屋敷を走って頭であるミルズを探すというお兄ちゃんの提案に乗り、部屋を後にした。
屋敷を駆け足で散策していると、近くで複数人の気配を感じる。
だんだん近づくと遠目ながら、誰がいるか解った。探していた本命ののミルズも居る。こんなに早く見つかるとは思っていなかったから、探す時間が省けた。
ミルズ以外は、人間5人くらいかな。
お兄ちゃんはミルズの隣にいた銃を構えていた軍人2人に向かって猛スピードで突っ込み、ブチリと音を立てて男を食い千切る。
[獲物が減るのは我慢できねえ。]
口を開いたお兄ちゃんの口元からダラリと血が滴る。
お兄ちゃんの出現で人間達は危険を感じ、一目散に逃げ出した。
私は人間より走るのは早いが、お兄ちゃんよりは多少遅い。
お兄ちゃん早い…私は遅れて到着した。
[二方向に別れたな。俺様は数が多かった方を追う。あのクソチビ、一回殺しかねてるのは我慢ならねえしな。]
[じゃあ私はあの組織の頭潰すね。お兄ちゃん、気を付けてね。]
誰に言ってんだ、ヘマる訳ねーだろ。と言葉を言い残してお兄ちゃんは颯爽と獲物を追いかけていった。
さて、私もあいつを追いかけないと。
人間の脚力程度で私達は撒けないしね。
ぐぐっと足に力を込めて走り出せば直ぐにミルズに追い付く。血が滲む程に爪を突き立て肩を握ってやれば、苦痛で悲鳴を上げてその場に崩れ落ちた。
「ぐっ、1号…悪かった。もうお前たちには関与しない。だから見逃してほしい…」
「あんた逃がして私達に何の特もないよね。…あぁ、いいこと思い付いたよ。」
私は笑いながら爪でミルズの片足を切断した。
当然、痛みで再び汚い悲鳴が響き渡る。
「今から1分間逃げる時間をあげる。捕まらなければ殺さないであげるから、無様に逃げ回って楽しませてよ!!」
「ぅ、ぐ…ひぃいッ…!!」
腰を抜かしたように、片足から血を流しながらズルズルと這いながら逃げていく様はまるで芋虫のようだ。
あれが自分達を道具のように使っていた人間だと思えば笑いが込み上げてくる。
「ねえ、自分達が作った道具に遊ばれるのってどんな気分なの!?ふふふ…ははははッ!!」
滑稽で、愚かで、汚い人間。だけど、無様に逃げる様だけは私の心を愉快にさせた。
金の為に道具として作り出された人間モドキの少女に、あれから一分後…彼は殺された。
彼の死体は肢体をバラバラに切り裂かれ、爪をもがれ無惨な姿となって。
命を道具のように扱うな、という少女の警告のようにも見えた。