ジュラシック・ワールド2 パラレル   作:リナ

5 / 20
前編 4話

目を覚ませば、そこは牢屋の中だった。

手足は私の力では壊せないような鎖に繋がれ、自由は奪われている。

弾丸を打ち込まれた腹部と足は、何事もなかったのように打たれる前の状態に戻っている。

口は猿轡がつけられ、まともに声を上げれないし、尻尾もぐるぐる巻きにされ固定されている。用意周到な事だ。

 

きっと、博士が鍵を置いていったのはわざとだ。私が何か探っていたから泳がせて捕まえたんだろう、情けない。そこまで頭が回らなかったことを悲観していたところに、ギィ…と牢屋の扉が音を立てる。

 

入ってきたのは屈強な肉体を持った私が見たことの無い男だった。

 

「お嬢ちゃん。恐竜と人間の遺伝子で作られた、頑丈な人間モドキの恐竜操作兵器として作られたんだって?」

 

人間モドキ?お前等がそうであるように作り出したんだろ、家族だと解ったお兄ちゃんを操作なんてするもんか!

 

否定するように頭まで振って暴れるが、自由が効かずガチャガチャと鎖が音を立てる。

声もでないので、猿轡の端からグルルと獣のような唸り声が漏れるだけだ。

 

「うわっ!唸り声もそうだけど、本当に肉食恐竜みたいに物騒な暴れ方だな。おっかねぇ…けど、自分の立場を弁えた方がいいぜ。これからお嬢ちゃんは、人間様の言うことを聞くように拷問されるんだからな。」

 

一瞬は肩を震わせ驚いたものの、私が襲いかかれない様子を見ては「何だよ驚かせやがって、雇い主のミルズさんからの指示だから恨むなよ。」と言いその男の人は私の体を数発、恐らく全力で殴り付けてきた。鈍器で殴られたかのような痛みが何度もぶつけられる。

 

痛い。 痛い。 痛い。

 

治りかけてきた傷から衝撃でじわりと血が滲み出す。

 

最初から道具として見てこられた私には、出来て当たり前。やれて当たり前。そんな人間達の道具としての知恵や知識しか教えてこられず、期待はされていたけど誰かが愛情を与えてくれた事もなかった。

 

きっと、お兄ちゃんもこんな気持ちだったのかな。

都合のいいように作られて、言うことをを聞かなければ痛い目にあわされる。

私達は、道具じゃない。作られてはいるけど意思もあるし、生きてるのに。

 

 

いつか、ここを出て人間なんて食い殺してやる。

私が生きる残る為には、至極当たり前の事だよね。

 

自分で意地の悪いと思っていた、兄の意地の悪そうな顔と瓜二つの笑みを浮かべてニヤリと嗤った。

私はあれほど嫌がっていた痛みに耐える選択をする。

 

 

いつか、此処を出てお兄ちゃんと一緒に外の世界へ出るために。

 

 

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。