大日本帝国召喚1941   作:久里浜燐

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3話、呂大陸の種火

この国が転移してきてからおよそ2か月。年を開けてもまだ国内の様相は大きく変わらないが、この帝国を取り巻く環境は大きく変化した。

朝鮮、満州、南沙諸島を含めた国外領土の喪失、周辺国家の消失と新たな国家の出現。

幸いにも重工業の発達していない大日本帝国は大きな混乱もなく、新たな友邦となったクワ・トイネ公国とクイラ王国から運ばれてくる作物と鉱石資源によって転移前よりも国内の経済は潤っているほどであった。

更にはロデニウス大陸の開発拠点として港湾や用地を借り入れて駐留し、さらにはクワ・トイネ公国とクイラ王国両国の海軍軍人へ峯風型や神風型、睦月型の供与に向けた訓練も行われている。

郊外には在(ロデニウス)日本陸海軍の兵舎や戦車の掩体壕、航空基地までを整備されており、こちらでも両国の選抜された陸軍軍人が戦車や銃火器の扱いを受けているも、海軍のそれよりも大きなドクトリンの違いに衝撃を受けていた。

そして、それを快く思わない国家がロデニウス大陸に存在した。

 

 

「ロウリア王国が貴国とクイラ王国に宣戦布告をした、と?」

「ええ、ですので本国からの食糧輸出が困難になります」

 

在クワトイネ公国の日本大使館では全権大使と陸軍と海軍の駐在武官が頭を抱えていた。

帝国の食糧問題が解決したのはクワトイネ公国の協力あってのもので、国内の食料自給率も一部を予備役編入して農村を再興させているもまだ全ての臣民を養えるほどではない。

また、国内の工業の重工業化がより促進されたのはクイラ王国より輸入される化石燃料や鉄鉱石が欠かせない。これらが無ければ経済が滞るどころか海軍や一部の機械化部隊は一切の機能を失ってしまう。

詰まる所、帝国はクワトイネ公国とクイラ王国が欠如してしまえば緩やかな滅びを迎えることとなる。

 

「それは、此方としても困るのですが……」

「それは重々承知していますし、此方としても心苦しいのですが……現実の問題として、困難なのです」

「……では、我が国が援軍を送ればどうなりますかな?」

 

その中で口を開いたのは、陸軍の駐在武官であった。

 

「軍人ではないものまで徴兵して戦力として輸出が困難になるのであれば、その分の戦力を我が国が出せばいいのではないですか?」

「確かに、それは心強いのですが……」

「……我が国としても、畏れ多くも陛下の赤子を無為に餓えさせるよりかは友邦の為に血を流す選択をなさるでしょう。現実の問題として、貴国と我が国は一心同体のようなものなのですから」

 

無論、本国に持ち帰ってからですが……と全権大使は補足をする。

クワトイネの外交官はその言葉を聞いて何度も頷いていた。

 

 

大日本帝国の陸海軍が大規模に動き始めたのは、それより三日後であった。




久里浜です。
筆が進まなかったです。
一回書き直しました。

政治パートは難しいです。
次回から戦争パート頑張ります。
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