ガーディアンズ   作:龍の骨

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知らない方は初めまして、知っている人にはお久しぶりです。
この小説の作者、龍の骨と申します。
刀使ノ巫女をご視聴して、思った事を言います。
剣術と登場人物が凄く良いじゃないかぁぁぁ! ストーリーもちゃんとしていたし、一話目から見る人がいたけど、僕はちゃんと見ましたよ! フラグの建て方が上手いし、剣術アクションで鳥肌立ちましたよ。
とまぁ、感想はそこまでとして……何故、刀使ノ巫女なのに荒魂がメインなのかと言いますと、ねねが人間と仲良くなれるなら、他の荒魂だって出来る筈と思い、荒魂をメインにしました。
今回は後書きのみですが、次回から前書きと後書きにアイキャッチ的な掛け合いをします。
あ、そうそう、登場人物が何かやらかしたらタグ追加します。
という訳で皆様、ガーディアンズをよろしくお願いします!


一話 落ちた流れ星

 荒魂。

 御刀を作る時に精製される珠鋼の砂鉄から出る不純物であるノロから出来た怪物。彼らは古来より人々を脅かす存在。

 しかし、優しさに触れて満ち溢れる程の幸福を与えられた荒魂は、穢れが消えて人間との共存を選ぶ。

 

 

 はっきりとした空が見え、のんびり休める昼間の時間帯。

 太陽に照らされた緑の木々が生い茂る森。小鳥や鳩の鳴き声と羽ばたく音が聞こえる道を歩くリュックサックを背負った四人の少年達。

 優しい風が彼らの肌に涼しさを感じさせる。

 

「流れ星がここに落ちたって~? 冗談だったら怒っちまうぞ」

「昨日見た時、間違いなくこの森に落ちたんだ。この先にあると思う」

 

 赤髪で背中にV型のエンジンが描かれてるジャケットにジーパン姿の少年は青髪で黒のYシャツを着ており、右目が前髪で隠れている少年と会話している。

 

「仮にこの先に落ちた物があったとしても、他の荒魂が先に見つけてると思うでゴス」

「あぁ有り得る。特に穢れを持ってるヤツはその流れ星から放つ温かい光に惹かれても、おかしくネェからな」

 

 スポーツ刈りで巨体である少年と茶髪で美形な少年は周囲を見渡している。

 彼らはノロを注入された人間ではなく、荒魂である。人間の姿であるのは、擬態する術を自力で身に付けたからだ。

 二人が周囲を見渡しているのは、近くに自分達と同じ荒魂がいないかどうかの確認である。

 

「そういや、依頼人が見た流れ星ってどの方向に流れたんだっけ?」

 

 赤髪の少年の名はイグナイトサークル。

 火車の荒魂で自由自在に炎を操る。普段は軽い感じだが、胸の内に秘めている大きな熱意がある。

 接近戦では近接武器と徒手空拳を用いる。

 

「依頼人は西に落ちたと言っていた」

 

 青髪の少年の名はジェットウォーター。

 河童の荒魂で水を操り、音速のような速さで翻弄する。

 水中や地上で難なく戦え、その姿に美しさを感じた者達から『水陸の貴公子』と呼ばれている。それ故に水が乾くと死んだりはしないし頭の皿は存在しない。ただ、キュウリをスナック感覚で食べるらしい。

 

「西でゴスか。となると、俺達が進んでるのはその先でゴスか」

 

 スポーツ刈りの少年の名はジャンボウォール。

 ぬりかべの荒魂で鋼のように硬い防御力を誇り、御刀の斬撃を受けても傷一つ付かない。

 人間に擬態する術を覚える前に刀使と戦って御刀によるダメージを受けたが、過酷な修行をしてそれを克服した。

 『防御は最大の攻撃』がモットーである。

 

「目的地まで長くなるのか? そろそろ到着しても良い頃だと思うんじゃネェの?」

 

 茶髪の少年の名はエアストーム。

 鎌鼬の荒魂で風を操り、軍師と言うに相応しい程の頭脳と高い指揮能力がある。

 少女漫画に出てきても違和感がない程の美形で、街を歩けば小学生の女子だろうが彼氏持ちの女性だろうが刀使だろうが彼に見とれてしまう。その為、モテない男達に嫉妬心を抱かれている。

 玉ねぎがダメで、食べただけで気絶してしまう。

 

「地面に落ちた場所を考えれば、もっと先になるかもな」

「厳しいネェ」

 

 エアは苦を全く見せず辺りを見渡す。

 

「ジェットは流れ星を見た時、何をお願いするつもりだったんだ?」

 

 気分を切り替える為、イグナイトはジェットに質問する。

 

「願い事って……言える訳ねぇだろが!」

「そう言うなよ~、俺達は仲間だろ? 恥ずかしがらずに言ってくれよ~」

 

 イグナイトにせがまれるジェットは困ったような顔になる。

 仲が良いとはいえは、誰かに自分の願い事を話すのに抵抗があるようだ。

 

「そういうお前の願い事は何だよ? ジェットから願い事を聞きたがるお前の事だから、それくらいは話せるんだろ?」

「俺の願いだってぇ?」

 

 ジェットを援護するように言うエアに、イグナイトは得意げに振り向く。

 

「俺も聞きたいでゴス」

「言えるんだろ? まさか、恥ずかしくて言えネェって事はないよなぁ?」

「そんな事は無い。俺はちゃんとした願い事がある! それは……」

 

 自分の願い事を言おうとするその時、イグナイトは不敵な笑みを浮かべ……

 

「カッコいいアメ車が買える位の金だ!」

 

 ドヤ顔で自分の願い事を明かしたのだが、ジェットとエアとジャンボは沈黙する。

 

「え、ちょ……俺願い事言ったぞ!? 何一つ反応無し!?」

「お前らしいよ。そんなイグナイトについて来てる俺達は何なんだろう……」

「少し、穢れてるゴスか?」

「待て待て待て、俺は穢れてねぇし! 第一、今も俺達の所に刀使は来てねぇだろ?」

「スマン、オレ達の言葉が足りなかったな。『別の意味で』だな」

「お前等ヒデェ!」

 

 三人にボロクソ言われたイグナイトは涙目になる。

 イグナイト達は荒魂だが、穢れはとっくの昔に人間に接触してから消えている。その為、刀使が彼らに来る事はない。

 和気あいあいと楽しく歩くイグナイト達であったが、その背中を陰から何者かが見ていた。

 

 

 イグナイト達が落ちた流れ星の場所へ向かうその頃。

 生い茂る木々に覆われている洞窟の入り口付近に、二体の二足歩行の荒魂が立っていた。

 一体は蜂の姿をしており、もう一体は蟹の姿をしている。

 

「姫様、大丈夫かぶ~ん?」

「復活したとはいえ、心配だな。力はあの時と弱まってるし」

 

 二体は顔を合わせずそう呟く。

 主人である『姫』を心配するあまり、思わずそういう言葉が出たからだ。

 蟹の荒魂は思い出したかのように蜂の荒魂に首を向ける。

 

「しっかし、姫様が持っているアレを見た時、すっげぇ驚いたよ」

「何処で盗んで来たか知りたい位だぶ~ん」

「アレ持っていて例の奴らが寄って来るかもだが、姫の腕にかかれば、ちょろいモンだぜ」

「力が戻ってないのにかぶ~ん?」

 

 蜂の荒魂は、蟹の荒魂の言葉に首を傾げる。

 

「力は弱まっているが、剣術の腕は衰えていない。あの折神紫なんて、倒せる位だ」

「その折神紫を、姫様が捨てちゃったんだぶ~ん」

 

 蜂の荒魂と蟹の荒魂の会話が楽しそうに弾んでいる。

 

「アイツ等のお陰で、姫様は外に出られたぶ~ん」

 

 蜂の荒魂の名はベノムニードル。

 のんびりした口調で役に立たなそうな印象を持たれているが、仲間と連携すると化け物と言える程の実力を発揮する。仕えている主人に必ず尽くす方。

 

「あぁ。大事な物とお別れしちまったが、復活したのに変わりねぇ」

 

 蟹の荒魂の名はスラッシュシザーズ。

 鋼の装甲と強靭なハサミの腕を持ち、その腕から泡の砲撃を放つ。ベノムと共にいる事が多く、戦闘時に連携して戦う。ジェットとは因縁があるらしく、彼に対して殺意を抱いている。

 

「何を話している?」

 

 後ろからの声に反応した二人が振り向くと、洞窟の入り口から白い肌と服装をした少女が現れた。

 ベノムは元気ある満面な笑みを浮かべ、スラッシュは畏まる。

 

「タギツヒメ様~。僕ちん達、タギツヒメ様の話をしていたんだぶ~ん」

「我の話をか。それより、何か変わった事はあるか?」

「はっ、奴等がこちらへ向かって来るとの事。昨日の夜の事だと思われます」

 

 タギツヒメと呼ばれた少女は、スラッシュの報告を受けて不敵な笑みを浮かべる。

 

「タギツヒメ様、あの裏切り者共は僕ちん達が迎え撃ちますので、それまでゆっくりと……」

 

 ベノムが言っている途中でタギツヒメは彼らの前へ通り抜ける。

 どうしたのだろうと彼は蟹の荒魂と彼女を見る。

 

「さっさと準備をするがいい。奴らの顔を見に行くぞ」

「ぶ~ん!?」

「タギツヒメ様!?」

 

 二体はタギツヒメの言葉に驚く。

 剣術の腕が衰えていないとはいえ、全盛期より力が弱まっている。そんな彼女が、自ら赴くと言うのだから驚くのも無理はない。

 

「解っている。だが、我の姿を見た奴らの顔が見たいのでな」

「しかし、奴らはのんびり過ごしている訳ではありません。タギツヒメ様の力が弱まっていると知れば……」

「だからこそだ。それに、長くあの器に入りっぱなしで退屈していた所だ」

「タギツヒメ様、何だか楽しみにしてそうだぶ~ん……」

 

 ベノムとスラッシュは、楽しみにしているタギツヒメの背中を見るしかなくなった。

 

「待っておれ……我を裏切った報い、受けさせてやる……フフフ」

 

 イグナイト達はどうしているのかというと……

 

「ふぅ~、長く歩いた~」

「あぁ。丁度くつろぎたい所だからな」

 

 それぞれ切り株に座って休憩していた。

 出発地点の駅から長く歩いていた為、ジャンボがこの切り株を見つけて休もうという事になったのだ。

 

「ここまで歩いたナァ~。まぁ、流れ星を確認したらまた、歩くけどナ」

「荒魂とはいえ、長距離を歩くのはキツいと感じるでゴス」

「落ちた流れ星がどんなのか、知りたいだろ? それを確かめる為にここまで歩いてるんだからよ」

「その流れ星の事をお前らに話したことに後悔してるんだが……」

 

 話さなきゃ良かったと、ジェットはため息をつく。

 自分のせいでイグナイト達に疲れさせてしまったと負い目を感じているからだ。

 しかし、当の本人達は口では疲れたと言っているものの、そんな事を心から思ってない。

 

「そんな事言うなよ~。こうして俺らが一緒に歩くのは久しぶりだしさ」

「イグナイト……」

「そうでゴス! 俺達はそれぞれ海外で修行したり、仕事でバラバラだったでゴス」

「飯も観光地は良いが、やっぱ一緒じゃネェとな」

 

 イグナイトとエアとジャンボの言葉に小さな笑みを浮かべるジェット。

 数年前、彼らは自身のスキルアップの為にそれぞれ観光を兼ねて修行しに海外へ行っていた。この広い世界に触れる事と強大なる脅威に備えて。

 帰国した後にそれぞれ『仕事』をして今日までこうして一緒に歩く事は無かったという。

 

「そういや、俺達が海外に行っている間にエイティが付き合ってる女の子に振られたってよ」

「マジかよ!? これで何人目!?」

 

 エアが『エイティ』という人物の現状を口にすると、イグナイトは驚く。

 

「八十人は超えているでゴス。アイツは何も悪い事をしてないのに、どうしてこういう事が起こるでゴスか?」

「昔からそうなんだろうナァ。発想力とセンスは良いんだが、女と間違われるような顔してるしな」

「それだけの理由で女に恵まれないのか。まぁ、そうかもしれないな」

 

 エア達は女に恵まれないエイティという人物に同情と哀れみを抱く。

 

「帰ったらアイツを励まそうぜ。場所はいつもの所な」

「イグナイト、マスターからアイツは今朝、出掛けているという連絡を貰っている。何でも、気になる場所があると言っていつ戻って来るか解らないそうだ」

「マジかよ……」

 

 エイティが出掛けていると知ると、イグナイトはため息をつく。

 女性にフラれてしまったエイティの為に励ます為に色々考えており、彼が出掛けている上にいつ帰るか解らないとなると、自分のやろうとしている事が不意になってしまうからだ。

 

「落ち込むなよイグナイト。俺が何とかエイティに連絡取るからさ」

「あぁ、ありがとう」

 

 イグナイトはエアに感謝し、皆で楽しく話を弾ませる。

 十分に休憩した後、出発するイグナイト達。休憩した場所からかなり歩く事になるが、僅かでも流れ星が落ちた場所が見える位の距離だ。

 流れ星の正体はどんなものなのかを期待を膨らませる彼らの足がだんだんと速まっていく。

 目的地から半分の距離に入り、彼らの表情が変わりそうになるその時……

 

「お主らは落ちた流れ星を見に来たのか」

 

 何処からか少女の声が聞こえ、足を止める。

 

「おい、もしかして俺達と目的が同じ荒魂だったりするのかな?」

「おい、枝の上に誰かいるぞ!」

 

 ジェットの言葉で目の前にある木の枝を見ると……

 

「我も入れないのか?」

 

 タギツヒメが立っており、彼女の姿を見てイグナイト達は驚愕する。

 

「お前は……生きてたのか!?」

「久しいな、火車。いや……今はイグナイトか」

 

 イグナイトを見て不敵な笑みを浮かべる。

 

「イグナイト、コイツは偽物かもしれネェぞ! オレはあの時、ちゃんとやられたのを見たぞ!」

「いや、コイツは本物だ。気配も全く同じだ……」

 

 まるで険しい道を歩いているような顔で彼女を見るイグナイト。

 タギツヒメも彼らと同じく荒魂であるが、人間に対する怒りと憎しみを抱えている。

 

「どうして死んだ筈のお前が、こんな所で生きてるんだ!?」

 

 彼女は不敵な笑みを浮かべ、両手から二本の御刀を出現させる。

 御刀とは、神聖な希少金属『珠鋼』から作られている日本刀であり、荒魂の対抗手段である。

 荒魂である彼女が御刀を持っている事にジェットとジャンボとエアは驚くが、イグナイトは動じない。

 

「その御刀(おもちゃ)、ママに買って貰ったのか? それとも、お菓子のおまけ付き?」

「お前の軽い口は、相変わらず減らない。まぁ、その口を叩けるようになったのは、我を裏切ってからだったな」

「人間の良さを知ろうとしないヤツといても、良い事が無いと判断したまでだ!」

 

 イグナイトの言葉と同時にジェット達は構えを取る。

 しかし、タギツヒメは目の前の光景に動じない。

 

「人間等、所詮は愚かな生き物に過ぎない。そして、その皮を被って生きているお前達もな」

「何とでも言うでゴス! 人間の悪い所しか見てないお前の方が愚かでゴス!」

「そうだ! 人間は間違いは起こすが、ちゃんと反省するし過ちを繰り返さないように考えている。お前が思ってる程、単純じゃネェんだよ!」

 

 ジャンボとエアはタギツヒメの言葉に反論する。

 人間の良さを知っている彼らだからこそ、こうして言えるのだ。

 

「今のお前は力が弱まっている、例え御刀を持っているとしても数的には不利だ。降参するなら、今の内だぜ」

「誰に物を言っている? 例えそうであっても、吾は自分の戦い方を忘れてない。それに……降参するのはお前達の方だが?」

 

 イグナイトはタギツヒメの言葉で降参する気がないと知ると、右足を前に踏み込んで仕掛けようとする。

 その時、彼の足元にボウガンの矢と同じ大きさの針が刺さる。

 見覚えがあるような顔をして上を見ると……

 

「イグナイト~タギツヒメ様の言う通りだぶ~ん! お前達を倒す為に、ちゃんと細かく準備してたんだぶ~ん!」

 

 背中を羽を動かして浮遊しているベノムがいた。

 

「ここがお前等の墓場だ」

 

 イグナイト達の後方にサソリとハゲタカとカメレオンの荒魂を率いたスラッシュがいつの間にか立っている。

 エアは、この状況がどういう意味か理解した。

 

「我が、あの器に入ってから二十年間、お前達裏切り者を倒す日に色々備えた」

「俺達がいない間に……その器って奴は、一体誰なんだ?」

「フフフ、誰だろうな。ここで死ぬお前達に答える必要がない」

 

 タギツヒメが右手の御刀をイグナイトに向けると、ベノム達が構える。

 彼らに対して殺気立っているようだ。

 

「エア、何か策は無いでゴスか?」

「こういう状況は想定して無かった。突破口を見つけネェと無理だ」

 

 海外で修行していたとはいえ、ベノム達もイグナイト達と同様に強くなっている。

 そんな彼らに包囲されている状況で突破口があるとすれば僅かしかない。

 もうダメなのかと諦めかけていたその時……

 

「っ! タギツヒメ様、危ないぶ~ん!」

 

 一発の光弾がタギツヒメへ飛び、それに気付いたベノムは彼女を庇う。

 この光景にイグナイト達は驚いたような表情になる。

 

「タギツヒメ様に銃口を向ける不届き者は誰だぶ~ん!」

 

 怒りながら光弾が何処から放たれたのか探すベノム。

 自分が仕える主人に対して何者かが撃ったのだから許せないからだ。

 

「やはり力が落ちているのは本当みたいだね!」

 

 イグナイト達は声がした方向に向くと……

 

「お前っ!」

「まさか……」

 

 驚愕する彼らの前に、光線銃を持った一人の少年が立っていた。

 彼は黒髪のショートヘアーに女性と間違えられそうな顔立ちをしている。

 

「嫌な予感がして後を追ってみたら、見事に的中したね!」

 

 余裕のある笑みを浮かべた少年は、光線銃をタギツヒメ達に向けた。




イグナイト「俺は火車の荒魂、イグナイトサークル! この小説の主人公だ!」

可奈美「私、原作では主人公なのに……(泣)」
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