さて。
現在。
「コロス」
「に、逃げるだぁー!」
少年A・・・・・・エースは、眼を妖しく光らせ、修羅の雰囲気を纏い、獲物である生太刀を抜いて切りかかってくる四国の勇者・・・・・・乃木若葉から逃げ回っていた。
時に一般家屋の屋根に飛び乗り、時にアスファルトで舗装された道路の上を疾走し、時に山奥を駆け抜ける。
エースは必死である。
何せ、捕まれば命はないのだから。
何故こんな命懸け(片方のみ)な鬼ごっこになったのか。なって、しまったのか。
まあ、馬鹿がやらかした事は確かなのだが、一応回想することにする。
それは、最早日常と化したエースの脱走直後の事である。
*
合計で百十七回目の牢獄からの脱走に成功したエースは、大社の建物内部を全力疾走していた。
「俺を高々牢獄にぶち込んで二十四時間の監視員と監視センサーカメラ付けてロープでグルグル巻きの
高笑いしながら、大社の施設内を駆け抜けていくエース。
だが、ここで問題が。
廊下の陰から巫女の上里ひなたが出てきたのである。
そして、それはエースの目と鼻の先。
当然ぶつかる。
「どぅわぁ!?」
「きゃあ!?」
派手にぶつかり、まるでギャグ漫画のようにすっ転ぶ二人。
・・・・・・普通であれば、この後謝って終わる、のだが・・・・・・転び方が少々アレであった。
なんと、エースはひなたのスカートの中に顔を突っ込んだ状態になってしまっていたのである。
どう転べばそうなるのか解らないが、理解出来ないが、そうなってしまったのである。
ラノベのお約束のような展開に焦り、エースは一瞬思考停止してしまうが、直ぐにどいて謝る。
「ゴ、ゴメンナサイ」
「い、いえ・・・・・・」
先も言った通り、普通であれば、コレで終わり、なのだが・・・・・・・
ここで、エースにとんでもない不幸が訪れる。
「・・・・・・」
まるでシベリアにいるかのような寒気がして、エースは直ぐに起き上がり、背後を振り返る。
・・・・・・そこには、ハイライトをどこかに落っことしてきた若葉が立っていた。手に抜き身の生太刀を握りしめて。
「・・・・・・この世から肉片一つ残さず消し去ってくれる」
さて、後は冒頭の通りである。
*
若葉とエースが四国全土で命をかけた(一方的)鬼ごっこをしている頃。
・・・・・・日輪と見紛うような、さんさんと輝く膨大な神力の塊が、四国に迫っていた。
次回。
ちょっぴりバトる。