6月某日
入学から約2カ月が経過したこの日……都内某所の一室にてある会議が開かれていた。
「よし、全員揃ったな?」
会議の発起人たる千冬は周囲を見回しながら席に着く。
部屋の中にいるのは千冬を含めて7人。
一夏、千冬、鈴音、セシリア、アームストロング、ゴリラ、子分メイド
とまぁ、いつもの(?)面子である。
「では、これより地球防衛軍緊急幹部会を始める!」
「何でこんな(馬鹿げた)事に・・・」
千冬の言葉にセシリアは机に突っ伏して嘆く。
そう、賢明な読者諸君は覚えているであろう。
数話にかけて放ったらかしだった
「ねぇ、会議そのものをどうこう言うつもりは無いけどさ・・・これだけは言わせて欲しいの・・・」
開始早々、真っ先に口を挟んだのは鈴音だ。
「・・・何でそれを私の家でやらなきゃいけないのよ!?場所ぐらい他にもあるでしょうが!!」
なお、会場は鈴音の家である。
「だって、第一候補の一夏の部屋にしようとしたら、一夏が・・・
『あ゛?一生ビール抜きにされてぇのか?』
って言うんだもん!!」
「いい歳して何が“もん”よ!?この8浪女!!
私の部屋はビールより安いんかい!?」
「それは違う!私にとってビールの価値が高いだけだ!!」
「どっちみちタチ悪いわ!!」
開始早々もうグダグダである。
「おい、不毛な喧嘩してないで本題言えよ。
こんな(アホらしい)会議さっさと済ませて帰って晩飯の支度したいんだけど」
しかし、そこに一夏が睨みを利かせながら割って入り、強制的に話を切り替えた。
ちなみに、こんな馬鹿軍団に何故に一夏と鈴音の常識人が入っているかというと、
担任の山田真耶に『あの連中を野放しにしたらまずいから監視しといて欲しい』と頼まれたからである。
なお、見返りとして2人にはそれぞれ国立大学とスポーツ校への推薦を約束してもらった。
「む?すまん・・・。
議題というのはだ、実はこの地球防衛軍幹部会に追加メンバー・・・つまりは新幹部を入れたいと思うんだ」
『はぁ?』
思わぬ突飛な提案に、一同は声を揃えて首を傾げた。
「何でまた急に?」
「うむ、現状防衛軍幹部はだ、えーっと・・・・・・そいつ(子分メイド)を除けば、隊長であるセシリアを含めても6人。
6人だといまいち中途半端だろ?センターも作れないし。
どうせなら七福神や七人の侍みたいに、7人の方が縁起も良いと思ってな」
「そ、そいつ・・・?」
「な、なるほど・・・たしかに。
突飛な提案の割に普通な理由ですわね」
「けどさ、それなら・・・あー、えっと・・・・・・その娘が7人目の幹部で良くない?」
「そ、その娘?」
「彼女の場合、セシリア直属のメイドだからなぁ・・・幹部とは別格だろ?
それに、子分が幹部ってのも締まりがないよなぁ」
「彼女!?子分!?」
「よし、明日から皆で新メンバー探しだ!」
思った以上に会議はスムーズに進み、千冬達は席を立って解散しようとするが・・・。
「ちょっと待って!!」
「ん?どうした?」
そこに待ったをかける人物・・・子分メイドである。
「アンタ達さっきから私の事をそいつとかその娘とか言ってるのは何なのよ!?
まさかとは思うけど、私の名前知らないなんて言わないわよねぇ!?」
『・・・・・・ごめん、知らない』
子分メイド・・・本作オリジナルキャラである彼女は未だ名前が明かされてなかったりする。
「嘘でしょ!?もう編入から1ヶ月以上経ってるのに!!」
「正直興味無いからな」
「酷っ!!お、お嬢様!お嬢様なら知ってますよね!?
私メイド長のチェルシーさんより付き合い長いんですから!!」
縋るようにセシリアを見詰める子分メイド。
そんな彼女にセシリアは・・・
「・・・」
気まずそうに目を逸らし、そして・・・
「ご、ごめんなさい・・・忘れましたわ」
「・・・・・・」
希望は無残に打ち砕かれ、子分メイドは真っ白に燃え尽きたのであった・・・。