少年Aは神殺しである。   作:千点数

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 馬鹿、やらかす。


4:馬鹿、やらかす(いつもの事)

 さて。

 現在。

 

 「コロス」

 「に、逃げるだぁー!」

 

 少年A・・・・・・エースは、眼を妖しく光らせ、修羅の雰囲気を纏い、獲物である生太刀を抜いて切りかかってくる四国の勇者・・・・・・乃木若葉から逃げ回っていた。

 

 時に一般家屋の屋根に飛び乗り、時にアスファルトで舗装された道路の上を疾走し、時に山奥を駆け抜ける。

 

 エースは必死である。

 何せ、捕まれば命はないのだから。

 

 何故こんな命懸け(片方のみ)な鬼ごっこになったのか。なって、しまったのか。

 

 まあ、馬鹿がやらかした事は確かなのだが、一応回想することにする。

 それは、最早日常と化したエースの脱走直後の事である。

 

 *

 

 合計で百十七回目の牢獄からの脱走に成功したエースは、大社の建物内部を全力疾走していた。

 

 「俺を高々牢獄にぶち込んで二十四時間の監視員と監視センサーカメラ付けてロープでグルグル巻きの蓑虫(みのむし)状態にした程度で脱出不可能であると思うたか、ってんだ! 穴だらけのガバガバなんだよぉ! ハーハハハ!」

 

 高笑いしながら、大社の施設内を駆け抜けていくエース。

 

 だが、ここで問題が。

 

 廊下の陰から巫女の上里ひなたが出てきたのである。

 そして、それはエースの目と鼻の先。

 

 当然ぶつかる。

 

 「どぅわぁ!?」

 「きゃあ!?」

 

 派手にぶつかり、まるでギャグ漫画のようにすっ転ぶ二人。

 

 ・・・・・・普通であれば、この後謝って終わる、のだが・・・・・・転び方が少々アレであった。

 

 なんと、エースはひなたのスカートの中に顔を突っ込んだ状態になってしまっていたのである。

 どう転べばそうなるのか解らないが、理解出来ないが、そうなってしまったのである。

 ラノベのお約束のような展開に焦り、エースは一瞬思考停止してしまうが、直ぐにどいて謝る。

 

 「ゴ、ゴメンナサイ」

 「い、いえ・・・・・・」

 

 先も言った通り、普通であれば、コレで終わり、なのだが・・・・・・・

 

 ここで、エースにとんでもない不幸が訪れる。

 

 「・・・・・・」

 

 まるでシベリアにいるかのような寒気がして、エースは直ぐに起き上がり、背後を振り返る。

 ・・・・・・そこには、ハイライトをどこかに落っことしてきた若葉が立っていた。手に抜き身の生太刀を握りしめて。

 

 「・・・・・・この世から肉片一つ残さず消し去ってくれる」

 

 さて、後は冒頭の通りである。

 

 *

 

 若葉とエースが四国全土で命をかけた(一方的)鬼ごっこをしている頃。

 

 ・・・・・・日輪と見紛うような、さんさんと輝く膨大な神力の塊が、四国に迫っていた。




 次回。

 ちょっぴりバトる。
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