであろう。もちろんこれは複数人の連携技術であり、個人としての技量の向上も大事である。
ベル・クラネルに試練を与えるために、ミノタウロスを鍛え戦闘技術を仕込んだのもオッタルである。(ドラゴンに踏みつぶされてしまったが)
オラリオ冒険者の頂点にたつオッタルも、戦闘技術の重要さはよく理解していた。
そしてオッタルは今、阿修羅の戦闘技術はたいしたことが無いと結論付けたのである。ステイタス自体は、元から高い。そして
そして自分の能力を考えたうえでの、連続攻撃を仕掛けてくる。閃光魔法による目くらましからの斬撃。剣と短剣でのコンビネーション攻撃からの熱線攻撃。多才な攻撃を組み合わせて攻撃している。有効な連続攻撃である。
だが、しかし─
詠唱が終わると、すかさず発動させる魔法。閃光魔法の直後に打ち込まれる斬撃。腕の動きで攻撃タイミングも攻撃箇所も、すべてわかってしまう熱線攻撃。
攻撃がパターン化され、先読みしやすい。阿修羅の行動は最適なため、逆にオッタルにとっては相手の行動を読みやすい。
すべてが未熟である。
あえて先読みさせておいてタイミングをずらすなどの、戦闘の駆け引きが、阿修羅には無い。
従って防御は難しくない。
閃光魔法に対しては、詠唱終わりのタイミングで、オッタルは目をカバーし、閃光を防ぐ。そして直後に切り込んできた阿修羅の大剣に、自分の大剣を叩き付けて軌道をそらす。または詠唱終了タイミングで鍔迫り合いに持ち込み、魔法発動直後の打ち込みを未然に防止する。
熱線攻撃に関しても、詠唱があるので、発動タイミングは丸わかりであり、その上、腕の動きでどこを狙っているかも容易に分かる。おかげで熱線を打ち込む方向を誘導して、回避することも容易な事であった。
「戦闘経験が無いのは他のモンスターと同じか・・」
オッタルがミノタウロスを鍛えたように、イシュタル・ファミリアが阿修羅を鍛えていれば、話はまた違ったものになったかもしれない。
だが、それはすべて仮定の話。現実問題として阿修羅とオッタルの戦いは、佳境を迎えている
これ以上、阿修羅には引き出しは無いと判断したオッタルが、守勢から攻勢へと転じる。
オッタルの大剣が速度を上げて襲い掛かり、阿修羅はたちまち劣勢に追い込まれる。防御に使った短剣は弾き飛ばされ、つぎの瞬間には、腕の一本が肘から切り落とされる。
「URAAAA!!」
気合を入れて阿修羅は大剣を振り回す。だが、オッタルから見れば隙だらけの動きである。更にもう一本の腕が二の腕から切り落とされる。
「GUWAAAA!!」
激痛に叫ぶ阿修羅が切られた腕を振り回す。だが、それは更に隙をさらすだけだった。オッタルが連続で大剣を振るい、赤青の斑の身体が切り刻まれていく。阿修羅の大剣を、オッタルが大剣で逆に打ち払い、懐にもぐりこんだオッタルが拳を叩きつける。たたらを踏んで後ずさる阿修羅。
逆襲をしようと踏み込んでくる阿修羅の太ももを、オッタルがタイミングを合わせたカウンターの大剣の一振りで切り裂く。たまらず、転倒する阿修羅。地面に倒れた阿修羅の首筋を目掛けてオッタルは冷静に大剣を振りぬく。ごろごろと転がり回避する阿修羅だが、動きが遅かったのか、首の一つが首の皮一枚残してほとんど切り裂かれ、噴水のように血が噴き出している。
「GYA,GYA,GYA」
何事かを喚く阿修羅。戦意はまだまだ十分なようだし、疑似ランクアップの印、金色の粒子はまだ体からあふれ出してはいる。
だが今までの戦闘で蓄積されたダメージは大きい。脚は切られて立つことはできるが、力が入らない。腹も何か所か切られている。腕もすでに一対切り落とされている。頭の一つは首の皮一枚つながっているが、ほとんど切り落とされたといってよい状態だ。
ここまで不利になれば、普通の動物ならば逃走という選択肢も考えるのだろうが、モンスターたる穢れた精霊は、そんなことは考えもしない。
大剣を両手で構えると、オッタルに袈裟懸けに切りつけた。
オッタルは唸りを上げて接近する阿修羅の大剣の横腹に、自分の大剣をぶつけて軌道をそらす。同時に、大剣と大剣の衝突した部分を支点にして自分の大剣をくるりと回転するように位置を変え、そのまま阿修羅に向かって突き出した。
狙い過たず、先程までの戦闘で斬りついた阿修羅の傷口に、オッタルの大剣が突き刺さる。そのまま、アダマンタイトの大剣は、ブチブチという音を立てながら筋肉繊維を切り裂き、阿修羅の背骨を破壊し、背中まで貫通した。
このダメージには、さすがの阿修羅も地響きを立てて、倒れ込んだ。オッタルは大剣を手放し、下敷きにならぬように回避する。そのまま先程、弾き飛ばした阿修羅の短剣─オッタルが持つと短剣というサイズではなかったが─を拾い上げると、阿修羅の頭を踏みつけ、残った首を二つとも跳ね飛ばした。
こうしてイシュタルの思惑は潰れたのだった。
補足
オッタルの武装
アダマンタイトの大剣、カドモスの皮鎧。
ティオナの武器がアダマンタイト製。ならばオッタルの武器もアダマンタイト製で、おかしくないだろうと・・。。
49階層までオッタル一人で出かけて階層主を半殺しにしているし、50階層はセーフティエリア。
ならば51階層まで単独で出かけて、カドモス討伐している可能性も0ではないだろうと考えて、この装備にしている。
唯一のレベル7なのでそれ相応の装備をさせたかったので、適当に設定している
次回『牡牛の巨大な仲間たち その三』