お兄ちゃんとの対面から様々な事を調べようとして数週間。
この屋敷のだいたいの間取り等とお兄ちゃんの牢屋の鍵はだいたい誰が持ってるか等はわかったが、私や恐竜遺伝子の情報に関してはかなり厳重に補完してあり、博士が資料のある鍵を持ち歩いている。
非常にやりずらい。
鍵を忘れていってくれるくらいに良いタイミング、もしくはその資料を持ち出しているタイミングで盗み見るくらいしかない。
そんな難しい情報の中、以外にも早いタイミングで好機は訪れた。
博士が研究資料の部屋の鍵を置いて会議に出て行った。
こんなタイミング、今しかない。
すぐに私は鍵を盗って急いで資料室に向かい鍵を開いた。
大量の研究成果を記したレポートが整理されて置いてある。
その中でも一番厳重そうに保管されている物を見つけ、背表紙見てみると"インドミナスコントロール計画"と書かれていた。
インドミナスと言う単語がひっかかり、ぱらりとページを捲る。
恐竜の兵器転用を目論むインジェン社の契約により、遺伝子操作を行い生物兵器として利用する予定であったインドミナス・レックスは制御不可能により失敗に終わった。
その、インドミナス・レックスの遺伝子を使い軍事用に改良した遺伝子組み換え恐竜、インドミナス・ラプトルと対話し、制御する為の型兵器C・I(コンール・インドミナス)=S1(サンプルワン)の開発に成功した。汎用性を高くするため、大半の恐竜と対話できる声帯に変え、耳はインドラプトルより優れるよう改良している。
高度な知能と身体能を生かし学習させてインドラプトルを手なずけれれば、インドラプトルと共に戦場で活躍する優れた兵器になるだろう。
使った遺伝子はインドミナス・レックス2割 インドラプトル4割 人間の遺伝子は…
気分が悪い。私の事もお兄ちゃんの事も人間の争いの道具としてしか考えられていない。その争いの中で傷付くのは私達だというのに、それをさも当たり前かのように綴られたこの文章に腹が立った。
そんな胸くそ悪い1ページにさっと目を通せば、ブシューと部屋の中に白い煙が流れ込んできた。集中していたからか気づくのが遅れた。
「げほっ、げほっ…」
恐らく吸入麻酔薬か催涙ガスか何かだ。
気付かれたか、と思い急いで部屋から脱出を試みる。
後ろを振り返った瞬間、数発の発砲音が部屋に響き渡り、体がドチャリと音を立てて流れた血の滴った床に倒れ込んだ。
腹部と脚ををやられた。意識が遠退く中、目にしたのは数人の軍人と博士の姿だった…私の意識はそこで途切れた。