球磨川君が武装少女達の学園に視察に行くようです。   作:ゼロん

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一度間違えて投稿してしまいました。すみませぬ。








後編 ー2 『私たちがいたから』

 花酒(はなさか)はいつものマント姿に戻り、鬼瓦(おにがわら)と共にさとりを探す。

 

 鬼瓦達は女子寮を一回りするが一向に球磨川(くまがわ)やさとりが見つかる気配がない。もう外は夜になってしまっている。

 

眠目(たまば)が女子寮のどこにもいない……?」

 

「うむ、これでさらにさとり姫が疑わしくなったぞよ」

 

「だれが〜〜?」

 

「「っ!!」」

 

 意表を突き背後に回り込んでいたさとりに驚き、後ろに下がる二人。

 

「や、やぁ眠目(たまば)。こんばんは」

 

「さとり姫……奇遇じゃのぅ」

 

「こんばんは〜〜。珍しいね〜鬼瓦ちゃんと(わらび)ちゃんが一緒に見廻りなんて〜」

 

「たまたま……というヤツじゃよ。それにしても随分とご機嫌じゃのぅ? 何かいいことがあったのかぇ?」

 

 花酒は試しに鎌をかけてみるも、さとりにはしれっと答えられてしまう。

 

「別にぃ〜? 蕨ちゃん達こそ〜何か焦っているように見えるけど〜何かあったのぉ〜〜?」

 

 素直に答えるべきか迷うと、花酒がアイコンタクトをしてきた。

 

「あぁ、球磨川に挨拶をと思ってな。流石に無礼とはいえ視察の者をあんな形で追い出すのはどうかと思ってだな……」

 

「へぇ〜。まぁあれはやりすぎだもんね〜〜球磨川君。まぁ鬼瓦ちゃんが怒るのも無理ないよぉ〜?」

 

「もし見かけたら自分たちに教えてくれ。些細な情報でもいい」

 

「わかった〜さとりは談話室でお茶してくるねぇ〜〜」

 

 さとりは廊下を歩き去っていく。完全に姿が見えなくなってから少し時間を置き、花酒達は話し始める。

 

鬼姫(おにひめ)、あやつの仕草や言動から知っているそぶりは見えたかや?」

 

「わからない……あいつの眼を見ていると全部を見透かされているような変な気分になる……」

 

「そうか……キョーボー、何か見つけたか?」

 

「あおん!」

 

 キョーボーは廊下の端にある壁を手で叩くと、そこから謎の入り口が現れる。

 

 鬼瓦が扉を開けるとそこには地下への階段があった。

 

「なんだここは……? こんな場所、自分は知らないぞ……」

 

(わらわ)達に内緒で誰がこんな秘密基地を……!」

 

 鬼瓦達は階段を下りることを決意する。

 

「キョーボーを見張りに立ててはマズイ……もしここを作った本人に妾達がいることがバレれば厄介だからのぅ。ここは二人だけでいくぞよ」

 

「同感だ。キョーボー、花酒(はなさか)の部屋に先に行ってくれ」

 

「あおん!」

 

「……こいつ、いつもと姿が違くないか?」

 

 いつもは凶暴なクマに見えたのに、今のキョーボーはでかいマスコットキャラみたいに可愛い。

 

「それはお主がキョーボーの対する偏見を取り払ったからじゃ。これがキョーボーの真の姿よ。可愛いじゃろ?」

 

「……あぁ、なるほど。さすがクマ使い」

 

「照れるのぅ」

 

 二人は急いで階段を下りる。かなり長い下り階段だ。進むたびに視界が悪くなっていく。

 

「視界が悪くなってきたのぅ……暗くてたまらん」

 

「なんだか血生臭くなってきたぞ……」

 

 長い階段を下りきった後、眼前の扉の前にさとりの部下と思わしき集団がいる。

 

「待ち伏せ!?」

 

「!! 扉が閉められたぞよ!」

 

「罠……!? 眠目(たまば)め! 私達をはめるとは!」

 

「言っておる暇ではない! くるぞよ!」

 

「間違いない、あいつはこの先に……! 待っていろ……球磨川!!」

 

 

 ====================

 

 

 

『……あれ、(りん)ちゃん? 花酒ちゃんも?』

 

 球磨川が耳をすますと、遠くから二人の声が聞こえた。刀と何かがぶつかり合うような音もする。

 

『にしても応えたなぁ……「大嘘憑き(オールフィクション)」で痛覚を「無かったこと」にしているとはいえ、見てるだけでも失神ものだったぜ』

 

 球磨川はズタズタになった学ランと凄惨な生傷だらけになった自分の身体を見つめる。つい数時間前にさとりが嬉々として拷問した結果だ。

 

『やば……痛くはないけどクラクラしてきた。どれくらい時間が経ったんだろう?』

 

 球磨川は自分のすぐ頭上にある監視カメラをじっと眺める。

 

 ーー『もし変なことをしたら〜わかっているよね〜〜?』

 

『参ったな……迂闊(うかつ)に動けないや』

 

 ーーかといって輪ちゃん達が来ても問題は好転しないだろう。さとりが理由もなしにこの地下のことをバラすはずがない。

 

「球磨川!!」

 

『……なんて、考えてても嬉しいことはやっぱり嬉しいね』

 

「ーーっ!!」

 

 鬼瓦は目にした球磨川の姿に絶句する。両手で手を抑えるのを堪え、球磨川に急いで詰め寄る。

 

「球磨川、お前……」

 

『ありがとう、輪ちゃん。僕のためにここまで来てくれたんだね』

 

 球磨川の今の姿は……見るに耐えなかった。

 

 彼が着ている学ランは所構わず破れ、破れた箇所からは血が吹き出している。

 

『以前に別の女子の顔を引き剥がしたせいかな、彼女以上に酷いことになっちゃったかなぁ』

 

 抉り出された生傷は痛々しく、顔に至っては原型を留めない位にボロボロにされている。死んでいないのが不思議なくらいだ。

 

『大丈夫だよ輪ちゃん。僕は痛みを無かったことにしているし、こんなの慣れっこで……』

 

 鬼瓦は球磨川が言葉を続けるより先に彼に抱きしめた。頭を首元に押しつける形で、鬼瓦の手は球磨川の背中を力強く握りしめる。

 

『ちょっ、痛い痛い痛い!! しみる! 力抜いて!』

 

「馬鹿者ッッ!!」

 

 鬼瓦はさらに手を震わせ腕に力を入れる。

 球磨川は鬼瓦の恫喝に眼を見開き、黙ってそれを受け入れる。

 

「……何が痛くないからだ……! お前は痛みを感じているじゃないか」

 

『……』

 

 鬼瓦は震える手を止め、徐々に球磨川の背中に込めた力を弱めていく。

 

「何でお前はそんなボロボロになるまで……何でいつも自分を傷つけるような闘い方をするんだ……!!」

 

『輪ちゃん……』

 

 球磨川の胸元に涙が滲み、ボロボロになった学ランをさらに黒く滲ませていく。

 

「最初に会った時もわざと自分に首を斬らせて……花酒の時もあんなにボロボロになって……!! 見ている私の気持ちも考えろ……!!」

 

『……ごめんね。けど、僕みたいな嫌われ者が嫌な目に遭っても誰も困らないでしょ? いいんだよ、人間は無意味に生まれて無価値に死ぬんだから』

 

「馬鹿者! 人の命に価値なんてつけられるもんか……! お前が死んだら私が困る! 私が悲しむ!」

 

『……!』

 

「お前はこの世界でたった一人しかいないんだ! 不気味で、いつもヘラヘラ笑ってて、最低で……でも根は優しくて! ジャンプが大好きで! 誰よりも弱くてカッコいい、私の主人公は……っ!!」

 

 鬼瓦は球磨川の胸元から顔を上げる。目に溜まった涙を拭くことも忘れ、鬼瓦は球磨川に向かって吠える。

 

球磨川 禊(くまがわ みそぎ)! お前しかいないんだ!!」

 

『!!』

 

 鬼瓦は球磨川から手を離し、少し距離を置く。

 

「だから……自分が死んでも誰も悲しまないなんて……嘘でも思わないでくれ……!」

 

『……やれやれ、だからどこまでも幸せ者(プラス)なんだよ。君は』

 

 球磨川はため息を吐き、呆れたという素振りを見せる。

 

(りん)ちゃん……君に不幸者(マイナス)は似合わないよ。努力嫌いで弱いままでもいい僕はともかく、努力して正しく強くあれる君には……努力した分だけ幸せ者(プラス)になってほしい』

 

 ーー本来なら僕は彼女を過負荷側(こちらがわ)に引きずり込むべきなのかもしれない。けど……僕を心配して泣いてくれる人にそんな恩知らずはできないや。

 

『だって漫画でもさ、努力した人が最後に幸せになれないって展開、悲しいじゃん」

 

 球磨川は傷だらけになった顔でも笑う。拷問がかなり応えたのか、若干引きつっていたが鬼瓦を心配させまいと無理にでも笑顔を作る。

 

「ありがとう輪ちゃん。死んでほしくない主人公だなんて……そんな風に言われたのは初めてだよ」

 

「くま……がわ……ぁ……!」

 

「ごめんね心配かけて。でも……僕は君に幸せ者でいてほしかったんだ」

 

「……お熱いところごめんね〜〜?」

 

「「!!」」

 

 球磨川の背後からヌッと白い手が伸び、彼の肩を誰かが優しく掴む。

 

「!!」

 

 球磨川の身体に怖気が走り、鳥肌が立つ。鬼瓦は彼の後ろにいる手の主を察し、目を細める。

 

眠目(たまば)……!!」

 

「あはぁ〜〜♪ 鬼瓦ちゃん久しぶりぃ〜さっきぶり〜。元気だったぁ?」

 

「お前、花酒達はどうした!? ここへの入り口は……」

 

「えぇと〜出口は君たちが来た入り口以外にもいくつかあるよ〜? (わらび)ちゃんもここに来たのは〜予想外だったかなぁ〜」

 

 ーー自分たちが誘い込まれたのは入り口の一つ。……やはり自分達はさとりの手の中で踊らされていたわけか。

 

 さとりは視線を自分の後ろに向ける。

 

 ーーヒュン!!

 

「なめるな!!」

 

 鬼瓦の横から針が飛ぶも間一髪で避け、針を片手で掴み襲撃者の方を向く。

 

「テン、ソウ、メツ……!」

 

 そこには濃い緑髪の覆面少女がいた。さとりの側近、ミソギだ。

 

「あーあ〜避けられちゃった〜」

 

「なんの真似だ……!? 眠目、球磨川を攻撃した挙句に私達にまで……!」

 

 さとりは唇に手を当て、うーんと考える仕草をする。

 

「さぁ? なんでだろうね〜?」

 

「ふざけるな! 球磨川を解放しろ! 彼は共生学園に危害を加える気は無い。自分が保証する!」

 

 さとりはため息をつくと、鬼瓦に向かってにこりと微笑む。

 

「わかった〜。鬼瓦ちゃんがそこまで言うなら仕方ないかな~?」

 

「がはっ!!」

 

 不意の一撃。

 

 鬼瓦の腹にさとりの鞘が当たり、勢いよく横の隠し部屋に吹き飛ぶ。

 

『輪ちゃん!!』

 

「球磨川くんはそこで待っててね〜。ミソギちゃん、お願い〜。さとりは鬼瓦ちゃんとお話があるから〜」

 

「……」

 

 ミソギは静かに頷き、さとりは満足げに笑い鬼瓦が吹っ飛んでいった隠し部屋へ向かう。

 

 

 ====================

 

 

「う……ゴホッゴホ! なんだ……今のは?」

 

 ーーさとりの不意打ちはきちんと警戒していた。なのに気づかないうちに攻撃された……!

 

 鬼瓦に悩む暇はなく、さとりが刀を木の鞘から抜き近づいてくる。

 

「ねぇ〜〜? 鬼瓦ちゃんって〜? 斬られるのと突かれるの〜どっちがいい〜?」

 

「悪いな……私にそんな趣味はない!」

 

 鬼瓦はさとりにすかさず斬撃を繰り出す。

 

「突かれるのは〜嫌い?」

 

「!? 防がれた!?」

 

 鬼瓦の刀を真正面から防いだ。しかも片手で。

 鬼瓦が耳をすますと、さとりから聞こえるはずのない変わった呼吸音が聴こえる。

 

阿吽(あうん)の……呼吸!? バカな! 私と同じ流派……!」

 

「鬼瓦ちゃんは〜たーっぷり、さとりと遊ぼぉ〜ねぇ〜〜?」

 

 

 ====================

 

 

「くそっ……! 鬼姫を先に行かせたのはよいが……こっちがもたんわい!!」

 

「……」

 

 花咲は階段の入り口から迫って来るさとりの親衛隊の猛攻をたった一人で食い止めていた。

 

「ぐがっ……」

 

「ひょ〜ひょひょひょ! 五剣最年長の妾を舐めるでないぞよ!」

 

 花咲は襲いかかるさとりの親衛隊をなぎ払い、再起不能にさせていく。

 

「しかし次から次へと! しかも一人一人が手練れな故に厄介じゃのぅ!!」

 

 病み上がりということもあり次々と現れるさとりの手下に、流石の花酒も苦戦を強いられていた。

 

「吹き矢か……! その手は喰わんぞよ!!」

 

 花酒は倒れていた親衛隊の一人を盾にし、身を守ろうとする。

 

「ーーがっ!!」

 

 意に返さずさとりの親衛隊は吹き矢を花酒に味方もろとも一斉投擲。

 

 味方にほとんど矢が刺さり痙攣を起こすも、残りの矢が花酒の頰や足などに刺さる。

 

 ーー味方も御構い無しに遠距離から吹き矢を……!!

 

 花酒と共に吹き矢を受けた敵を柔道技で投げ飛ばし、反撃するも体が痺れ思うように動かない。彼らが塗っておいた薬は少量でも十分の効き目のようだ。

 

 一切の隙を見逃さず、一気にさとり親衛隊が花酒に畳みかけてくる。

 

「しまっーー!!」

 

 

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「まぁだ、戦う気なの〜?」

 

「当たり前だ! この程度で諦めていては……球磨川に顔向けができん!!」

 

「そぉんなボロボロでよく言うよぉ〜」

 

 鬼瓦の制服は今はもう見る影もない。袖の半分が切れ、腹とスカートにも大きな切り傷ができている。

 

「アイツに比べればこれしきの傷……!」

 

「へぇ〜〜彼を傷つけた原因がよく言うね〜?」

 

 さとりは鬼瓦に向かい無邪気に笑う。彼女が笑う理由がわからず、鬼瓦は顔をしかめる。

 

「それはどういうことだ眠目!!」

 

「わからなくていいよぉ〜♪」

 

 鬼瓦は自分の流派の技が来ることを予測し構えるが、さとりは繰り出したのは『阿吽の呼吸』ではなかった。

 

 ーー阿吽の呼吸……ではない!? 別の流派の技!?

 

「きみにはさとりは測れないよ〜〜!」

 

 さとりは左手を刀身に添え、鬼瓦の首を刈りにいく。鬼瓦はすんでのところでかわす。

 

「足がガラ空きっ!!」

 

 さとりは隙を突き鬼瓦に足払いをかける。

 

「!!」

 

 鬼瓦は突き出した片足を真上に上げ、さとりの足は虚しく空を切った。

 

 ーー『鶴ノ構(つるのかまえ)

 

「自分をあまり舐めないことだ。眠目(たまば)

 

「へぇ〜〜、器用にかわすねぇ〜?」

 

 さとりは全く動じた様子を見せず、先ほどと同じ表情のままだ。

 

「ようやくわかったぞ。……お前の流派は警視流(けいしりゅう)木太刀形! 私の流派を含む十の流派の技を組み合わせた物だ」

 

「ピンポーンピンポーン〜!! だ〜いせいか〜い!」

 

 眠目は両手を上げてはしゃぐ。自分の手の内を見破られたというのに全く動じていない。むしろ喜ぶ始末だ。

 

「……鬼瓦ちゃん、ご褒美に教えてあげる〜。何で球磨川くんがあんな拷問を受けることになったのか〜、さとりが見た限りの球磨川の行動の真意、……知りたいよね〜〜?」

 

「……」

 

 鬼瓦は彼女の質問に黙って肯定する。

 

「今までの彼の行動は、全部君のためだったんだよ〜?」

 

「私を……?」

 

「そう。仮面を渡しに女子寮に忍び込んだのも〜、亀さんが君を馬鹿にしたときに怒ったのも〜、(わらび)ちゃんに挑んだのはもちろん。今回も君のために球磨川くんが動いてくれたんだよね〜?」

 

「……球磨川」

 

「正確には〜今回は君のために動かなかったんだけどね〜。さとりの言うことを聞いたら、解放してあげるって言ったのに〜〜。彼ったら強情なんだ〜」

 

 さとりはスカートのポケットから捏造した鬼瓦と球磨川の合成写真を取り出す。球磨川が鬼瓦の上で裸になっている姿だ。

 

「うわぁ〜お。高校生がこんなことをしてる写真がネットにばらまかれちゃったら……もう社会的に生きていけないねぇ〜〜!」

 

「たぁぁまばああああぁぁぁっっ!!!」

 

 鬼瓦は憤怒に身を任せ、全力以上の力で斬撃を繰り出す。

 

「ーーッ!?」

 

 さとりも意表を突かれたようで、防いだものの、今までの変わらない表情に焦りの色が浮かんでいる。

 

 彼女の怒る姿は……まさしく鬼。

 

「貴様は……貴様だけは絶対に許さない……!!」

 

「ッッ……! わからないなぁ〜! なんで怒るのぉ〜〜?」

 

「何……!?」

 

 さとりは鬼瓦の刀を受け流しつつ不思議そうな顔をする。

 

「人間の心はわからないなぁ〜〜。誰も誰もが違う理由で怒ったり悲しんだり、泣いたりして……嫌がる理由は同じなのにね」

 

「……っ! さとり……お前!」

 

 鬼瓦の顔が苦痛に歪む。

 

「あっ今化け物って心の中で思ったでしょ? 理解できない怪物だって」

 

「っ!? ちが」

 

「嘘はつかなくていいよ〜? 心の奥底で不気味って思ってるのは本当だよね?」

 

「……!」

 

「さとりの親もそうだったから〜。さとりのことを化け物って言って〜〜。その時は父さんが怒って〜〜お母さんは泣いてたっけー」

 

 さとりは微笑んだまま突然自分のことを語り始めた。怒りも悲しみも安らぎも何も無い、さとりの虚無の顔に鬼瓦は怖気を覚えた。

 

「油断しすぎだよぉ〜?」

 

「ーー!!」

 

 鬼瓦の頰を刃がかすめる。次なる攻撃も避けるも、さとりの攻撃に鬼瓦は違和感を覚えた。

 

 ーー眠目の刀の動きが雑になった?

 

 眠目が刀を振り切った後を見計らい鬼瓦は斬りかかる。突然さとりの殺気が膨らみ、反射的に鬼瓦は攻撃を中断。

 

「罠っ!?」

 

「おしい〜おしい〜」

 

 再び刀に左手を添え、さとりは鬼瓦の首を刈ろうと突進する。

 

「くっ!」

 

 鬼瓦は距離を取り、間一髪でさとりの攻撃をかわす。

 

「鬼瓦ちゃん、もっともっと遊ぼっ〜? さとりの秘密の遊びも見せてあげる〜〜!」

 

「眠目の動きが……また元に戻った……?」

 

「ねぇ、鬼瓦ちゃん。君は……文字鎖(もじぐさり)って知ってる?」

 

「!!」

 

 鬼瓦がさとりを分析する間も無くさとりは刀を両手で鬼瓦に向け、すり足で迫って来る。

 

 鬼瓦は突いてきた刀を受け流すも

 

「不味い! これはーー」

 

 ーー立身流(たつみりゅう) 「巻き落とし」

 

 さとりは刀の柄を自分の腕もろともねじり、相手の刀を払い落とそうとする。得物が無くなれば鬼瓦の敗北は確定する。

 

 何とかして払い落とされることは避けるも

 

「なっ……!? 立身(たつみ)の剣……じゃない!?」

 

 ーー神道 無念流(しんとう むねんりゅう)

 

 刀に左手を添え、ただの突きに見せかけて反撃してきた相手の刀を空振りさせる。

 

「また違う流派の技を……!!」

 

 

 ーー打落(うちおとし)

 

 

 反撃を空振った鬼瓦の腕に勢いを増した凶刃が振り下ろされる。

 

「しまっーーっっ……!」

 

 五剣全員の刀は刃引きしてあるため、実際の日本刀に比べればはるかに斬れ味は劣る。現に腕を斬られても、腕を完全に斬り落とされず、切り傷で止まっている。

 

 ーー全く違う流派の技を……繋げたのか!? 天才の中でも一握りしかできない芸当だぞ……?

 

「たとえ違う流派の技でも〜同じ文字を含んでいれば自然と繋がるんだ〜〜♪」

 

 ーー「剣術『文字鎖』」

 

「!!」

 

 ーーまきおとし→しんとうむねんりゅう→うちおとし……「しりとり」みたいなものか……これがさとりの言っていた文字鎖。

 

「まだまだたくさんあるから〜〜存分に堪能してねぇ〜〜?」

 

「くっ……!!」

 

 ーーさとりの剣に突破口が見つからない……! さとりが五剣の中でも一、二を争う腕だとは聞いてはいたが……これほどまでとは!

 

「そういえば〜〜(わらび)ちゃんの方は〜大丈夫なのかな〜〜?」

 

「!?」

 

 さとりは焦る鬼瓦に笑いながら揺さぶりをかける。

 

「さとりのクラスメートが何人も向かってるし〜五剣とはいえ病み上がりだからそろそろ限界じゃないかな〜? 今頃球磨川くんもミソギちゃんに遊んでもらってるんじゃないかな〜〜?」

 

「花酒……! 球磨川……!!」

 

「不思議だよねぇ〜球磨川くんの下の苗字も『みそぎ』なんだねぇ〜〜! ますます欲しいや〜!!」

 

 動揺した鬼瓦をさとりの凶刃が続けて襲いかかるーー

 

 

 ====================

 

 

 

『ふう、鬼瓦ちゃんのお陰でこっちはなんとかなりそうだ』

 

「……っ、ぁ……!」

 

 球磨川は何事も無かったかのように全快し、身体中に螺子が刺さったミソギは床に倒れ、激痛で身をよじらせている。

 

『やっと、さとりちゃんが僕から目を逸らしてくれた。「大嘘憑き(オールフィクション)」を存分に使わせてもらったよ。えっと……君誰だっけ?』

 

「どう……して……!! まだ私の仲間が……スイッチを……!!」

 

『無駄だよ。君の仲間とやらも、たぶん花酒ちゃんにかまけっぱなしだ。彼女、鬼瓦ちゃんと同じくらい強いから、仲間の覆面女子も気を抜いている暇もないと思うけど?』

 

 ーー今までは遠隔操作でネットに画像がばらまかれちゃうから大人しくしてたけど……彼女たちのお陰でもうその必要もなさそうだ。

 

『見る人や押す人がいなければ監視カメラもスイッチも意味ないもんね』

 

「ぅ……!!」

 

『さて、と……じゃあ……あっ、そっか僕の下の名前とおんなじか! 紛らわしいから……ミーちゃん……一つお願いがあるんだけどさ』

 

「ぐっ……な、にぉ……!」

 

 球磨川は倒れているミソギの顔に指を指す。

 

『その仮面とカツラ、外してもらえない?』

 

「……!! ぃや!」

 

 ミソギは近づいて来る球磨川を振り払い、近づかせまいとする。球磨川は彼女の反応を見て少し困った表情を浮かべる。

 

『うーん、困ったなぁ。僕としては自分から外して欲しかったんだけど……』

 

「……ち、ちかづかなぃ……で! こ、これは……!!」

 

『わかった、わかったよ。僕も子供じゃないんだ。外さないし君に触りもしないさ』

 

 球磨川が無理に外そうとせず、退いたことにミソギは安堵する。球磨川は変わらず笑顔のままだった。

 

『……そういえば、さ。ミーちゃん。一つ伝え忘れてることがあるんだけどさ』

 

「……?」

 

『……僕の「大嘘憑き(オールフィクション)」は触れなくても発動できるって知ってた?』

 

 

 ====================

 

 

「しまっーー」

 

「過信しすぎは自滅の始まりでしてよ! 蕨さん!」

 

 花酒に襲いかかろうとした覆面女子が糸が切れたようにその場に崩れ落ちる。

 

亀姫(かめひめ)! お主……!」

 

「ウィ! 天下五剣が一人、亀鶴城(きかくじょう)メアリ!加勢に来ましてよ!」

 

 亀鶴城はグーサインを作り、花酒を鼓舞させる。隙を見て攻撃を仕掛けて来る覆面女子を澄まし顔で返り討ちにしていく。

 

「吹き矢……流石さとりさんの兵隊ですわね。よく訓練されていますわ。ですが……」

 

 雨のように放たれた吹き矢を亀鶴城は全てはたき落とす。左手を口元に添え、ふふっと笑う。

 

「この狭い廊下ではあたくしの刺突武器の方が死ぬほど有利でしてよ!」

 

「……!!」

 

「流石五剣の一角よ! 妾も負けていられんのぅ!!」

 

 亀鶴城の防御力の前に覆面女子達は怯む。頼りになる亀鶴城の姿に感心したのか、花酒は高々に笑う。鞘を杖に身体を持ち上げ、再び刀を構える。

 

「後ろは任せましたわよ!」

 

「おう! 妾も五剣が一人よ!! 簡単にやられんぞや! ひょ〜ひょひょ、ひょっっ!!」

 

 

 ====================

 

 

「言ったはずだぞ、眠目(たまば)。自分達を甘く見るなと!」

 

「!?」

 

 鬼瓦はさとりの凶刃を片手で防ぎ、押し戻す。

 

 ーー逃さん!!

 

 鬼瓦はさとりが怯んだ隙を逃さず、すかさず連続攻撃を叩き込む。

 

 ーーここを逃せば勝機はない! ここで自分の全力を眠目(たまば)に叩き込む!!

 

「ぅ……んんああああぁっっ!!」

 

「くっ……!! 鬼瓦ちゃんの、攻撃が速く……!!」

 

 刃の当たる金属音が部屋中にけたたましく響く。

 

「すぅ…………ぁ……うんっっ!!」

 

「かはっ……!! うっ……!!」

 

 さとりは急いで防ぐも防ぎきれず、重い一撃を喰らってしまう。

 

「これで終わりだ、さとり。お前も五剣の一人。あの花酒が簡単にやられるわけがないとお前もわかっているだろう。ここまで送ってくれた彼女の為にも、自分は勝つ!」

 

 突然の猛反撃にさとりは目を見開き動揺する。

 

「鬼瓦ちゃん……ちょっと調子に乗りすぎなんじゃないのかなぁ……!!」

 

「さっきまでの余裕はどうした?」

 

 鬼瓦は確信していた。さとりは……

 

 ーーこいつは感情が無いわけじゃない。表に現れにくいだけだ。

 

 さとりは人との出会いに恵まれていなかったのだ。自分の悩みを理解し、愛してくれる存在を欲したのだ。

 

 鬼瓦にはそんな親がいた。彼女の抱える悩みを薄々察してくれた球磨川もいた。

 

「ああああああああっっっっ!!!」

 

 ……さとりには彼女を理解してくれる優しい親も家族もいなかったのだ。無論友達も……「支配する」形でしか得られなかった。

 

「……もういいんだ。これで終わりにしよう、眠目(たまば)

 

 鬼瓦は刀を構え、迫ってくるさとりを迎え撃ち、刀を振るう。さとりも負けじと勢いよく刀を振るう。

 

「……ぐっ!!」

 

 さとりは鬼瓦の刀が届く前に身体を傾けかわすも、自分の刀の軌道がずれてしまう。鬼瓦とて条件は同じ。

 

「……」

 

 ーー『受け入れることだよ、鬼瓦ちゃん。あらゆる理不尽を、苦しみを』『そうすればきっとーー』

 

 ーーああ、そうだな。()()()()()()()、参考にさせてもらったよ……球磨川。

 

 鬼瓦は避けなかった。恐怖を克服し、彼女の頭にあるのは、ただひたすら相手を一太刀で斬り捨てる事のみ。

 

「か……ぁ……!!」

 

「終わりだ」

 

 結果鬼瓦の刃に怖気付いた相手の刀は当たらず、逃げた相手の動きを追い続ける自分の刀のみが相手に届く。

 

「これが鹿島(かしま)の秘剣『一の太刀(ひとつのたち)』だ。眠目」

 

 鬼瓦の刃はさとりの上半身を斜めに切り、彼女の重い一撃が当たった衝撃でさとりは後ろに吹き飛びゴムまりのように床を跳ねる。

 

 さとりはフラフラと上半身を起こすも足と腕に上手く力が入らない。

 

「うっ……ぐ……がはっがはっ!!」

 

「そこまでの重症ではないが……もう動くことはできまい」

 

 鬼瓦の刀はさとりの身体を完全に引き裂きはしなかったものの、彼女の一撃がさとりの体に与えた衝撃は非常に大きかった。腕が動かなくなっているところから、さとりの右腕の骨は折れ、身体の骨にもヒビが入っているだろう。

 

「鬼姫!」「輪さん!」

 

 鬼瓦がさとりに実質的勝利を収めた後に花酒と亀鶴城が鬼瓦達のいる地下隠し部屋に入ってきた。

 

「無事でして!? こんなボロボロになって……!」

 

「亀姫! さとり姫が倒れておる! やるのぅ鬼姫! 妾が加勢するまでもないとは。流石五剣現筆頭よ」

 

「花酒……! 亀鶴城まで……!!」

 

「……! なん、で……!! みんな……は?」

 

「お主の覆面女供なら上の入り口でへばっておるわ。おふざけが過ぎたのぅ、さとり姫」

 

「わらびぃっ……!!」

 

 初めてさとりは周りにも分かるほどに怒りの感情をあらわにした。目を細め、歯ぎしりをしている。

 

「……! ほぅ……お主が怒るとは……相当プッツンきておるようじゃのう」

 

「どこかで計算が狂ったのではなくて?」

 

 亀鶴城はレイピアを誇らしく肩に乗せ、胸を張る。二人の元気そうな様子に鬼瓦は安堵し、つい笑ってしまう。

 

「花酒、球磨川を見なかったか?」

 

「いいや、妾も探したのじゃが……どこにもいなかった」

 

「…………!! あいつぅうう!!!」

 

 球磨川の行方不明を知った途端、さとりの怒りが頂点に達した。突然口調が前より荒くなり、青筋が浮かんでいる。

 

「眠目……もうやめよう。お前は……」

 

「……あははぁ……なに勝った気になっているのかなぁ〜〜? さとりには……まだ切り札が残っているんだから〜」

 

 さとりはポケットからまだ動く方の腕で遠隔操作用のリモコンを取り出す。

 

「本当はこんなの使わなくてもよかったんだけど〜……鬼瓦ちゃんが悪いんだよ? 君がさとりに大人しくやられてくれないから」

 

「まさか……そのリモコンは」

 

「うん、さとりのパソコンのリモコン。後はこれをワンクリックするだけで〜ネットに君と球磨川くんのインチキエロ画像が流出するよ〜〜? まぁ他人から見ればインチキには見えないけど〜〜」

 

 球磨川でさえ従わざるを得なかった、衝撃の事実。亀鶴城は両手で口を抑え、ショックを受けている。

 

「さとりさん……なんて事ですの……死ぬほど下劣ですわ……!!」

 

「なるほど……あの球磨川が従わざるを得なかったわけじゃ……下手をすれば自分だけではない。鬼姫や共生学園、箱庭までも騒がす大騒動じゃ……」

 

「さとりも〜怒ったから……もういいや。手に入らないなら……全部いらない。無くすんだったら……全部なくなった方がいいね」

 

「ま、待て!! よせ、やめろ!!」

 

『いいや、もう押しても構わないよ。さとりちゃん』

 

「……!! 君は……」

 

 鬼瓦達のいる隠し扉をゆっくりと開けて、何者かが入ってくる。扉の淵から黒い手がヌッと伸びる。

 

「球磨川……!!」

 

「球磨川さん……!?」

 

「球磨川……」

 

『やぁみんな! 久しぶり! 元気してた? 輪ちゃんも二人もかっこいい制服だね。今流行りのダメージファッションってやつかい?』

 

「はぁ……まったくお前は……相変わらずだな……」

 

 鬼瓦は呆れつつも球磨川が無事な事に安堵する。花酒達も同様のようだ。

 

 さとりのみ、怒りが爆発寸前の状態だったが。

 

「球磨川くん……さとりの前で「大嘘憑き(オールフィクション)」を使った後の状態で来るなんて〜……どうなるかわかっているんだよね?」

 

『もちろん百も承知さ! うん、いいよ? 押せば? いくらでも、好きなだけそのスイッチを押しなよ? 携帯ゲームのボタンみたくさ』

 

「球磨川……?」

 

 鬼瓦はヘラヘラと笑い続ける球磨川に一種の余裕を感じた。最後の見たときのらしくない不安の満ちた顔ではない。

 さとりはさらに眼を細めて、球磨川を睨みつける。

 

「君……何をしたの?」

 

『別に。何も変わったことはしていないさ。そう、健全な男子にとっては何も変なことじゃない……。女子の部屋の中身を見たくなったから、ちょっと見せてもらったってだけさ』

 

 ーーこの状況で見たのなら見る女子の部屋はただ一人。さとりの部屋だ。

 

「ミ、ソ……ギ……! にげ、てぇ……!」

 

「……!」

 

 球磨川が四肢や胸を螺子で貫かれ、ボロボロになったミソギの襟元を左手で掴んでいる。

 

『この人から聞いたよ、さとりさん。いや……眠目(たまば)「ミソギ」ちゃん』

 

「なっ……!? さとりが……二人?」

 

 今球磨川が掴んでいるミソギの姿は顔に古傷があることと髪型を除けば、ほとんど鬼瓦の目の前にいる眠目(たまば) さとりと瓜二つだった。

 

『落ち着いて、(りん)ちゃん。よくある設定さ。この二人は……姉妹なのさ』

 

「姉妹……?」

 

『そう、今まで君たちが戦っていた相手が妹の「ミソギ」、僕がこうして掴んでいるのが姉の「さとり」。つまり二人は初めっから入れ替わっていたのさ。髪型や口調、性格までそっくりそのままね』

 

「……話したの?」

 

「ミソギ」は無表情のまま「さとり」に話しかける。「さとり」は震えるばかりで他は何も言わない。

 

『おいおい、彼女だって結構頑張ったんだぜ? そんな言い方は良くないなぁ。僕がいくら聞いても部屋の場所を教えてくれないものだからさ……優しく、聞いたんだ』

 

 球磨川は震える「さとり」を見てニコッと笑顔を見せると、彼女は身体をさらに震わせ始めた。顔色も「ミソギ」に睨まれたとき以上に真っ青になっている。

 

『まずは右足に螺子(ねじ)を打ち込まれても彼女は悲鳴を上げずに我慢した。もう片方の足に打ってもそうだった。右手にやった時は泣き叫んでいたけどギリセーフ。左手にも打ったら流石に応えたみたいで……部屋の場所は、最後に腹を突き刺す前に教えてくれたよ』

 

 鬼瓦達は戦慄した。どんなに不気味でグロテスクな内容であっても、笑顔が崩れず語り続ける『彼』に。

 

『ついでにこの子とさとりちゃんとの関係も聞こうとしたら、発狂しちゃってさ……衝撃の事実を聞き出す方が本当に大変だったよ』

 

「ごめ……ん……! けど、あなたは……あなただけは逃げて……!!」

 

『妹想いのいいお姉さんだね。「ミソギ」ちゃん』

 

「……」

 

 相変わらず「ミソギ」の顔は表情は笑顔のまま変わらなかったが、彼女の眼は困惑の色を濃くしていた。

 

『「ミソギ」ちゃん、僕は君がやったことを全て姉に押し付けて、自分だけのうのうと生きているのはおかしいと思うんだ』

 

 球磨川(くまがわ)は「さとり」から手を離して、螺子(ねじ)を両手に構える。

 

「はは、やっぱり画像データは」

 

『削除させてもらったよ。君のパソコンごとね』

 

「そっか……。いいよ〜。球磨川君、君の好きなようにしたら〜?」

 

 鬼瓦達は球磨川に口を出さない。元々自分達の不手際が起こした事態だ。

 

「……球磨川、お願いだ。この件の『責任』は自分と眠目だけに留めてくれるか?」

 

 鬼瓦は正座をし、自分の横に刀を置く。無抵抗、いかなる罰を拒ばない姿勢だ。

 

『うん、もちろん。元よりそのつもりさ』

 

「輪さん!? 何を……!」

 

「すまない亀鶴城。元より私が球磨川を斬ろうとしたことが発端だ。……勝手な真似を許してくれ」

 

 球磨川は無言で「ミソギ」と鬼瓦、二人の頭に手を乗せる。

 

『「大嘘憑き(オールフィクション)」』

 

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