魁!!インフィニット・ストラトス   作:神無鴇人

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前回までのあらすじ

セシリアの大チョンボで1勝3敗に追い込まれたIS学園チーム。
一方で亡国機業チームのリーダー・スコールもまた、自らの間抜けなミスでメンバーを一人退場させてしまった。

IS学園チームのピンチと主の失態を挽回すべく、透が三将としてリングに上がった!
対する亡国側は凄腕アマチュアボクサー、美樹露蛇明日(通称ロジャース)だ!


奮戦!オルコット・ファミリー!!(後編)

「ヘイ、ボーイ!俺様のパンチを避けられるかな?」

 

リングに上がった14歳の少年、透に余裕綽々な態度で挑発するロジャース。

そんな対戦相手に対し、透は冷静な表情を崩さず、眼鏡を外しながらロジャースを見据える。

 

「ご心配なく。若輩とはいえ、これでもプロです。

アマチュア如きのパンチに倒される程、柔な鍛え方はしていませんよ」

 

「ハッ!ガキの癖に嘗めた口を叩くじゃねぇか!?」

 

挑発返しにも見下した態度を変えず、その拳を素振りで見せ付けるロジャース。

その空を切るパンチは観戦する者達を騒然とさせる。

 

 

 

 

 

・ ・ ・ ・ ・

 

 

 

 

 

「す、凄いパンチ・・・」

 

「あぁ。私が倒したオータムは勿論、おそ松を倒した大男や、刀奈のパンチより鋭いな。

流石に豪鬼程の威圧感は無いが、それでも強敵には違いないぞ」

 

戦慄するシャルロットと、冷静に分析する箒。

しかし、そんな中で笑みを浮かべる少女が一人・・・。

 

「問題無いわ。この勝負・・・透の勝ちよ!」

 

透の彼女である子分メイドは不敵に笑いながら、そう宣言した。

 

 

 

 

 

・ ・ ・ ・ ・

 

 

 

 

 

『試合開始!』

 

クロエの宣言と同時にゴングの音が鳴り響く。

 

「ヘッ!テメェみてーなチビガキに本気もクソもねぇ・・・。

一発で優しくK.O.してやるぜ!オラァッ!!」

 

「ッ!」

 

開始の合図と共に踏み込むロジャース。

その鋭いパンチが透の顔面・・・額に叩き込まれた!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ギギャアアアアアアッッッッ!!」

 

耳をつんざくような大声を上げながらリングの上を一人の男がのたうち回る。

透ではない・・・殴った筈のロジャースが苦悶の表情を浮かべてマットの上を転がっていた。

左手で押さえられているのは先程パンチを放った右手・・・その指がありえない方向に曲がっているのだ。

 

その光景に観戦者達の大半が驚きと疑問の入り混じった表情を浮かべる。

 

「やっぱり、アナタはアマチュアですね。

素手でのパンチを額で受け止め、逆に砕くカウンター・・・ストリートファイトでは当たり前の戦法ですよ?」

 

「が、あ・・・ァ・・・ば、馬鹿な!?」

 

『あ、有り得ないわ!ロジャースのパンチは【鉄の拳(アイアン・ナックル)】と呼ばれる程の破壊力!

額で防御しようものなら、逆に頭蓋骨がひび割れる筈よ!?』

 

「鉄の拳・・・ですか?」

 

思わず通信越しに声を荒げるスコール。

それに対して透は不敵に笑い、ロジャースへと近付きながら口を開いた。

 

「Mr.ロジャース・・・アナタのパンチが鉄・・・モース硬度で言えば硬度4ならば、

僕の頭突きは・・・硬度10!ダイヤモンド級のヘッドバットです!!」

 

「だ、ダイヤモンド・・・だと?」

 

「そしてもう一つ。僕は、アナタと違って優しくK.O.なんて出来る程、器用ではありませんよ・・・!」

 

普段の中性的で穏やかな表情は、もうそこには無かった。

そこにあるのは好戦的、しかし同時に無機質で敵を倒すマシーンと化した男の目だった。

 

「ふ、ふざけんじゃねぇーーーーッ!!」

 

激昂しながらロジャース無事な左手でパンチを繰り出す。

いや、それだけでは無い・・・右足で透の足を踏みつけて固定し、更には負傷した右手の代わりに右腕の肘でエルボーを織り交ぜたラッシュ!

ボクシングならば即反則負け必至のルール無用の猛連撃だ!!

 

「オラオラオラオラオラァッ!!」

 

「だ、か、らぁ・・・!」

 

凄まじい連打を浴びながらも、まるで気にする事無く、透はロジャースのラッシュを弾き返し、そして・・・

 

【ベキィッ!!】

 

「ガアアアアァァァッ!!!!!」

 

お返しとばかりにロジャースの足の骨を踏み砕いた!!

 

「そこがアマチュアだって言ってるんですよ。足踏みつけるなら、踏んで押さえつけるんじゃなくて、足の骨砕いてやらなきゃ。そして・・・」

 

足を潰され、動く事も儘ならないロジャースの顔面目掛けてパンチを繰り出す!

何度も、何度も!!

 

「グエッ!アガッ!!グガァッッ!!」

 

「やるなら徹底的に、トドメは確実に・・・刺す!!」

 

そしてトドメの膝蹴りを顔面にぶち込み、ロジャースの頭部を膝とコーナーポストで挟み込むようにして叩き付けた!!

 

「ゲ・・・・・・が・・・・・・」

 

「・・・まだ意識ありますか?」

 

「ひ・・・お・・・・・・おでの、まげだ・・・た、助けて・・・」

 

完全に戦意を喪失し、ロジャースは這うようにリングから降りていく。

そんな彼に対して透は・・・

 

「待て・・・!」

 

「ひっ!?」

 

立ち塞がるように前に出て耳元に顔を近づけ、静かに口を開いた。

 

「念のために言っておきますけど、逃げる振りして不意打ちとかしたら、どうなるか分かりますよね?」

 

「し、しません!もう許じでぐれぇーー!!」

 

執拗なまでの透の徹底ぶりに、ロジャースは情けない声を上げながら這う這うの体で母艦へと戻って行った。

 

 

 

潜水艦争奪サバイバルマッチ 第5戦

透・ジョーンズ VS 美樹露蛇明日

 

透、勝利!!

 

 

 

 

 

・ ・ ・ ・ ・

 

 

 

 

 

「よし!これで2勝だ!!」

 

「やりましたわね透!」

 

「だから言ったでしょ!流石私の透だわ!!」

 

「ちょっ、姉さん!?ひ、人前で抱きつかないで・・・///」

 

戻って来た透を子分メイドの熱烈なハグが出迎える。

 

「それにしても、圧倒的だったな・・・」

 

「そうでもありませんよ。彼の戦闘力は決して弱いものではありませんでした。寧ろ、攻撃力で言えば向こうが上でしたから、総合的には決して大差はありませんでした。

圧倒出来たのは、僕の持ち味である頑丈さが彼のパンチ力を大きく上回って先手を取って主導権を奪えたからです。

残り二人は敵のツートップ・・・油断はしないでくださいね」

 

真剣な表情で亡国機業チームを睨む透。

そんな彼に応えるように、ある人物が前に出る。

 

「心配するな!こっちにだって、私と一夏が控えているんだ!次は私が決めてやる!!」

 

副将戦に名乗り上げるは千冬。

仲間達に見送られながら、意気揚々とリングイン!

 

 

 

そして亡国機業側は・・・

 

 

 

 

 

「フフフ・・・ようやく戦えるなぁ。織斑千冬・・・!」

 

仮面の少女、M。

仮面越しにも分かる程に恍惚な笑みを浮かべてリングへと上がり、千冬と相対した!

 

 

 

 

 

・ ・ ・ ・ ・

 

 

 

 

 

「戦う前に、少し言いたい事がある。まずは・・・」

 

リングで千冬と向き合いながらMは徐に被っていた仮面に手を掛け、それを取り外す。

 

「な!?」

 

そこにあったのは千冬そっくりな顔だった。

それこそ瓜二つと言える程に。

 

「自己紹介しておこう。初めまして、私の名はマドカ。

織斑千冬・・・貴様をベースとした強化クローンだ」

 

「く、クローン・・・クローンって、何だ?」

 

マドカの口から語られる衝撃の事実・・・の筈なのだが、千冬には理解出来なかった。

 

「やはり聞いてた通りの馬鹿か?まったく、こんなのが自分のオリジナルとは情けない・・・。

まぁいい、肝心なのは其処じゃあない」

 

一瞬呆れた様に肩を竦めるM改めマドカだが、不意に千冬を指差しながら真剣な表情を浮かべる。

 

「織斑千冬!この勝負に私が勝ったら、潜水艦だけでなく、ある男も頂く!!」

 

「ある男?ま、まさか一夏をか!?ダメだ!一夏は絶対渡さんぞ!!」

 

思わぬ宣言に千冬は若干焦りながら反論するが・・・

 

「勘違いするな!貴様の弟などに大した興味はない。私が欲しい男は・・・」

 

 

 

マドカが恍惚の目で向き直った、その先にいた男、それは・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「私が欲しいのは、お前だ!!」

 

「ンゴッ?」

 

マドカが指差した先にいたのは、何と御手洗数馬(ゴリラ)だった!!

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・は?お前、何の冗談だそれは?」

 

「冗談ではない!!あの剛毛に覆われた身体、逞しい顔と胸板・・・。

途轍もなく、最高に・・・・・・私好みの男だ・・・ハァハァ・・・・・・!!」

 

涎と鼻血を垂らしながら息を荒げるマドカ。

そう、彼女は・・・ケモナーだったのだ!!

 

「抱かれたい・・・!あの毛むくじゃらの身体で私を犯して『オイ・・・!』何だ!?今妄想が良い所なん、グエェェッ!!!!」

 

悦に浸るマドカの顔面に千冬のパンチがぶち込こまれた!!

 

「私と同じ顔で、ふざけた事をほざくな!この、変態が!!」

 

 

 

潜水艦争奪サバイバルマッチ 第6戦

織斑千冬 VS マドカ

 

試合開始!!




登場人物紹介

透・ジョーンズ
戦闘シーンが描かれたので改めて紹介。
オルコット家お抱えのSP部隊出身で、子分メイドの彼氏。
凄まじくダイヤモンドの如く頑丈な肉体と敵は徹底的に叩き潰す鋼の精神の持ち主。
並の攻撃では彼にダメージを与える事は至難の業。



豪鬼
ストリートファイターシリーズに登場する武闘家。
厳密には亡国機業所属ではなく、雇われの傭兵に近い。
何故彼の様な人物が亡国機業に雇われているかは不明。


美樹露蛇明日
通称ロジャース。
亡国機業所属に所属する凄腕のアマチュアボクサー。
元ネタは龍虎の拳に登場するミッキー・ロジャース。
切れ味鋭いパンチ力を持つが、透はには通用しなかった。
終始圧倒されていたが、透曰く見た目ほど実力差は大きくはないようで、油断せずに上手く戦えば善戦ぐらいは出来ていたらしい。



現在までの戦績
先鋒 箒○ー×オータム
次鋒 おそ松×ー○めっちゃ強そうな人
五将 刀奈×ー○豪鬼
中堅 セシリア×ー○ささみ肉
三将 透○ー×ロジャース
副将 千冬ーマドカ ←今ココ
大将 ?ー?

IS学園チーム 2勝3敗
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