最低で最高の   作:優しい傭兵

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さてさて…物語を大きく動かしますか。


惹かれ合う?

『というわけで、学期末にあるスキーの修学旅行での班は各自で決めておくように。決まったら俺にちゃんと報告しろよ~』

 

「はぁ……」

 

今日もお決まりの雑用掃除。最後のHRで言われた言葉を頭の中で考えながら手を動かす。今日は屋上だぞ?あの先生は俺にどうさせたいんだ?自分がやろうとしている事をさせてるのかただ俺をいじめてたいのか。これはどっちもだな。まあ授業もないからこれをさっさと終わらせれば家にある布団に飛び込める。待ってろよお布団さん!

 

 

はぁ…やる気でねえ…。

 

 

しかもだ。

 

 

『九条。ズル休みとかするんじゃねえぞ。もしズル休みしたらお前は留年だからな』

 

職権乱用もいいところだ。ズル休みをするのを見抜かれていたのは別にいいんだけどそれをダシにして要請参加させるのはどうなんだ?修学旅行って学ぶための旅行だろ?スキーってなんだよ。スキーで学べるのは滑り方と転び方だけだぞ。ここからどう学びにつながるのか教えてくれ。

行く意味が分からない。楽しい思い出?集団行動を身に着けるため?社会で役に立つかそれ。そこまでしたいなら自衛隊でも行ってろボケ。

どうせ一緒になってくれる奴も居ねえのによ。入れてもらう条件なんか土下座とか言われるんだろうな。班に入るために俺はプライド捨てなきゃいけねえのか?バッカみてえ。

 

 

「どうしたものかね」

「お困りのようだね少年」

「何の事だ巫女タヌキ」

「あれれ~?そんな事ウチに言うてええの?大変さが増すよ?」

「うわ意地悪な女。そんなことして楽しいか?」

「嘘嘘冗談冗談。いい情報を入れようと思って」

「情報?」

「班」

「あん?」

「メンバーはウチとにこっちとエリチでいい?」

「は?まさかお前」

「ビンゴ」

「バカ野郎。そんな事してタダで済むと思うのか」

「仕方ないやん。これが最善策やねんから。それとも?プライド捨てて他の班になる?」

「絶対嫌」

「エリチの許可も取ってるからOK!」

「え?どうやって?」

「別にいいやんエリチ。どうせウチらも班員余ってるし。それに九条君に全部押し付ければ凄く楽できるで?一緒に寝るわけでもなく一緒に滑る訳でもないねんから」

「それでやったのか?」

「最後のトドメに裏技を使った」

「裏技?」

「九条君がいれば詰め寄ってくる男の魔除けになるで?っと」

「完全に俺はクズ扱いじゃねえか」

「けど、君のメリットの方が大きい」

「そう…だが…」

「せめてさ、最後の思い出作ろうや」

「思い出……ね」

「どうせ、ウチらの前から消えるんやろ?卒業したら」

「それが最も最善だ。これ以上絵里を苦しめる訳にはいかない。今回の旅行で苦しめる種になりそうだが」

「そこは大丈夫。常に君は一人になれるようにはするから」

「ほう…」

「けど、記念写真だけ撮らせてな?エリチはウチが説得するから」

「……はぁ。好きにしろよ」

「よっし!作戦成功!」

「これ作戦なのか?」

 

絵里と同じ班…思い出ね。

何時ぶりだろうな。こんなのは。

 

「ウチの願いは、ウチら四人で笑いながら過ごす旅行を考えてんけどな。そうはいかんな」

「無理な話だ」

「やね。知ってる」

 

こいつは、どうして俺にここまでしてくれる。俺は害虫だ。お邪魔虫だ。ここまで接していれば傷つくのはお前なのに。

 

 

 

 

 

「なぜここまでする?」

「ん?」

「ここまで俺に気を掛けて、お前になんの得がある?」

 

そうだ。こいつは幾度となく俺に手助けをしてくれた。最初こいつと会ったきっかけなんかこいつが俺の事を面白い奴だって言って慣れ慣れしくしてきたからだ。たったそれだけの関係だ。たったそれだけなのに、どうしてだ。

 

 

 

 

 

 

 

「エリチのためや」

「絵里の?」

「占いが出たんよ。こうすれば良いって。その時は君の出番がやってくる」

「占いなんか信じれるものか。未来が見えていてもそれが正確とは限らない」

「けど、それが起こる可能性はある。可能性が無いって誰が決めたん?」

「う……」

「信用してええんやで?ウチの占いはよく当たるから」

「何を根拠に」

「論より証拠。学期末になったわかる。その時は来るよ。必ず…ね?」

 

東條は俺にそれだけを言い残して屋上を後にした。

 

 

何が出番だ。そんな虚言を俺が信じるとおもうのか?それが起これば今までの俺はこんな俺にはなっていない。君に良い事が起こるだの幸せになるだのチャンスの予感だのと占いでは色々とテレビでは言っていたが何ひとつ叶っていない。それを今更信じろだと?

 

 

 

 

「くっだらねえ」

 

 

 

 

持っていた箒を放り投げた。

 

 

 

 

***

 

 

 

PM17;00 ショッピングモール

 

「はぁ……本当に希ったら」

上手い事口車に乗せられた気がする。ここで私が何かを言ったら『あれ?エリチは一度言ったこと取り消すの~?』とか言ってくるのであろう。流石にそれは私のプライドが傷つく。賢い可愛いエリーチカである私にとってはちょっとしたことで負けるわけにはいかない。なので今回は色々と飲み込むしかないのである。

「九条…和平」

三年前に私が大好きだった人。そして大嫌いになった人。今思い返しても腹が立ってくる。

彼は私に何をしてきた?いじめてきたりや懲らしめたりとかそんなチャチなもんじゃない。今までは演技で私はいいオモチャにしてたのだ。信頼していた人間だからこそ、裏切られた時の反動は大きい。私は彼が発した一言で信頼などの概念が消えた、生まれたのは恨みという負の感情。怨念かもしれない。

思い出すだけで吐きそうにる。

けど、今ではそうはならなくなった。

確かに今まで通り、視界に入るだけで不快に感じているのだが、今はそこまでだ。

それもあの日の夜だ。あの日の夜に九条和平と面と向かって話た事がきっかけだ。彼は本当に私を貶める為に3年前にあんな態度や行動をとったのだろうかと。

フレームが独りでに治るわけでもないのは当たり前だ。ならあの時の彼が直したと考えれば合点がいく。 十中八九だが彼が直したのは確実だろう。けどそこまでして彼になんのメリットがある?今でも学校中の人たちに嫌われている彼がそんな事をしたらどうなるのかなんて本人が一番知っているはずなのに…。

私たちへの手助け?以前、穂乃果が彼に救われたって言っていたけど、私は信じられない。どうせまた苦しめる根端を考えているに決まっている。信じない、信じたくない…。けど。

『絵里ちゃんは、先輩に助けられてるんだよ?』

あの言葉がずっと胸に引っかかる。

意味が分からない。私を助ける?九条和平の両親が死んだ事で起こったいじめから助けようとしたのに彼はそれを拒絶し、自ら今の道へ足を踏み入れたのに?かまってほしいの?それとも偽善者を演じているのか?

もし前者後者どちらでも構わない。そのどちらだとしても私は関係ない。苦しむなら一人で苦しんでほしい。

こうやって考えているのに……3年前の気持ちが抜けない。【和平】を…どうにかしてあげたいと。

「もうっ!なんなのよ一体!!」

髪をくしゃりと握る。頭の中がぐちゃぐちゃしててどうにかなってしまいそうだ。

「くっ…しっかりしなさいよ絢瀬絵里!」

両頬を手で叩いて考えている苦悩を吹き飛ばそうとする。

こうでもしないとやっていられない。

「もう少ししたらラブライブ選抜の決勝戦なのに…。こんなところで余計なこと考えちゃダメなのよ」

大きなステージで演じるのだ。こんな時に余計なことを考えてライブに支障をきたすわけにはいかない。今更あの男の事を考えて何になる。もうすでに手遅れなのに。

「私たちは勝ち続ける…。私たちを信じてくれる人たちの為に…仲間の為に」

穂乃果、ことり、海未、凛、花陽、真姫、にこ、希。かけがえのない仲間と共に勝つんだ。絶対に。

そして証明するんだ。あの男に。

「私は…もう弱いときの私じゃない。ずっと護られてばかりの人間になんか戻らない」

拳を握り大きく息を吸ってゆっくりと吐いた。

 

 

 

「嫌いよ………大嫌いよ。和平なんか」

 

そのまま修学旅行用の荷物を揃えるために買い物を続けた。

 

今でも、心の中で気持ち悪く、よくわからないものが渦巻いてたまま。

 

 

 

 

 

***

 

ショッピングモール

 

「家に揃ってるって思ったら以外と何もなかった…」

学期末と行ってもまだ一ヶ月はあるのだが用意をするのに早いに越したことはない。どうせ今の学校は行っても行かなくても変わらない。俺が行く用事なんかμ’sの手助けを影からするかいつものペナルティをする程度。空いてる時間は自分の時間で潰していこう。

余ってる洋画も見たいしクリアしてないゲームもしたいし。

(あ、でも大学の寮の申請しとかないとな。)

 

言い忘れていた。俺はもうすでに大学には合格済み。残りは入学費を納金すれば実質半分学生半分フリーター。

いやー、今までどんなことでも動じる事無かったけど面接官の人超怖かった。ゴリラだよゴリラ。しかも多分あの反応俺の事知ってそうだし。出来れば大学では静かに過ごしたいんだけどな…。友達は居なくていいからさ。

 

 

「絵里はどの大学行くんだろうな」

 

まーた絵里の事考えちまった。ほんと俺も懲りないよな。あんだけ言われてあんだけ叩かれたのに絵里への好きって気持ちは変わらない。

まあ、今の時期は好都合だ。もう絵里と顔合わせるのは修学旅行と卒業式くらいだ。あいつも清々するだろうな。ははっ、自分で言ってて悲しくなってきた。

 

けど、スキーはちょっと楽しみになってきた。何だかんだやった事無かったしな。1人で動けるから色んなところ滑ってやる。林間コースとかも楽しみだ。

 

「ガキかよまったく」

 

 

 

余計なことを考えるのはやめて買い物をさっさとすませよう。

さて、何が必要だっけな…歯ブラシ、バスタオル、フェイスタオル、洗顔ソープ、髭剃り、後は…。

 

 

 

「さて、あと買うものは…バスタオルとフェイスタオルと歯ブラシとシュシュと…」

 

あと何だったかしら……。

 

「あ!」

 

 

 

「「手袋」」

 

 

ん…?

あれ…?

 

 

「「は?」」

 

買っていこうとした手袋を取ろうとした手の小指に別の人の手の小指が触れ合った。

 

 

「「え?」」

 

お互いが顔を合わせる。俺は顔を引きつらせ、前の人間は顔を青くする。

 

 

 

 

「絵里…?」

「和平…?」

 

 

 

 

お互い、会いたくない人間とばったり会ってしまった。

 

 

 

(ふざけんなぁぁぁあ!!)

(何でなのよーーーー!!)

 

 

 

 

 

波乱は続く。




原作なら修学旅行などないですが…許してください。
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