ジュラシック・ワールド2 パラレル   作:リナ

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後編 2話(HAPPY)

部屋の外へ出ると騒がしい気配を感じた。 この近くには何故か誰もいないが、上階からバタバタ走り回るような音も聞こえる。戦えはするけれど、多人数と闘うのは不利なのでバレて騒ぎにならないように隠れて移動する。

 

優先すべきはお兄ちゃんだ。

檻から出してあげないと。

 

以前間取りを探っていた為、お兄ちゃんのいた檻には直ぐにたどり着けた。

 

「いない…!?」

 

いなかった。何処かに移されでもしたの?

 

そんな事を思っていると、近くの方で此方へ向かってくる足音が聞こえる。…人の気配が近づいてきた。好都合な事に1人だ、捕まえて吐かせる。

 

曲がり角に身を潜め、近づいてきたところを尻尾で捉える。もちろん騒がれないように口をてで押さえる。研究員の男だ、流石にお兄ちゃんの居場所は知ってるだろう。

その人間の表情から察するに「何故コイツが外に出てるんだ!?」というような表情をしている。そりゃそうなるだろう、地下に幽閉されてる筈の実験台が出てきてるんだから。

 

「質問に答えろ、騒げば殺す、解ったか。」

 

低い声で睨み付けながら脅迫すれば、男は青ざめた表情でうんうんと首を縦にふった。

 

「インドラプトルの居場所は。何故此処にいない。」

 

騒げば何時でも殺せるように、喉元に尾を滑らせる。力をこめれば一発で首の骨が折れるだろう。

 

「インドラプトルは上の階の会場になっている広間にいる。オークション会場で試作品として見せ物にしているだけだ…話しただろ、さっさと解放してくれ!!」

 

見せ物と言われてこめかみに血管を浮き上がらせる。いつまでもいつまでも、道具扱いしやがって…!!

 

「騒げば殺すと言ったけど、話せば解放するとは言ってないから。…お前のような奴の存在が不快だ、死ね。」

 

尾に力を込めれば、男の首はゴキリと音を立てて呆気なくへし折れる。殺しの知識で、首の骨が折れること自体が死因となるわけではないのは知っている。いずれ死ぬだろうと、念の為にそのまま男を尾で引きずりながら非常口わ探して上階へ向かった。

 

 

 

恐らく部屋を出た際にバタバタと走り回る音が聞こえた部屋であろう、研究員が言っていた部屋、上階の部屋に向かって歩みを進める。

 

人の気配がしないので、ズルズルと道中引きずってきた男の腕を引きちぎり、肉を食べながら目的地であろう場所に到着した。グチャグャと何かを潰すような、咀嚼するような音。

それに酷い血の臭いと、お兄ちゃんの匂いがする。

 

部屋の隣にあるエレベーターで黒い生き物が人間を食べていた。

お兄ちゃんだ。

 

[イーラお兄ちゃん!!]

 

引きずっていた男をその辺に放り投げて、お兄ちゃんに駆け寄る。

 

[イチ…?お前今まで何処に…]

 

お兄ちゃんがぐるりと振り返り私を視界に入れた。

久しぶりにお兄ちゃんに会えた。感情が高ぶり、ぼろぼろと涙が溢れる。思わず抱きついて擦り寄る。

 

[勘づかれて今まで別の部屋に閉じ込められてたの。お兄ちゃんは見せ物にされたって聞いたけど、大丈夫みたいでよかったよぉ…]

 

[無事だったんだから泣くな、抱きつくな、鬱陶しい!!あとお前、前会った時と性格変わりすぎだ!!]

 

ぎゃーぎゃーと吼えるお兄ちゃんは爪が当たらないように、私を引き剥がす。何だかんだ見かけによらず優しい。

私は"考える"事を始めて前と変わってしまったけど、お兄ちゃんは前に会ったときから変わってなくて安心した。

 

[えへへ…ごめんね。お兄ちゃんのお陰だけど、考えるようになったんだし仕方ないじゃん。あと、お兄ちゃん。此処にいたら危ない。お兄ちゃんの事、試作品だって研究員の人が言ってた。下手したら殺処分されちゃうかも…。私絶対嫌だよ、お兄ちゃんがいなくなるの。此処から逃げよう!]

 

必死に事の重要性を伝えた。人間がお兄ちゃんに足りない完全に望むものができてしまえば、用済みとして殺されてしまう可能性は高い。

大事な家族がいなくなる。そんなの、絶対に嫌だ。

 

[…イチ、お前戦えたな。]

 

今なんでそんなこと聞くの、私の話聞いてた!?何て思ったけど戦えるとだけ返事をした。

 

[よし、なら逃げるより簡単な方法がある。逃げりゃあ追っかけてくる可能性は高い。最重要は組織の頭になる奴を潰さねえとだが…何となくそいつだろうと思った奴の顔は覚えてる。お前は解るか?]

 

多分ミルズさんの事だ。覚えてる。

私はコクリと頷いた。

 

[なら話は早ぇ、手伝えイチ。初めての共同作業だ。そいつを含めて、此処の人間共を皆殺しにするぞ。]

 

お兄ちゃんは何時もの意地の悪そうな表情を浮かべ、口元に弧を描いた。

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