目を覚ませば、そこは牢屋の中だった。
手足は私の力では壊せないような鎖に繋がれ、自由は奪われている。
弾丸を打ち込まれた腹部と足は、何事もなかったのように打たれる前の状態に戻っている。
口は猿轡がつけられ、まともに声を上げれないし、尻尾もぐるぐる巻きにされ固定されている。用意周到な事だ。
きっと、博士が鍵を置いていったのはわざとだ。私が何か探っていたから泳がせて捕まえたんだろう、情けない。そこまで頭が回らなかったことを悲観していたところに、ギィ…と牢屋の扉が音を立てる。
入ってきたのは屈強な肉体を持った私が見たことの無い男だった。
「お嬢ちゃん。恐竜と人間の遺伝子で作られた、頑丈な人間モドキの恐竜操作兵器として作られたんだって?」
人間モドキ?お前等がそうであるように作り出したんだろ、家族だと解ったお兄ちゃんを操作なんてするもんか!
否定するように頭まで振って暴れるが、自由が効かずガチャガチャと鎖が音を立てる。
声もでないので、猿轡の端からグルルと獣のような唸り声が漏れるだけだ。
「うわっ!唸り声もそうだけど、本当に肉食恐竜みたいに物騒な暴れ方だな。おっかねぇ…けど、自分の立場を弁えた方がいいぜ。これからお嬢ちゃんは、人間様の言うことを聞くように拷問されるんだからな。」
一瞬は肩を震わせ驚いたものの、私が襲いかかれない様子を見ては「何だよ驚かせやがって、雇い主のミルズさんからの指示だから恨むなよ。」と言いその男の人は私の体を数発、恐らく全力で殴り付けてきた。鈍器で殴られたかのような痛みが何度もぶつけられる。
痛い。 痛い。 痛い。
治りかけてきた傷から衝撃でじわりと血が滲み出す。
最初から道具として見てこられた私には、出来て当たり前。やれて当たり前。そんな人間達の道具としての知恵や知識しか教えてこられず、期待はされていたけど誰かが愛情を与えてくれた事もなかった。
きっと、お兄ちゃんもこんな気持ちだったのかな。
都合のいいように作られて、言うことをを聞かなければ痛い目にあわされる。
私達は、道具じゃない。作られてはいるけど意思もあるし、生きてるのに。
いつか、ここを出て人間なんて食い殺してやる。
私が生きる残る為には、至極当たり前の事だよね。
自分で意地の悪いと思っていた、兄の意地の悪そうな顔と瓜二つの笑みを浮かべてニヤリと嗤った。
私はあれほど嫌がっていた痛みに耐える選択をする。
いつか、此処を出てお兄ちゃんと一緒に外の世界へ出るために。