ただそれだけの物語   作:もっち~!

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禁断症状

 

夜、寝ている僕は、何者かに襲われた、僕を夜襲する?有り得ないだろうに。

 

「お前は何者だ?」

 

問い掛けをスルーし、問答無用って感じで、黒い女が僕を襲ってきた。闇属性の攻撃…効きませんが…何か?

 

「ふ~ん、単なる影だと思っていたけど、胸が揉めるんだね♪」

 

黒い女の懐に入り込み、胸を揉みながら押し倒した。

 

「やめろ~!」

 

叫ぶ女。

 

「ここは、どうなっているんだ?」

 

股間に手を伸ばした。ふむ、人間と同じなのか。では♪

 

「やめろ~!汚らわしい~」

 

闇属性の黒い女に言われたく無い。

 

「なんで…心臓が無いの~」

 

黒い女が僕に何かをしたのだが、僕に恐怖を感じ、女の声が震えている。

 

「戦闘特化生物なんでね、戦うことと、女体とヤルこと以外に、することが無いから、そういう面倒な臓器は無いんだよ♪」

 

形勢逆転したようだ。そうか、心臓にダイレクトに攻撃かぁ。それは即死クラスの攻撃だわな。

 

「やめてください…」

 

もう、入っていますが…う~ん、淡泊だな。そんなに気持ち良く無い。単なる筒のような感触である。そこまではコピーしていないのか。手抜きだな。

 

「じゃ、上の口で奉仕してくれる?」

 

「イヤです…ごめんなさい…」

 

黒い涙が零れるように見える女。だけど、涙は床に滴下はしていない。コイツ思念波か?

 

「僕の奴隷になれよ~♪」

 

「なれません」

 

問答無用に、魔具である『奴隷の首輪』を、女の首に嵌めた。

 

「ふふふ、どう?性の奴隷になった気分は…」

 

って、女は霧散するように消えた。床には首輪だけが残っている。う~ん、実体に嵌めないと効果は無いようだ。

 

 

「兄さん、襲われたんですか?物好きがいるんですね~」

 

って、ヤマト。

 

「たぶん、あれが『死に戻り』の原因だろうな。心臓を撫でようとしていたから」

 

闇属性の者で無くても、心臓をダイレクトに触れば、大抵死んでしまうだろう。

 

「正体は何者ですか?」

 

「記憶が読み取れなかったよ。思念波に近いのかな。伝わって来たのは、ナツキ・スバルと一緒になりたいって、願望だけだよ」

 

スバルの魂は僕が預かっている。だから、僕をスバルと誤認させられたんだろうけど。どうするかな…情報が足り無すぎる。そもそも、一緒になりたいのであれば、何故殺すのかが疑問である。霊体、もしくは魂でないといられない場所にいるのか?となると、『死に戻り』をさせている人物とは別の可能性があるなぁ。戻ることで、生き返る訳だし。う~ん…奥が深い事案だ。

 

「そうだ。魔女教の司祭は見付かったか?」

 

あのオカッパは苦手である。

 

「まだです。見付かり次第、掃除しますよ」

 

ヤマト共に闇の世界でのミーティングを終えて、地上へ戻ってきた。

 

 

食事の後、屋敷内の探険に…ドアを開けると書庫に出た。金髪でドリルツインロールの少女が、僕の前に立ちはだかった。

 

「あんた、誰?」

 

「ベアトリス…契約をしたい。あぁ、お前には拒否権は無い」

 

速効で、僕の仲間のベアトリスと、同化吸収させた。

 

「久しぶりだなんて、思わないわよ」

 

って、僕に抱きつき、肩車を強請る少女。彼女の希望を叶えて上げた。

 

「取り敢えず、この世界の書庫の本のチェックを頼む」

 

「アンタの願いなんて、叶えてあげないかしら」

 

嬉しそうに、僕の頭をペシペシ叩いている、ツンデレ妖精のベアトリス様♪

 

 

次に村へ…村人達の要望を、老若男女を問わずに、一人ずつ訊いて廻る。直ぐに叶えられそうな物は、叶えていく。難しい物はエミリア達と相談だな。

 

屋敷に帰ると、お客さんが来ていた。

 

「スバル…会いたかった♪」

 

僕が目に入ると、僕に駆け寄り抱きついて来たお客様。

 

「クルシュ…どうしたんだ?まだ1ヶ月も経っていないぞ」

 

「会いたかった…3日くらいが限界…」

 

それは短すぎるだろ?せめて、1週間は保って欲しいなぁ。

 

「フェリス、お前、止めろよ!」

 

「僕も会いたかったんだよ~」

 

お前もかよ~。じゃ、しょうがないか。

 

「会ったから、もういいか?」

 

クルシュが強く抱き締めてきた。帰りたくないオーラが滲み出て来ている。しばらくさせたいようにさせて、落ち着いた処で、用件を訊いた。

 

「エミリア様に、私の想いを譲りたい」

 

「え?私にですか?」

 

驚いたような表情で、クルシュを見つめるエミリア。

 

「もし、私が王になったら、エミリア様に代理執行をしてもらいたい」

 

「どうしてですか…」

 

「スバルに言われたの。私のしたいことと、エミリア様のしたいことは相反しないと。だから、私のしたいことを、エミリア様に託したい」

 

それって…そういうことか?フェリスを見ると、Vサインをしてきた。

 

「スバル…私は、どうすれば良いの?」

 

「エミリア様のしたいように…って、無責任か。是非、クルシュの申し出を受けて貰えませんか?僕の任務は、王選が終わるまで、エミリア様の騎士でいることです。終われば、国へ帰還しないと行けないのです。その時、クルシュとフェリスが同行したいと申し出ているのです」

 

「そうなんだ…でも、私、王になれるか、わからないよ。銀髪のハーフエルフだし…」

 

「だから、クルシュが王になったら、代理で執行して欲しいんだよ。その時、エミリアのしたいこともすれば良い」

 

「なんか、後ろめたいけど…」

 

困ったような表情を浮かべるエミリア。

 

「気にしちゃダメだよ♪」

 

「スバルったら…」

 

問題は、王選までクルシュをどうするかだ。3日で禁断症状か…これは予想外である。いや、重症と言うか。今まで自分を押し殺して来たツケが廻ってきたか?

 

「クルシュは、領地を留守にしていて、大丈夫なのか?」

 

「大丈夫では無いけど…家臣達に後押しされて…」

 

真っ赤な顔で俯いたクルシュ。家臣達にもわかる位、禁断症状が出たのか…王選どころでは無い状況か…

 

「じゃ、3日に一度会いに行く。それで、いいか?」

 

「いいの?ねぇ…」

 

目を見開いて僕を見つめるクルシュ。

 

「転移術がある。ただ、お泊まりはダメかも…」

 

「兄さん、お泊まりでも良いですよ。僕が代わりにエミリア様を護りますから♪」

 

って、ヤマト…

 

「え?スバルの弟さん?」

 

ヤマトに驚くクルシュ。弟なんかいないんだけど…。

 

「初めまして、ナツキ・ヤマトと申します。兄がお世話になっております」

 

僕よりも常識人に見えるヤマト。ズルい…闇属性は僕よりも濃いのに。

 

「そうか…弟さんがいるのか…」

 

フェリスが獲物を狙う目付きになっている。

 

「フェリス、ヤマトにはいるぞ」

 

「え?もういるの…じゃ、スバルきゅん一筋だな♪」

 

男に惚れられてもなぁ…あっ!そうか…

 

「フェリス、連れ帰る時に、お前を女にしていいか?」

 

目が点になるヤマト以外の者達…

 

「お、お、女に…なれるの?」

 

「あぁ、TS術をマスターしているから♪」

 

「いや、僕は男としての誇りが…尊厳が…」

 

有る訳ないだろ?見た目、超かわいい娘なのに…男装の麗人のクルシュを見習えよ!

 

「そうか、イヤならいい。忘れてくれ」

 

「ちょっと、結論が早過ぎるよ~、スバルきゅんの意地悪♪」

 

こいつ、エムなのか?う~ん…男のエムは苦手だぞ。

 

「スバルきゅんの帰る時までに、考えておくから。勝手に結論を出さないでよ~」

 

「あの~!」

 

ラムが声を上げた。これは、珍しい…

 

「お帰りになるとき、私を専属メイドとして、お連れ下さい!」

 

僕に頭を下げたラム。レムも便乗するかの如く頭を下げて来た。

 

「なんか、私だけ留守番みたいな…う~ん…」

 

エミリアが悩み始めた。お前が王になるんだろ?おいおい…

 

-------

 

今夜は屋敷に泊まり、明日帰ることになったクルシュ一行。

 

「ロズワール卿が、ご乱心なんですか?」

 

姿を見せる主は、精神疾患で、療養中ってことにした。まさか、両腕を切り落として、闇の世界に幽閉とは言えないし。

 

「そういうことだ。で、後盾は…」

 

言いたくない…代わりに鬼畜が後盾になったなんて。

 

「兄が言いにくそうなので、僕が代わりにお伝えします」

 

おい!ヤマト…やめろ~!

 

「エミリア様の後盾は、幽玄龍騎士団の団長が受けてくださいました」

 

フェリスの顔から、血の気が失せていく。クルシュは、わからないようだ。

 

「まさか…それって、伝説の騎士団ですよね?実在するんですか?」

 

ヤマトが頷いた。

 

「どんな騎士団なの?」

 

クルシュがフェリスに訊いた。

 

「噂レベルですが、化け物クラスの騎士揃いの騎士団です」

 

いや、噂レベルだが、正解だ。

 

「騎士団の団長は、鬼畜と言われていて、男は皆殺し、女子供は弄んだ上、連れ去るらしいです」

 

概ね正解だ。噂レベル、恐るべし。

 

「どうして、そんな者を後ろ盾に?」

 

そう思うでしょ。僕もそう思う。

 

「ケンカを売る勢力は、少ない方が良いと思いませんか?」

 

ヤマトがクルシュに言葉を投げた。

 

「それはそうですが…」

 

「まさか…」

 

フェリスが声を上げた。どうしたんだ?

 

「スバルきゅん…君のいる騎士団って…」

 

あっ!そうなるよね…

 

「フェリス様、正解です♪」

 

って、ヤマト…

 

「えっ?スバル…」

 

エミリアが僕を見つめている。ここまでかな?そんなエミリアの隣に転移陣が現れ、一人の騎士が現れた。

 

「エミリア様、初めまして。幽玄龍騎士団の小隊長をしておりますファルコンと申します。団長からの言伝です。無駄な殺生はしない。噂を信じないように、だそうです。では、これで失礼します」

 

ファルコンがフォローを入れて、転移していった。一番騎士らしいファルコンなら、信憑性は高く感じるだろう。

 

「見守ってくれているんだ…スバル、ありがとう」

 

何が、ありがとう?何がだ?

 

 

夕食後、フェリスの計らいで、ヴィルヘルムさんと手合わせすることに…この人は強い。どうするかな?

 

「スバル様、この老兵に、本気を見せて下さい」

 

本気って…死んじゃうよ~。ダメだって、クルシュを護って貰わないといけないんだから。

 

剣を抜き、斬り掛かってきて。僕は特に避けずに、攻撃を透過していく。

 

「なんですと…透過能力…」

 

フェリスが試すように魔法弾を撃ち込んできた。それらは吸収していく。

 

「スバルきゅん…何で?魔法が効かないの?」

 

様々な剣技を、僕に叩き込んでいたヴィルヘルムさんは、息が上がってきている。

 

「もう止めた方が良いですよ」

 

「スバル様、本気は見せて貰えないのですか?」

 

「ヴィルヘルム様には死んで欲しく無いのです。わかってください」

 

しかし、更に剣技を繰り出しているヴィルヘルムさん。このままだと、マズい。しょうが無い。見えないラインをヴィルヘルムさんの身体の内部へ侵入させて、心臓を一時的に止めて、再起動させた。

 

その場で倒れるヴィルヘルムさん。次はフェリスだな。瞬動術で懐に入り込み、首の頸動脈の血流を一瞬止めた。その場で失禁しながら崩れ落ちるように、意識を飛ばした彼。

 

「これでいいか?クルシュよ!これ以上は、殺しかねないから。相手を殺さずに戦うって、つらいんだよ」

 

「スバル…あなたは…」

 

言葉を飲み込んだクルシュ。エミリアは固まっている。

 

「じゃ、僕は寝るよ♪」

 

一人になりたくなった僕は、自分の部屋へ戻った。

 

 

 

 

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