少年Aは神殺しである。   作:千点数

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 多分、次から新しい章に入ります。はい。


幕間:神殺し

 少年A・・・・・・エースが神殺しである、という事は、あまり諏訪の人々に周知されていない。

 というのも、彼が『男の勇者』だと思われているからだと思われる。

 『神を殺す』事よりも、『男の勇者である』という方が信じやすい、というのもあるだろう。

 

 ・・・・・・まあ、この二人は、エースがどんな存在なのかハッキリと解っているらしいが。

 

 「エースさん。残った左腕の調子はどうですか?」

 「地味なウザい痛みが左腕にすること以外は得に何も」

 

 一人は、巫女の藤森水都。

 

 「うーん、むにゃむにゃ・・・・・・」

 「俺の膝の上で勝手に寝てんじゃねぇ。起きろ」

 

 もう一人は、この諏訪の地を守護する勇者、白鳥歌野。

 

 どちらも、小学生であり、その幼さで、『人を守る』という使命を背負わされた少女である。

 そして、この二人だけが、『神の力を諏訪で最も近く感じている』この二人だけが、エースが紛れも無い神殺しであると、知っている。

 それを知ってなお、エースに懐いているというのは、この娘達の人柄か。

 

 こんなロリッ娘共を勇者として選抜するとは、全く、業の深い神様だ。と、エースは心の中で悪態をつくと、残った左腕で自らの身体にしがみついて寝ている歌野の頭を撫でつつ、自分という存在(馬鹿)について考える。

 

 神々を殺す。

 そんな馬鹿げた事をやらかしたのが、エース・・・・・・神殺しだ。

 だが、それ以上でも、それ以下でもない。

 

 神殺しとは、ただの(・・・)、神を殺したという事実があるだけの人間である。

 

 神を神たらしめる権能を簒奪した訳でもない。

 神の血を浴び、対神専用決戦兵器になった訳でも、どこぞの龍殺しよろしく肉体が硬質化したという訳でもない。

 

 神とまとも打ち合えば吹き飛ばされるし、稲妻を受ければ黒焦げになる。

 神殺しとは、本質は人間とほぼ変わらないのだ。

 

 だが。

 エースは、そんな存在でありながら、二度も奇跡のような出来事を成し遂げた。いくら神殺しは馬鹿にしかできないとは言え、そう何度も出来る訳ではない。

 

 神を殺し、祟りと呪いを受けただけの一般人が、どうしてこうも、右腕を失う(・・・・・)だけで、神殺しを二度も成せたのか。

 エースは、不思議でならなかった。

 

 不老不死の呪いで、いくら死なないとしても、ただそれだけである。

 死なない、というだけであって、別に身体の一部を失ったら瞬時に再生したりする、という訳ではない。

 現に、稲妻によって黒焦げとなり、(つるぎ)によって切り落とされ失った右腕は、再生せず、肩口からスッパリと右腕が無くなってしまってからは傷口はそのまま塞がってしまっている。

 

 「なんか効果不明の祟りも増えたし・・・・・・」

 

 左腕の、元からあった剣が交差するような模様の祟りに、巻き付くような感じで浮かんでいる稲妻のような形の祟り・・・・・・と、思われるもの。

 二度目の神殺しのしばらく後に、このまがまがしい雰囲気を出す祟り(の、ような何か)が増えた事に気がついたのである。

 痛みはない。ただ、何も無いのが不気味なのだが・・・・・・。

 

 (考えても仕方ない、か)

 

 馬鹿が考えたところで何か思いつく訳でもない。

 

 だが、確信出来た事が一つあった。

 

 (神を殺せたのって、間違いなくコイツのおかげだよなぁ・・・・・・)

 

 そう考えて、ふと横に目をやると、そこにはシンプルな造りの鞘に入った、何だかそれ自体が光り輝いて見える大太刀。

 

 今思えば、化け物・・・・・・バーテックスを殺せたのも、この大太刀のお陰か、と、エースは思った。

 全く、良い広いものをした訳である。

 そして今回。

 もう一つ、剣が増えた。

 喜ばしい事である、のだが・・・・・・

 

 (片腕じゃ使えねぇよ!)

 

 ・・・・・・隻腕となった今では、エースにとっては無用の長物であった。




 少年Aは、次の章では想像もつかないような事をやらかします。
 (馬鹿なので)
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