転生天翼種   作:エルナ

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簡単に「メリオダスになって異世界を渡る」第1章のあらすじを。
メリオダスの力を持って転生した主人公がリクとシュヴィに出会う→なんやかんやあって一緒に大戦を終わらせるために動く→シュヴィとジブリールの戦闘のラストの『天撃』をカウンターバニッシュで防ぐ→ボロボロのシュヴィを持ってスタコラサッサ→隠れ家に帰った後アインツィヒが来てシュヴィの意志を話す→原作通り進んだ後、機凱種(エクスマキナ)を少しでも生かすため天翼種(フリューゲル)やアヴァント・ヘイムの攻撃を防ぐ→なんと『神撃』に参加しなかったガブリエルと主人公が対峙する→ガブリエルが敗れた直後アルトシュが討たれる→リクが『真典・星殺し(ステイル・マーター)』を使い星から溢れた精霊に呑まれて消えそうになっているのを主人公が救出→2人で祈ってテト顕現、唯一神へ→大戦終結直後メリオダス死亡リク達に遺書を遺し、死ぬ間際テトと話す。

後、細かいところではジブリールとシンクが主人公に目を付けているとか、生き残った機凱種(エクスマキナ)とリクが話してキッチリ繁殖していることやリク達が死ぬ前に機凱種(エクスマキナ)達に書物を託したり、リク達が生き残ったことで人類種(イマニティ)は原作より発展し、「 」(くうはく)が来た時には2、3個まだ都市が残ってたり、後は——

ガ「長いわ!簡単にじゃないのか!」

は、はいまあ、後は本編でちょこちょこと出します。不明な点は質問していただけると。
それと前回ガブリエルの容姿を描写し忘れておりましたすみません(汗)
「金色の髪と深い蒼色の瞳に世の女性達を魅了する端整な顔立ちに細くとも鍛えられた肉体を持っている。」
と書き足しておきました。
つまりは金髪のイケメンってことです。


第2話 原作主人公

ガブリエルが原作開始を知ってから半月後。ガブリエルは現在、森精種(エルフ)の領地にあるとある森精種(エルフ)からゲームで奪った別荘に居た。

 

ガブリエルはアヴァント・ヘイムの家以外に4つの別荘を持っている。理由はもちろんジブリール曰く天下の悪法《書籍共有法》から逃れるためだ。アヴァント・ヘイムに置いておかなければ借りパクされないため、前々から準備していたのだ。

 

ガブリエルがその別荘に居る理由は、海棲種(セーレーン)の女王とのゲームの記録がある本を前に姉に借りたのを思い出したのだ。

 

もうすぐ、ジブリールに連れられて空と白、ついでにプラムが海棲種(セーレーン)の女王とのゲームの記録を求めてやってくる。その為にその本を手元に置いておきたかったのだが——

 

「くそっ、マジでどこいった」

 

——無くしてしまったのであった。

 

天翼種(フリューゲル)に忘却機能はない。故に物忘れなどというものもない。なので読んだ後その本をどうしたかキッチリ覚えている。読んだ後本の山にポイっと投げたのを……。

 

しかも、本の山をまとめて転移させて、別荘や家を行き来しているため、もうどこにあるのかさっぱりわからない。

 

ガブリエルは転生前から整理整頓が苦手ではあったが、天翼種(フリューゲル)に転生してからそれが謙虚になってしまった。故にここ1000年ほどは姉達もガブリエルに本を貸すのを躊躇うようになった。絶対に返ってこないからと……。

 

「はあ〜、ま、いいか。「 」(くうはく)のゲームに負けた後、姉さん達やジブリールに手伝って貰おう」

 

普段なら絶対に拒否られるが、姉さん達はゲームに負ければ十の盟約で強制的に手伝ってもらえるし、ジブリールもマスター達のためなら嫌々でもするだろう、と自分でやる気は殆ど無い彼はアヴァント・ヘイムに転移した。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

アヴァント・ヘイムに転移したガブリエルは首を傾げる。100人近くの姉達の気配が一か所に集まっていたからだ。

 

だが、ジブリールの気配も感じたことで「あぁ」と納得し、その場所へ転移した。

 

ガブリエルがそこへ転移すると100近くの視線がガブリエルへ集中した。

 

「んにゃ、ガブくん何かようかにゃ?」

 

「何やらみんなで集まってるから何をしているのかなと思ってね。後——久しぶりだなジブリール」

 

「おやこれはガブリエル。まだ生きていたのでございますね。非常に残念でございます♪」

 

ジブリールは嘲笑を浮かべつつ、毒を吐くが、内心ではガブリエルに久しぶりに会えたことを喜んでいた。

 

それに気づかないガブリエルは、

 

「おいおい、まだ怒ってんのか?」

 

と言いながら、やれやれと首をふる。

 

ジブリールの後ろにいた一つのマフラーを首に巻いている空と白は首を傾げながら問う。

 

「お、おいジブリール、こいつ誰だ?ていうかジブリールは何に怒ってんだ?」

 

「マスター、ご紹介します。彼は天翼種(フリューゲル)唯一の男性型個体であり、私と同じ『最終番個体(クローズ・ナンバー)』にして、私と同時に造られた双子のような存在にございます。後、怒っておりません」

 

「おっと、自己紹介が遅れたな。ガブリエルだよろしく」

 

「そう、俺は空、こっちは白。よろしく。」

 

「……よろ……」

 

「ふむふむ、中々面白そうな奴だな。……それでそこのマフラーに化けてる蚊もどきは自己紹介すら出来ないのか?すると本格的に蚊以下の駄種と言わざるを得ないが……」

 

目つきを僅かに鋭くし、ガブリエルが言った言葉に、

 

「やっぱ、天翼種(フリューゲル)ってこんなんばっかなのか……」

 

空は頭を押さえて呻き、

 

「ひいぃぃぃッ!プラムですぅ!」

 

プラムは悲鳴を上げながら、名前を言った。

 

「蚊の名前なんてどうでもいい。んで、ジブリールが怒っている理由か。アズリール先輩の悪法で出て行こうとしたジブリールが俺を誘ったんだが、それを俺が断ったら急にキレたんだよ」

 

自分で聞いておいてどうでもいいと切り捨てたガブリエルを空と白は半目を向け、天翼種(フリューゲル)達は微笑ましいものを見る目を2人に向ける。

 

その視線に白とプラムは察するが残念ながら女心のわからない男子2名はただ首を傾げる。

 

「それで、これから何をするんだ?」

 

「これから、2人とここにいる天翼種(フリューゲル)全員でゲームをするところにゃ」

 

「へえ〜、面白そうだな、俺もやりたい。ルールを教えてくれ」

 

と言ってアズリールへ近づくガブリエルにジブリールはアズリールの近くに転移し、

 

「アズリール先輩、ガブリエルが参加するならば私がマスターに力をお貸しいたします!」

 

大慌てでルール変更を要求するジブリールに空と白は眉をひそめて、問う。

 

「なんで、ジブリールはそんなに慌ててるんだ?」

 

「……そんな、に……強い、の……?」

 

2人の言葉にジブリールは我に返り、2人に向き直る。

 

「は!し、失礼しました。ガブリエルは先程お話した通り、私と同時に造られた為私と同等の性能を持っております」

 

その言葉に、2人は顔を引攣らせる。

 

「さらに、造られてから何度となく、決闘しておりますが、私は一度も彼に勝てたことはございません」

 

その、言葉に一層顔を引攣らせる2人は、声を震わせながら問う。

 

「ど、同等の力があるんじゃないのか?」

 

空の言葉にジブリールは悔しそうに拳を震わせながら、答える。

 

「小癪なことに毎度、腹立たしい策を弄し、さらに小癪なことに天翼種(フリューゲル)でありながら、細かな術式をある程度は使うことができる為、引き分けに持ち込むのが限界でして」

 

「ふふん♪すげえだろ?」

 

胸を張るガブリエルを横目に空はさらに問う。

 

「ちなみに腹立たしい策って?」

 

「目くらまし、罠、幻影など多種多様な策で私を翻弄するのであります」

 

「へ、へえ〜」

 

「とにかく、アズリール先輩。ルール変更を」

 

「う〜ん、それだと、ジブちゃんとガブくんの一騎打ちにならないかにゃ?」

 

「それはそれで望むところであります」

 

アズリールは腕を組んで悩む。

 

「んじゃ、ハンデとしてラスト10分になるまでここで待ってるよ。それでどうだ?」

 

ジブリールが空と白、アズリールと話している間に他の姉からルールを聞いたガブリエルが言う。

 

「それならば、まあ、いいですかね」

 

「納得したなら始めるかにゃ?」

 

アズリールが指をパチンと鳴らすと、音もなく壁が歪み——巨大な穴が空いた。

 

「では——これよりマスター達お2人と、この場の全天翼種(フリューゲル)でゲームを始めます」

 

穴から身を乗り出した空と白の後ろで、ジブリールが恭しく告げる。

 

「こちらが、このアヴァント・ヘイムの地図でございます」

 

バタバタと風ではためく紙を受け取り、ちらりと一瞥して白が頷く。ジブリールは一歩下がり、深々と頭を垂れた。

 

「……マスター、()()()()()()()()()()

 

「正直自信ないが、まあ……()()()()()()()()()()()()()()()()()()()?」

 

()()、大事に……する……当、然」

 

ジブリールと、空と白。それから原作を知っているガブリエルだけがわかる言葉を交わし——

 

「「——【盟約に誓って(アッシェンテ)】——ッ‼︎」」

 

ジブリール以外の、全員が手を掲げそう叫ぶと同時。空と白はトンッと、壁の穴から中空へと飛び出した。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

おまけ

ジブリールがアヴァント・ヘイムを出る時のガブリエルとジブリールの会話。

 

 

「ガブリエル、一緒にアヴァント・ヘイムを出て行きませんか?」

 

本の山に腰掛け、本を読んでいるガブリエルに唐突に転移してきたジブリールが開口一番に言う。

 

「ん?何で?」

 

本から目を離さずにガブリエルが聞く。

 

「もちろん、アズリール先輩が可決した、天下の悪法《書籍共有法》ですよ」

 

「あ〜、あれは確かにウザい」

 

「でしょ?ですから私とここを出て、どっかの図書館を奪ってそこで本の収集を続けましょう」

 

「やだ」

 

ガブリエルのまさかの答えにジブリールは固まる。

 

「……え?な、なぜでございますか?」

 

「ん?だって俺姉さん達に借りてる本とかあるし、ぶっちゃけ俺別荘あるから関係ないし」

 

「……つまり、私より姉さん達を選ぶと?」

 

先程より、冷たい声で問うジブリールの変化に気づくことなく未だ本から目を離さずにガブリエルが答える。

 

「え?当たり前じゃん。お前から本借りてないし」

 

その瞬間空間が震えた。それによりやっと本から目をジブリールに向け、ジブリールがキレていることに気づいた。

 

「お、おい。どうしたジブリール?」

 

震え声で問うガブリエルには答えず、

 

「死ね‼︎ガブリエル‼︎」

 

とだけ言ってジブリールはどこかへ転移した。

 

「ど、どうしたというのだ」

 

残されたガブリエルは意味もわからず首を傾げた。

 




やだ、ジブリールってば乙女。
この小説のジブリールはこんな感じです。

ちなみにジブリールが空に向けている感情は主人愛です。アルトシュと一緒です。

それからガブリエルがジブリールの気持ちに気づいていない理由の一つは原作を知っている為、空に惚れるんだろうなと思っているからです。

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