「ではこれより第一回地球防衛軍女子会を始める!」
クラッカーの鳴る音と共に、千冬のテンションの高い声が鳴り響く。
今日は連休を利用し、女子メンバー達による女子メンバーのためのお泊まり女子会だ。
「こういう時だけは私の家じゃないのね。全然構わないけど」
「パーティーとなればやはり高貴な場所でなければなりませんからね。
ならばやはり財閥令嬢たるこの私の家こそ相応しいのですわ」
なお、今回の会場はセシリアと子分メイドの家(オルコット家所有・都内一等地の高級マンション)の空き部屋である。
「それにしてもセシリアの家って凄いね。こんな高級マンション持ってるなんて。
おまけに出前の代金まで持ってくれるなんて、
流石高貴なお嬢様だよね(棒読み)」
「やっぱり持つべきものは金持ちの友達よねー。
今日のアンタは輝いて見えるわ。未来の英国女王間違い無し(棒読み)」
「おーーーほっほ!そうでしょう!そうでしょう!!
やっと下々のあなた達にも私の偉大さが解ったようですわね!」
シャルロットと鈴音の明からさまなお世辞にセシリアは普段以上に調子に乗る。
(お嬢様、アンタって人は・・・金蔓にされてるのにも気付かないで)
そんなアホ主人を見て内心嘆く子分メイド。
だが、だからと言って自分が金を集られるのは嫌なので黙認してる辺り彼女も相当だが。
「よし!じゃあ早速女子会のお約束、恋話から行ってみよう!」
馬鹿騒ぎもそこそこに、纏め役の千冬がいきなり話題を振った。
「恋話って、アンタからそんな話題が出るなんて意外ね」
「失礼な。私だって女だぞ!その他の話には興味津々だ!!」
【意外だ・・・】
普段からズボラ、破天荒、馬鹿、間抜けを絵に描いたような存在で女らしさなんて外見以外皆無の千冬の思わぬ一面に室内は一瞬沈黙に包まれる。
「よし!まずはお前からだセシリア!!」
「へ?私ですの?」
だが、そんな沈黙も意に介さない千冬に指名されたのはセシリアだった。
「私は、今の所特定の殿方とのお付き合いはありませんわ。
たまにお母様やお父様のお知り合いの縁者の方から縁談(お見合い)はあったのですが・・・。
皆さん私の高貴さに圧倒されて自分から身を引いていきましたわ。
身の程を弁えた方々ですわ。尤も、美しすぎる私にも非はありますが」
【絶対違う・・・。それアンタの性格にドン引きして逃げただけだから】
ドヤ顔で語るセシリアに、千冬を含めた全員が破談の原因を正しく理解した。
高慢ちき、唯我独尊、自己中、ナルシスト、選民思想、バ金持ち・・・挙げればキリの無いセシリアの短所。
余程のドMでもなければこんな女絶対無理だろう。
少なくとも俺(筆者)的には絶対無理!!
ちなみにメンヘラも無理・・・実際付き合って怖い思いをしたので。
ごめんなさい、話が逸れました。
「セシリアはフリーか。じゃあ次はシャルロット」
「ボク?僕 ボクはフリーだけど、彼氏募集中だよ。
顔は余程のブサイクでなければ良いし、性格良くて学歴は一般並みで、ちゃんと働いてくれればOKかな?」
「へぇ・・・意外ね。ナルシストなアンタの事だから、男の理想とか滅茶苦茶高いと思ってたのに」
「失礼な。そりゃボクの美しさは別格だけどさ。
それはボクが別格なだけで、それ以下の一般的なレベルは理解してるよ。
大体、ボクと同格の容姿の男性を探してたら、それだけで20年は掛かっちゃうよ」
「あ、そう・・・」
相も変わらずナルシスト全開な態度だが、意外な所で常識的?な答えに顔を痙攣らせながらも鈴音は納得した。
「あ、でも好みのタイプは勿論いるよ。
真っ直ぐで正義感の強い江戸っ子な人が良いな。この前テレビのパチンコ番組で見た大工の源さんみたいな」
「・・・うん、一夏と一緒にパチンコ屋行ってきなさい」
シャルロットは自分の容姿以外には割と常識的なのである。
その落差に鈴音は思考を放棄した。
「じゃあ次は・・・鈴!お前、最近彼氏とは上手くいってるのか?」
「・・・えぇ、上手くいってるわよ。“弾とは”ね」
千冬からの問いに鈴音は憂鬱そうな表情で答えた。
「上手くいってる割には浮かない顔ね?」
「
ただ、向こうの家族がね・・・」
子分メイドの疑問に、鈴音は憂鬱な表情を徐々に怒りに染め、グラスを握る手に血管が浮き始めた。
「向こうの家族、特に弾の爺さんと妹・・・あの二人、私達の関係猛反対してんのよ。
妹はとんでもねーブラコンでさ、私の事『貧乳雌豚泥棒パンダ』呼ばわりした挙句、隙あらば弾に夜這いしようとして、結果弾はわざわざ学校の寮に入る羽目になって・・・。
そしてあの耄碌ジジイ!アイツが交際反対する理由がふざけ過ぎてる!!
アイツ、私のお父さんに10年前に料理大会でボロ負けした事を未だに恨んでて、それが理由で交際反対って!ふざけんじゃないわよ!!
しかも、負けた事を恨むだけならまだしも、『あの時負けたのはテメーが不正しやがったからだ!』ですって!?
何寝言抜かしてんのよ!?アンタの野菜炒めなんかお父さんの青椒肉絲と比べりゃ月とすっぽんでしょうが!
言っとくけど亀の鼈じゃないわよ!トイレのスッポンの方だからね!!
ア゛ア゛ぁぁぁぁーーーーっ!!!!」
『ヒィッ!?』
誰しも地雷というものがある。
普段から常識人でツッコミ役というフラストレーションの溜まり易いポジションな鈴音にとって、それはまさに特大の地雷だったのだ。
「で、では千冬さんはどうですの?
言い出しっぺなのに自分の事はまだ言ってませんでしてよ」
「そ、そうだな。まぁ私の彼氏となる男はもう決まってるがな」
「嘘!?彼氏候補いるの!?」
「当然だ。私を誰だと思っている?」
『留年8回の馬鹿』
ドヤ顔の千冬に皆(鈴音含む)の声が見事にハモった。
「き、貴様ら・・・まぁいい、とにかく私の彼氏候補は頭も顔も良くて、私が馬鹿やったらちゃんと叱ってくれる。お前らも良く知ってる男『もしかしなくても一夏でしょそれ』・・・最後まで言わせろよ」
「ハァ!?アンタ実の弟に何つー感情抱いてんのよ!?」
「流石にあり得ませんわ」
「ココにもブラコンがいたなんて・・・」
「えぇい!何を言うか!!筆者の別作では私と一夏は姉弟の柵を乗り越えて結ばれたんだぞ!!」
メタ発言はやめて下さい。それに本作において幻想郷は存在しません。
「盛り上がってる所悪いけどさ、一夏・・・彼女いるよ?」
「え・・・?」
シャルロットの思わぬ発言に、一同は暫し沈黙し、そして・・・
「嘘ぉっ!?」
「天変地異の前触れ!?」
「そんな馬鹿な!私も知らなかったぞ!?」
「本当だよ。僕のモデル仲間で、芸能事務所の先輩なんだけどさ。
4年ぐらい前に海でチンピラに絡まれてたのを助けられたのがきっかけなんだって。ねぇ、鈴?」
「うん。友達の誘いで皆で海に行ってさ。
その時にナンパされてたのを助けてね。
その女の人4歳年上なんだけどさ、当時小6だった一夏とお互い一目惚れしちゃって、未だに一夏とはラブラブで、今ではもう一夏が高校卒業したら結婚しようって約束してるのよ。
一夏も既にデイトレードで結婚資金稼いで用意してるし。
それにしても、シャルの事務所の先輩とは驚いたわ」
『・・・・・・』
シャルロットと鈴音からの爆弾発言の連続にセシリアと子分メイドは開いた口が塞がらず、千冬に至っては真っ白になってしまった。
「さ、4年も?私・・・全然知らなかったんだが・・・」
「話がややこしくなるから黙ってたんじゃない?」
「でしょうね、前に『千冬姉には正式に結婚が決まってから言う』って言ってたし」
「・・・・・・うわぁぁ〜〜〜〜ん‼︎(号泣)」
溺愛する弟に婚約者がいたという残酷(?)な真実に、千冬はただただ泣く事しかできなかなった。
その後、女子会は千冬の慰めパーティーに変わったのだった。
「あの、私も彼氏いるんだけど・・・」
なお、子分メイドの彼氏や恋話を出す予定はありません。
「チクショォォーーーーッ!!!!」
おまけ
その日の夜
都内某所のラブホにて・・・
「一夏くん、早く来てぇ・・・」
「何だよ、今日は積極的だな?」
「だって、久しぶりに休み重なったんだから、
こういう時ぐらい思いっきり甘えたいんだもん」
「ったく、どっちが年上か分からないな。
・・・良いぜ。その代わり、今夜は寝かさないぜ
その女性・・・自身の恋人、海野真凛を引き寄せ、唇を奪いながら、一夏は彼女をベッドに押し倒したのだった。
この後滅茶苦茶S○Xした!!
登場人物紹介
マスクド・L・篠ノ之(ラウラ・ボーデヴィッヒ)
元ドイツ軍の兵隊(階級は兵長)。ポジションはマスクド竹之内。
自身の間抜けなミスが原因で国外追放となり、世界中を放浪した挙句日本に流れ着き、ハイジャックを画策するも、紆余曲折を経てアメリカに取り残された箒の影武者としてマスクを被って学園に通う事になってしまった。
本人は自分をまともな常識人だと思っているが、実際の所は他の生徒と大差ないバカ。
クラリッサ
ラウラの元部下。ポジションは相棒マスク。
ラウラと同様のミスで国外追放に処された。
現在は束が買収した闇金(超ブラック企業だった)の地下労働所で働いている。
海野真凛(うみの まりん)
オリキャラ。
一夏の彼女で現在大学2年生。年齢は20歳。
シャルロットのモデル仲間で芸能事務所の先輩。
その手の業界の人間としては珍しい裏表のない天真爛漫で明るい性格。
一夏とは交際3年目にして常に相思相愛で、普段腹黒な一夏も彼女に対しては甘い。
既に結婚の約束もしている。
外見及びモデルはパチンコでお馴染み『海物語』『ギンギラパラダイス』シリーズの主役・マリンちゃん。