ポケットモンスターΩ(オメガ) 作:ラムにく
「あのねベル。今日は旅立ちの日なんだから…もう少し行動を改めた方が…」
「ごめんごめん、寝坊しちゃったぁ~」
「ったく君は…」
「あのねぇ…アンタ達いつまでやるつもり?」
目の前で繰り広げられる押し問答。争ってるのは頭の固そうな眼鏡の少年とベレー帽をかぶったアホっぽい少女。まぁどっちも私の幼馴染なんだけど。事の発端はこのベレー帽ガール、ベルが私の家に三人で朝九時に集まる予定だったのに30分遅刻した事。今日は私達の旅立ちの日だからいつにも増して無駄に気合十分だったらしい眼鏡ボーイ、チェレンはベルの遅刻癖にはもうとっくに慣れていたとは思ってたけど流石に今日は我慢できなかったみたい。別に私は興味無いけど、二人とも何時までそうしてるのかしら…頭が渦巻いた変な博士…なんだっけ、アララギ博士?からポケモンの入った箱が届いたんだけど、いつまで経っても終わりそうに無いから私の我慢はもう積もりに積もって仕方無い。もうあいつら永遠に言い争ってそうだし先にポケモン貰っちゃってもいい…かな?……いいわよね…うん、いい。よし、貰うか。
そうっと緑色のリボンに触れ、解いていく。はらはらと机の上に広がる箱を包んでいたリボン。包むものが無くなった目の前の箱を開けようと手を掛けた瞬間、
「あっトウコずるい!!待ってよ!!!!」
「抜けがけは感心しないな。」
……こいつら…
「アンタたちがずっとそこでギャーギャー言ってるからでしょ!?」
私の怒りと呆れの混じった大声なんて丸無視してズンズン前進してきた二人はあろうことか私を押しのけて勝手に箱を開け、中を漁り始めた。そう、ベルが今中のモンスターボールを取り出して……って、、まさか私置いて行かれてる?………
「わぁ~モンスターボールだぁ!!えっと、あたしはミジュマルちゃん!チェレンはどっちにする?」
「なんで君が一番に決めるんだよ…?まぁ僕はポカブが欲しかったから別に良いんだけどね」
「決まりね!あっじゃあトウコはこの子でいい??」
「はぁ…?!」
にぱっと笑顔でベルが残った一つのボールを指差す。勿論チェレンとベルの手の中には自分で選んだポケモンのモンスターボール。
「…なんであたしが余り物なのよ…ったく」
あたしの文句なんて丸無視の二人はもうとっくにモンスターボールからポケモンを出してはじめまして、なんて話しかけてる。
一人だけ取り残されたあたし、トウコの前には[くさタイプのポケモン、ツタージャ]、そう説明書きのついた一つのモンスターボール。
別にどのポケモンがいいなんて決めてなかったし、そもそも実は貰えるポケモンの名前すら知らなかったんだけど、そんなことチェレンに言ったら怒られるから黙っておくわ。
ラッコみたいなポケモンと戯れるベルと豚みたいなポケモンと戯れるチェレン。二人ともはしゃいでるわね。あ、私のWiiの近くにラッコの尻尾が…。
なんだか嫌な予感がするけどまぁいいかなんて思いながら私は残ったモンスターボールを手に取り、空中に放り投げた。
途端に、赤と白に彩られたボールがぱかりと割れて赤い光が床に降り注ぎ、段々と形を作っていく。
私の、初めてのパートナーポケモン、くさタイプのツタージャ。
いったいどんな姿をして……
「……タジャ…?」
「あ、あんたがツタージャ…?」
ようやく現れた緑色のソイツは、初めてのポケモンを前に驚きと感動で立ち尽くす私を見て、
「……タジャ~~~ッ!!!!」
「ッいったぁあああああああああッッッッ!?!?」
思い切りその葉っぱみたいな尻尾で私の頬をぶっ叩いた。
トウコとツタージャくんの旅、始まりました…本当に自己満足で自分用にまとめるために書いておりますのでご了承下さい。