白物語   作:ネコ

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5 忍術?

 修行を始めて半年くらいだろうか。忍術についてもある程度教えてもらい、今はその復習中である。

 

 この身体は予想通り、白で間違いないなかった。再不斬に持ってきてもらったチャクラ紙で調べると、チャクラ紙が凍ってしまったのだ。

 

 なので現在は、重点的に水遁と風遁を鍛えていた。また、そればかりではなく、幻術や体術についても教わっているが、幻術はまだしも、体術に関しては再不斬が強すぎてお話にならない状態である。

 

 医療忍術については、他人(再不斬)のすり傷くらいであればすぐに治すことが出来るし、自分の身体であればそれ以上の事でも治すことが出来た。本来は人体についての理解がないと難しいらしいが、元々学校にてある程度学んでいた身である。そのため、その辺のイメージについては問題なかった。

 

 それらのことから、忍術については、自信がついてきていた。

 

(水分身の術)

 

 池の水を利用してだが、自分の分身を作成し、更にその水分身を再不斬に変化させる。

 

 再不斬には、手本として何度か見せてもらったが、水が無いにも関わらず水分身を行っていたので、白としても目標はそこまでいくことにあった。

 

 どうやっているのか聞いてみたが―――

 

「チャクラを水に変えてやれ」

 

 とだけ再不斬に言われただけで、それ以上は教えてもらえなかった。

 

(どんだけスパルタだよ! ヒントにしても分かりにくすぎるし……。もう少し分かりやすく指導してくれても良さそうなんだけど……)

 

 そんなことを考えつつも、手で印を組んでいき、一通りの術を使っていく。そして、終わったら氷遁の練習である。本来は風遁と水遁を混ぜ合わせるという行為自体が、他の人にできないのだが、その点、自分が血継限界であることは分かっているので、それに関しては安心して練習できていた。

 

(氷遁で出来た鏡の中に入って、鏡の間を高速で移動出来たはず。と言うことで、まずは氷遁による鏡作りは出来ているから。これの中に入れればいいんだけど、何度やっても入れないんだよな……)

 

 氷遁についても、ある程度のことはできるようにはなったが、血継限界である秘術に関しては、鏡の作成以降、未だに進歩が無かった。

 

 鏡を幾つも出してみたり、半ドーム状に展開することも、できるようになってはいるが、肝心の鏡の中に入れなければ意味がない。

 

 再不斬に相談しようにも、ここ数日忙しいのか、全く見ない。そのため、聞こうにも聞けない状態であった。

 

(せめて母親が生きてれば、たぶん手本として見れたんだけどな……)

 

 無い物ねだりをしつつ、小屋へと戻り、今後のことを考えていく。

 

(これからどうしよかな……。その内、再不斬さんって抜け忍になるのは間違いない……はず? でも、白との出会いって白が親を殺して、呆然としてたところを拾って育ててたから、今と状況がかなり違ってきてる……。もしかしたら、このまま霧隠れの里で過ごす事になるかもしれない。霧隠れの里っていいイメージ無いんだよなあ……。仕事場が、まさかの忍者養成学校だったのには驚いたけど、内容が酷すぎるんだよね)

 

 再不斬に気配の消し方や、移動方法についてお墨付きを貰ったときに、仕事場の探索をしたが、そこは木の葉で言うアカデミーだった。ただし、内容は如何にして相手を拘束、若しくは殺害するかと言った内容ばかりで、他もそれに付随する授業ばかりだったが……。

 

 この探索の時間については、仕事を水分身にて替わりに行っていることで稼いでいた。

 

(溜め息しか出ないけど、あの内容に比べたら、再不斬さんの指導は遥かに優しいと言わざるを得ないなあ。体術に関してだけは、ずたぼろだけど)

 

 体術時に骨折などもしたことはある。しかし、自分自身に限っての話だが、医療忍術を使い、小一時間ほどあれば、骨折くらい治してしまえるレベルにはなっていた。

 

(そろそろ寝るかな)

 

 そう思い、小屋へと向かおうとしたときに、誰かがこちらの方へと向かってきてるのが分かった。

 

(再不斬さんかな? でも里の方からではなく外の方から?)

 

 少し様子を見るために、気配を消して様子を見てみることにした。一応、結界の張ってあるこの池の周囲から出ないようにして、極力遠目から観察することに徹する。

 

(あの人もまだ霧隠れの里に居たのか)

 

 道を堂々と歩いているのは、大きな包みを背負った干柿鬼鮫その人だった。

 

(あまりお近づきにはなりたくない人物だな。今の状態で勝てる気全くしないし、それ以前に逃げ切れる気がしない。見付かったらアウトだろうなあ……)

 

 そんな他人事思考で通りすぎるの見送り、完全に関知範囲から抜けたのを確認してから小屋へと戻った。

 

(この小屋から外への道って、ほぼ使われてないはずなのに、なんで通ってきたんだ? 偶々か?)

 

 一度何処に通っているのか確認してみたが、途中から獣道へと変わってしまっており、その獣道も最終的に無くなり、ただの山の中―――というものだった。

 

 なので知っていなければ、あの道が霧隠れの里に繋がっているなど、誰も思いもしないだろう。なぜ、こんな道を作ってあるのか不思議だが、それよりも、その道の付近に小屋を造って住んでいる方がもっと不思議であった。

 

(なんで、里の方に住まなかったんだ? それとも住めなかった? 理由があったような気がするけど思い出せないな)

 

 なんとか思い出そうとしたときに、虫の知らせというべきなのか、嫌な予感がしたため、気配を消して急いで小屋から離れた。

 

 小屋が見えるギリギリの位置まで移動し、周囲を警戒していると、里の方から十数名が一人を追って来ているのが見えてくる。

 

 交戦しながら通っているためか、道沿いの木々を巻き込みながら移動していた。

 

 その追われている1人というのが、先程通った干柿鬼鮫で、まるでわざと追ってくる人数を増やさせるためなのか、ゆっくりとした速度で移動していた。

 

(あれって刀に血とチャクラを吸わせるためかな? 追ってきた人たちには、荷が重いと思うなあ、他の忍び刀持ってる人じゃないと……。って、そうか、追ってきてる人たちは、捨て身でただの時間稼ぎか……)

 

 戦闘はかなり一方的なものであったが、遠くから更なる気配が来たところで、鬼鮫は戦闘を中断した。

 

「来るのが遅いですねえ……。それでは厄介そうな人が近づいてきたので、ここらで終わらせてもらいますよ」

 

 そう言うと、鬼鮫は印を素早く組む。

 

 すると、鬼鮫の足元から残っていた五名の忍びに、水で出来た鮫が飛来し、食い付かれるのが見てとれる。

 

 鬼鮫は、その結果を確認する前に、その場を立ち去っており、そちらを見たときには既にいなかった。

 

 追い付いてきた人物は、一度止まり五人の死体を確認すると、そのまま道の奥へと消え去って行く。

 

(嫌な予感は信じるもんだね。まさか小屋が壊されるとは思わなかった)

 

 先ほどの戦闘で、ものの見事に全壊した小屋がそこにはあった。しかも、全壊というより木っ端微塵と言っていいほど更地に近い状態だった。小屋のあった場所にはほぼ床しか残っていなかったのだから。

 

 溜め息を吐きつつも、警戒を怠らず、水分身にて小屋に近付き何か残っていないか確認をしていると、剥がれた床の下に巻物を見付けた。

 

(もしかして!?)

 

 他にもないか、床を全て剥がし確認してみたが、見付かったのはその巻物一つだけだった。それでも、今まで何もないと思っていただけに、ひとつでも、それらしきものが見つけられたのだ。その喜びは大きかった。

 

(取り敢えず、安全そうな場所に移動しよう。この辺りだと他の忍びが来るかもしれないし)

 

 以前にセーフハウスとして、再不斬に教えてもらった洞窟へと移動していく。家から離れることを優先したため、特に何も持ってはいない。

 

 セーフハウスに無事到着し、白はそこで一晩過ごした。

 

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