初っ端からカオス
篠ノ之束によって作り出された女性しか動かせない最強のパワードスーツ……
あらゆる兵器を凌駕するその性能、そして女性にしか動かせないという事実により、世界は女尊男卑に…………ならなかった!
実はISにはもう一つ、致命的な欠陥があったのだ。
その欠陥とは…………
『前略、親愛なる友人達へ、
俺、織斑一夏は晴れてIS学園に入学出来ました。
何故、男で頭も悪くない俺がISを動かせたのか?それは定かでない。
だけど、入学した以上は一日も早く学園に慣れて、健やかな学園生活を謳歌したいと思っているつもりだ。
だが、しかし……』
「では、出席番号順に始めます。まずは相川さん」
「はい!出席番号1番、相川清香です!」
担任に呼ばれた相川清香というその可愛らしい少女は元気一杯に自己紹介を行う。
ここまでは普通の自己紹介だ。
そう、ここまでは……。
「特技は……これです!」
不意に、清香は一本の鉛筆を取り出した。そして……
「はむっ!」
なんとその鉛筆を食った!
(食った!?鉛筆を食いやがったよこの娘!!)
そしてバリボリ、ガリガリと音を立ててそれを噛み砕き、やがて飲み込んだのだった。
『前略、親愛なる友人達へ
これがIS学園です。周りはみんな女子ばっか。
しかもその殆どは…………バカなんだよ。
こんな風に見慣れない、というか見慣れたくない人達に囲まれて、いささか戸惑っています。』
ISの抱えるもう一つの欠陥。それは……
“知能指数が低い者、つまりバカにしか反応しない事!”
ISは最強の兵器である。
だが同時に、バカの象徴でもあるのだ。
当然IS学園にはバカが集まる訳で、その倍率は著しく低い。
入学試験に至っては引き算さえ出来れば合格という有様だ。
そんな中、織斑一夏は男であり、尚且つ高いIQを持ちながら適性が判明したのが運の尽き。
すでに決まったエリート校への進学が取り消され、
世界公認のバカ学校こと、IS学園に入学させられる事になったのだった。
『けど、けどな……こんなのまだ序の口なんだ。
俺にとって最大の誤算に比べりゃあ…………』
後ろを振り返る一夏。
そこには学園の制服を着た女性がいた。
女性である。女子ではなく女性。
つまり少女ではなく大人の女である。
その女を一夏は無言のまま睨み付けた。
「織斑千冬だ。
好きなものは冷えたビール。嫌いなものは算数だ。
今年で1年生9回目だから皆と歳は離れてるが、歳の事は気にせず、弟の一夏共々仲良くして欲しい」
一夏の姉、織斑千冬。今年で24歳。
最高レベルのIS適性を持つ、最高(というか最低)レベルのバカである!
「何やっとるんじゃバカ姉がぁ〜〜っ!!」
千冬の脳天に一夏の拳骨が炸裂した。