少年Aは神殺しである。   作:千点数

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 エースがまたやらかします。


3:牢獄の中で

 サイレンが五月蝿く鳴る。

 ある組織・・・・・・大社の地下独房にて、騒々しい足音が幾つも響く。

 

 「あの祟り野郎ォ~、逃げだしやがった!」

 「向こう側へ行って下さい!僕はこちらを!」

 「それでは、私はあっちを」

 

 そう、あの馬鹿・・・・・・少年A、もといエースが逃げ出したのである。

 ちなみに。

 

 「コレで四十八回目ですよ!?」

 「ったくなんであいつ片腕だけで鉄格子捩切れるんだよ!?大太刀没収しといたのに意味ねーよ!!」

 

 脱走王である。

 ・・・・・・そして、何回も脱走している、ということは。

 

 「はぁ、またか」

 「行こう。あの人を捕まえに」

 

 ・・・・・・勇者と呼ばれる少女達が、端末で連絡を受けて腰を上げる。

 

 「今度こそ!あんの勇者から逃げきってやるぜぇー!」

 

 約十分後。

 

 エースの悲鳴が大社本部のエントランスで上がった。

 

 *

 

 「おら、今度は脱走すんじゃねぇぞ!」

 「ちくせう」

 「今度はタングステン製の格子だ。まったく、鉄格子をなんで片腕で捩切れんだよ本当にぃ・・・・・・」

 

 という訳で。

 合計四十九回目の脱走は、失敗に終わったのだった。

 

 「ッ、クソッタレ!」

 

 ガン!と、エースは壁を叩く。

 

 「シャバの空気吸いてぇのにコレじゃあ気が滅入るぜ・・・・・・」

 

 参っているようである。

 馬鹿な物言いがなっていない。

 完全に気が落ちている。

 

 その時。

 足音がしたと思えば、声がかけられた。

 

 「おい、嵐男。そろそろ脱走を諦めたらどうだ」

 「俺を出してくれりゃあ鉄格子引きちぎってまで脱走しねぇ、っての。ったく、歌野達が俺のこと心配してねぇかなぁ・・・・・・?」

 「・・・・・・大丈夫だ。むしろ、お前の心配ではなく四国の未来を心配していた」

 「あんのロリ帰ったら、レール無し空を飛ぶジェットコースターの刑だな」

 

 さて。

 エースに声をかけたのは、ここ、四国を護る勇者である乃木若葉である。

 諏訪にいる歌野と同じくらいの年頃の女の子だ。

 

 「あー、マジで憂鬱。出せよー暇だよー・・・・・・」

 「・・・・・・それなら、コレを」

 

 渡されたのは、とある携帯ゲーム機。

 

 「流石に哀れに思えてきたのでな。暇潰しにやると良い」

 「マジで!?ありがとう!」

 

 何ともチョロい、エースだった。

 

 *

 

 後に。

 

 『Cシャドウ』というゲームのトッププレイヤーを追い詰め、首に手をかける程の実力を持つポッと出のプレイヤー、『少年A』が四国内の動画サイトで有名になるのだが・・・・・・それはまた、別の話。

 

 まあ、それ程先の話という訳でもないのだが。




 さて。
 次回。

 エースが、この世で最も命知らずな事をします。
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