魁!!インフィニット・ストラトス   作:神無鴇人

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前回までのあらすじ
おそ松、刀奈、セシリアと、3連敗を喫して後が無くなったIS学園チーム。
しかし、透の活躍によって2勝目を決め、2勝3敗に巻き返した!

続く副将戦、IS学園チームは初代ブリュンヒルデ・千冬が出陣だ。
対する亡国機業からは千冬の強化クローンにして、変態ケモナーのマドカが参戦。

果たして勝利はどちらの手に?
そして、マドカに貞操を狙われる数馬(ゴリラ)の運命や如何に!?


千冬覚醒!黄金のスーパーヒロイン!!

開始早々に千冬がツッコミを入れるという普段なら滅多にない光景から始まった副将戦。

顔面にパンチを喰らい、よろけるマドカだが、すぐに踏み止まり、口に溜まった血を吐き捨てながら千冬に向かい合う。

 

「ほぅ、流石にパワーは凄いな?私より上を行っている。

だが、力任せ過ぎるぞ。パンチに体重がまるで乗っていない。

聞いてた通り力だけのウドの大木だな」

 

「何だとぉっ!?」

 

まるで堪えてないように不敵に笑うマドカの挑発に千冬は憤慨し、腕をブンブンと振り回しながらマドカに殴り掛かる。

 

「これならどうだ!?スペシャルウルトラデリシャスダイナミック千冬パーーンチ!!」

 

「予備動作も名前も長すぎだ!」

 

「グボァっ!?」

 

哀れ、千冬の必殺パンチはマドカのミドルキックによって不発に終わった。

 

「言ったはずだ。私は貴様をベースに生み出された強化クローン。

貴様は身体能力こそ脅威だが、それを活かす知力が低過ぎる!

そこで私を製造した科学者は過剰過ぎる身体能力を削り、それでも十分高い身体能力を最大活用出来るだけの頭脳を有した至高の戦士として生み出された!!その証拠に・・・」

 

「グガッ!!」

 

「ククク・・・怪力馬鹿の貴様にこんな関節技(サブミッション)は使えんだろう?」

 

まるで蛇の様に千冬の身体に手足を絡め、首を絞めつつ脚を足でロックする。

柔道で言う所の裸絞めだ。

 

 

 

 

 

「う、嘘!?千冬さんが・・・仮にも初代ブリュンヒルデの千冬さんが簡単に手玉に取られるなんて!?」

 

「まずいぞ・・・あの絞め技、完璧に極まってる。あれはとても逃げられん!」

 

まさかの千冬劣勢に驚くシャルロットとラウラを始めとしたIS学園チーム。

そんな様子にマドカは満足げな笑みを浮かべる。

 

「どうやら早くも勝負有りのようだな?数馬といったか、あのゴリラ?

フフフ・・・待ってろよ、このオリジナルと呼ぶのも恥ずかしい恥晒しを片付けたら、たっぷり愛し合い、いずれは挙式を挙げようじゃないか」

 

「ンゴォッ!?ウゴウゴウゴウゴ!!」

【訳・待って!?いきなりそんな求愛されても、僕どうすれば良いか分からないよ!!】

 

鼻息も荒く数馬(ゴリラ)を見てウィンクするマドカ。

そんな変態女に求愛され、数馬は狼狽している。

 

「ぐ、ぎ・・・貴様ぁ!この、ド変態があァァァッ!!!!」

 

「何!?」

 

何と、絞め落とされるかと思われた千冬は無理矢理立ち上がり、力任せにマドカを引き剥がし、そのままコーナーポストに投げ飛ばした!!

 

「な、何てパワーだ・・・グハァッ!?」

 

思わぬ反撃に狼狽え、コーナーに叩きつけられたマドカ。

すかさず千冬は追撃を加えようと殴り掛かる!!

 

「まだまだぁっ!!」

 

「っ!嘗めるな!!」

 

しかし、マドカも黙ってはいない。

服の中に隠したフック付きのワイヤーを発射した!

 

「何!?」

 

「武器使用禁止なんてルールは無いからなぁ!」

 

「くっ!」

 

間一髪回避した千冬。しかし、その隙をマドカは見逃さず、ある構えを取る。

 

「あ!あの構えは!?」

 

刀奈が思わず大声を上げる。その構えは忘れもしない、先の戦いで散々煮湯を飲まされた、あの技と全く同じ構えだった。

 

「波動拳!!」

 

「ガハァッ!!」

 

隙だらけになった千冬の身体にマドカの波動拳が叩き込まれた!

 

 

 

 

 

・ ・ ・ ・ ・

 

 

 

 

 

一方、マドカが先程発射したフック付ワイヤーの行方はと言うと・・・。

 

「さーて、ぷーちゃん達、そろそろオヤツの時間だぞ〜〜。ん?」

 

ペットの犬達にオヤツをあげようとしていた作者・神無鴇人の服に引っ掛かり・・・。

 

「のわぁ〜〜!?何だこりゃあ!?」

 

「あ、兄ちゃんが飛んでっちゃった」

 

そのまま釣り上げられ、マドカの下へ飛んでいってしまった。

 

 

 

 

 

・ ・ ・ ・ ・

 

 

 

 

 

「と、鴇人!?」

 

「何だ?訳の分からん奴が釣れたが・・・まぁ良い!このままコイツも貴様に叩き付けてやる!!」

 

思わぬハプニングに一瞬面食らうが、マドカはそれをも攻撃に利用しようとする。

だが、しかし・・・!!

 

 

【ガシッ!!】

 

「な、何!?」

 

「(ニヤリ)・・・作者の俺を武器に利用出来ると思ったか?」

 

何と、鴇人は千冬に激突するのを回避し、逆にマドカにしがみついて空宙へと跳び上がった。

 

「は、離せ!何をする気だ!?」

 

「と、鴇人・・・お前、何を!?」

 

「・・・さよなら、ちーさん。どうか死なないで!」

 

「誰がちーさんだ・・・って、違う!鴇人、やめろ!鴇人ぉーーーーッ!!」

 

【ドッゴォーーーン!!】

 

眩い光を放ちながら、鴇人はマドカを巻き込んで自爆した!!

 

「あ・・・あ・・・と、鴇人ぉーーーーッ!!」

 

まさかの作者自爆・・・そして、爆炎が晴れた先には。

 

「ふぅ、ビックリさせやがって」

 

全くの無傷だった・・・・・・鴇人の方が。

 

「お前が無事なのか!?」

 

「当たり前だ、俺は作者だぞ」

 

訳の分からん理屈でマットに着地した鴇人。何にせよ、結果的にこれで千冬の白星だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

と、思いきや・・・

 

「貴様、らぁ・・・!!」

 

「な!?」

 

何と、マドカは生きていた!!

怒り心頭とばかりに顔を阿修羅の如く憤怒に染め、両手には凄まじい密度の気を溜めて!!

 

「馬鹿な!不死身かコイツは!?」

 

「よくも舐めた真似を!もう許さんぞ!真空波動拳!!」

 

怒りの波動拳が千冬に襲いかかり、もうダメだと千冬が目を閉じた、その時・・・!

 

「うおぉぉっ!!!!」

 

突如、鴇人は二人の間に割って入り、千冬を庇い、その身で真空波動拳の直撃を喰らった!!

 

「が、はっ・・・ぶ、無事か?千冬・・・」

 

「と、鴇人!!」

 

自分を庇い、倒れる鴇人を抱える千冬。

それを見た鴇人は満足げに笑う。

 

「な、何で私を庇った!?お前はISアンチだろ!?特に私に対してアンチだと、いつも言ってたじゃないか!!」

 

「そ、そうさ・・・原作のお前や、他のクソヒロインみてーなお高く留まった奴なんて、男でも女でも大嫌いだ。

だ、だが・・・俺が書いた小説の、今俺の目の前にいるお前は原作とは違う。

・・・ヘッ、馬鹿な話さ。原作で嫌いなキャラを改変して書いてたら、そのキャラに愛着が湧いちまった何て、最低だ。アンチの風上にもおけねぇや。

だ、だが・・・お前らと共演出来た事、悪くなかった。

お前らと一緒に飲んだ酒は、美味かったぜ・・・。

 

し、死ぬなよ・・・勝て、千冬・・・」

 

激励の言葉を残し、鴇人は倒れた。

 

「フン!訳の分からん真似をするクソ作者が!すぐに貴様も同じ目に遭わせてやる!その男のようにな!!」

 

「その男のように・・・?

鴇人の事か?・・・・・・鴇人の事かぁーーーーッ!!!!」

 

マドカの言葉に爆発した千冬の怒り。

それに呼応するかの如く、千冬の身体に変化が生じる。

 

気が高まり、それを現すように髪は美しい金髪に染まり、続いて瞳が、爪が、更には目元と唇に塗られたアイシャドウとルージュ、全てが金色に染まっていく!!

 

「な、何だ!?その変化は!?」

 

「さぁな。私にもよく分からん。だが、これだけは言える・・・今の私は、貴様の何倍も強い!そして!!」

 

「グガァッッ!!」

 

目にも留まらぬスピードで千冬はマドカに近づき、マドカを殴り飛ばした!!

 

「貴様はもう許さんぞ!マドカ!!」

 

 

 

 

 

・ ・ ・ ・ ・

 

 

 

 

 

「な、何あれ?」

 

「恐らく、千冬姉の怒りによって高まった気が、全身を強化しているんだ。

金色なのは、たぶん千冬姉の中で『金=強い』というイメージが反映されたんだろうな」

 

「元々あの馬鹿げた身体能力です。潜在的な気の総量も相当なものでしょう。

それが肉体の強化という形で無駄なく発揮されているんです。これは、途轍もなく強力ですよ!」

 

本音の疑問に、いつになくシリアスな態度で解説する一夏と真耶。そして・・・

 

「アレこそ、千冬の真の力。それを発揮する形態、名付けて『黄金闘士(ゴールデンウォーリア)モード』だ!!」

 

締め括るように名付ける鴇人の声が響き渡った!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・鴇人、生きてたのか?」

 

「当たり前だ。作者がいないで誰が続きを書く?」

 

 

 

 

 

・ ・ ・ ・ ・

 

 

 

 

 

「クッ・・・!そんな虚仮脅しでぇっ!!」

 

千冬の変化に戸惑いながらも、マドカは反撃に転じ、千冬の顎めがけてアッパーをぶち込む!

だが・・・

 

「それが、どうしたぁっ!?」

 

「ば、馬鹿な!?ガァァァァッ!!!!」

 

顎に喰らった一撃など、まるで意に介さず、お返しに繰り出されたボディブロー。

咄嗟に左腕で防御したマドカだが、逆に防御した左腕が嫌な音を立ててへし折れ、更に防御の上からボディにもダメージが入り、胃液が逆流してマットに吐き散らかされる。

 

「終わりだ。今ので分かった筈だ。貴様は私には勝てない・・・!」

 

蹲るマドカに対し、勝利を宣言する千冬。

しかし、マドカの右手は千冬を掴み続けていた。

 

「ぐ、ぇ・・・と、取ったぞ!」

 

「っ!?」

 

不意に勝ち誇ったように吐き出されたマドカの言葉。

同時に千冬はある事に気付く。マドカの自身の腕を掴んでいた右手が素早く動き、自身の左手の小指を掴んでいた。

 

「まずい!指折りだ!!」

 

「如何に強靭な肉体とて、これには耐え切れまい!!」

 

箒の大声をあげるとほぼ同時にマドカは掴んだ小指をガッシリと握り締め、一本背負いの要領で小指を折りに掛かる!!

 

「フンッ!!」

 

「な!何ぃッ!?」

 

だが、折れない!マドカの全力を込めた指折りを千冬は小指一本の力で耐えたのだ!!

 

「これで、最後だぁーーーーッ!!」

 

そして、そのまま手を振り解き、マドカの体を抱えて後方へと跳び上がる!

 

「ジャンピング・バックドロップ!!」

 

「グガァッッ!!・・・カッ、は・・・・・・」

 

マットに強かに叩き付けられ、マドカは失神。

直後に千冬の勝利を告げるゴングが鳴り響いた!!

 

 

 

 

潜水艦争奪サバイバルマッチ 第6戦

織斑千冬 VS マドカ

 

千冬、勝利!!

 

 

 

 

 

・ ・ ・ ・ ・

 

 

 

 

 

「うおぉぉっ!鴇人ぉっ!無事だったんだなぁっ!?」

 

「あががが!ま、待て千冬、お前の今の馬鹿力で抱き締められたらヤバい!!」

 

「あ、すまん・・・」

 

戻って来て早々、鴇人の無事を確認した千冬は歓喜するが、まだ変身は解けないままだった。

 

「ところで、この変身どうやったら解けるんだ?」

 

「時間が経てばエネルギーが消費されて勝手に戻るんじゃね?(適当)」

 

「まぁ、これでお互いに3勝3敗で王手だ。

ラストは、俺が決めてやるぜ!!」

 

そして、遂に迎える大将戦!

IS学園チーム大将は主人公、織斑一夏!!

 

 

 

 

 

「やれやれ、まさか私が・・・直接出向く事になるなんてね!」

 

亡国側は幹部、スコール・ミューゼルが遂に出陣!!

 

 

潜水艦争奪サバイバルマッチ 第7戦(最終戦)

織斑一夏 VS スコール・ミューゼル

 

最終決戦の幕が開くまで、あと僅かだ!




※変身後の千冬のメイクはCRスーパー海物語 IN JAPAN 金富士バージョン(2ではなく1の方)に登場する金マリンちゃんを参照。

現在までの戦績
先鋒 箒○ー×オータム
次鋒 おそ松×ー○めっちゃ強そうな人
五将 刀奈×ー○豪鬼
中堅 セシリア×ー○ささみ肉
三将 透○ー×ロジャース
副将 千冬○ー×マドカ
大将 一夏ースコール

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