「突撃となりのお姫様! 第2弾。出張海鳴チャンネル始まりまーす!! おふた方準備はいいですか?」
「口の中が死んでる」
「メロンパン食べますか?」
「いりませんよ……」
「約1名顔色が死んでますが、そんなのは無視していきましょう!! 今回は占いの館という事で森の中に店を用意してみました!!」
木々の木漏れ日の中BBが手を広げる
「あの? BBさん。ここに人来てくれるんですか?」
「問題ナッシング!! 街の路地裏に看板と扉を用意してきましたので誰か来てくれるでしょう。……多分」
自信なさげに言うBBはじゃあ、好きな部屋に入ってくださいね。じゃあ頑張ってください」
そういって背を向けるBBに普通の狐様が
「どこへ行かれるんです?」
「はい、愛しの先輩とデートです♪」
たった数時間でデートまで漕ぎ付けたBBの話術に驚愕している普通の狐様とからすそ様を無視して走り去るBB
「はぁ……では我輩は左の部屋を」
「じゃあ、私は右で待つとしましょう」
2人が分かれて部屋に入ると中には一通の手紙が
【売り上げはお2人のポケットマネーにしてください】
「「よっしゃあああッ!!!」」
こうして出張海鳴チャンネルが始まりました……
~30分後~
街の路地裏の前に立ち止まる青年はその扉を開いた
「初めてお客様大歓迎ッ!!」
からすそ様の部屋に訪れた青年は
「随分と元気な占い師だ」
そう微笑し椅子に腰掛けた青年に
「まぁ、座ってください。さて……私はからすそと言います。この占い館の主をしております。して、どんなご用で」
「俺は最近この街に来た。 占い師のお前に聞こう。最近常に嫌な予感がする。 前に道に迷っている女の子を案内してからだ、一体何故だ?」
「恐らく、その女の子は『姫』と呼ばれて、この町の人々から親しわれている子でしょう」
「そう言えばそんな雰囲気の子だったな。ぽわぽわとした可愛らしい子だった」
「そうでしょうとも、その子はこの街ではそれなりに有名な子でしてね、特にその子の兄弟、主に兄達ですが常日頃警戒しているのではないでしょうか?背後に殺気を感じたら、すぐに逃げましょう。それが最善の一手です」
「なるほど。それほどまでに兄に愛されてるという事か、謎が1つ解けた」
「それは何より、もうお悩みはございませんか?」
「そうだな……最近とても気の合う友人が出来た、金髪でぱっと見女の子みたいな男だ。姉が 理不尽なんだと嘆く彼とはとても気があう。何故だろう?」
「……なんとも言えませんね。というよりもそれは最早悩みではなく、ただの気分ですよね?」
「こう良く判らないんだが、何年も親友だったような懐かしい感覚がするんだ」
「……まぁ、お互い、似てる所があるのではないでしょうか?」
「似てるところか……今はまだ判らんが何か共通点があるのかもな」
その後暫く悩み相談を終えたところでからすそ様が
「では、これは餞別です」
「これは……パンか?」
「はい、私の大好物のメロンパン(12個)です。その気が合う人とご一緒にどうぞ。賞味期限は無期限なので、時間問題は大丈夫ですよ」
「そうか世話になった、ではな」
「ありがとうございました」
渡されたお札を財布に仕舞うからすそ様。そしてまた次のお客が来るのを待ち始めた
「お邪魔するよ」
「いらっしゃいませ。我輩、普通の狐と言います。今回はどうぞ宜しく」
「ご丁寧にどうも。僕はエルキドゥだ、今回は宜しく」
~暫く雑談+近況の説明~
「それじゃあ早速お願いするよ。友人に買い物に誘われた。いや詳しく言うと友人の友人で、影の渾名で赤い悪魔と称される女生徒に上手く誘導され。可愛い服を買いたいと言う友人だが、僕は男物の服が好きだ。僕はどうしたら良い?」
「状況がよく飲み込めないのですが?」
「あ。ああ、質問が悪かったね……僕の友人の女の子はあんまり服とか気にしない子なんだが。可愛らしい子だ、かわいいんだからもっとお洒落な格好きをしたほうが良いと考えた某赤い悪魔が。その子に可愛い服を買ってみたら良いと勧めて。それで買い物に行こうと思ったその子が僕を買い物に誘ったということなんだ。しかも買い物が楽しみだといっているので断るに断れない状況で困り果てているんだ」
「ふむふむ、買い物に行くわけですか。相手と趣味が合わないからよくわからないけど、相手が乗り気で断るわけにもいかない……確かに、困ったパターンですね」
「そうなんだよ。どうしたら良いだろうか? 普通の狐」
「なるほどなるほど、要はその女の子の服を買えばいいわけですか。我輩が思うに、相手の意思を尊重しつつ、自分で似合いそうだと思う服を買うしかないでしょうね。例えば、相手が小柄で明るい子だったら、明るい色の……薄黄色みたいな、優しくて明るい色のワンピースなんてどうでしょう。あとは、白い肌を守りたいなら可愛らしい帽子を一緒に買ってもいいのではないでしょうか」
丁寧なアドバイスを受けたエルキドゥ
「なるほど。判った、その方向で行ってみる事にするよ。それで次は僕個人の深刻な悩みだ。男装のせいか僕は同姓に告白される事が多い。更には方向音痴かつ天然の友人が心配であれやこれやと世話をしているのも。僕が同姓好きと勘違いされる切っ掛けになっていると思うのだが、僕はノーマルであり、百合でもレズでもない。それをどうすれば説明できるのか教えて欲しい
エルキドゥの格好 ジーンズに緑のシャツにジャケット。 確かに女の子と言うよりかは男の子の格好
「ああ……まあ、そればかりはどうしても誤解を招きかねない見た目になってますからね。とはいえ、あまり誤解されるのも嫌でしょうし。そうですね……まず、男装については趣味だというのをはっきりさせたほうがいいでしょう」
「何回か説明しているんだが、どうも家の学校の生徒は思い込みが激しい人が多くてね。話なんか碌に聞いてくれないんだ」
「それはなんとまぁ……では。恋人とまでは言わずとも、親しい男性の友人を増やしてはどうでしょう。A・U・Oさんについては、性格が性格なので誤解を解くきっかけにはならないと思うので、それ以外の男性……まあ、できれば性格がノーマルなブラウニー氏や苦労人氏あたりと仲良くなることですね」
「そうか……男性の知り合いを増やす事で遠まわしながら誤解を解くことに繋がると言う事か。ありがとう、早速試してみることにするよ。それじゃあまたいずれ」
「いつでもお待ちしています」
「おや? 今日はお客が多いですね」
「何でも悩みに乗ると言うのは貴方か?」
「ええ。そうです。私はからすそと申します。まぁ、座ってください」
「それじゃあ失礼する。それと俺の名前はティアナだ、よろしくからすそ」
~暫く雑談+近況の説明~
「……最近気になる女の子がいる、とても可愛い子で護ってあげたくなるような 子なんだが……ああ、これはたいした問題じゃない、問題なのは過保護な兄達 と過保護な幼馴染達をどうすり抜け、携帯番号を聞き出せばいいのか教えて欲しい」
「この町にいる騎士王に聞いたらどうでしょう? 彼女はこの中では一番律儀ですし、騎士道精神に基づいた行動を示せば、恐らく教えてくれるでしょう。……ただ、背後から殺気を感じたら退きましょう」
「騎士王先輩か……筋を通せば教えてくれるだろうが、話しにくい人だからな」
「そこは貴方の頑張り次第です。誠心誠意自身の熱意を語ればきっと教えてくれますよ」
「そうか……頑張ってみる事にするよ。それで次なんだが。最近クラスの女子生徒の俺を見る目が怖い。 元から俺に良い感情を持ってない、いやその子は基本どんな人間も嫌いで、自分の従姉妹と幼馴染以外はどうでも良いという子なんだが。最近は何もして無いのに足を踏まれたり塵芥と罵倒される。俺は善意でその子が嫌がっていた図書委員を代わってやったのにあまりに酷い仕打ちだと思う、その日学校を休んでいた女の子……俺が気になっていると言っていた子なんだが私も図書委員が良いと言い始めてからは特 に酷いんだ。俺はどうすれば良い?」
「恐らく、その子が噂でも流したのでは?」
「いや、あの子はそんな事はしない思う。一緒に頑張りましょうね♪ とか言ってたし」
「それ以外であれば、恐らくあの姫の兄弟や幼なじみ達が流したのではないでしょうか?」
「……ありえるだけになんともいえない。あの人たちのシスコンは半端じゃないから……」
青褪めた顔のティアナにからすそ様が
「……では、メロンパンをあげましょう(25個)」
「なんでメロンパンなんだ?」
「爆発しそうな脳に程よいストッパーになります。騎士王や紅茶さんから絶賛されたものなので、食べながらでも良いので……」
背後を見て顔を青褪めさせるからすそ様
「ま、まさか居るのか?」
振り返るティアナ、そこには悪鬼が2柱。拳を鳴らしていた
「……メロンパンを使って上手く交渉してください。………………それでは武運を祈ります」
「はい……」
代金をしはらいメロンパンを持って悪鬼の元に向かうティアナであった……
バタン……
は、話せば判ります!!
キッシャアアアアアッ!!!
人語が通じない!? アーッ!!!!!
「お姫様の周りの人間は怖いですねえ」
額から大粒の汗を流しながらからすそ様はメロンパンを齧っていた……
その後も何人かお客が来て小遣い稼ぎに成功した。からすそ様でした……
「失礼します」
スーツ姿の女性が入室
「いらっしゃいませ。我輩、普通の狐と言います。今回はどうぞ宜しく」
「ご丁寧にどうも。私はバゼットと言います、今回は宜しく」
「はい、こちらこそ宜しく」
~暫く雑談+近況の説明~
「その私は……今結婚を前提にお付き合いしてる人が居るのですが……彼と比べると……私はその女らしくないと言いますか……自分で言うのもなんだと思うのですが、彼はとても格好良い。彼と比べるとどうしても自分が劣っているように見える。どうすれば良いだろう」
「ふむ。自分に自信がないわけですね? これは月並みな意見になりますが、あまり比較しすぎない方がいいと思いますよ。相手の方も、今のあなたが好きだから結婚を前提としたお付き合いをしてくれているのだと思いますし。それでもなお自信が持てないなら、一度その彼と話してはどうでしょうか?」
「話す、とは一体何を?」
「彼が自分に何を求めているか、です。人によっては、一緒にいてくれればいいという人もいれば生活をサポートしてほしいという人まで様々。なので、話し合ってから相手の求める自分に近づく、という方法でいいと思います」
「向き合うという事ですか。判りました……では今日の夜にも話してみますね」
「ええ、それがいいでしょうね」
「次なんですが。家の近所に居る女の子がいるんですが、何時も過保護な兄達に囲まれ退屈そうにしている。私と彼は彼女の兄と一緒の職場で働いているんですが、それでは良く無いと長い事説得し今度の週末に遊びに連れて行くことになったのですが、歳が離れていることもありどんな所に連れてってあげれば喜ぶかが判らないんです。どんな所がいいでしょうか?」
「その少女の性格がわからないとどうしようもないですかね。ちょっと教えてもらっていいですか?」
「いつもにこにことしていておっとりとしたお嬢様の様な子で。男兄弟ばかりだからか自分がしっかりしないと。と料理や洗濯と言う家事を全部やっている子だ。ただつい最近まで入院していて。身体が弱い子なのでそう言うのが心配ですね」
「なるほど……。聞く限り責任感が強いんでしょうかね。体も弱いようですし、あまり体に負担がかかりそうな場所はやめたほうがいいかもしれません。ああ、そう言えば、以前ランサーさんと一緒に釣りをしているのを見たことがあります。楽しそうにしてましたし、ランサーさんを誘って3人で釣りに行く、というのはどうでしょう」
「それは良いかも知れませんね。帰りにどこかでご飯を食べたりするのもきっと楽しいでしょうし。それで行ってみようと思います。ありがとうござました」
「いえいえ。それが我輩の仕事なので」
「それではこれは代金です、ありがとうござました」
支払いを済まし出て行く。バゼットを見ながら
「結構普通の悩みの人が来てくれて助かりました、まだ来てくれるといいですね」
その後も何人かお客が来て小遣い稼ぎに成功した。普通の狐様でした……
「どうでしたか? お客さん来てくれましたか?」
ホクホク顔のBBがそう尋ねると
「私の方は9人ほどでしたね」
「我輩は6人でした」
「わお、結構来てくれて良かったですね! それじゃあ戻るとしましょうか」
そう笑うBBにからすそ様が
「BBさんの方はどうだったんです?」
「え……それは……その」
もじもじし始めたBB、何時もと違うBBに今こそ逆襲の時と思ったのか普通の狐様とからすそ様が
「どうだったんです? 聞かせてくださいよ」
「我輩も興味がありますね。ぜひお聞かせ願いたい」
「えと……その」
おろおろし始めたBBは
「そう言う事を聞く人はお仕置きです♪」
パカッ……
「「落とし穴アアアアアッ!?!?」」
「虚数空間直行便です! 良いですかモニターの前の皆様にも言っておきますが。乙女の秘密をきこうなんてする人は絶対に許しませんからね! 覚えておいて下さい。
それでは突撃となりのお姫様は今回で終了して。次回からはまた通常の海鳴チャンネルをやって行こうと思います。なお! 海鳴チャンネルの出演者は常時募集中です。出演希望者は下の連絡先まで」
~海鳴チャンネル出演希望 出演希望者は混沌の魔法使いにメッセージを送ってください~
「それでは次回の放送までしばしのお別れです!! 次週またお会いしましょう!!!」
~落とし穴の中~
「『消去法』」
「な!?」
「さて、メロンパンでも食べながら帰りますかな」
「ひ、卑怯だぁぁぁぁぁぁ!!」