魁!!インフィニット・ストラトス   作:神無鴇人

28 / 44
今回はバトル成分多めです。


刀奈の意地!見せろ必殺拳!!

潜水艦争奪サバイバルマッチ第3戦。

意気込んで出陣した刀奈だったが・・・

 

「豪波動拳!」

 

「ぐへぇっ!!」

 

やはり相手が悪く、試合開始から約10秒、豪鬼の両掌から放たれた気弾に、刀奈はなす術なく吹っ飛ばされた。

 

 

 

「お、お嬢様・・・何と、痛ましい・・・」

 

「お姉ちゃん、今回ばかりは負けても責めたりしないからね・・・」

 

「っていうか、気って飛ばせるものなのですの!?」

 

「飛ばせますよ」

 

心配そうな表情で刀奈を見る虚と簪を他所に、格闘漫画のような技が繰り出される光景にセシリアがツッコミを入れるが、その疑問の声に真耶が答えた。

 

「え?」

 

「そうだよ。私も接近戦向けの技だけど出来るし。

一夏君と山田先生は結構遠くに飛ばせるよね?」

 

「ええ、マスターズ通信空手で習いましたから、こんな風に・・・波動拳!」

 

驚くセシリアに解説する簪と、それを実践してみせる真耶。

ちなみに真耶が飛ばした気弾は・・・

 

「ぐぼぁっ!?」

 

海から這い上がろうとしていたおそ松に直撃し、再び彼を海に叩き落とした、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「な、何が豪波動拳よ・・・。

気を飛ばすなんて私だって!!」

 

吹っ飛ばされながらも立ち上がり、刀奈は先程の技に対抗意識を燃やして身構える。

 

「ぬ!?」

 

「アンタが両手なら、私は片手で撃ってやるわ!」

 

思わず目を細める豪鬼を他所に刀奈は右手に気を集中させ、そして・・・

 

「食らいなさい!これが刀奈流の・・・波動拳!!」

 

渾身の力を込めて右手から放たれた刀奈版波動拳。

その気弾は力強い光を放ち、そして・・・

 

 

 

【PON!】

 

 

 

刀奈の手元から数cm飛んだ所で、気弾は音を立てて霧散してしまった。

 

「・・・へ?な、何で飛ばないの!?」

 

「アホか!?気を練って飛ばすなんて芸当、練習無しの見様見真似で出来るわけ無いだろうが!?」

 

「まぁ、見様見真似で気を練っただけでも凄いですけど・・・」

 

「茶番は終わりか?」

 

「ちょ、待っ・・・『豪昇龍拳!』モンギャアァ!!」

 

呆然とする刀奈に強烈なアッパーカットと膝蹴りを複合した一撃かぶち込まれた。

 

「ぐへぇっ!!」

 

ギャグも冗談も皆無なその一撃に吹っ飛ばされ、刀奈の体は宙を舞い、マットに沈んだ。

 

「笑止・・・!雑魚めが・・・」

 

無様にマットに倒れる刀奈に背を向け、去ろうとする豪鬼・・・だが。

 

「ま、待ちなさいよ・・・!」

 

「何?」

 

何と!刀奈は生きていた!!

豪鬼を睨みつけながら、ロープを掴んで立ち上がり、身構える。

 

「か、簪ちゃんに虚ちゃん、本音ちゃんが見てるのに、何も出来ずに負けるなんて、私のプライドが・・・許さないのよ!!」

 

「ぬぐっ!?」

 

刀奈の意地を込めた反撃の(パンチ)が、豪鬼の顔面に叩き込まれ、その身体を僅かに揺るがせた!

 

「ぬぅ・・・フフフ、面白い!」

 

ここで初めて表情を変え、獰猛な笑みを浮かべる豪鬼。

刀奈のパンチに応えるように自らも技を使わず拳で応戦する!

 

「でやあァァァッ!!」

 

「憤っ!憤っ!!」

 

互いに防御を捨てて打ち合う刀奈と豪鬼。

だが、やはり地力の差は大きく、刀奈のダメージは目に見えて大きくなる。

 

「が、はっ・・・(な、なんて重いパンチなの?これ以上打ち合えばこっちが負ける・・・それなら!!)」

 

何を思ったのか、刀奈は突然仰向けに寝転がった!

 

「ヘイ、come on!!」

 

 

 

「あ、アレは!あの体勢は・・・!」

 

「知ってるのか一夏?」

 

何かに気付いた一夏に対し、刀奈の真意を理解出来ていないラウラが疑問の声を上げる。

 

「・・・伝説の、『ア○vs猪○戦法』だ!!

その昔、有名なアメリカ人ボクサーを相手に、有名日本人プロレスラーが使った戦法。

仰向けに寝転がるような体勢でボクサーの強力なパンチを封じつつ、その体勢からローキックを繰り出すという戦法だ」

 

「おお!ならば奴のパンチを防ぐ事が・・・ん?ちょっと待てよ・・・」

 

一夏の解説に一瞬感心したラウラだったが、『ある事』に気付く。

 

「そうだ。アレは確かにボクサーには有効だ。しかし・・・」

 

 

 

「ほら、どうしたの?打てるもんなら打ってみなさいよ!?」

 

そんな一夏の懸念も知らず、刀奈は良い気になって挑発を繰り返し、そして・・・

 

莫迦(ばか)かお前は?」

 

「ぶげえぇぇっ!!?」

 

豪鬼に顔面を踏みつけられた。

そう、この戦法・・・真剣勝負では全くの無意味だった!!

 

 

 

「あの女・・・底抜けの阿呆だ」

 

一夏が呆れ混じりに呟いたその言葉に対し、その場にいた全員誰も否定しなかった。

 

 

 

「愚か者めが・・・」

 

今度こそトドメを刺し、リングを降りようとする豪鬼。

 

 

 

 

 

 

 

 

だが・・・

 

「ま、まだまだぁ・・・」

 

「何・・・!?」

 

「ま、まだ負けてないん、だから・・・!!」

 

それでもまだ刀奈は倒れない!凄まじい生命力と執念で三度立ち上がった!!

 

「・・・なるほど、その才と執念は本物という事か。ならば!!」

 

ボロボロになっても立ち上がり続ける刀奈の姿に豪鬼は何かを認めたように真剣な表情を浮かべ、ゆっくりと身構える。

 

「しかと受け止めよ!・・・滅殺!!」

 

流れるような動きで一気に間合いを詰め、そして・・・!!

 

「一瞬千撃!!」

 

「ガハアァァッッ!!!!」

 

刀奈の胸ぐらを掴むと同時に繰り出されるは無数の乱撃!!

一瞬千撃の言葉通り、圧倒的な手数と力を以って刀奈を叩きのめした!!

これぞ豪鬼の奥義『瞬獄殺』だ!!

 

「ガ・・・ぁ・・・・・・」

 

それで全てが終わった。

僅かな呻き声を上げた直後、マットに力無く倒れ伏したのだった。

 

「も、もう勝負ありです!十四松さん、早くゴングを!!」

 

「う、うん!」

 

 

潜水艦争奪サバイバルマッチ 第3戦

刀奈 VS 豪鬼

 

豪鬼、勝利!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お姉ちゃん!!」

 

「お嬢様!!」

 

ズタボロになった刀奈を心配して駆け寄る簪と虚。

そんな二人に豪鬼は静かに近づき口を開く。

 

「案ずるな・・・死にはしない。

その娘が目を覚ましたら伝えておけ。

“貴様の才・・・無駄にするな。手も足も出ず負けて屈辱ならば、強くなれ”とな『あ、当たり前よ・・・・・・!』・・・む?」

 

豪鬼からの言葉に気絶していた筈の刀奈が目を覚まし、弱々しくも声を出す。

 

「つ、次は絶対・・・もっと強くなって、アンタなんかやっつけてやるんだから・・・!!」

 

悔し涙を流しながら、刀奈は妹と従者に抱えられて退出していく。

これより数ヶ月後、刀奈はある道場に入門する事になるが、それはまた別の話・・・。

 

「フフフ・・・愚者でありながら、高き才を持つ若人か・・・フハハハハハ!!」

 

そんな刀奈の闘志に、豪鬼は笑う。

まるで、何かを期待をするかのように・・・。




潜水艦争奪サバイバルマッチ 現在1勝2敗。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。