少年Aは神殺しである。   作:千点数

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 お久しぶりです。

 ・・・・・・この小説、忘れられてはいないでしょうか・・・・・・。

 待ってる人とかいるのかなぁ(不安)


5:二つの太陽

 四国の勇者、乃木若葉との命懸けの鬼ごっこから、命からがら逃げ切った少年A・・・・・・エースは、屋根の上で日の出を見ていた。

 

 「まっさか夜通し追いかけて来るとはなぁ・・・・・・途中で大社の機動部隊も出てくるし・・・・・・つーかあの身体能力ホントに小学生かよ。あの乃木とか言う奴」

 

 ぶつくさ言いながら、夜通し逃げていた為に重い瞼をこすりつつ、目を細めて日の出を見つめるエース。

 

 「んぁ? 何じゃありゃ」

 

 ここで。

 一つ、エースはおかしいものを見つけた。

 

 太陽が昇ったあと、もう一つ太陽が昇ったのだ。

 

 「オイオイなんだよアレは双子の太陽ってか!?」

 

 エースは、とても嫌な予感がした。

 

 *

 

 嫌な予感は、ほぼ的中した。

 双子の太陽は、四国全土の気温を上げ、最高気温が四十五度にまで昇った。

 まだ春なのにも関わらず、熱中症患者が続出し、病院はてんてこ舞いとなった。

 

 「また熱中症か! まだ春だろう!? なんで気温こんなに上がってるんだよ!?」

 「知りませんよ! 文句ならお天道様に言って下さい!」

 「太陽この野郎ーーーー!」

 

 さて。

 こんな現象が起きれば、この世界の事情を知る人であるならこう考えるだろう。

 

 『神、若しくはそれに伴うナニカが攻めてきた』と。

 

 そして、そんな事態に我等が愛すべきおバカさん(エース)が反応しないわけがなかった。

 

 *

 

 実際、反応したのはエースだけではなかった。

 大社も、神託によって事の次第を把握し、勇者の投入を予定した。

 ・・・・・・が。

 

 「勇者様が倒れた!?」

 「ああ、伊予島様と(こおり)様、そして乃木様が・・・・・・ッ」

 「残りのお二方は!? 巫女の上里様は!?」

 「部屋でエアコンを効かせた状態で待機して貰っている。恐らく外に出れば他の皆様と同じような事になるぞ」

 「・・・・・・っくそ、天の神はとうとう人類を・・・・・・!」

 

 天の神は、実は直々に手を下そうとは余り思ってはいなかった。

 先兵(バーテックス)の数を揃え、物量で仕掛ければ良いだけなのだから。

 

 ・・・・・・だが、そういう訳にもいかなくなったのだ。

 

 神を殺せる、エース(バカ)という少年が表れたのだから。

 

 *

 

 一方。

 話の中心である馬鹿と言えば。

 

 「あちー。なんだよこれ頭が沸騰しそうだ」

 

 パーカーのフードを被り、直射日光から頭を守りながらつい先ほど通常の(・・・)太陽の(・・・)進路から(・・・・)外れた(・・・)、双子太陽の内の一つの元に駆け足で向かっていた。

 アレはすぐにでも追い返さなければならないと、直感が判断した瞬間、エースは駆け足で走り出し、今は瀬戸内海の上で静かに佇んでいる太陽に向かい駆けていく。

 だんだん太陽に近づくにつれて、体感温度が上がっていく。

 ポタリと落ちた汗が音を立てて蒸発し、アスファルトで舗装された地面からは陽炎が見える。

 

 「ハーッ、ハーッ・・・・・・暑い。これも全て・・・・・・」

 

 あの神のせいだ。

 

 *

 

 エースは進む。

 自らが目標とした、『太陽を殺す』為に。

 このゆだるような暑さを元に戻す為に。

 長い間牢屋に拘束されていた鬱憤を晴らす為に。

 

 ・・・・・・神を、殺す為に。




 次回。

 少年A(エース)、太陽、激突。
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