その主役は・・・
虚、魂の友
「ったく、何よどいつもこいつもリア充オーラ見せやがって・・・!!
何で私にゃ男が寄り付かないのよぉ・・・!!」
繁華街を肩を落として歩く1人の少女、布仏虚。
IS学園生徒会長にして世のリア充を妬む哀しき獣である。
今日も今日とて逆ナンに失敗し、帰路につく途中である。
そんな時、ある看板が目に入った。
「ん?・・・カフェ『サレナ』?へぇ、新しい喫茶店出来たんだ」
何気なく入ったオシャレな喫茶店・・・これが全ての始まりだった。
「クリームソーダを一つ、あとソーセージ盛り合わせ」
「はい、畏まりました」
思いの外、喫茶店内は静かで過ごしやすく、なかなか良い店であり、虚は外での喧騒を一時忘れ、この静寂に身を委ねる。
(良い雰囲気ね・・・リア充への憎悪で傷ついた私の心を癒してくれるようだわ・・・暫くは外の事を忘れて、この静寂に身を包んで・・・)
しかし、その時だった・・・
『キャー!ロラン様ぁ〜〜〜〜!!!!』
馬鹿でかい黄色い声が耳をつんざく。
何事かと思い振り返ると、そこには銀髪のイケメン系女子とそれを取り巻く女達の姿があった。
(アイツは・・・確か二学期から学園に編入してきた、オランダの留学生の?)
ロランツィーネ・ローランデルフィネィ。通称ロラン。
オランダからやって来た歌劇団出身の少女で中性的な外見で女子達からいつも囲まれてる女である。
「ありがとう、子猫ちゃん達。でも、これ以上は店に迷惑が掛かるから、続きはまた明日ね♪」
取り巻き達をあしらうロランは優雅な仕草で席に着く。
そんな様子に虚はため息を吐いた。
(フン!くっだらない・・・同性にモテて何の意味があるんだか?
ま、私にとってはあんな馬鹿共なんて興味無し。毒にも薬にもならない馬鹿な連中でしかないわ。
せいぜい非効率的な関係を楽しんでなさい)
心の中で盛大に毒づき、テーブルの上の飲み物と料理を味わおうとする虚だったが・・・。
「・・・行ったか」
「ん?」
何やらロランから疲れ果てたような声が上がり、怪訝に思って再度振り返る虚。
これこそが全ての起点となる・・・
「何で女ばっかりなのぉ〜〜〜〜っ!?
オランダにいた頃からずっとコレ!!私はちゃんと男の子と恋愛したいのに!!
イケメンの男の子捕まえて彼氏にしたいだけなのに!!
寄ってくるのはいつも女ばっか!!そりゃ私は背が高くて中性的だけどさ、1人ぐらい男が寄ったって良いじゃない!!
何で私には彼氏が出来ないのぉ〜〜〜〜っ!?」
「!!?!?!??!?」
虚の体が稲妻に打たれたかのように硬直する。
イケメン系女子の裏の顔は他ならぬ自分と同じ非リア充だったのだ!!
いても立ってもいられず、虚は立ち上がりロランへと近付いた。
「そ、そこのアナタ!!」
「な、何だい?・・・あ、アナタは生徒会長の・・・フッ、今の言葉を聞いて、嘲笑いにでも来たのかい?」
思わぬ接触にロランは自嘲気味な笑みを浮かべるが・・・
「分かるわ!その惨めな気持ち!!」
「へ?」
待っていたのは虚からの暖かい言葉と、その手を優しく握る慈愛の握手だった!
「辛かったでしょう!苦しかったでしょう!!
分かりますとも!!私もアナタと同じ、イケメン彼氏を求める哀しき女戦士なのだから!!」
「な!?」
思わぬ言葉にロランは驚愕し、目を見開く。
冷徹で合理的な生徒会長として名を馳せる虚が自分と同じかそれ以上の哀しみを背負っているなどとは思ってもみなかったのだ。
「私もね・・・アナタと同じなのよ。
周りは4歳差のエリートカップル(一夏と真凛)、幼馴染の武闘派カップル(弾と鈴音)、地味な癖して年下彼氏持ちのメイド(子分メイドと透)と、3組ものカップルに囲まれて!
毎日のように悔しい思いをして・・・!!
その言葉にロランの目から涙がこぼれ落ちる。
「あ、アナタも、私と同じ・・・いや、それ以上の・・・!?」
「ロランツィーネさん・・・!!
私達、きっと友達になれるわ!!一緒に乙女ゲーム片手に夜通し語り合いましょう!!」
「せ、生徒会長さん・・・!!」
「虚で良いわ・・・」
「わ、私の事もロランと呼んで!!
一緒にリア充への妬みを吐き出しましょう、虚!!」
「ああ、ロラン!!私は今、魂の友・・・ソウルメイトを見つけたわ!!」
こうして、虚とロランという厄介極まりないコンビが爆誕したのだった。
・ ・ ・ ・ ・
その頃、織斑家では・・・
「最近この辺りでロマンス詐欺が横行?被害総額1000万・・・。
まだこんなセコい手口の犯罪やってる奴いるのか?」
スマホのネットニュースを眺めながら、一夏は呆れたように呟いたのだった。
遂にアキブレからのキャラが参戦です。